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2011年6月27日(月)

ラマダンに立ちはだかられてイラン旅行を泣く泣くキャンセルしたものの、2日休んだら6連休にできるお盆休みは、2日以上の有給を続けて取れないリーマンにとってはやっぱり魅力的。
一人でいいからどこかにふらっと行きたくて、旅行会社のHPを凝視していたあきらめの悪い私は、素敵なコースを発見した。

「ちょっとアフリカの砂漠まで ナミビア・ナミブ砂漠5日間」

「ちょっと」じゃねーだろ!と激しく突っ込みつつも、ホリデー難民にとって5日でおさまるのはありがたい。砂フェチとしてはとりあえず砂漠さえ見られれば満足だしね。
そこで、トランジットだけで日が暮れそうな旅程のハードさは承知の上で、よくよく内容を見てみると・・・・・・旅程というより料金に背骨が折れるほどのけぞった。なんだこのファンタジー映画並みに現実味を欠く料金は!?

「五日間」の内容はというと、香港とヨハネスブルグで乗り換えて、二日目の夕方にナミビアに到着。
三日目はその美貌で有名なデューン45(名前がSFっぽくてたまらん!)や世界最大級の高低差を誇るソススフレイ砂丘を見学。丸一日かけ、大はしゃぎで砂とのふれあいを繰り広げる。
そいでもって四日目の朝にはさらばナミビア、日本へ向かい。五日目に帰国。正味ナミビアには一日半しかいられない計算になるだろうか。

かような日程でお値段298,000円。うーむ、安くはないけど相手はアフリカ、個人ツアーだしまぁ妥当な線なのかなと、もしこの料金だけで済むならブツブツ言いながらも、財布のひもをゆるめたかもしれない。
だが、ここにプラスされる料金が、歌舞伎町のぼったくりランパブばりにエグいのだ!

まずは一人参加の追加料金8万円。
乗り換えが多いだけに空港利用料が大阪、香港、南アフリカ、ナミビアと四カ所かかって13850円。
これだけで心が折れそうなところへもってきて、とどめとばかりに燃料サーチャージ。乗り換えするたびに付加されて、鬼のトータル97000円!

はいっ先生!(手を挙げてます)「燃料油価格調整金」とも呼ばれる燃料サーチャージって、石油価格の急騰に備えてイラク戦争の頃にはじまったシステムですよね?
それなら原油が最高値の150ドル弱だった頃と、90〜100ドルの今とくらべて、どうして下がるどころかかえって上がっていくんですかー?これは「びんじょうねあげ」じゃないんですかー?

・・・・・・と背筋をのばして質問したいところだが、たとえ消費者が怒りの葡萄と化したとしても、「ふっ・・・それなら船舶で行かれては?」と航空会社にしれっと言われるのが関の山。マルコ・ポーロじゃあるまいし、そいつはさすがに無理がある。

そういうわけで電卓を入れた段階であっさりとん挫したデューン45とのふれあい感謝デー。一日こっきりの砂遊び488,850円也は、さすがの好き者でもようやらんわ。

2011年6月26日(日)

暑い。雨ばかり降ってじとじとしてると思ったら、いきなり脳天に突き刺さらんばかりの真夏級サンシャイン。すでに「キンチョーの夏、ニッポンの夏」の趣ですなあ。

我が家ではすでに蚊取り線香がフル稼動。そいでもって昨夜は暑さと湿気に耐えきれず、ついに初エアコンを入れちまった・・・・・・。まだ6月だってのに自分、許すまじ。罰として腕立て300回!レンジャー!

え?もうエアコン?今からエアコンのお世話になるようでは、灼熱の8月のイランでどうするんですか!となじられそうだが、いやぁ・・・それがその・・・あれだけ見積もりだの航空券だのと大騒ぎしといてまことに言いにくいのだが、ほぼ決定していたイラン旅行はあっさり延期した。
だって今年のラマザン、8月なんですもの!

