埃及分離帯 2005年4月16日(土) 当家の日記にエジプト関連のうわごと比率が高くなってきた昨今、日記とエジプトをごっちゃにしていると日記が重くなりすぎて電話回線使ってネットしてる人に嫌われそうなので、今後エジプト的雑感はこちらに書くことにした。 私はいくら熱心でも所詮エジプト歴二年の素人。リアルエジプトを題材に真面目モードでなにか書こうとしても、調べていくうちに数珠繋ぎに疑問が出てきていつまでたってもアップできない・・・というパターンに陥っているもので(←古代エジプト考察ページしかり)ここで扱うネタは、たとえ学術的に??が三乗な話でもノリひとつで気軽に書いちゃうつもりである。 なお、ここの配色なんだが、皆様ご存じリアルエジプトにおける当家イチオシであるホルエムヘブ王の墓のイメージで作ろうとしたはいいのだが、彼の墓は色使いが渋すぎてどの色を使ってもテキストがモーレツ読みにくいもんで、仕方なくこんな背景(白と薄茶色)を選んだ。 4月11日放映・黄金の古代エジプトミステリー 副題は「三千年の栄華を極めた伝説の五大王妃」。 アニメ遊戯王では実に楽しませていただいた恩義あるテレ東。 テレ東のエジプトはご存じの通り「たけしのエジプトミステリー」というシリーズで放映されていたのだが、今日のこれは今まで取りあげられた三人・・・ まずはテレ東に足を向けて寝たい理由をぶっちゃけさせて頂きたい。人によって感想は色々だと思うが、私の感想は以下の通り。 「ミステリーだからしよーがない、テレビ番組だからしょーがない」と般若心経のように唱えた二時間。 古代エジプト文明の「金持ち喧嘩せず」な面、他文明に比べた場合の相対的おっとりぶり、農耕民族である古代エジプト人のおだやかな心をこよなく愛する私としては、その点がすご〜く不満だった。確かに古代エジプトでも乱れた時代はあるだろうけどね、あの扇情的な描き方はちょっとないんじゃないか? まぁ仕方がないといえばない。だって教育(一発で「侠育」と変換されたよ・・・漫画ゴラクの読みすぎ)テレビじゃないんだから。 あの番組を見た人は、トトメスをいびり抜いたハトシェプストは幽閉され牢獄で死を迎え、センムトはハトシェプストに葬り去られ、ネフェルティティはアクテンアテンを陰から操り、アンケセナーメンは暗殺され・・・というのが明確な史実であるように勘違いするだろう。実は古代エジプト史の多くの部分は、実際にはどうだったかなんてなにも分かってないのに。 「えーっ!?ウソ?マジかよ!」と一番びっくらこいたのがネフェルティティの血統。今でも?マークが10くらいついたままであるる。 ネフェルティティがミタンニの王妃っていう説はドラマチックなのでたしかに私も好きなんだが、現実にはかなり昔からありえない説になってたんじゃないのか?ましてやアイが兄だなんて説があるなんて初めて知った。 現在ではネフェルティティはアイの娘でムトゥネジメの姉妹という説が有力だと聞いたのだが・・・だからこそ、王家の血を引くムトゥネジメと結婚してホルエムヘブが王になれた事に説明がつくんじゃないの? とはいえこのあたりは私にとって、美術的にもホルホル的にも遊戯王古代編のモデル時代という意味合いにおいても一番重要な時代なもので、ミステリー番組だからとこのままスルーするわけにはいかない。 ただ、一番気になるのは、番組中でSAKUJI先生が「ネフェルティティはミタンニ人王妃」という説を追認するような発言をなさっていた点。たしか最近受けた先生の講義で示された「18王朝家系図」では、彼女はアイの娘になっていたように記憶しているのだが・・・ ・・・とまぁ、せっかく放映してくれたエジプト番組をけなして悪かった。愛ゆえに腹立つ気持ちはお分かり頂きたい。でも珍しい映像もちょっと出たことだし、なんにせよやってくれないより絶対マシだよね。 プンプン怒っているように見えるが、実際には最初から最後まで爆笑の渦!振り返れば二時間びっちり楽しませて頂いたんだよなぁ。 特に私は番組の再現フィルムが好きだ!いつ見てもエジプト的にありえねえファンタジックな衣装でたまらん! あのフィルムはいったいどこで撮っているのだろう、そこが毎回気になってたまらない。 そして役者さん的には、私の好みはヘムオンかな(笑)。別の番組だったと思うが、ロイヤル・カシェを発見したずっこいラスール兄弟の弟役が、私的にはエジプト再現フィルムの一番のハンサムさんではあるが。 センムトがハトシェプストおばちゃんの命を受けてトトメスをムチでしばくシーンにも大爆笑!いけ!もっと気合い入れてバシッといけぇセンムト!おいコラちっとも力入ってねえじゃねぇか!(怒)俺にムチを貸せっ!手本見せてやるっ!! それにしてもよくあんなスネ男っぽい、いじめられっ子風味のエジプト少年を連れてきたなぁ! そして小ネタ。 さて、ミキ的当番組のハイライト、ホルエムヘブ将軍。 アンケセナーメンの回は放映されたフィルムに若干の脚色を加えただけだったもので、ホルホル映像的にはさして目新しいものはナシ。期待満点で目をひんむいて見たネフェルティティ部分(ホルはアクテンアテンの臣下だったので)には彼は登場しなかった・・・・が。 いつ見てもあの再現フィルムのホルエムヘブには大爆笑!! その上、今回は「アンケセナーメンは暗殺されたが、彼女を陥れた人間に呪いを残した」という薫り高いミステリーテイストが加えられていたのだが、アイはファラオになったものの四年で死去(だってジジィだったもの)、ツタンカーメンを殴殺しようとしたパラムセスも即位後数ヶ月で死去(彼もジジィだったもの)・・・そして我が王ホルエムヘブは子供に恵まれなかったと暴露されてて大・爆・笑。 