埃及分離帯 2005年4月16日(土)

当家の日記にエジプト関連のうわごと比率が高くなってきた昨今、日記とエジプトをごっちゃにしていると日記が重くなりすぎて電話回線使ってネットしてる人に嫌われそうなので、今後エジプト的雑感はこちらに書くことにした。
ある程度まとまったネタは旅行記かエジプト考察のページに入れるので、こちらはちょっとした忘備録やネタの置き場にする予定。

私はいくら熱心でも所詮エジプト歴二年の素人。リアルエジプトを題材に真面目モードでなにか書こうとしても、調べていくうちに数珠繋ぎに疑問が出てきていつまでたってもアップできない・・・というパターンに陥っているもので(←古代エジプト考察ページしかり)ここで扱うネタは、たとえ学術的に??が三乗な話でもノリひとつで気軽に書いちゃうつもりである。
従って資料としては信頼性に欠ける話も多いということ、ぜひともご了承いただきたい。(でもよく分からないことはその旨明記するつもりではあります)

なお、ここの配色なんだが、皆様ご存じリアルエジプトにおける当家イチオシであるホルエムヘブ王の墓のイメージで作ろうとしたはいいのだが、彼の墓は色使いが渋すぎてどの色を使ってもテキストがモーレツ読みにくいもんで、仕方なくこんな背景(白と薄茶色)を選んだ。
その結果、どこがホルエムヘブじゃというカラーになってしまったこと、心の中で王に許しを乞いたいと思う。


4月11日放映・黄金の古代エジプトミステリー 

副題は「三千年の栄華を極めた伝説の五大王妃」。

アニメ遊戯王では実に楽しませていただいた恩義あるテレ東。
テレ東への感謝の念あふるる私は、本社のある虎ノ門方面には足を向けて寝ないようにしているのだが、ことネタがエジプト番組となると・・・いっそ尻を向けて寝たい気分である。

テレ東のエジプトはご存じの通り「たけしのエジプトミステリー」というシリーズで放映されていたのだが、今日のこれは今まで取りあげられた三人・・・
クフ王の母にしてカイロ博物館にお洒落なインテリアが展示されているヘテプヘレス、アイガッタメールフロムヒッタイトのアンケセナーメン、そして現存する最も美しい墓は現在クローズ中で観光客を泣かせるネフェルタリ。
この三人に加えて男装の闘士ハトシェプストと
「あんな人(=ホルエムヘブ)と出会わなければよかったのに!」byクリスティーのネフェルティティで5人である。

まずはテレ東に足を向けて寝たい理由をぶっちゃけさせて頂きたい。人によって感想は色々だと思うが、私の感想は以下の通り。

「ミステリーだからしよーがない、テレビ番組だからしょーがない」と般若心経のように唱えた二時間。
浮気な一般視聴者を二時間引っ張るためには、ドラマチックに作らざるを得ないのは分かる。それは分かるが、エジプトといえばミイラとピラミッドとツタンカーメンという普通の視聴者からすると、あれではエジプトは暗殺に次ぐ暗殺が相次ぎ、廷臣は謀略をめぐらしお互い疑心暗鬼で足の引っ張り合いばかりしていた血なまぐさい国だと思われてしまいそうだ。

古代エジプト文明の「金持ち喧嘩せず」な面、他文明に比べた場合の相対的おっとりぶり、農耕民族である古代エジプト人のおだやかな心をこよなく愛する私としては、その点がすご〜く不満だった。確かに古代エジプトでも乱れた時代はあるだろうけどね、あの扇情的な描き方はちょっとないんじゃないか?

まぁ仕方がないといえばない。だって教育(一発で「侠育」と変換されたよ・・・漫画ゴラクの読みすぎ)テレビじゃないんだから。
「こういう説もあるけれどこういう説もあって、こっちが現在では最も有力」なんてねっとりじっとり説明するわけにはいかないだろうから、最も刺激的で血まみれなエピソードを採用するのは分かる。
でもドロドロ脚色はしょーがないが、論調が断定的すぎてちょっとなぁ・・・あれじゃまるきり「湯けむり旅情、おばさん探偵エジプト一人旅・岩風呂が美女の鮮血に染まる!」だ。

あの番組を見た人は、トトメスをいびり抜いたハトシェプストは幽閉され牢獄で死を迎え、センムトはハトシェプストに葬り去られ、ネフェルティティはアクテンアテンを陰から操り、アンケセナーメンは暗殺され・・・というのが明確な史実であるように勘違いするだろう。実は古代エジプト史の多くの部分は、実際にはどうだったかなんてなにも分かってないのに。


「えーっ!?ウソ?マジかよ!」と一番びっくらこいたのがネフェルティティの血統。今でも?マークが10くらいついたままであるる。
だって番組中、彼女は「ミタンニからアメンホテップ三世の元に輿入れしたミタンニの王女」で「アイとは兄妹」ってことになっていたのだ。そしてミタンニはエジプトを内部から崩そうと暗躍していたことになっていたよ・・・オイオイ・・・

ネフェルティティがミタンニの王妃っていう説はドラマチックなのでたしかに私も好きなんだが、現実にはかなり昔からありえない説になってたんじゃないのか?ましてやアイが兄だなんて説があるなんて初めて知った。

現在ではネフェルティティはアイの娘でムトゥネジメの姉妹という説が有力だと聞いたのだが・・・だからこそ、王家の血を引くムトゥネジメと結婚してホルエムヘブが王になれた事に説明がつくんじゃないの?
単に私の不勉強で、現在では「ネフェルティティはミタンニ人でアイの妹」ってのが一番有力な学説なのだろうか?あ〜もやもやする!まぁ番組中、「三大ピラミッドとオリオン座」の関連性を述べた説を堂々紹介していたくらいだからね、あまり顔色変える必要もないのかもしれないが・・・

とはいえこのあたりは私にとって、美術的にもホルホル的にも遊戯王古代編のモデル時代という意味合いにおいても一番重要な時代なもので、ミステリー番組だからとこのままスルーするわけにはいかない。
さっき「このコンテンツでは資料を調べたり専門家に聞いたりしてまでは確認しません」と言った口の端から、近々エジプト学の先生に質問するつもりだ。
来週は「世界ふしぎ発見」でもネフェルティティが取りあげられるので、それまでに事実を確認しとかなきゃ落ち着いてふしぎ発見を楽しめない。「テレビだからどえらい脚色してるよ〜!」と笑えればいいのだが、事実(というか現在の通説)を知らないことにはこっちが笑われる立場だからね。

ただ、一番気になるのは、番組中でSAKUJI先生が「ネフェルティティはミタンニ人王妃」という説を追認するような発言をなさっていた点。たしか最近受けた先生の講義で示された「18王朝家系図」では、彼女はアイの娘になっていたように記憶しているのだが・・・
テレ東のプロデューサーの発言なら別にいいけれど、影響力が大きな先生の発言となると、そのあたりどう気になるのかまでは言わないもののけっこう心に引っかかってもやもやしている。とにかくこのもやもやを早く晴らさねばアケトアトン現地でも気持ち悪い!質問が俗っぽいので恥ずかしいとか言わずに、ここはひとつ勇気を出してN先生にメールで質問するかな・・・


・・・とまぁ、せっかく放映してくれたエジプト番組をけなして悪かった。愛ゆえに腹立つ気持ちはお分かり頂きたい。でも珍しい映像もちょっと出たことだし、なんにせよやってくれないより絶対マシだよね。