ご存じの通りラマザン(アラビア語の発音では「ラマダン」だけど、ペルシャ語では「ラマザン」らしい)とは、ほぼ一ヶ月間にわたり、日中の飲食を断つことによって貧しい者に思いをはせ、忍耐を通してアラーへの帰依を示す、イスラム教徒が一年に一度くぐらねばならない苦難の門だ。

夜明けにドカ食いしたあとは、日が落ちて「食べてよしっ!」とサイレンや鐘で合図されるまでは、一切の飲み食い禁止。合図が出るや待ちかねた人々はいっせいに食事をはじめ、再びドカ食い。その光景は異教徒から見るとなかなか趣深いものだが、ダイエットにはあんましよくなさそうな戒律だよな。

もちろん小さな子供や妊婦、病人や老人や旅行者、異教徒は例外として飲食を認められてはいるものの、敬虔な信者になると、水どころかつばすら飲み込むのを我慢するらしいので、そういう人々の横でファンタグレープなんかをグビグビやるのは、異教徒といえどもやっぱ気を遣う。

ならばなぜ私はそんな一大イベントの存在を忘れ去り、ホイホイ見積もりなんぞ取っていたのか?
それは、ラマザンは太陰暦に準じているため、毎年少しずつ前にずれてくるものだということを、きれいさっぱり忘れていたから。

エジプトに年三回だなんてクレイジーな行き方していた頃のラマザンは、気候的に涼しくなった時期。
そのため、ラマザン=秋というイメージがなんとなく植え付けられており、まさか今年のお盆がラマザンまっただなかにあたるだなんて、思いもよらなかったんだよね。

「不肖宮嶋の本読むと、真夏に中東もオツに思える。陸自派遣部隊が50℃のサマワでおでんを食うの読むと行きたい!」
「真夏のイラクで10キロの防弾チョッキ着用の自衛官に比べたら、コート着用なんてシースルー!レッツ苦行inイラン!」

妹ヘボピー(自衛隊マニア)もそんな浮かれたメールをよこしてくるほど、行く気マンマン、テンション↑↑だった我ら姉妹。
だが、気温40℃近いイランでイスラム女性のドレスコード(ロングコート&スカーフ着用)を守るのはギリでなんとなりそうでも、そこへ「水も隠れて飲まなきゃならない」という縛りが加わると、さすがに旅をエンジョイしきる自信がない。
「暑さ」に加えて「乾き」にも耐えなきゃならないって、それはもう楽しい旅行じゃなくて軍隊の演習だっつーの。

そういうわけで、海外旅行は10月に延期にすることにして、イランに備えて暑さに体を慣らす必要がなくなった今、背徳感に苛まされつつも、今夜も26℃設定のエアコンのスイッチをポチッと入れるのである。

2011年6月20日(月)

「ププッ!これはなかなか!」と大喜びで捕捉したものの、帰宅して見直したらべつにどうってことなかった食堂のポップ。

だが、ボツ写真フォルダに投げ入れる間際、テーブルの上に置かれた試作品を前に腕組みして「とんかつ・・・スカイツリー・・・とんかつ・・・とんか・・・ツリー・・・そうだ!とんかツリーでいこう!と己のギャグにひざを叩いて大ウケする老舗の店主を幻視したので、ここは彼もしくは彼女の顔を立て、かつ日本史の一ページを彩る(多分)スカイツリー完成を祝しあげておく。

それにしても3〜4人前3980円って価格設定は高いのかお得なのか?アリなのかナシなのかどうなのか?

眺めているだけで胸焼けしそうな写真に目をこらすと、視認されるのは『デビルマン』の美樹ちゃん首チョンパシーンを彷彿とさせる、竹串にぶっ刺されたプチトマト、トンカツと海老フライ、あとはせいぜい貝柱フライが背景に隠れている?程度だろうか。

となると、一人頭千円強につく勘定。ぶっちゃけ高い。ここにビールでも頼もうものなら割り勘の際、人間関係に微少なヒビを入れかねない。そんなことなら食いたい奴だけカツ丼とか海老フライ頼んどけって話だ。

まぁ少なくともカロリーという一点においては、デルタフォース隊員でも丸一日バリバリ働けそうなほど高いのは確実ということもあり、再度ここは平成史の一ページを彩るスカイツリー完成を祝し、優しい気持ちで「アリ」ということにしておこうか。


おいどん、またまた東京行ってきたでごわす。ちかごろ一ヶ月に一度のペースでごわす。もぉーっ!このままではアタチ破産しちゃうじゃないのよぉ──っ!(ズッ)←『なぜか笑介』のカマっぽい上司をご想像ください。

今回のターゲットは、銀座のフレンチビストロ・マルディ・グラ。

聞くところによればこの店、東京人にはかなり有名らしく、シェフ監修の料理本まで出版されたりして、三週間前から受付開始の予約があっという間に埋まる、上から目線の人気店だそうだ。