実はホルエムヘブの二人目の妻・ムトゥネジメ王妃のサッカラ墓(ホル墓はもちろん王家の谷にあるのだが、妻はそこから数百キロも離れたサッカラに葬られてるのが私的には喜ばしい)には、未成熟な赤ん坊のミイラも埋葬されているそうで、それが誰の赤ん坊かははっきり分かっていないものの、ホルエムヘブの子供?という説もあるそうだ。 そして生きた人間には結構淡泊な私が、唯一メラメラと嫉妬の炎を燃やす対象は、ホルエムヘブ妻のムトゥネジメであることをここに告白しておこう。 また、死亡した?最初の妻と並んだ書記時代の彫像がルクソール博物館に収蔵されてるんだが、そこでも嫉妬の火祭り。美術品の資料写真を撮影することに執念を燃やす私らしくなく、この彫像だけはたった一枚・・・それもボケボケでよく分からない写真があるのみ、というのが私の心情を如実に物語っている・・・ 話がそれたが、なんやかんや言って思いきり楽しませてもらったテレ東エジプトミステリー。この感想の長さを見てもいかにエンジョイしたかがお分かりになろうというもの。 で、来週はふしぎ発見でネフェルティティ。なんだ!くるのか!今年はアマルナが!!?できればちょこっとでもホルエムヘブの名が出てくれれば、萌えベクトルでも楽しませてもらえるので期待は嫌が応にも盛り上がっている。ああまったくラブイズミステリーだわぁ! |
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スキャンしてはみたけれど 2005年3月13日(日) 先日「ナショナルジオグラフィックのプロモーション」との噂がある「ツタンカーメンのCTスキャン」の結果が出ておりましたね。私はテレビのニュースは見なかったのだが、なんでもわずか6ページだかの報告書で「死の原因はわからなかった」ではねぇ・・・ 印章指輪のはまったゲンコツで思いっきり殴りつけられたせいで、後頭部に「ほるえむへぶ」の銘が残ってたりしたら転げ回って爆笑だったのにな・・・ってそれはないか。 ホルホルで思い出した。四ヶ月前にアマゾンに注文したホルエムヘブのサッカラ墓の専門書。 年末からアマゾンに専門書を頼んでもぜんぜん手に入らなくて困る、とは耳にしていたのだが、まさか四ヶ月待たされて「入手不可能」とは思わなんだ。 |
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スターゲート見まちた 昨夜書類で右手小指を三ミリほど切ったのだが、薬も塗らずに放置したところズキズキして腫れてきた。いけない菌でも入ったのか?梅毒スピロヘータとか。 ・・・そういや昔、マリオがバイキン退治するゲームがあったよねえ・・・知ってますか? さて、それはおいといて、昨夜見た「スターゲート」(1994年作品)。 映画としては可もなく不可もなく。 作品中の「スターゲート」とは、20世紀初頭にエジプト・ギザで発掘された謎のリング状の遺物のこと。 だがスターゲートを作動させるためには、人類史上の他所では発見されていない文字を解読の上、七つ目のキーワードを入力しなくてはならぬ。 「好物はママの作ったミートローフとチョコたっぷりのシリアル」みたいなフォーク歌手風金髪ロンゲ&眼鏡というダサダサのこの男が、物語の進行と共にカッコよくなってくるの?とほのかに期待したのだが・・・・・・甘かった。 イモはラストまで蝶にはならなかった・・・いや、エメリッヒ監督的には蝶にしたつもりなんだろうが、女の目からするとやっぱイモ。こんな冴えない主人公ははじめて見た。古代エジプト語がしゃべれてもちっとも憧れられない・・・ その後の展開をはしょって説明すると、この「マンホールに落とした工作の材料を取ろうとして体が抜けなくなった13才の間抜けボーイ」をほうふつとさせる主人公(言語学者)が最期のキーワード解読に成功するわけだ! 「あちら側の世界」への到達に成功したクルーが最初に目にしたものは、ハトシェプスト葬祭殿を思わせる建造物とピラミッド。 ・・・こうやって書けば書くほどトンデモに見えてきたのだが、それでも娯楽作品としてまぁまぁテンポはいいし、エジプトモノとしても「若年の髪房」(っぽいもの)を下げた少年たち、ハイテク・アヌビスマスク、ハトホルのシンボル(マハードの冠のデザインですね)をあしらったラーの衣装など、「エジプトっぽいモチーフ」に幻惑されるので、それはそれで面白いかもしれない。 <つまるところ> 「ハムナプトラ2」もキテレツさではいい勝負だが、こちらも一応中期エジプト語に配慮しているそうだし、娯楽作品としてはこちらの方が楽しい。「レイダース」と「ホーム・アローン」と「冬ソナ」をごたまぜにしたようなカンジではあるが・・・ そして何よりも古代エジプト語でお話になるマッチョ神官・イムホテプ様のむっちりと弾力性に富む肉体と、ラストで女に裏切られて見せる悲哀に満ちた表情には胸をえぐられる。 男の風格では「ハムナプトラ2」が「スターゲート」に完全勝利だ。 |
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京都文博記念講演by宮本純二先生 2005年3月12日(土) 京都文化博物館のエジプト展記念講演(全6回)の最終回。あぁ〜っ!もう最後だなんて寂しいわぁーっ! 本日は橘女子大の宮本純二先生の「古代エジプトを掘る」なのだが、だらしのない私はまたしても寝坊してしまった。 どうしよう、ここは「ギリギリ間に合う方」に賭けてみるべきか?と激しく迷ったのだが、そのとき頭上から「間もなく新快速電車がまいります」というアナウンスが聞こえてきたので、反射的にJRのホームへ駆け上がっていた。 講演はエジプト中部の都市遺跡・アコリスについて。アコリスには現在分かっているだけでも中王国時代〜イスラム時代の遺構が積み重なっており、この遺跡全体を発掘しようとするとこれからまだ400年はかかるそうで・・・まったく気の長い話だね。 で、今日の講師の宮本先生は地元のカルチャーセンターでエジプト講座を持ってらっしゃることは知っていたのだが、曜日と時間がヒエログリフ講座と半分重なるので春の講座は見逃そうと思っていた。 ・・・とこう書いてくると、私は何でも蒐集して掘り下げないと気が済まないマニアど真ん中の性格ながらも、正当派学者タイプのマニアというよりもむしろ「ネタを集めなくては気が済まない」ゴシップ誌の記者に近いような気がしてきたよ。 |