プンプン怒っているように見えるが、実際には最初から最後まで爆笑の渦!振り返れば二時間びっちり楽しませて頂いたんだよなぁ。

特に私は番組の再現フィルムが好きだ!いつ見てもエジプト的にありえねえファンタジックな衣装でたまらん!
チューリップ模様の首飾りとかキンキラの腰布とか・・・10人のマッチョが絡み合うゲイビデオ「ファラオの男風呂」の衣装を思い出す。まぁあっちはビデオ開始後ソッコーで脱ぎ捨てるからぜんぜん意味ないけどね・・・

あのフィルムはいったいどこで撮っているのだろう、そこが毎回気になってたまらない。
ツタンカーメン&アンケセナーメンの回は、間違いなくカイロの脱力テーマパーク「ファラオ村」が舞台なのだが・・・
ヘテプヘレスとネフェルタリの回では、王宮が無闇やたらと豪華(っぽく)になってたので謎が深まるのだ。
ひょっとしてファラオ村が増改築したのか?!ならば次回の旅行で無理してもファラオ村に行かねばならぬ。

そして役者さん的には、私の好みはヘムオンかな(笑)。別の番組だったと思うが、ロイヤル・カシェを発見したずっこいラスール兄弟の弟役が、私的にはエジプト再現フィルムの一番のハンサムさんではあるが。

センムトがハトシェプストおばちゃんの命を受けてトトメスをムチでしばくシーンにも大爆笑!いけ!もっと気合い入れてバシッといけぇセンムト!おいコラちっとも力入ってねえじゃねぇか!(怒)俺にムチを貸せっ!手本見せてやるっ!!
・・・と興奮の渦に呑まれて溺死寸前。ムチを受ける少年トトメスも
「オウッ!オウッ!」というカンジで一応顔をゆがめて演技しているものの、演技がウソっぽすぎだよBOY。

それにしてもよくあんなスネ男っぽい、いじめられっ子風味のエジプト少年を連れてきたなぁ!
あの内気な瞳を見ている内に、私までオバちゃんがトトメスをいびり倒したのが史実のような錯覚に陥りそうだ・・・
センムト!私にもムチを貸せえっ!

そして小ネタ。
劇中でもきっちり間違われていたもので、これはひょっとして確信犯?だとも思えるのだが、古代エジプトのベッドは現代のようなヘッドボードではなく、フットボード・・・板の部分は足元についてます。でも漫画や映画でそれをやると「何で間違ってるの?」と言われかねないから、わざとヘッドボードに描いてる場合もあるかもしれないなぁ。

さて、ミキ的当番組のハイライト、ホルエムヘブ将軍。

アンケセナーメンの回は放映されたフィルムに若干の脚色を加えただけだったもので、ホルホル映像的にはさして目新しいものはナシ。期待満点で目をひんむいて見たネフェルティティ部分(ホルはアクテンアテンの臣下だったので)には彼は登場しなかった・・・・が。

いつ見てもあの再現フィルムのホルエムヘブには大爆笑!!
番組中
「平民出身の成り上がりで野心家」(だからこそ私は彼が好きなのだ)と嬉しい紹介をされていたホルエムヘブ役は、イケイケ軍人・成り上がり・ツタンカーメン暗殺の下手人?・ガンガン実力行使・・・といったイメージぴったりの、まさに「ファラオの男風呂」に一人はいたようなムキムキマッチョの俳優さんを配してくれているのがまことに嬉しい。
臣下のパラムセス(後に「パラムセスさん、ホルエムヘブ様のご指名入りました〜!」とファラオ・ラムセス一世となる)とのルックス的バランスもナイス
ナイスナイス〜〜〜!!(喜)
「そんなのありえねーよ!」などと毒づきながらも、アンケセナーメン部分だけは萌え萌え叫びまくりで視聴した。真面目なフリしてるが所詮オタクですもの。

その上、今回は「アンケセナーメンは暗殺されたが、彼女を陥れた人間に呪いを残した」という薫り高いミステリーテイストが加えられていたのだが、アイはファラオになったものの四年で死去(だってジジィだったもの)、ツタンカーメンを殴殺しようとしたパラムセスも即位後数ヶ月で死去(彼もジジィだったもの)・・・そして我が王ホルエムヘブは子供に恵まれなかったと暴露されてて大・爆・笑
いいねぇ〜〜〜!私がホルホルを好きな理由の一つをきっちり挙げてくれるなんて素敵だ!やっぱりテレ東には足を向けて寝られないや。

実はホルエムヘブの二人目の妻・ムトゥネジメ王妃のサッカラ墓(ホル墓はもちろん王家の谷にあるのだが、妻はそこから数百キロも離れたサッカラに葬られてるのが私的には喜ばしい)には、未成熟な赤ん坊のミイラも埋葬されているそうで、それが誰の赤ん坊かははっきり分かっていないものの、ホルエムヘブの子供?という説もあるそうだ。
でも私としてはやっぱりこの部分だけは、
やおら腐女子に戻ってテレ東エジプトミステリー説「子無し」を無条件に採用したいと思う。

そして生きた人間には結構淡泊な私が、唯一メラメラと嫉妬の炎を燃やす対象は、ホルエムヘブ妻のムトゥネジメであることをここに告白しておこう。
嫉妬の対照が2200年前の女だなんて、あまりいばれたもんじゃないから胸張って人には言えないんだけどね・・・サッカラのホル墓で嫉妬の炎が燃えさかった時には、我ながら自分が怖くなった。(笑)

また、死亡した?最初の妻と並んだ書記時代の彫像がルクソール博物館に収蔵されてるんだが、そこでも嫉妬の火祭り。美術品の資料写真を撮影することに執念を燃やす私らしくなく、この彫像だけはたった一枚・・・それもボケボケでよく分からない写真があるのみ、というのが私の心情を如実に物語っている・・・

話がそれたが、なんやかんや言って思いきり楽しませてもらったテレ東エジプトミステリー。この感想の長さを見てもいかにエンジョイしたかがお分かりになろうというもの。

で、来週はふしぎ発見でネフェルティティ。なんだ!くるのか!今年はアマルナが!!?できればちょこっとでもホルエムヘブの名が出てくれれば、萌えベクトルでも楽しませてもらえるので期待は嫌が応にも盛り上がっている。ああまったくラブイズミステリーだわぁ!

スキャンしてはみたけれど 2005年3月13日(日)

先日「ナショナルジオグラフィックのプロモーション」との噂がある「ツタンカーメンのCTスキャン」の結果が出ておりましたね。私はテレビのニュースは見なかったのだが、なんでもわずか6ページだかの報告書で「死の原因はわからなかった」ではねぇ・・・
トゥトには悪いが、撲殺だとはっきりすればまた方向性が萌えのほうへ、萌えのほうへと草木もなびく・・・と期待してたのだが
「なにもわからん」では残念でしたねぇとしか言いようがない。

印章指輪のはまったゲンコツで思いっきり殴りつけられたせいで、後頭部に「ほるえむへぶ」の銘が残ってたりしたら転げ回って爆笑だったのにな・・・ってそれはないか。
(というよりあの当時はすでに「ホルエムヘブ」の名を使っていたのかな?彼にはその前に使用していた名前があるのだ。これから寝るので今は調べないが、また「ホルホルコンテンツ」に上げるようにはしなきゃね)

ホルホルで思い出した。四ヶ月前にアマゾンに注文したホルエムヘブのサッカラ墓の専門書。
二万円以上するのでものすごく迷った揚げ句、やっぱりリアルではホルをメインに据えるからには・・・と腹を決めて注文したのにさ、2ヶ月前に「もうしばらくお待ち下さい」メールが来た揚げ句、さっき「手に入りませんので注文はキャンセルさせてもらいます」とレスが来た。アマゾン、
スーパーM・U・K・A・T・S・U・K・U!