いや、正直なところ私はそんな名前、全く知らなかった。
それどころか「マルディグラ」と聞いた瞬間に頭に浮かんだのは、オーストラリアのゲイ雑誌で目にした「地平線まで続く海パン一丁のライフセーバーの群れ」とか「迷彩ボディペイントではしゃぎまくるほぼ全裸の殿方」なんて眼福なパレードの絵であって、「えっ?マルディグラって、ゲイのお祭りのアレだよね?うへへ」とニヤニヤ全開で聞き直して、紹介者であるS氏に軽く聞かなかったフリされたのだが。

とにかくこのマルディ・グラ(「マルディ」と「グラ」の間にワンスペース入るのがめんどくせー)、食べログ他のレビューを見ればこんな感じ。
「彼女を連れて行ったら不評でした(涙)次は男同士で行くぞー!」「がっつりやりたい店である」「肉は噛みしめてこそ!」「食らいつけ!」「引きちぎれ!」「柔らかい霜降り肉なんぞファッキン!」

・・・とまあ多少超訳したが基本的に感想が男くさく、ゆるふわ女子ならドン引きなのはお分かりいただけるだろう。
だからこそ一度行ってみたい!マルディ・グラで肉を噛みしめたい!と思ったのだ。心の中の男女比が男>>>>>>>>女(もどき)である私としては・・・・・・。

だが、レストランレビューは別項にゆずることにして結果だけ言うと、三週間前から執念で席を確保、当日の昼食はもんじゃ半分づつでセーブして腹をすかせて店に向かった我々は、店を出た時には心なしか口数が少なくなっていたよ・・・・・・。

いや、これまで行った中には、飲食店として存続を許可したくない店(※)もあって、無論マルディ・グラはそういうレベルではないのだが、うーん、まあ、期待が勝ちすぎちゃったんでしょうかね。

おまけにマルディ・グラに続けて行った2軒のバー(銀座「ルパン」とペニンシュラ「ピーターバー」)もツッコミどころ満載の大外れで、こきおろすこともまた楽しい、と思える相手と一緒でなければさぞかし気まずい思いをしただろう。

とにかく今回のグルメ旅で確信したことはひとつ。「食べログのレビューってやっぱ信用できねーわ」。これに尽きる。


※・・・・・・テーブルの上のしょうゆさしからしょうゆを入れたら、ピチピチとイキのいいウジもいっしょにまろび出てきた四国のうどん屋など、記憶に残るオヨヨな店はけっこうあるけど、「ひどかった店」でまっさきに思い出すのは、工場夜景バスツアーで川崎駅前に行った際に、ぶらっと入った小料理屋だ。(店名控えときゃよかった・・・)

店に二人いるオバちゃんは客の存在を8割方無視。呼んでもスルー、なにか聞いても木で鼻をくくった返事しかかえってこない。
あまりにも無愛想なので、これがデフォルトなんだろう、もう二度と来ないからいーや、とムカムカしつつも諦めていたら、あとから入ってきた常連の男性陣には人が変わったような満面の笑みとは!

きっと女性客が嫌いなのだろうが、ものにはほどというものが。
どこにでもあるおでん屋だというのに、うっかりテンプル騎士団の秘密集会に迷い込んだような邪魔者あつかい。すぐにカッカくる私は無論のこと、いついかなる時もミスタースポックばりにクールなツレですら、さぁーっと顔色を変えていた。
透明人間気分を味わえる、という意味ではぜひおすすめしたい店だが・・・そんな店いらんわ!(怒)

本文にはぜんぜん関係ないけど、先日会社の元同僚Mと黄色い水玉カボチャを見に行った岡山・直島のたばこ屋。ここが鑑賞チケット販売所らしいからびっくりだ。
島ぐるみで現代美術を盛り上げようとしているらしく、路地を一歩入ると古民家を改造した、なんやよく分からん現代アートがあったりする。

古い民家を改造したカフェ。アートエリアにはこういうスカした店しかなくて、昼食難民と化した我々。
どこでもいいからスカ度の低い店を!と比較的普通っぽいうどん屋に入ったら、これがまた絶句するほどMZUIIIII〜〜〜!