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浪漫飛行to神官会議 2005年3月9日(水) ぼちぼちゴールデンウィークの旅行予定を立てなきゃならないというプレッシャーのせいか、コム・オンボで開かれた上下エジプト神官総会に、病気の上司の代理でやってきた若手神官として出席する夢を見ていた。 松明の灯がともされた薄暗い神殿の中、なにかよく分からない気色悪い魚が泳ぐ聖池をぐるり囲んで席が設けられているのだが、そこに敷かれている民芸居酒屋にあるようなかすり模様の丸い座布団でエジプト風味台無し!! で、他の出席者はみな普通のエジプト神官だったのに、なぜか議長がアクナディン。白いヒゲをしごいて咳払いひとつすると、座布団にあぐらをかいた面々をぐるり見回して威厳たっぷりに開会宣言していたよ。 先だ先だと思っていると2ヶ月切った今年のゴールデンウィークは、理想的にカレンダーがいいから月末の空港はさぞ込むことだろう。ああ、想像するだけでイヤだなぁ・・・また座席確保で目ぇ血走らせなきゃなんないし、場合によっちゃカウンターでゴネる必要も出てくる。普段はゴネたりしないが、カイロー関空のノンアルコール13時間についてはみっともないとか言ってらんないのだ。カッコつけてると地獄を見る。 また、私のチケットは半年前から押さえてあるのだが、昨年5月にルクソールの暑さに懲りたはずの妹もやっぱり行きたいと言いだしたので、ただ今リクエスト中。取れればいいけどなんたって黄金週間だからなぁ・・・前から誘ってるのに行くならもっと早く決めとけ。 ただ、地味〜な石切場にあるホルエムヘブのスペオス(小型の祠堂)やらほぼ何も残ってないアケトアトン跡地を見て、エジプト史に興味ない妹が面白いかどうかそれが問題だ。 |
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京都文博記念公演by鈴木まどか先生 2005年3月5日(土) 京都のエジプト講演なのだが、昨日の担当はエジプト美術といえばまずこの方のお名前が浮かぶ鈴木まどか先生。 講演自体は一時間半では時間足らずってかんじだったが、選ぶ言葉の隅々に先生のエジプト美術に対する愛がにじみ出ており、古代エジプトで私が最も興味があるのは美術だというのも手伝って、すっかりまどか先生のファンv さて、ミーハーはそのくらいにして。 どの角度から見てもいつも通りにブサイクなアヌビスたん。参考資料として世界最高の美男子アヌビスであるツタンカーメン王墓のアヌビスの写真が並べられているのだが、そのギャップがまた痛々しい。 |
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はたらくエジプトのおじさん ヤフオクでまた変なエジプトグッズを落札してしまった。 前の変グッズは大英博物館製作・発売のカリムの天秤・・・もといオシリスの法廷の心臓の計量天秤製作キット(紙製)だったが、今回のグッズは「ネクサス・1/72スケール エジプトの兵隊さんセット」である。 「兵隊さんセット」とはいえ、真ん中の男は赤冠かぶってるからまごうことなきファラオなのだが・・・歩兵と並んで地面に足つけて戦うとはえらい庶民派だね。また、この写真では分かりにくいが、乳首をちゃんとこげ茶色にぬっているあたり、ネクサスの制作者のこだわりがねっとりとにじみ出ておりまことにいいカンジだ。 もちろん1/72スケールのアーミーモデルのことは「こち亀」で断片的には知っていたとはいえ、プラモの趣味は(まだ)ないのでこういうものを買うのは初めて。
それになんだこの生娘のような無着色なお肌は!!こんな小さなもん、どんな面相筆で塗れというんだ?!箱の写真のように塗るにはきっとものすごい時間がかかることだろう。そして当然今の私にはそんな時間はない。 とりあえずどっかにしまっといて、定年退職したら塗ることにしよう。それまで机の奥深くで目覚めの時を待て!ネクサスの戦士たち! |
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世界の神話食玩具 カバヤとボークスのコラボレーション食玩「世界の神話・オリエント編」を購入。 食玩は結構好きなのだが(というよりフィギュア好き)何が出てくるか分からないというリスクを侵すのがたいそうイヤなもので、今まで集めた「不思議の国のアリス」や「古代美術品シリーズ」は箱入り新品ではなく、多少高いけれどもフィギュア店で開封済みのヤツを購入してきた。開封の時のドキドキ感はあっさり犠牲にする私は、すでに夢を捨ててしまった大人だ・・・ だけど今日初物の冷やし中華を買いにコンビニに寄った時、たまたま目に入ったこの「神話シリーズ」を手に取った瞬間、私は心の中で絶叫した。欲しい!今すぐ欲しい!! ホストクラブの入り口写真のようなおもむきでパッケージに印刷されていた神さまラインナップは、メソポタミア神話はどうでもいいとして(ヒデェ)エジプト組からはオシリスとイシス、セトとホルスとラーとアヌビスというありがちなメンツが選ばれている。 