どすこい!パキスタン行軍記 〜ウルムチ〜 by ヘボピー (写真とキャプション:ミキナチ)
ウルムチを統べる陰の支配者は、アルファ・ケンタウリ系惑星よりやってきたスルメ・イカール星人だった!
……といういつもの方向性はわきにおいといて、ホテルのそばにあったお店の看板。SFチックな荒ぶり方から見て、ウルムチオタクが集うゲーセンかネットカフェだとにらんでいるのだが。
中国語が読める人、なんて書いてあるのか教えてください。 さて、ウルムチへと向かう国際線乗り換えでのこと。
セキュリティでパスポートを見せると、女性職員が私とパスポートを何度も見比べては疑いの眼差しで質問をしてきた。
英語が分からず地蔵と化した私は怪しさ倍増だったのか、ガッチリした体格の男性職員に別室へ連れて行かれるハメに。
結局パスポートに問題はないと分かってすぐ開放された。当たり前だ!
私は道端に立ってるだけで、見知らぬおやじに突然「中国へ帰れ!」を言われることがあるくらい中国人に間違われることが多いのは以前も書いたとおり。
職員は私のことを出稼ぎ中国人が偽造パスポートで里帰りしたとでも思ったんだろうか……。真相な謎である。
関西組と関東組は無事合流し、総勢18名はウイグルへ向け出発。
新疆ウイグル自治区の中心地、ウルムチのホテルに着いたのは夜中の1時頃になっていた。
改装工事中のホテルは薄汚いビニールシートに覆われており、特にエレベーターは「宇宙人が攻めてきたので工事をほってあわてて逃げ出したあと」とでも言いたいほどやりかけだった……。
夜店がちらほら出ていたので、サタデーナイトを楽しむウイグルの若者を見に行こうと、余り時間はなかったが姉と街を散策。
朝は4時半起床。初日からハードな行程だが、1週間後、これを遥かに上回るハードな展開が私達を待ち受けているなんて、このときは夢にも思わなかった。
嗚呼、ウルムチの夜は更けていく……。
空港内でターミナルと飛行機を結ぶバスの吊り革もとい吊りプラスチック。
透明にすることによってクールな感じを出そうとしたのだろうか。急停車しようものならエッジで手を切りそうだ。
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食事の喜びから「目で楽しむ」という要素を慎重に排除した中国南方航空の機内食。 黄色はタクワン、緑は茎ワカメ。茶色は肉シチュー。
見た瞬間にグゲゲゲェとなったけど、茎ワカメが高度のせいでよく冷えててわりとおいしかったの。
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新疆ウイグル自治区はイスラーム教を信仰するウイグル人を主な居住者としており、空港の看板にもウイグル語が併記されている。
アラビア語やペルシャ語にルックスが似たクネクネした文字を見て、なんとなくホッ。
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はやく出てこないかなー。到着ゲートで首をキリンにする出迎えの人々と、高校球児みたいな空港警察のアンちゃん。 白ヘルメットのせいで3億円事件の犯人か全共闘の学生にしか見えないんですが。
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ウルムチでたったの3時間だけ泊まったホテル。 フロントは「どや!」って感じでキレイなのに……。
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ものすごいやりかけっぷりのエレベーター。 二基のうち片方は動いてない上に、中層階にあるディスコに若者が群がってるせいで、ヨロヨロの我々はここでさらに30分待たされるのであった。
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ビニールを中途半端に破られて、それでも絶賛稼働中。新品を納入したって点だけはよく分かりました。
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天井からはビニールがどよーん。 「チーン」 エレベーターのドアが開くとそこにはゾンビの群が……って感じの荒廃ぶり。
私がオーナーなら即刻マネージャーを新人研修施設に送り返すところだ。
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浮かれる若者がキャーキャー言ってる声に誘われて、夜12時を回った街に出てみました。
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ウマソーな焼き鳥屋台の看板はカンフーパンダちゃん。もちろんドリームワークスには内緒です。
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携帯でまくし立てながら慣れた手つきで焼き鳥(60円)をジュージューいわせる。 ものすごく食べたかったけど、腹をこわそうものなら先の旅程がキツくなるので耐えた。辛かった。
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ファンシーショップのウィンドウを眺めていると、不審なものを発見! 目をこすって見直しても、何度見ようと人間だった。
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よく見ると一人ではない。二人いる。
仕事中に商品の上で携帯&居眠り……日本ではありえない光景にのけぞった。
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お客がいないなら別にいーじゃん、って感じだろうか。 無人の店内でも直立不動、私語禁止の日本の販売業が堅苦しすぎるのかな……と己の価値観が揺らぐ瞬間。 でも先生っ!お尻で商品を踏んじゃいけないと思いまーす!(ビシッ)
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ウルムチ<2>へつづく
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