アートエリアの住民は、たとえプロでなくとも庭先の植木ひとつにも気を遣っているのが見て取れる。

だが、天はすべての人に芸術的センスを賦与するほど甘くない。アートな気持ちがほとばしりすぎて、うっかり仏壇状態になってしまったお宅の玄関。

タバコ屋の角を曲がってちょっと行くと、城跡に向かう道があった。大雨の中、足をすべらせながらヨロヨロと階段を登る私と友人Mは、コスト意識が非常に高いタイプ、すなわちケチ。見られるもんはぜんぶ見なきゃソンだもんねっ!

ヒィヒィ言いながら階段を登り切ったとき、私は思わず叫んでいた。「うぁああーっ!なんてきれいな海ーっ!」

だが、まっさおな海かと勘違いしたブルーは、じつは工場のスレート屋根の色。バハマでもあるまいし、雨の瀬戸内でソーダ色の海なんかあるわきゃない。
なぁ、直感だけでもの言うの、ぼちぼちやめようぜ自分・・・・・・。

2011年6月15日(水)

トゥーナ・アル・ジャバルってこんなとこ。焼けた砂でお靴の裏があっちっち。末期王朝期に指先くらいの興味しかない私には、MAXダルい遺跡である。いわんや古代エジプトになんの興味もないヘボピー(妹)にとっては苦行としか・・・・・・。

エジプトのことを思い出すとき、まっさきに心に浮かぶものがある。それは萌えがはじける葬祭殿でも、目がつぶれそうにゴージャスなカイロ博物館のお宝でもなくて、背中をゆがめて足を引きずりながら砂の中を歩いていた子犬の姿だ。

子犬はエジプト中部にある、トゥーナ・アル・ジャバルという末期王朝の遺跡にいた。
犬たちが遺跡の事務所で飼われているのか勝手に住みついているのか分からないが、ゲートで止めた車から降りた私たちを認めると、母親に連れられてひょこひょこ近寄ってきた。この人、なにかいいものくれないかな。

そこで犬どもの期待に応えるべく取り出したのは、海外で移動する際にはワンタッチ(=犬とのふれあい)に備えて携帯している「おみやげ袋」。ホテルのモーニングでかっぱらってきたパンやお菓子が、サンタさんのプレゼントよろしくギチギチに詰め込まれている。

パンをちぎって投げてやると、フガフガ言いながらぱくついた。そりゃあそうだよね、四つ星ホテルで出てくるパン、やわらかくてバターたっぷりで、田舎町の犬ころにとってはびっくりするほど美味いに決まってるよね。

夢中になって平らげたら、「おいしい口」(※)をしながらしっぽを股の間にはさんだまま、ぱたぱた振ってみせた。見るからに臆病な子犬だけど、こんなにいいものをくれる人は悪い人じゃないとちょっと気を許したみたい。

※・・・愛犬家はご存じだろう。犬に美味しいものをやると、そうでないものの時に比べて顔がぜんぜん違うのだ。
口の回りをぺろぺろ舐めて余韻を味わったり、「なんておいしかったんでしょう!」と言いたげに目を細めたりする。こういう表情を我が家では「おいしい口」と呼んでいる。

でも、変な具合に体をかたむけた子犬にじっと見つめられた時、たまらなくもの寂しい気分になった。
「この犬、フィラリアかなにか知らないけど病気だよ」と私はヘボピーに言った。「それか先天的な欠陥か、とにかくあんまり長く生きられそうにない」

エジプトの犬はどのくらい生きるのだろう?人間の平均寿命ですら日本よりもはるかに短いエジプトでは、犬なんぞせいぜい5,6年間ってところだろうか。ましてや一目見て体が悪い子犬とあっては・・・一年だって怪しいものだ。

もちろん犬ころが死ぬなんて珍しくもないこと。でも、遠いエジプトにある二度と訪れることのない場所で、おどおどと尻尾をふっている子犬には、生きることの辛さとはかなさが凝縮されているように思えてきて、なんともいえないもの寂しさが胸にせり上がってきた。
それと同時に砂だらけの街で生まれて、悩みなんぞ抱くことなくあっさり死んでゆくであろう犬の、単純きわまりない一生に対する言いしれない尊敬みたいなものも。