だがありがちラインナップとはいえその造形には脱帽!マッチョにもほどが!!(写真をご覧下さい) 葬儀や宗教劇の際には、神官がアヌビスやホルスのお面をかぶってお勤めを果たしたという史実があるので、このフィギュアは「マッチョ神官による神さまコス」だと思ってもいいかもしれない。 原型はボークスの圓句昭浩氏なんだが、この人の空山基シリーズや永井豪シリーズの4万円くらいするフィギュア、私持ってるよ!今うちの飾り棚に並んでるよ! で、「コレは買うしかない」と言いつつも、まずは慎重を期して二箱買った。 こうなったらアヌビスとホルスも欲しい!オシリスとイシスは人型なのでわりかしどうでもいいけど・・・とコンビニにダッシュして、次は三箱買った。 フィギュアの種類はぜんぶで12種。確率的にはそろそろフンババ(メソポタミア神話・醜い)とかギルガメシュ(同・ヒゲオヤジ)に当たっても仕方ない。 ・・・だが・・・私のエジプト愛はチグリス・ユーフラテスパワーに勝利した! 三箱の中にはアヌビスとホルスそしてイシスが。五箱しか買ってないのに欲しいものが、それもダブりゼロだとは。 この「オリエント神話シリーズ」、愛知以西での販売となりますので、それより東の方はフィギュア屋やヤフオクで入手ということになるんでしょうが、もし仰っていただければ購入の上発送いたしますよ!もちろん実費で。 ただフンババが出ても当方では一切の苦情は受け付けられません(笑)
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ハゲじゃないモン! 2005年3月1日(火) ミュージカル「十戒」、見に行くべきか否かウロウロしているうちに関西公演は終わってしまった。 沈痛なおももちのラムセス二世が神官?セティ一世?(ハゲオヤジ)を胸にかき抱いている広告を見た時点で、「さすがおフランス製なだけあって怪しげなスメルがプンプン匂ってくる!これはなにをおいても見に行かねばっ!」と意気込んでいたはずなのに。アリーナ席を落札すべくヤフオクのウオッチリストにも「十戒チケット」で登録していたくらいやる気マンマンだったのに。 なぜなら公開直前にテレビで放映された「十戒スペシャル番組」を見たとたん、一気にやる気なくしてしまったからだ。 萎えの理由の一つは、出エジプトを阻止しようとする側より出エジプトしたい側・・・モーゼサイドにかなりのウェイトを置いており、エジプトはどっちかというと刺身のツマっぽく見受けられたから。萌え観点から言わせて頂くと、私にとって羊毛圏のヒゲを生やした人たちは好きとか嫌いの範疇外なのだ。 そして行く気が失せたなによりの理由は「ラムセスの胸に抱かれたハゲオヤジ」。 オイオイ〜!短い公演期間なんだから髪くらい剃ってくれよ!ごく普通のOL(私)でさえたった一日のオタク冬祭りのために女の命をばっさりいってツルツルに剃り上げたのにさ、プロのアクター、それも男前のフランス男性になんでそのくらいの簡単なことができないんだよっ!! まぁ、「薄毛に悩みに悩んで多大な金と手間をかけ毛根ケアを続けた結果、やっと生えてきた細い毛。娘と同じくらい大切なこの毛にどうしても別れを告げる気にはなれなかった」とか、彼には彼なりの隠された理由があったのかもしれないが・・・チケット一枚に二万近く払う側としては「毛って大事だよね!」と微笑んでばかりもいられない。ハゲ鑑賞も楽しみの一つだったのに、ハゲズラなんかにゃ大枚はたけないよ。 ・・・そんなこんなでけっきょく行かなかった「十戒」。関西公演は終了したが、東京代々木の公演はこれから。関東在住の方、是非とも見に行って、怪しげな香りプンプンなデュエルシーンが本当にあったのかどうなのか、ぜひともレポしてください。 |
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夢やぶれてサンガリア 2005年2月24日(木) ・・・あっさり負けました。本日のライバルは無線マニア也。 \12,500までは我慢したんだけどなぁ・・・あの勢いではあっさり1.5万円あたりいきそうだったからブルってしまった。それ だいいち本当に欲しいのは再版だしね、「全ページコピーのファイルを繰るのがめんどくさい」という動機だけでは1、5万はキツイよね・・・などと自分を納得させようとするものの、どうも気分はもやもやしている。自分にあてて京都のエジプト展にいる「アヌビス・のようなもの」の絵手紙を出したい気分。 あ〜ヤフオクってなかなか落札できないものだな!最近5連続くらいで失敗している。とにかくヤフオク疲れで眠くなった。寝る前にトイレに行ってピョートル大帝の舞踏会の夢でもみることにします。おやすみなさい。 |
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モテモテ古代オリエント集 2月24日(木) ヤフオクでなにがなんでも筑摩文学大全の「古代オリエント集」を落とさねばならぬ。そう、またブツが出てきたのだ。 今回は千円台スタート・・・と出品者が本の価値を知る古本屋ゆえに定価スタートだった前回とは大違いなのだが、問題は今回出品されているのは古い古い初版のほうということ。装丁とか状態とか、ホントは数年前に再版された方が欲しかったんだよね・・・ というわけで、前回のようにいきなり9千円ぶち込むのはためらわれるものの、今回の競争相手はどうもオリエントファンというよりも単に転売目的な匂いがしないでもない。前者なら「同類だからまっいっか」と優しい微笑みを浮かべて勝ちも譲れるが、後者の場合はつい意地になって想定外の高値を突っ込んでしまいそうだ・・・ さあ、うっかり忘れないように目覚ましまでかけた。どういう結果に終わったかはのちほどご報告いたしまふ。 |