年末からアマゾンに専門書を頼んでもぜんぜん手に入らなくて困る、とは耳にしていたのだが、まさか四ヶ月待たされて「入手不可能」とは思わなんだ。
こうなったらなにがなんでも手に入れないと気が済まないのが私の悪いクセ。海外のエジプト書に強い古本サイトをいくつか教えて貰ったので、近々そこにあたるつもりだ。

スターゲート見まちた

昨夜書類で右手小指を三ミリほど切ったのだが、薬も塗らずに放置したところズキズキして腫れてきた。いけない菌でも入ったのか?梅毒スピロヘータとか。

・・・そういや昔、マリオがバイキン退治するゲームがあったよねえ・・・知ってますか?
♪バイバイバイキンバイキンちゃ〜ん♪とかいうテレビCMだったが、
「あっは〜んv」と合いの手を入れる色っぽいおネーちゃんの声は今も耳について離れない。
あと、仔犬だったイリちゃん(莫山ファン)がいつもテレビの前にタタタと走っていった
「よかいちよかいちきれいな酒や」という焼酎CMの莫山先生の声も耳に残る。
莫山先生の声は仔犬の耳には心地よいのだろうか?いやきっと違う。犬としてはご老体の動きがヘンに思えたのだろう。

さて、それはおいといて、昨夜見た「スターゲート」(1994年作品)。
エジプト学者スチュアート・スミスが劇中での古代エジプト語の再現を担当したというので興味を持ったのだが、よく考えないまでもヒエログリフもぜんぜん読めない自分が聞いても「ふむふむ、なんか知ってる単語が混じってるな〜」で済んでしまったよ・・・
まぁ「ひょっとすると神官もこれに近い発音で話していたのかもvvv」と想像するだけで嬉しかったのでよしとしよう。
すべての古代ネタはシャダ萌えに通ず。

映画としては可もなく不可もなく。
ブリリアントな予定調和っぷりには腹を抱えて笑った・・・いや、嫌いなタイプの映画ではない、むしろこのトホホ感は大好きだ。
タイム&スペートリップものとしては、当時薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」と併映(いわばおまけ)だった
「戦国自衛隊」よりは上だと言えよう。

作品中の「スターゲート」とは、20世紀初頭にエジプト・ギザで発掘された謎のリング状の遺物のこと。
発掘後、未知の物体で作られたこれが米軍のエリア51みたいな場所へ運ばれ、秘密裏に行われた調査分析の末、異世界へ通じる門だと判明した(いきなし乱暴)

だがスターゲートを作動させるためには、人類史上の他所では発見されていない文字を解読の上、七つ目のキーワードを入力しなくてはならぬ。
そこで白羽の矢が当たったのは
「ピラミッドはニャントロ星人の遺物」いや、「ピラミッド&ヒエログリフは超古代の遺物」という、グラハム・ハンコックか「ムー」のような・・・「と学会」に取りあげられそうなトンデモ持論でエジプト学会からはシカト状態の主人公。

「好物はママの作ったミートローフとチョコたっぷりのシリアル」みたいなフォーク歌手風金髪ロンゲ&眼鏡というダサダサのこの男が、物語の進行と共にカッコよくなってくるの?とほのかに期待したのだが・・・・・・甘かった。

イモはラストまで蝶にはならなかった・・・いや、エメリッヒ監督的には蝶にしたつもりなんだろうが、女の目からするとやっぱイモ。こんな冴えない主人公ははじめて見た。古代エジプト語がしゃべれてもちっとも憧れられない・・・

その後の展開をはしょって説明すると、この「マンホールに落とした工作の材料を取ろうとして体が抜けなくなった13才の間抜けボーイ」をほうふつとさせる主人公(言語学者)が最期のキーワード解読に成功するわけだ!
そして銀河系のまだずっと外にある別の宇宙に通じる(・・・)「スターゲート」のあちら側の世界の探訪に出発するのだ!「最愛の一人息子を銃の暴発で失った」男(・・・)をトップに据えたマッチョ・ソルジャーズを引き連れて!

「あちら側の世界」への到達に成功したクルーが最初に目にしたものは、ハトシェプスト葬祭殿を思わせる建造物とピラミッド。
そしてその星では古代エジプト語のベースとなった言葉を話す人々が、彼らを奴隷のようにこき使う滅びし文明の生き残り(・・・)
「ラー」によって支配されていた・・・

・・・こうやって書けば書くほどトンデモに見えてきたのだが、それでも娯楽作品としてまぁまぁテンポはいいし、エジプトモノとしても「若年の髪房」(っぽいもの)を下げた少年たち、ハイテク・アヌビスマスク、ハトホルのシンボル(マハードの冠のデザインですね)をあしらったラーの衣装など、「エジプトっぽいモチーフ」に幻惑されるので、それはそれで面白いかもしれない。

<つまるところ>
学者センセーがエジプトローグに関わったという以外はかなり高レベルで非・エジプトなので、古代エジプトっぽい映画を見たい向きは、とりあえずディズニーの「プリンス・オブ・エジプト」と「ハムナプトラ2」を見た方が楽しいかもしれない。

「ハムナプトラ2」もキテレツさではいい勝負だが、こちらも一応中期エジプト語に配慮しているそうだし、娯楽作品としてはこちらの方が楽しい。「レイダース」と「ホーム・アローン」と「冬ソナ」をごたまぜにしたようなカンジではあるが・・・
エンドロールでスタッフの名前がヒエログリフ変換されるシーンの美しさは必見。

そして何よりも古代エジプト語でお話になるマッチョ神官・イムホテプ様のむっちりと弾力性に富む肉体と、ラストで女に裏切られて見せる悲哀に満ちた表情には胸をえぐられる。

男の風格では「ハムナプトラ2」が「スターゲート」に完全勝利だ。

京都文博記念講演by宮本純二先生 2005年3月12日(土)

京都文化博物館のエジプト展記念講演(全6回)の最終回。あぁ〜っ!もう最後だなんて寂しいわぁーっ!
いつも愉快なネタを一つたりとも逃すまいと目を血走らせてギンギンに聴講しているせいか、博物館の人たちともそれなりに顔見知りになったのにさ、これでもうおしまいなのね・・・でも京都まで来る用事もないしなぁ。

本日は橘女子大の宮本純二先生の「古代エジプトを掘る」なのだが、だらしのない私はまたしても寝坊してしまった。
京都文博は阪急電車の駅が一番近いのだが、それじゃあギリギリで間に合わなさそう。けれど阪急だと400円で行けるところがJRだと倍の交通費がかかる上に、駅からタクシー乗らなきゃならないのだ。