あれからもう6,7年が経ったから、あの子犬はきっともういないだろう。砂の中で人目を避けて死んだのかな、と想像すると悲しくなる。

けれど「そう長く生きられないよ」と自信たっぷりにヘボピーに語った私の予想を見事に裏切って、子牛ほど巨大に成長。肩をいからせてトゥーナ・アル・ジャバルを訪れる観光客を、「ガルルルルウゥウ──!」なーんて歯をむき出して威嚇してたらそれはそれで嬉しいな。


トゥーナ・アル・ジャバルのトキとヒヒの地下墳墓。かつては壁にあけられた穴ひとつひとつに、ミイラに加工され亜麻布でぐるぐる巻きにされた聖なるトキが安置されていたらしいが、我々が行った時にはなぜかひからびたスズメの死骸がひとつ、ぽつりと横たわるのみ。

番人の乱杭歯のオヤジは死んだスズメを指さして、ツタンカーメンの秘宝を見つけたかのようなものすごくいい笑顔を見せてたけど、おっちゃん、それ単なるスズメだから!別に面白くもなんともないから!(怒)

砂漠の街のわんわんちゃん。生後五ヶ月といったところだろうか。体が悪くて仲間にいじめられて育ったからかどうかは知らないが、目つきやしぐさがものすごくおどおどしていた。

うまいうまい。ふかふかの白パンをむさぼり食ってます。こんなことならホテルで余ったパンをもっと持ってくればよかったなあ・・・と、妙なところで厚かましくなりきれない自分がキライになった。

同じくエジプト中部、テル・エル・アマルナの元気なわらべたち。突然パンツ一丁になってどっぽーん!と川に飛び込むもんだからオバちゃんびっくりしちゃったわ。
でも考えてみたらキミが飛び込んだその川、四大文明をはぐくんだ天下のナイル川なのよね。なんか話がビッグよね。

左から二番目のガキんちょは口にくわえた菓子を半分出しておちょけている。いるよね、どこのクラスでもこういうひょうきん者。でも女子にはぜんぜんモテません。
一方カワイイ撮られ方を知っている女の子は、どの国でも男子よりもおませさん。オレンジ色のシャツはきっとパパかおじいちゃんのお下がり。

お調子モノのキミぃ、胸のSPICEってなんなんだね?左のつながり眉の子は、大人になった時にどんな顔になるか容易に想像がつきますね。

「昨日のNY株どうやった?」「ウォルマートが業績予想上方修正でアホ上げ」「ウソおッ!俺、空売りで入っとんのに・・・(ふて寝)」とはぜんぜん言ってないアマルナ・家畜の園。アヒルの模様が日本にはないパターン。パンダアヒル。

2011年6月12日(日)

あなたの記憶に残っている一番古い光景はなんだろうか。おとうさんに連れて行ってもらったヒーローショー?商店街の大売り出しで風に揺れていたセルロイドの花?それともおかあさんのおなかの中の記憶?

母の胎内の光景を記憶に刻めるほど物覚えのよくない私の場合、それはどこかの誰かの薄暗い部屋、そして玄関先に飾られていた「メリーゴーランドの絵のついた洗濯せっけん缶」である。


物心つくかつかない頃から私のメリーゴーランドへの執着の激しさは、法事で親戚が集まると今でも思い出話が出るくらい、はた迷惑なレベルに達していたらしい。

愛の対象が遊園地のリアルメリーゴーランドに向かうのは当然として、おもちゃ(プラレールの「遊園地駅」──模型の電車が止まるとメリーゴーランドがカクカク動く)、イラストつきグッズ、絵本など、微細なメリーゴーランド情報をも、アメリカ国立電波天文台のパラボラアンテナばりに受信していた。

まだ己の名前すらちゃんと発音できない幼児にあるまじきマニアぶりだが、たったひとコマでもメリーゴーランドが書いてある絵本でも発見しようものなら、そいつを掌握するまではバッテリーの切れたアイボのように動かなくなるので、親や親戚はうんざりしつつも、求められるままに買い与えていたそうだ。

おまけに売っているものだけでは足りなかろうと、父は子供部屋の壁全面に貼った紙にメリーゴーランドの絵を描き、叔母は傘に紙でつくった馬をいくつも糸でぶら下げて、「ほーら、メリーゴーランドでちゅよー」とクルクル回していたと聞く。

そんな育て方したら末はろくでなし決定だからヤメテー!と、デロリアン号で過去に戻って言いたいところだが(そしてきっちりろくでなしに成長・・・)、親戚中で生まれたのが一番早く、大人の中のたった一人の子供という玉座に4年の長きに渡り座していられたことは、ま、ラッキーっちゃラッキーと言えるかも。