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ゼニがないのは首がないのとおなじ 先日、マイアイドルSAKUJI先生がクイズ番組に登場していた。 先生、すこし前も「オヤジ二人湯けむりぶらり旅」みたいな番組に出演してあまたの人々に乳首を晒していたそうなんだが(私は見損ねた。ファン失格!)テレビ露出度数が高くなるにつけ「発掘費苦しくなってきたのね」と思う。 ちなみに私は微力ながら先生のお手伝いをすべく早稲田のエジプト会に会費を払っている。いや、ほんとはエジプト学会の会報を会員価格で購入するためなのだが。 話がそれたが、SAKUJI先生出演のそのクイズ番組中、しりとりクイズのようなものがあった。 先生には「し」で始まることばが回ってきた。 |
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エジプト節だよ人生は 2005年2月21日(月)
内容が古すぎるのでちょっと迷ったものの、大衆演芸の人気スターみたいなファラオと見つめ合っているうちに、はっと気付くと催眠術にかかったようにレジの前に立っていた。恐るべしファラオマジック。それにしてもサンバでも踊りだしそうなすごいファラオだなぁ・・・流し目でもされようものなら、夢中で舞台に駆け寄って、首にお札で作ったレイをかけてしまいそうだ。 で、帰りに近所のチェーン居酒屋に毛が生えたような海鮮料理屋でカレとご飯を食べたのだが、高い、量が少ない、まずいと三拍子揃った上に、会計の時の店長の若いアンちゃんの感じがよくなかったので、「こんな店二度と来るもんかっ!」と心の中で叫んで店を出た。 だが、家に帰ってハッと気付いたのだ。ない、ない!マツケンファラオの本がないっ!どうもあの店に忘れたらしい。 結局のところ、「二度と来るもんかっ!」と(心の中で)威勢よくタンカを切ったその数時間後に、さっそく足を踏み入れていた。それも閉店後の掃除中だったのをわざわざ開けてもらって「忘れ物しちゃってぇ」とヘラヘラ笑い・・・我ながら情けない。 忘れ物したと言うとアルバイトの女の子たちに「え?」って感じの顔されたが、次の瞬間に「あぁ、あの本ね(くすっ)」とでも言いたげな微笑みを浮かべられた時には、思わずダンゴムシになって空き缶の下にもぐりこみたくなった。そんな微妙な笑みを浮かべないでくれえっ! 最近やたらめったら忘れ物が多い私なのだが、これを契機に「忘れ物ゼロ」を目指そうと思う。 |
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京都文博記念講演by大城道則先生 2005年2月19日(土) 雨のそぼ降るなか、またしてもうすら寒い京都までエジプト講演に行ってきた。 本日はベス神(ヒゲを生やした小人の神さま)が地中海世界に伝播する間にどのような変化を遂げたかというテーマだったのだが、ユーモアあるテンポのいい語り口はとても聞きやすく、エジプト文明についてあんまし知らない人が聞いてもきっと面白かったんじゃなかろうかと思う。 また、駒沢大学と東京工業大学、京都府立大学が共同で最先端のハイテク技術を駆使し、カルガ・オアシスにあるプトレマイオス朝遺構を発掘しているそうなのだが、ここからまた何か色々出てきそうな気配らしい。 今日の講演で一番びっくりしたのがヒエログリフの話。 もう一つ私の下世話・好奇心を満足させたのが、先週の「日本一のコレクター」菊川氏の話。 講義終了後はあの「アヌビス・のようなもの」に会いに展覧会の方も覗いてきたよ。 |
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萌え萌えクリスティー 2005年2月13日(日) 今日は某闇ん子マニアのR氏大プッシュの児童文学「鏡の中の猫」を読んでいた。現代の少女が意識だけ古代エジプトにタイムスリップする話。 1月26日の日記で「じっくりねっとり読んでから分析します」と書いた「アクナーテン」は、あれから訪ねたクリスティーサイトで「ホルエムヘブが魅力的で、むしろ彼が主人公と言ってもいいだろう」と述べられていたまんまに、芸術音痴の無骨な軍人が苦悩しまくって実にいい味出していたよ。 また、ハヤカワから出ている翻訳版では「一体どこのサークルの同人誌や!」と歓喜のうめきが漏れるほどのアクナーテンとホルエムヘブの愛し合いっぷり、韓流ドラマ並みの派手なすれ違いっぷり! 余りにも美味しすぎるもんで、すべての存在に愛の心を見出す能力に恵まれた人種(ヲタ女)である私としてもさすがに「クリスティーでこれはありえねー!!」と疑いの心が芽生えてきて、大至急原書を取り寄せてみた。 それもアマゾンでは取り扱いがなかったもので、わざわざ海外の古本屋から・・・と書くと、私がどれだけこの作品で萌えていたかお分かりだろう。 美容院でパーマをあてながら原書と比較対照すべき部分に付箋を貼っていると、ハヤカワ版はあっという間にキモイほど付箋びっしりになってしまったくらい気になる部分が多く、全部書いてるときりないのでここにはいくつだけ揚げてみることにする。 <腐女子的期待はずれ> ネフェルティティの姉ネゼムートが妹と話し合う場面 <原書でますます萌えた場面> ♪ラブイズアミステリ〜〜〜♪ 忘れがたいもう一つのシーンはこちら。 毒を盛られて死にゆくアクナーテンの傍らで夫を見送ろうとするネフェルティティの部屋に、よろめきつつ入ってくるホルエムヘブ。 It is a duel! IT IS A DUEL!!! 妻と忠臣のデュエル、スタンバイ!!(by杏子) この「アクナーテン」という作品は舞台では上演されなかったそうだが、クイーン・クリスティーは同じくハヤカワから出ている自伝の中で「わたしの大好きなものであった」と書いているのが嬉しい。 もちろん女王様がホルとアク王のプラトニックLOVEを書こうとしたわきゃないのだが、この戯曲を書くにあたって「シェイクスピアを意識した」という点に私は何か上手く表現しがたい・・・しかし重要なシグナルを読みとっている。 アガサ・クリスティーの「アクナーテン」(税別¥600)はまだ絶版になっていませんので、興味を持った方は読んでみてくださいませ。ハヤカワ文庫のまっかな背表紙が目印です。 |