どうしよう、ここは「ギリギリ間に合う方」に賭けてみるべきか?と激しく迷ったのだが、そのとき頭上から「間もなく新快速電車がまいります」というアナウンスが聞こえてきたので、反射的にJRのホームへ駆け上がっていた。
で、京都駅からタクシー代960円也。泣きそう・・・960円あったらヒレカツ定食食べられるよ。
暖かいお布団の中でうだうだしていたいという欲望に30分間負けたためにこんな余計な出費。ここは自分に罰を与えなくては!と朝食も昼食も抜いたんだが、夕ご飯できっちり外食してたら懲罰の意味ないか。

講演はエジプト中部の都市遺跡・アコリスについて。アコリスには現在分かっているだけでも中王国時代〜イスラム時代の遺構が積み重なっており、この遺跡全体を発掘しようとするとこれからまだ400年はかかるそうで・・・まったく気の長い話だね。
バラバラかつ一部焼けこげて破損した状態で発掘された埋葬用の船模型(中王国)の復元の話も、聞いてるだけでゾッとした。考古学者に要求される大切な素養、それは忍耐。

で、今日の講師の宮本先生は地元のカルチャーセンターでエジプト講座を持ってらっしゃることは知っていたのだが、曜日と時間がヒエログリフ講座と半分重なるので春の講座は見逃そうと思っていた。
思っていたのだが、こうやって一度ご本人のお話を聞いてしまうと、これがまた「チャリ圏内でやってるんだから講座半分だけでも受けとこうかな」って気持ちになっちゃうのが私の悪いクセなんだよな・・・。
こんなことやってるとそりゃ「エジプトはゼニがかかる」とぼやくのも当たり前でそれはすべて自分の責任なのだが、まぁどこでどんな
面白いネタに出会えるかも分からないし、これでまた新たな人間関係が広がるかも分からないので、ここはせっかくだから新たな可能性に向けて種まいとくことにした。

・・・とこう書いてくると、私は何でも蒐集して掘り下げないと気が済まないマニアど真ん中の性格ながらも、正当派学者タイプのマニアというよりもむしろ「ネタを集めなくては気が済まない」ゴシップ誌の記者に近いような気がしてきたよ。

浪漫飛行to神官会議 2005年3月9日(水)

ぼちぼちゴールデンウィークの旅行予定を立てなきゃならないというプレッシャーのせいか、コム・オンボで開かれた上下エジプト神官総会に、病気の上司の代理でやってきた若手神官として出席する夢を見ていた。

松明の灯がともされた薄暗い神殿の中、なにかよく分からない気色悪い魚が泳ぐ聖池をぐるり囲んで席が設けられているのだが、そこに敷かれている民芸居酒屋にあるようなかすり模様の丸い座布団でエジプト風味台無し!!

で、他の出席者はみな普通のエジプト神官だったのに、なぜか議長がアクナディン。白いヒゲをしごいて咳払いひとつすると、座布団にあぐらをかいた面々をぐるり見回して威厳たっぷりに開会宣言していたよ。

先だ先だと思っていると2ヶ月切った今年のゴールデンウィークは、理想的にカレンダーがいいから月末の空港はさぞ込むことだろう。ああ、想像するだけでイヤだなぁ・・・また座席確保で目ぇ血走らせなきゃなんないし、場合によっちゃカウンターでゴネる必要も出てくる。普段はゴネたりしないが、カイロー関空のノンアルコール13時間についてはみっともないとか言ってらんないのだ。カッコつけてると地獄を見る。
チケットは高いし(20万)気候ももうかなり暑いし砂嵐は吹きがちだから本当はゴールデンウィークなんかに行きたくないのだが、他の日は休めないから仕方ないんだよね・・・

また、私のチケットは半年前から押さえてあるのだが、昨年5月にルクソールの暑さに懲りたはずの妹もやっぱり行きたいと言いだしたので、ただ今リクエスト中。取れればいいけどなんたって黄金週間だからなぁ・・・前から誘ってるのに行くならもっと早く決めとけ。

ただ、地味〜な石切場にあるホルエムヘブのスペオス(小型の祠堂)やらほぼ何も残ってないアケトアトン跡地を見て、エジプト史に興味ない妹が面白いかどうかそれが問題だ。
まぁ一人でも二人でも国内移動費や人件費などの基本的にかかるお金は変わらないし、この度は山登りとか砂漠とかいつもより行き先がバラエティーに富んでるからには、どうせなら一緒に行かないと損だとは思うんだけどね。
妹には一人分のホテル代と自分のチケット代以外は出させないなんて・・・我ながらなんてお優しいお姉さま!(笑)でもチケット取れた場合はエジプト関連書2,3冊を読むこと、その程度のノルマは課そうと思っている。

京都文博記念公演by鈴木まどか先生 2005年3月5日(土)

京都のエジプト講演なのだが、昨日の担当はエジプト美術といえばまずこの方のお名前が浮かぶ鈴木まどか先生。
著作を拝見して何となく私と同じくらいのお年かと思っていたら、予想よりずっと年輩の方だったのは軽い驚きだったが、とても魅力的な先生だったよ!
一見普通の上品な奥様という感じなのだが、フランスでエジプト学を学ばれてからはアコリスの遺跡発掘でむさい(想像)男どもをたばねて隊長まで勤められたというから相当パワフルなんだと思う。
先生が「美術とは人の心の有様だ」とおっしゃた時、また距離的・時間的に遠く隔たった古代エジプト人と日本人の間の共通点について話された時は思わずウルッときてしまった。

講演自体は一時間半では時間足らずってかんじだったが、選ぶ言葉の隅々に先生のエジプト美術に対する愛がにじみ出ており、古代エジプトで私が最も興味があるのは美術だというのも手伝って、すっかりまどか先生のファンv
先生が教鞭をとる倉敷の美大の講義を聴講する方法はないものか・・・とかそんなことばっかり考えているから本当にミーハーだ。
現在、私の心のスキエジプト学者ミーハー番付のベストは早稲田の近藤二郎先生なのだが、二番目に鈴木まどか先生が急浮上。名古屋のエジプト展でも講演されるからなにをおいても駆けつけたいと思う。そして先生の著作の中にあった「カイロ・タラトハルブ広場にあるエジプト文献書店」、どれだけ捜しても分からないからぜひとも場所を伺う機会があればいいな・・・

さて、ミーハーはそのくらいにして。
講演が終わってからはもちろん大好きなブサイクアヌビスに会いに会場の方へも足を運んだ。

どの角度から見てもいつも通りにブサイクなアヌビスたん。参考資料として世界最高の美男子アヌビスであるツタンカーメン王墓のアヌビスの写真が並べられているのだが、そのギャップがまた痛々しい。
まったく犬心の分からない展覧会主宰者だな!ベッカムとエジプトの屋台でコロッケ売ってる歯抜けのオッサンを比べるようなそんな真似せんでも・・・
訪問者にも
「え?これが同じアヌビス?こっちのはえらいブサイクだなぁ!ハハハハ」なんて笑われたりして、アヌたんはさぞ傷ついていることだろう。我慢できなくなったらオバちゃんの家の子におなり。オバちゃん、下関博物館のおぢさんからお前を身請けしてあげるからね、3980円で。

はたらくエジプトのおじさん 2005年3月4日(金)

ヤフオクでまた変なエジプトグッズを落札してしまった。

前の変グッズは大英博物館製作・発売のカリムの天秤・・・もといオシリスの法廷の心臓の計量天秤製作キット(紙製)だったが、今回のグッズは「ネクサス・1/72スケール エジプトの兵隊さんセット」である。

「兵隊さんセット」とはいえ、真ん中の男は赤冠かぶってるからまごうことなきファラオなのだが・・・歩兵と並んで地面に足つけて戦うとはえらい庶民派だね。また、この写真では分かりにくいが、乳首をちゃんとこげ茶色にぬっているあたり、ネクサスの制作者のこだわりがねっとりとにじみ出ておりまことにいいカンジだ。

もちろん1/72スケールのアーミーモデルのことは「こち亀」で断片的には知っていたとはいえ、プラモの趣味は(まだ)ないのでこういうものを買うのは初めて。
たぶん箱の写真みたいな彩色はされてないんだろうな〜とは思っていたが、チョコEgg世代として部分的には彩色してるかも・・・というささやかな期待もあった。
だが現物はというと・・・

ちっちゃっ!!!