そんなこんなで、馬鹿な大人たちをあごで使って黒い欲望を満たしていたある日、問題の「記憶に残る一番古い光景」と出会うことになる。


あれは誰の家だったのだろう。どこかの薄暗い文化住宅の扉をギギーッと開けると逆光で、それもなぜかセピア色の記憶の中に浮かび上がるのは、畳が日に焼けてうら寂れた、なんともいえず寂しい・・・・・・。
そう、ちょうど「ちいさい秋みつけた」の
♪お部屋は北向き 曇りのガラス うつろな目の色 溶かしたミルク♪という、童謡とはとても思えないダーク&サッドネスな二番の歌詞がぴったりな部屋の光景。

そして、その家の玄関先にどっしりと置かれていた、バケツほどでかい洗濯用洗剤の缶。いや、正確に言えばそこに描かれたメリーゴーランドのイラスト(もっと正確には写真)

♪カステラ一番電話は二番♪の文明堂CMで、ラインダンスをしていたクマのぬいぐるみをご存じだろうか?(若い人はご存じないですね)あれによく似た作りの少年少女が、白や青のおうまさんに乗って楽しげに回っていた。ぐるぐる、ぐるぐると・・・・・・。

ようやく片言を発しはじめた幼子だったせいか、記憶に焼き付いているのはそのイラストだけなのだが、聞くところによればその缶には土がてんこもりに盛られ、植木鉢として使われていたらしい。
今でも漬け物用のプラスチックおけ(たいがいクリーム色)を植木鉢に転用している人がいるが、あれと同じノリである。

そしてバッテリーの切れたASIMOのように動かなくなった孫のために、祖母は「植木ごと譲ってくれないだろうか」と交渉、あっさり玉砕したそうだ・・・・・・。ごめんなさいおばあちゃん。

・・・・・・と、最も古い記憶すらもマニア心に起因していることに突然気付いたきっかけは、行きつけのバーのオーナーが「けっこう面白いよ〜」と教えてくれた「ほへと秘数術」。
やってみたところなるほろ、けっこう辛口で面白かったので、興味がある方は痛いこと言われて傷ついてみてはいかがだろうか。


「ほへと秘数術」における私の場合はこんな結果。

数秘9の基本性質 

基本性格: 不思議な性格の持ち主です。 やさしいけどナルシストでエゴイスト。 常識的な振る舞いの奥に幼児っぽいところがある 自我や本能が薄いため、影が薄い。(人間果汁が30%未満)
育ちや、学生の時の影響が強く、大人になっても、なかなかそのときの常識というか方便が消えない。真の人生勉強の必要あり。好奇心を絞れだせ。

☆補正オプション

Std8:バランスをとり、数秘のもつ性質の弱点を補正。複数の考えがたまに自己矛盾を引き起す場合もあるが,現実に幅広く適応できる。初心者向き(謎)。サブに数秘8の性質を少し合わせ持つ。結果、長期熟成思考、マニアさが追加されます。

「影が薄い」はどうかと思うが、確かにやさしいけどナルシストでエゴイスト、マニアで自己矛盾。
「育ちや、学生の時の影響が強く、大人になっても、なかなかそのときの常識というか方便が消えない」ってあたり、確かにそうだわぁ・・・と猛反省中だ。

熱海でみつけた閉鎖中とおぼしき映画館。元はポルノ専門?いやいや、クラーク・ゲーブルやカトリーヌ・ドヌーブのロマンス映画がかかってたんだろう、と好意的に解釈しつつ奥に目をやると、焼き肉「秘苑」。ポルノ映画感が一気に増大した。(「秘苑」については4月24日の日記に)

昭和6,70年代には浴衣の観光客でにぎわっていたであろう熱海駅前のスマートボール&パチンコ屋(現在は閉店)
「明るい遊技場」「暴力追放」「満員御礼」「びっくり大開放」「ドーンと出します」なーんて昭和を感じさせるコピーが書かれた赤や緑の旗が、さびしく風にハタめいていた。