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顔でか〜い 顔でか〜い 顔でか〜い 2005年2月13日(土) 今日は6時と6時半に目覚まし時計をかけていたのだが、いつものごとく目ざめたのはきっちり8時前。 烏丸駅を降りてから会場までの道が分からなくて若い女性に道を尋ねようと声を掛けたら、知らーんぷりされて爽やかな朝からぐつぐつはらわたが煮えくりかえった。 私はギリシア美術の影響を受けてふくよかになったエジプト美術にはあまり興味ないもので、その時代の遺物が多い今回の展覧会にはそもそもそれほど気合いは入っていなかった。 楽しみにしてた日本有数のコレクター・菊川氏の講演会は、エジプトに興味を持っている人もあまりそうでない人も合わせての100名なので、内容はそれほど専門的になることはなかろうなぁ、と思っていると案の定。 先週この展覧会を見に行った古代編ファン某氏から「質問タイムがあって遊戯王ファンくささがプンプン臭う女子が『セトには奥さんがいたのですか?』てな質問をしてたよ!」という報告を受けていたもので、質問タイムに全てを賭けていた私。 あ〜今振り返ると「バカみたいな質問なのですが」と前置きして質問を発したあの女性は、博物館の回し者orかなり勇気あるデキる女のような気がしてきた・・・って単なる深読みか。 講演会が終わった後、心の広い菊川氏のご配慮で数点のコレクションにじかにさわらせてもらえたのだが、木像の軽さにはびっくり。発泡スチロールみたいに軽い。木像は重いとニセモノらしい。 新王国ブツのコレクションのむつかしさについてとかも伺いたかったのだが、残念ながら時間切れで、続きはサイトに伺ってお聞きしますということでお別れしたのだが、皆様もよろしければ菊川氏のサイト覗いてあげてください!反応がないから不安になってくるとか仰ってましたので。(ヤフーで「菊川コレクション」で検索掛けて出てこないのも問題だと思うが) http://homepage3.nifty.com/egypt/ 古代エジプト美術館です。今年3月から横浜で展覧会もあるそうです。 その後は私のウジャトのペンダントを見て声を掛けてくださった30年前からあるエジプトサークル会長の老婦人とお話し、またその方の紹介でこんど古代エジプト恋愛詩の本を出版される翻訳家の方ともお知り合いになったりして、今日はまことに埃及的に収穫の多い一日だったなぁ! 夜にたまたまテレビをつけると「ふしぎ発見」でもエジプトをやっていたよ。 ふしぎ発見、アビドスのオシレイオンの3、4分ほどの絵を撮るためだけにカイロから400キロ走るなんてテレビ局ってすごい(ヒマ&リッチ)もんだなぁと感心した。 また、昨夜のふしぎ発見はSAKUJIのオシリスコスという貴重な絵があったもので、ビデオ回しててよかった!いや〜まことに貫禄たっぷりなオシリス様で!カイロ博物館の「村長」(カー・アペル)像かと思ったよ・・・ さて、今日行った展覧会の名称は「古代エジプト文明3000年の世界」。3月21日まで開催されているが、展示物は国内博物館所蔵品プラス個人蔵のコレクションで構成されていて、ビーズやアミュレット(お守り)が主というかなり地味めな内容。 どうも地味くさいと一般観客にまで見破られているのかどうなのか、京都で土曜日だというのにそれほどにギューギューじゃないのは魅力的。 |
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レバノンは遠きにありて想うもの 2005年1月29日(日)
ナマSAKUJIも4度目となるとさすがに慣れてくる。最初のうちは「綺麗にしていって印象づけたいわ〜んv」なんてちょとした欲望もあったものの、もうべつにジャングルの王者でいいよ・・・って気分。 東京駅へ着いてからは目黒から東急に乗り換えて、エジプトはまりしなければ一生来ることがなかった駅(名前すら忘れた)で下車。 目的はここに植わっているレバノン杉。古代エジプトでもビブロスの港とかから積み出されて、神殿や王宮の扉、船や高級木棺の材料となったのだが、この木はたいそう木むずかしい、いや気むずかしいらしく(最低なオヤジギャグ・・・)日本では植樹しにくいせいでどこででも見られるものじゃないらしい。そう、シリアで紀元前から続く高貴な家系のお嬢さまはけっこうもったいぶってるのだ。 念のため地元の森林植物園に「レバノン杉、あります?」とブティックにニューモデルの財布の在庫でも問い合わせそうなノリで電話したものの、地元にあるものはまだ小さくて一般公開していないらしい。まぁレバノン杉嬢指名なんて珍しかったのか、「なんなら特別にお見せしますが」と言ってくれたのだが・・・ そこでわざわざ目黒まで足を伸ばしたってわけだ。