それになんだこの生娘のような無着色なお肌は!!こんな小さなもん、どんな面相筆で塗れというんだ?!箱の写真のように塗るにはきっとものすごい時間がかかることだろう。そして当然今の私にはそんな時間はない。

とりあえずどっかにしまっといて、定年退職したら塗ることにしよう。それまで机の奥深くで目覚めの時を待て!ネクサスの戦士たち!

世界の神話食玩具

カバヤとボークスのコラボレーション食玩「世界の神話・オリエント編」を購入。

食玩は結構好きなのだが(というよりフィギュア好き)何が出てくるか分からないというリスクを侵すのがたいそうイヤなもので、今まで集めた「不思議の国のアリス」や「古代美術品シリーズ」は箱入り新品ではなく、多少高いけれどもフィギュア店で開封済みのヤツを購入してきた。開封の時のドキドキ感はあっさり犠牲にする私は、すでに夢を捨ててしまった大人だ・・・

だけど今日初物の冷やし中華を買いにコンビニに寄った時、たまたま目に入ったこの「神話シリーズ」を手に取った瞬間、私は心の中で絶叫した。欲しい!今すぐ欲しい!!

ホストクラブの入り口写真のようなおもむきでパッケージに印刷されていた神さまラインナップは、メソポタミア神話はどうでもいいとして(ヒデェ)エジプト組からはオシリスとイシス、セトとホルスとラーとアヌビスというありがちなメンツが選ばれている。
まぁ「ヒゲが生えた赤ちゃんみたいなのがタンバリン片手に踊ってる」ベスとか「妊娠した状態の立ちカバ女神」トゥエリス、さらにはチ○コ勃ってるミン神なんていうマイナー&下ネタ系は取りあげにくいんだろうが・・・

だがありがちラインナップとはいえその造形には脱帽!マッチョにもほどが!!(写真をご覧下さい)

葬儀や宗教劇の際には、神官がアヌビスやホルスのお面をかぶってお勤めを果たしたという史実があるので、このフィギュアは「マッチョ神官による神さまコス」だと思ってもいいかもしれない。

原型はボークスの圓句昭浩氏なんだが、この人の空山基シリーズや永井豪シリーズの4万円くらいするフィギュア、私持ってるよ!今うちの飾り棚に並んでるよ!
ならエジプト神BY圓句、コレは買うしかないでしょ!

で、「コレは買うしかない」と言いつつも、まずは慎重を期して二箱買った。
開けるとまずセト、続いてラーが出てきた。ジョジョ立ちなんかしちゃって無闇にカッコいい。

こうなったらアヌビスとホルスも欲しい!オシリスとイシスは人型なのでわりかしどうでもいいけど・・・とコンビニにダッシュして、次は三箱買った。

フィギュアの種類はぜんぶで12種。確率的にはそろそろフンババ(メソポタミア神話・醜い)とかギルガメシュ(同・ヒゲオヤジ)に当たっても仕方ない。

・・・だが・・・私のエジプト愛はチグリス・ユーフラテスパワーに勝利した!

三箱の中にはアヌビスとホルスそしてイシスが。五箱しか買ってないのに欲しいものが、それもダブりゼロだとは。
ありがとうエジプトの神さま!すごいくじ運、というか今年のくじ運をこれで使い果たした気がする。

この「オリエント神話シリーズ」、愛知以西での販売となりますので、それより東の方はフィギュア屋やヤフオクで入手ということになるんでしょうが、もし仰っていただければ購入の上発送いたしますよ!もちろん実費で。

ただフンババが出ても当方では一切の苦情は受け付けられません(笑)

ラー(左)とホルス。モデル立ちの神。
私はホルスが一番気に入っている。(立ち方が無駄にカッコいいので)

アヌビス(左)とセト。セトがちょっと犬すぎてアヌビスと見分けつきにくい。セトは何の動物か?については「オカピ」「ツチブタ」「想像上の生き物」など諸説有るが、この食玩の封入カードでは「ロバ」となっていた。解説は神話学では有名な松村一男先生。

問題はこのおなご。

神というよりむしろヤンキー。もしくは赤羽のキャバレーで客を待つコロンビア人のねーちゃん(不法滞在中)

でも・・・彼女はエジプト神話で最も大切な神さま。オシリスの妻にしてホルスの母、キリスト教におけるマリアの原型、母性と魔術の女神イシスさまなんですよ!ホントですよ!

でもやっぱさすがにこれはなかろうて。
口の回りのシワまでリアルに作るなんて、圓句さんてばひどいっ!。

ハゲじゃないモン! 2005年3月1日(火)

ミュージカル「十戒」、見に行くべきか否かウロウロしているうちに関西公演は終わってしまった。

沈痛なおももちのラムセス二世が神官?セティ一世?(ハゲオヤジ)を胸にかき抱いている広告を見た時点で、「さすがおフランス製なだけあって怪しげなスメルがプンプン匂ってくる!これはなにをおいても見に行かねばっ!」と意気込んでいたはずなのに。アリーナ席を落札すべくヤフオクのウオッチリストにも「十戒チケット」で登録していたくらいやる気マンマンだったのに。

なぜなら公開直前にテレビで放映された「十戒スペシャル番組」を見たとたん、一気にやる気なくしてしまったからだ。

萎えの理由の一つは、出エジプトを阻止しようとする側より出エジプトしたい側・・・モーゼサイドにかなりのウェイトを置いており、エジプトはどっちかというと刺身のツマっぽく見受けられたから。萌え観点から言わせて頂くと、私にとって羊毛圏のヒゲを生やした人たちは好きとか嫌いの範疇外なのだ。

そして行く気が失せたなによりの理由は「ラムセスの胸に抱かれたハゲオヤジ」。
テレビにくっついて彼の頭部をまじまじ見つめたところ、スキンヘッドじゃなくて
単なるハゲズラだったからである。

オイオイ〜!短い公演期間なんだから髪くらい剃ってくれよ!ごく普通のOL(私)でさえたった一日のオタク冬祭りのために女の命をばっさりいってツルツルに剃り上げたのにさ、プロのアクター、それも男前のフランス男性になんでそのくらいの簡単なことができないんだよっ!!