うち捨てられたスマートボール屋の裏口に貼られていたうら寂しい貼り紙。「楽しかったね」がまたもの悲しい・・・・・・。

「楽しかったね」でメランコリーにひたる我々は、隣に貼られた謎のポスターに膝カックンを食らわされた。
何に対して毎日夢中なのか、お願いだから教えてほしい。

恥ずかしすぎる体勢で技を決められるジェロニモ。きっと悔しくて試合後にロッカールームでむせび泣いたと思うよ。(中野サンプラザで捕捉)

「なでなでしたりあやしたりすると鳴く!口を動かす!」ベイビーアニマル。
口と肛門がビニールチューブで直結され、ミルクを飲ませると、その2秒後にはおしっこしちゃう低スペックなミルク飲み人形で喜んでいた私の世代からすると隔世の感が。

2011年6月6日(月)

まーたまたご無沙汰しております。ここしばらく一週間に一度の更新ペースですびばせん・・・・・・。
「朝起きてパソコンを立ち上げたら、まずミキさんのサイトに行ってみるんですよぉ」なーんて言われると、有り難いやら申し訳ないやらで首まで地面にめり込みそうになるんだが、精神的に情けないほどダメダメ状態なんだ。

せいぜいあと5年以内に訪れるであろう両親とマヤの死、それよりももっと近い将来に決断を下さなくてはならない母の胃ろうorDIE(アルツハイマーが進行して口から食べ物を摂取できなくなると、胃に孔を開けてチューブで栄養を流し込み、生命だけはつなぐのだ)の選択、それら逃れようのない事実が心に引っかかりだすと、ネガティブスパイラルに陥って体まで動かなくなるのよね・・・・・・。

このどうしようもない悲観的思考は、元来ペシミスト(主に幼時に与えられた『火の鳥』と『デビルマン』の影響)なところへもってきて、更年期障害もあるのではと思ってる。
そして更年期障害はほぼすべての女性が苦しみ、どうにかして乗り越えてゆくものだから、自分にも耐えられないはずがないとは思うんだけど、やっぱキツいものはキツいねん!と逆ギレしそう。

こういう時には誠心を捧げて守るべきなにか、全ての情熱を注げるものがあれば、いたって思いこみの激しい素直な性格につき「更年期うつ?ああ、そういうこともあったねーwww」と笑い飛ばせるんだろうけど、現実って厳しいものよね、いろんな意味で。

・・・と、放射能に膝カックンされた会社がひとまず落ち着いてきたらきたで(無駄な忙しさだけど!)新たな心配事を見つけてくるあたり、ネガティブシンカーの面目躍如と胸を張りたい。

まあこうしてうじうじしている間にも、脳味噌の細胞はガンガン死滅し、肉体は衰え、ついでに震災で傷ついた母国は高速道路をアクセル全開で逆走するレベルで迷走中。
やりたくても体が動かない、体が動いてもお金がない、お金があってもモノがない、なんて状況に陥る前に、できる間にしたいことはやっとかなきゃ。ウージーになっている時間なんかない!

と、この点だけはひとまず認識できてるので、発作的にドアノブにくくりつけた手ぬぐいに首を通さないよう注意しながら、当面は何とか日々を乗りきっていく所存です。

ウージートークが続いたので、せめて写真は罪のないわんちゃんを・・・・・・。

家事をしていたヘボピーがふと振り返ると、背後でマヤがこんな風に洗濯おけにギューギュー詰まっていたそうな。楽しいのだろうか?顔だけ見るとぜんぜん楽しそうじゃないんですが。

だが以前母が「朝起きて台所に行ったら、買って床の上に置いたままだったフライパンの上にマヤが乗ってたのよ!」と喜んでたことだし、やっぱりぎゅーぎゅー遊びは楽しいのだろう。

中身を出してちょっと目を離したすきに、電気製品の箱に入っていた。

コシヒカリの空き箱でうつらうつら。ムッチリしすぎて箱からあふれそう!

ギューギュー感がジャストフイットのコシヒカリの箱が気に入ったので、お部屋にしてもらいまちた。

いらんことをするのが大好きな父が、マジックで「摩耶の室」なーんて書いた上に四隅をガムテープで補強したせいで、ビンボ臭さがマッハ5まで加速。実家はすでにゴミ屋敷状態・・・・・・。

洗濯機の上で毛を乾かしています。飼い主が言うのもなんだけど、ぬいぐるみみたいにきゃわゆぃ〜〜んvvv
でも気を付けてください!家族全員を病院送りにした噛みつきぬいぐるみなんですから!