カリシャダが新婚旅行(・・・)でシリアに行く話とかも書きたいので、上京したついでに実物のレバノン杉を確認しとくかねぇ、という腐れ動機もモリモリあったしね。 予定では余裕で間に合うつもりだったのだが、なんせ寝坊しまくったせいで公園内でも競歩状態。なんで私はこう年がら年中バタバタしてんだ? あせりまくって公園を抜けて公園事務所のオッサンに杉が植わっている場所を聞き、さあお嬢さまにご対面。 そばでサッカーしている少年たちの保護者に思いっ切り不審な目を向けられている気がしたものの、思う存分木のエナジーを分けて頂いたよ。 <右>杉の幹に頬寄せて妄想しているとこんな虫を発見。エナメルを塗ったような鮮やかな色をして、うろの間でじっとしてた。 ------------------------------------------------------------------------ 今日の講演は先日アメリカがツタンカーメンのミイラのCTスキャンをしたこともあって、「ツタンカーメンのミイラから何が分かるか」ってテーマだったのだが、予想通り先日ダハシュールで早稲田隊が発掘したセヌウのミイラの話が中心になったよ。 ネタとしては特にご紹介するべきものはないのだが、2,3年前から日本隊に許可されていたツタンカーメンミイラの再調査がなぜアメリカにもっていかれたか、という理由について知ることができた。 テレビにもよく出ているのでご存じの方も多いザヒ・ハワース博士(今のエジプト考古庁長官。でっぷり太った白ヒゲオヤジ)はアメリカで勉強したせいもあって大のアメリカびいき。その上に、先日までスイス人とドイツ人に視姦されていたアヌビスたんをはじめとするツタンカーメンの秘宝巡回展が、次はアメリカに行くらしい。 CTスキャンするくらいならついでにDNA鑑定もしてくれれば、ツタンカーメンの血筋について真実が判明するからぜひともDNAを、とはSAKUJI先生も頼んだらしいが、なぜかエジプト世論はDNA鑑定に否定的でアメリカのCTスキャンでさえかなりの批判が出たらしい。これって宗教的に問題があるのかな?私には分からないが、今度イスラムに詳しい友人に聞いてみたいと思う。 このツタンカーメン巡回展をなんとか日本にも誘致すべく、先生はあちらこちらを当たってみたらしいが、黄金のマスクが来ないならそこまでの集客が望めないから・・・という理由のせいでどこの企業もしぶるため、巡回展はアジアでは中国に行くのではという話だった。 |
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お気をつけあそばせアクナーテン様 2005年1月26日(水) あ、下の日記で書いた「アクナーテン」。 まだほとんど読んでないのだが、将軍ホルエムヘブに仔犬のようについて回っては、あこがれのまなざしで見上げる「様子はいいが気弱な少年」ツタンカーメン。 主人公アクナーテンに至っては、自作の彫像に対する意見を求められて困ってしまったホルの腕を組んで・・・ 一体どこのサークルなんだよっ??!!二日目西館??!! 美味しい、美味しすぎるよアガサ・クリスティーのエジプト。それとも訳者が美味しいのか? 全体の感想は、クリスティー様の心をくみ取るためにじっくりねっとり読んだあとに、また改めて書くことにいたします。 |
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わくわく王国サンパーク 2005年1月2日(日) 本日はワッショイ!独り新春埃及祭り第二弾。 「交通費二万五千円かけて行くようなもんか?ハズレだったら痛いぜぇ!」とささやくもう一人の自分を振りきって、はるばる山口は小野田という、こういう機会でなければきっと一生行くことがなかったはずの街に、片道四時間以上かけて行ってきた。なぜならおヒゲの王子様・SAKUJI先生の展覧会兼エジプト展をやっていたから。 会場のショッピング施設「サンパーク」という名称がかもし出すB級(失礼)ムードから察するに、膝カックンになるほどしょっぼい場所だったらどうしよう・・・と内心ドキドキしながらも、私のポリシーは「やらない後悔よりやった後悔の方がまだマシ」。 新山口まで新幹線、それから在来線で小野田まで行って、小野田から1,2時間に一本しか走っていない単線・一両編成の小野田線に乗り換えて南中川で降車。五回も乗り換えするだけでもも〜ダルダル。久々にハヤカワSFを一冊読破した。 そして、あたりには喫茶店の「き」の字も見えない新年の寒風吹きすさぶ街を、鼻水をズビズビすすりながら15分ほど歩いて行くと突如出現するサンパークは、周辺の人たちがみんな車で買い物に来るようなけっこう大きめの複合ショッピング施設でホッと一息。 展覧会自体は小さなもだったのだが、結果から言うと一日かけて行ってきただけの価値はあった。 ベッドや椅子は王族のものが博物館にあったもののテーブルは未見だったので、後学のためにもホモ小説ネタのためにも、大きさとか高さのイメージをつかんでおきたかったのだ。 第二の収穫は、先生のギャラリートークでゲットした小ネタ・・・エジプト国内からこっそり持ち出された遺物の相場。(どこの国でも同じだろうが、エジプト国外への遺物持ち出しは厳禁されている) 先生曰く、エジプトでは今でも発掘現場からお宝をちょろまかそうとするこそ泥からマシンガンを持った泥棒いや盗賊までがおり、貴重な出土品が秘密裏に海外流出しているらしい。それも現地の役人などの手を経て・・・(昨日の日記の「セティ一世王墓ミステリー」もそのあたりに関係あるのかもしれない) そしてその相場はといえば、例えばツタンカーメンのカルトゥーシュ入り指輪は彼の墓以外の場所では今まで4個しか出ていないらしいが、もしそれがこっそり持ち出されて売却されるならば、現地でそれをくすねたエジプト人からの買い取り価格が10〜20万円、それがスイスに入って一億円、さらに転売されてクリスティーズやサザビーズのオークションにかけられると最終的に10億程度。 