まぁ、「薄毛に悩みに悩んで多大な金と手間をかけ毛根ケアを続けた結果、やっと生えてきた細い毛。娘と同じくらい大切なこの毛にどうしても別れを告げる気にはなれなかった」とか、彼には彼なりの隠された理由があったのかもしれないが・・・チケット一枚に二万近く払う側としては「毛って大事だよね!」と微笑んでばかりもいられない。ハゲ鑑賞も楽しみの一つだったのに、ハゲズラなんかにゃ大枚はたけないよ。

・・・そんなこんなでけっきょく行かなかった「十戒」。関西公演は終了したが、東京代々木の公演はこれから。関東在住の方、是非とも見に行って、怪しげな香りプンプンなデュエルシーンが本当にあったのかどうなのか、ぜひともレポしてください。

夢やぶれてサンガリア 2005年2月24日(木)

・・・あっさり負けました。本日のライバルは無線マニア也。

\12,500までは我慢したんだけどなぁ・・・あの勢いではあっさり1.5万円あたりいきそうだったからブルってしまった。それにしても\1,250スタートが10倍になるなんて、ラッキーでしたね出品者のひと!

だいいち本当に欲しいのは再版だしね、「全ページコピーのファイルを繰るのがめんどくさい」という動機だけでは1、5万はキツイよね・・・などと自分を納得させようとするものの、どうも気分はもやもやしている。自分にあてて京都のエジプト展にいる「アヌビス・のようなもの」の絵手紙を出したい気分。

あ〜ヤフオクってなかなか落札できないものだな!最近5連続くらいで失敗している。とにかくヤフオク疲れで眠くなった。寝る前にトイレに行ってピョートル大帝の舞踏会の夢でもみることにします。おやすみなさい。

モテモテ古代オリエント集 2月24日(木)

ヤフオクでなにがなんでも筑摩文学大全の「古代オリエント集」を落とさねばならぬ。そう、またブツが出てきたのだ。
前回は安達裕実とエヴァンゲリオンの好きなメソポタミアファンと競り合った結果、9750円で降りてしまったのだが、あれから古書店を徘徊してもぜんぜん見つからないから今日こそやるぜ!

今回は千円台スタート・・・と出品者が本の価値を知る古本屋ゆえに定価スタートだった前回とは大違いなのだが、問題は今回出品されているのは古い古い初版のほうということ。装丁とか状態とか、ホントは数年前に再版された方が欲しかったんだよね・・・

というわけで、前回のようにいきなり9千円ぶち込むのはためらわれるものの、今回の競争相手はどうもオリエントファンというよりも単に転売目的な匂いがしないでもない。前者なら「同類だからまっいっか」と優しい微笑みを浮かべて勝ちも譲れるが、後者の場合はつい意地になって想定外の高値を突っ込んでしまいそうだ・・・

さあ、うっかり忘れないように目覚ましまでかけた。どういう結果に終わったかはのちほどご報告いたしまふ。

ゼニがないのは首がないのとおなじ

先日、マイアイドルSAKUJI先生がクイズ番組に登場していた。

先生、すこし前も「オヤジ二人湯けむりぶらり旅」みたいな番組に出演してあまたの人々に乳首を晒していたそうなんだが(私は見損ねた。ファン失格!)テレビ露出度数が高くなるにつけ「発掘費苦しくなってきたのね」と思う。

ちなみに私は微力ながら先生のお手伝いをすべく早稲田のエジプト会に会費を払っている。いや、ほんとはエジプト学会の会報を会員価格で購入するためなのだが。

話がそれたが、SAKUJI先生出演のそのクイズ番組中、しりとりクイズのようなものがあった。

先生には「し」で始まることばが回ってきた。
先生、
「し・・・し・・・」と一瞬考えた末に「しはらい!!」と叫んだのには思わず目頭が熱くなった・・・苦しいんだね先生・・・(涙)

エジプト節だよ人生は 2005年2月21日(月)

古書店でディープインパクトな表紙の古雑誌(昭和34年発行)を見つけた。

内容が古すぎるのでちょっと迷ったものの、大衆演芸の人気スターみたいなファラオと見つめ合っているうちに、はっと気付くと催眠術にかかったようにレジの前に立っていた。恐るべしファラオマジック。それにしてもサンバでも踊りだしそうなすごいファラオだなぁ・・・流し目でもされようものなら、夢中で舞台に駆け寄って、首にお札で作ったレイをかけてしまいそうだ。

で、帰りに近所のチェーン居酒屋に毛が生えたような海鮮料理屋でカレとご飯を食べたのだが、高い、量が少ない、まずいと三拍子揃った上に、会計の時の店長の若いアンちゃんの感じがよくなかったので、「こんな店二度と来るもんかっ!」と心の中で叫んで店を出た。

だが、家に帰ってハッと気付いたのだ。ない、ない!マツケンファラオの本がないっ!どうもあの店に忘れたらしい。

結局のところ、「二度と来るもんかっ!」と(心の中で)威勢よくタンカを切ったその数時間後に、さっそく足を踏み入れていた。それも閉店後の掃除中だったのをわざわざ開けてもらって「忘れ物しちゃってぇ」とヘラヘラ笑い・・・我ながら情けない。

忘れ物したと言うとアルバイトの女の子たちに「え?」って感じの顔されたが、次の瞬間に「あぁ、あの本ね(くすっ)」とでも言いたげな微笑みを浮かべられた時には、思わずダンゴムシになって空き缶の下にもぐりこみたくなった。そんな微妙な笑みを浮かべないでくれえっ!
掃除中に乱入までして取りに来たブツは、昭和34年刊・触るとバイキン移りそうなちょっと湿った古雑誌、それも表紙が厚化粧ファラオときたら・・・すでにある種の羞恥プレイ。

最近やたらめったら忘れ物が多い私なのだが、これを契機に「忘れ物ゼロ」を目指そうと思う。

京都文博記念講演by大城道則先生  2005年2月19日(土)

雨のそぼ降るなか、またしてもうすら寒い京都までエジプト講演に行ってきた。
本日の講師は駒沢大学の大城道則先生。先生の著作中、一般書店で購入できるものとして「古代エジプト文化の形成と拡散」というのがあるのだが、とても面白いので色々知識を仕入れてややエジプト慣れてきた方にはお薦めの本。

本日はベス神(ヒゲを生やした小人の神さま)が地中海世界に伝播する間にどのような変化を遂げたかというテーマだったのだが、ユーモアあるテンポのいい語り口はとても聞きやすく、エジプト文明についてあんまし知らない人が聞いてもきっと面白かったんじゃなかろうかと思う。
写真も多用されており、特に「ヒョウの毛皮をまとったベス神像」を背後から写した写真は、ノーパンのがに股ぶりといいムッチリと太ったお尻の二重線といい、まったくここで紹介したいくらいキツイものがあって心の中で大・爆・笑!あ〜ええもん見せてもろた。

また、駒沢大学と東京工業大学、京都府立大学が共同で最先端のハイテク技術を駆使し、カルガ・オアシスにあるプトレマイオス朝遺構を発掘しているそうなのだが、ここからまた何か色々出てきそうな気配らしい。
エジプトで発掘をしている日本の機関は早稲田大と筑波大だけじゃないとは知らなんだ。なおこのカルガ・オアシス情報は3日前にSCA(エジプト考古学最高会議=エジプト考古庁)から「宣伝してもいいよ」というお許しが出たばかりだというトレトレニュース(笑)

今日の講演で一番びっくりしたのがヒエログリフの話。
「中期エジプト語では700語程度だったヒエログリフの文字は時と共にどんどん増えてきて、最終的に約一万語にも至る」とはよく耳にする話だが、このプトレマイオス朝で使われていたヒエログリフをまともに読める人は今世界に三人・・・いや、つい最近一人が亡くなって二人しかいないらしい。
広いエジプトロジーの世界でふ、ふたり〜〜?!学者ならフツーに読めるもんだと思い込んでたよ・・・
この点については講義の中では軽く流されていた箇所なのだが、私はこの点がどうしても気になってたまらない。
そこでまたしても講義後に先生に向かってダッシュかけたのだが(一番前の席だったのでギリギリセーフ・・・いつも走ってます)先生自身、今発掘中のカルガ・オアシスのヒエログリフ担当だそうなのだが、中期エジプト語じゃないのでよく分からず、ヘルプを求めて英国の学者に問い合わせしたところ読める人がそこまで少ないと知ってショックだった・・・とのお話であった。

もう一つ私の下世話・好奇心を満足させたのが、先週の「日本一のコレクター」菊川氏の話。
エジプトつながりで菊川氏と大城先生は交流があるらしいが、菊川氏の邸宅は成城学園前。「ちょっと花見しましょうか」と言われてどこ行くんかいな、と思っていると庭でお花見・・・なんかそんな話、海闇で読んだことあるような。
さすが4,5年で300点も蒐集されたパワフルなお方、お財布も実に力強い・・・だが、その菊川氏のさらに上を行く超リッチな奥様はとある有名企業のご令嬢で、菊川氏のエジプトコレクションよりもむしろ奥様のジュエリーコレクションが
ものすごいらしい・・・
とためいき混じりの「・・・」がやたらと多くなる遠い世界の話でした・・・エジプトって地理的に遠いけれど別の意味でも色々と遠い世界だよなぁ、せめて学生の頃に史学科に行けばよかった・・・と、こういう真面目な講義を受けに行くたびにあれこれ思うところの多い私でした・・・あぁ溜息・・・

講義終了後はあの「アヌビス・のようなもの」に会いに展覧会の方も覗いてきたよ。
チュン太郎もアヌビスもどきも、ガラスケースの中にあいかわらずブサイクな顔で鎮座していた。ああエジプトの遺物の集まる場所に行くと、ストレスでささくれだった心が癒される。
ずっと治らなかった風邪(昨日なんか会社休んじゃった。サイテー)が、エジプシャンパワーのお陰で治った気がする。私にとってのヒーリンググッズだねぇ。ヒーリング用に下関美術館、あのアヌビス売ってくれんかなぁ・・・4980円くらいで。

萌え萌えクリスティー 2005年2月13日(日)

今日は某闇ん子マニアのR氏大プッシュの児童文学「鏡の中の猫」を読んでいた。現代の少女が意識だけ古代エジプトにタイムスリップする話。
まだ半分しか呼んでいないもので(ひらがなばっかなのに読むの遅いなぁ!)感想はまた後ほど書くつもりだが、翻訳家のお名前を見て「中村妙子・・・中村妙子・・・?どっかで聞いたことあるな」と思っていたら、最近萌えまくらせて頂いたばかりのクリスティー作品「アクナーテン」の翻訳も中村氏だったよ。おお偶然の中村さんつながり!それとも古代エジプトを舞台にした英語のフィクション小説の翻訳は、この方に話が行くという図式が出来ているのかもしれない。

1月26日の日記で「じっくりねっとり読んでから分析します」と書いた「アクナーテン」は、あれから訪ねたクリスティーサイトで「ホルエムヘブが魅力的で、むしろ彼が主人公と言ってもいいだろう」と述べられていたまんまに、芸術音痴の無骨な軍人が苦悩しまくって実にいい味出していたよ。
クリスティー様はシェイクスピアを意識しながらこの話を書いたとのことだが、全ての萌えの原点は聖書とシェイクスピアにあり。王への愛と国家への愛の間で揺れ動く男心には臓腑をぐわしっ!とワシづかみにされた。

また、ハヤカワから出ている翻訳版では「一体どこのサークルの同人誌や!」と歓喜のうめきが漏れるほどのアクナーテンとホルエムヘブの愛し合いっぷり、韓流ドラマ並みの派手なすれ違いっぷり!

余りにも美味しすぎるもんで、すべての存在に愛の心を見出す能力に恵まれた人種(ヲタ女)である私としてもさすがに「クリスティーでこれはありえねー!!」と疑いの心が芽生えてきて、大至急原書を取り寄せてみた。

それもアマゾンでは取り扱いがなかったもので、わざわざ海外の古本屋から・・・と書くと、私がどれだけこの作品で萌えていたかお分かりだろう。
そのうえ船便では時間かかるもんで、送料高いけど「ビジネスメールで送れっ!!」と緊急オーダー。こういう事に関してだけは私はスピード感と情熱あふれるのだ。

美容院でパーマをあてながら原書と比較対照すべき部分に付箋を貼っていると、ハヤカワ版はあっという間にキモイほど付箋びっしりになってしまったくらい気になる部分が多く、全部書いてるときりないのでここにはいくつだけ揚げてみることにする。

<腐女子的期待はずれ>
アメンの神官達がホルエムヘブを王座に据えるべく密談をする場面
大神官(半ば独り言のように)女に無関心な人間・・・それでいて女にとってこたえられぬ魅力を持っている人間・・・
「女に無関心な人間」という表現に注目したのだが、原文は"A man indifferent to women- yet attractive to them"だという深読みしようのない表現だった・・・<indifferent>無関心な、無頓着な、冷淡な 

ネフェルティティの姉ネゼムートが妹と話し合う場面
ネゼムート:王さまも、ひどくお気に入りのようじゃないの。男同士が好き合うのって興ざめよね。
"
And the king is very fond of him. Men are very boring when they're fond of each other."fond of"みたいなヌルい表現ではなくloveかlikeなのを願っていたのだが・・・

<原書でますます萌えた場面>
ネフェルティティが衰弱激しい王と語らう場面
ネフェルティティ: なぜ、あなたはあの人をそんなに愛してるの?芸術とか、彫刻とか、美について、何一つ理解していない、無骨な、鈍重な軍人じゃありませんか。あの人にはあなたが考えていることが理解できないし、あなたのヴィジョンをわかち合うこともできないのよ。
アクナーテン: 愛とはつねに一つの神秘だからね
ネフェルティティ: あんな人と出会わなければよかったのに

NEFERTITI: Why should you so love this man - this stupid brutal soldier who cares nothing for Art or Sculpture or Beauty - who cannot understand your thoughts or share your visions?
AKHNATON: Love is always a mystery.
NEFERTITI: It would be better if you had never seen that man.

♪ラブイズアミステリ〜〜〜♪ 
おいおいアクナーテン様よぉ・・・(汗)まさかクリスティーで明菜ソングを口ずさむ事になろうとは!
「あんな人と出会わなければよかったのに」と吐き捨てるネフェルティティも味わい深いなぁ!

忘れがたいもう一つのシーンはこちら。

毒を盛られて死にゆくアクナーテンの傍らで夫を見送ろうとするネフェルティティの部屋に、よろめきつつ入ってくるホルエムヘブ。
「いっそここで死んでしまいたい・・・愛する主人のかたわらで」と言うホルに向かって「この人はね、あたしたち二人の板ばさみになって死んでいったのよ」とネフェルティティ。「わが愛するあるじ・・・」と錯乱するホルエムヘブ、「出ていって!」と叫ぶネフェルティティ。
二人、じっと目を合わせる・・・決闘のように。ホルエムヘブ、敗北を意識して踵をめぐらし、よろめきながら出て行く。
Their eyes meet. It is a duel. HOREMHEB is vanquished. He turns and stumbles out.