それにしてもなぁ・・・神戸から山口に行くだけでこんなに疲れたのに、昨日エジプトから帰国されたばかりというSAKUJI先生はかなりしんどかったに違いない。 さて、今日はもうベッドに入って、明日からの「新春カリシャダモード」への切り替えのためにお布団の中であれこれ妄想することにしよう。おやすみなさい。いい夢見ます。 ※わたしの初夢・・・うちにいきなりSAKUJI先生が訪ねて来た。私はいいチャンス!マントゥマンでしか出来ない質問を浴びせかけようと大喜び。 こんなもんエジプト学者に見られようものなら二度と口きいてもらえないよ〜! 何とか恥原稿を隠しおおせた後、先生がサンパークのイベントに向かうから一緒にタクシーで行きましょうということになったのだが、そこへ企画会社の人が走り寄ってきて、先生にお供してもらうのならタクシー代と私のギャラを出しますと言う。 「ギャラの相場ですが・・・」と彼が取りだした一覧表は、なぜか新地のクラブママ達の写真入り一覧表。派手なドレスや着物に身を包み、こってりとお化粧をしたママたちが婉然と微笑んでいる。 あの〜・・・言っておきますが私は普通のリーマンなのにこんな初夢イヤすぎる。一年を占う初夢。その初夢が変にリアルだとなぁ、これじゃ今年も色々と生臭い一年になりそうだ・・・ |
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ネフェルタリ、愛の水中花 2005年1月1日(土) みなさま、新年あけましておめでとうございます。 今日は「たけしのエジプトミステリー」の放映日。エジプトファンの舞踏会で情報をゲットしてからというもの、すごく楽しみにしていたこの番組。 ネフェルタリが処女の生き血風呂に入ってそうなえげつない女に見えたものの、番組は思ったよりはるかに内容が詰まっていて面白かったなぁ。ありがとうテレビマンユニオンさん。 閉鎖中の墓を開けまくってくれるのはさすがテレビの力。 ホルエムヘブと彼を取り巻く男達に熱い視線を注ぐヲタ女的には、何と言ってもホルホルの再登場に大興奮! 今日のテーマは19王朝なもんで彼の登場はぜんぜん期待してなかったんだが、ラムセス二世の祖父はラムセス一世。 おまけに再現フィルムのホルエムヘブ役、これがまたいい味出してんだよねぇ。 「ミステリー仕立て」という辺りでやや自分の首を絞めてる感のあるこのシリーズだが、何と言っても今日一番のミステリーだなぁと思ったのは、財宝が残っている可能性のあるセティ王墓の謎の地下部屋の調査が、エジプト政府の命令によって60年代から中止されたままなこと。 それにしてもやっぱいいねぇ、エジプト。 |
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ラストダンスは私に 2004年12月10日(金) あぁ楽しい舞踏会だった! いや〜、やっぱやる気満々なオヤジはいいなぁ!ビバ!オヤジ! 会社では出発前ギリギリになって、よりによって5年ぶりくらいの大ミスが出てきて気が狂いそうになるほど慌てたが、それも何とか処理できて出発したときにはもうくたくただった・・・でも会場に到着するなり気力回復! 残念なことに立食ではなく着席だったので思ったほどは交流を深められなかったのだが、色んな国の王子さま(出版、放送、大学、銀行etc)のメンツがかなり豪華で楽しかったなぁ。 でも今日の一番の目的であるおヒゲの王子様(吉村SAKUJI先生)にはお会いできたのでとりあえず目的は達せられた。 (※)センセがトークの中で「野菜のアクは普通考えるよりずっと体に悪いから、自分はアクの出た鍋物のぞうすいとかは食べない」ってな事おっしゃっていたのだ・・・ってエジプトぜんぜん関係ないよ先生!(笑) それから予期せぬ嬉しいこともあったよ。私がエジプト学者として今一番好きなロンゲの王子様(近藤二郎先生)ともお話しできたのだ。 ナマ二郎先生は、思った通りのおだやかな優しい感じの方だった。私は言いたいこといっぱいあったのだが、あせると言わなきゃならない事ってホントに出てこないもんだね・・・後ろの席のオヤジの足が臭い夜行バスの中で思い出して情けなくなったよ。まったくあれはホントに臭かった・・・ 何をしゃべったかといえば、以前この日記でも書いた中島みゆきのCD「生きていていいですか」についてとか、先生があとがきを書いてらっしゃる「古代エジプトうんちく図鑑」(今、古代エジプト関係で最も売れている本。つい最近出たと思ったのに、昨日見たらもう5版か6版でびっくり)の話とか・・・ 「センセイ、「生きていていいですか」はいきなり出だしから♪うらみぃ〜まぁ〜す♪でびびりました」じゃねーよ! でも、ユーミンの曲の中で歌われているジャコビニ彗星をシベリアかどっかで観測していて、最初に日本に知らせたのはまだ学生だったジロー先生らしい、などというこぼれ話はゲット(笑)やっぱ若い頃からマニア道だなぁ。 帰りはテーブルが同じでお友達になった秋田の女性とお茶してバスまでの時間をすごした。 「私は遊戯王なんです」と言うと(言うなよ)「息子がカードを集めてたけど途中で挫折した」そうだ。そしてご本人もかつて里中満智子の大ファン(トークショーまで出かけてしまうような)やってたらしいから、オタクとオタクは引き合うものなのか?とちょっと嬉しかったな。 そういうわけで、一気に気力回復するほど楽しかったのですが、色々と遺恨も残した舞踏会。 |