It is a duel! IT IS A DUEL!!! 妻と忠臣のデュエル、スタンバイ!!(by杏子)

この「アクナーテン」という作品は舞台では上演されなかったそうだが、クイーン・クリスティーは同じくハヤカワから出ている自伝の中で「わたしの大好きなものであった」と書いているのが嬉しい。

もちろん女王様がホルとアク王のプラトニックLOVEを書こうとしたわきゃないのだが、この戯曲を書くにあたって「シェイクスピアを意識した」という点に私は何か上手く表現しがたい・・・しかし重要なシグナルを読みとっている。
すべての萌えの原点は聖書とシェイクスピアにあり。
・・・もちろん「萌え」なんて言葉を一般小説に当てはめると叱られそうだが、ホルエムヘブファンとしてはクリスティー様と中村妙子様、もうお腹いっぱいですどうもごちそうさまでした、って心から感謝したい。

アガサ・クリスティーの「アクナーテン」(税別¥600)はまだ絶版になっていませんので、興味を持った方は読んでみてくださいませ。ハヤカワ文庫のまっかな背表紙が目印です。

顔でか〜い 顔でか〜い 顔でか〜い 2005年2月13日(土)

今日は6時と6時半に目覚まし時計をかけていたのだが、いつものごとく目ざめたのはきっちり8時前。
化粧もそこそこに8時20分の電車に飛び乗ると、速歩時々駆け足で京都の文化博物館へ向かった。目的は「古代エジプトコレクターの講演会整理券」なのでとりあえず10時のオープンと同時に入るくらいのことはしたい。まぁコミケと違ってコレクターの講演会だから、そこまであせる必要はきっといや絶対ないのだが一応気持ちとしてね・・・

烏丸駅を降りてから会場までの道が分からなくて若い女性に道を尋ねようと声を掛けたら、知らーんぷりされて爽やかな朝からぐつぐつはらわたが煮えくりかえった。
なんだよその不親切さは。むかつく!道くらい教えろ!・・・だがひょっとすると何か怪しい勧誘の人だと思われたのかもしれない。けど豹柄コートで勧誘する人間なんかおらへんっちゅーに。・・・結局道はおばあちゃんに聞いた。

私はギリシア美術の影響を受けてふくよかになったエジプト美術にはあまり興味ないもので、その時代の遺物が多い今回の展覧会にはそもそもそれほど気合いは入っていなかった。
でもやっぱり見たら見たで楽しかったなぁ!中でも四体ほど来ていた
チュン太郎(ソカル神)の木像の内の一つがものすごく気に入った。ファンシーなチュン太郎であふれかえるカイロ博物館ですら見られなかったタイプのブサイクだったからだ。
黒イヌ(ジャッカル)というよりすでに何か別の生き物と呼びたいど下手なアヌビス木像もよかった。死者を守る代わりにバッバッバッ!と墓内に穴彫って骨埋めてそうだ。

楽しみにしてた日本有数のコレクター・菊川氏の講演会は、エジプトに興味を持っている人もあまりそうでない人も合わせての100名なので、内容はそれほど専門的になることはなかろうなぁ、と思っていると案の定。
聴衆の興味のレベルが違うところでは講演会、特に美術コレクションについての講演などさぞやりにくなろうなと思う。

先週この展覧会を見に行った古代編ファン某氏から「質問タイムがあって遊戯王ファンくささがプンプン臭う女子が『セトには奥さんがいたのですか?』てな質問をしてたよ!」という報告を受けていたもので、質問タイムに全てを賭けていた私。
でも時間切れで質問は1つだけ受け付けて終わったよ・・・それも「コレクションしていてオカルトな目にあったことは?」みたいな質問。
けれどザヒ・ハワス博士うんざりの「スカラベは人肉を食べるのですか?」レベルだとバカにしちゃいけない。ある意味たった一つだけしかできなかった質問としてはいい質問だったと思う。
だって別にエジプトにさして興味がない人が知りたい事ってやっぱりそういう事だろうし、その時眠りかけの会場が一気に目ざめた感じがしたからなぁ。

あ〜今振り返ると「バカみたいな質問なのですが」と前置きして質問を発したあの女性は、博物館の回し者orかなり勇気あるデキる女のような気がしてきた・・・って単なる深読みか。
私も実もけっこうそっち系にも興味有るのだが、菊川氏は「業者からカノポス壺を勧められた時にはさすがにちょっと気持ち悪かったが、オカルト的なことは別にない、慣れの問題」との予想通りのお答え。

講演会が終わった後、心の広い菊川氏のご配慮で数点のコレクションにじかにさわらせてもらえたのだが、木像の軽さにはびっくり。発泡スチロールみたいに軽い。木像は重いとニセモノらしい。
また、その間に何とか食い下がってホルエムヘブの指輪の件で菊川氏とお話しさせていただけたので良かった。若くして300点もお持ちなだけあって、予想通り良家の子息のゆとりオーラをまとわせた方だったよ。

新王国ブツのコレクションのむつかしさについてとかも伺いたかったのだが、残念ながら時間切れで、続きはサイトに伺ってお聞きしますということでお別れしたのだが、皆様もよろしければ菊川氏のサイト覗いてあげてください!反応がないから不安になってくるとか仰ってましたので。(ヤフーで「菊川コレクション」で検索掛けて出てこないのも問題だと思うが) http://homepage3.nifty.com/egypt/ 古代エジプト美術館です。今年3月から横浜で展覧会もあるそうです。

その後は私のウジャトのペンダントを見て声を掛けてくださった30年前からあるエジプトサークル会長の老婦人とお話し、またその方の紹介でこんど古代エジプト恋愛詩の本を出版される翻訳家の方ともお知り合いになったりして、今日はまことに埃及的に収穫の多い一日だったなぁ!

夜にたまたまテレビをつけると「ふしぎ発見」でもエジプトをやっていたよ。
なんだ?!今年は来るのか?!エジプトが!!まぁ来ようと来まいとヲタ女には余り関係なさそうだが。

ふしぎ発見、アビドスのオシレイオンの3、4分ほどの絵を撮るためだけにカイロから400キロ走るなんてテレビ局ってすごい(ヒマ&リッチ)もんだなぁと感心した。
ナマズが泳ぐにごったオシレイオン(オシリス神の聖地にある石の建造物。ゴミが浮きまくった緑の水につかっている)の池に降りていく木の階段を見たときには、あそこでガンガン太陽に照らされながらカメラのメモリー入れ替えたはいいが、ルクソールでそれ(貴重な写真データが千枚ほど入っている)が「ない?ない?ひょっとしてあの階段に忘れた?!」と思って、私の人生でワースト3に入るドキドキっぷりだったのを思い出して胸が痛くなった。(結局カバンの底で見つかったが)
デジカメって、あんなちっぽけな板をなくすだけですべての努力がパーになるという点で、ものすごく怖いものだ。

また、昨夜のふしぎ発見はSAKUJIのオシリスコスという貴重な絵があったもので、ビデオ回しててよかった!いや〜まことに貫禄たっぷりなオシリス様で!カイロ博物館の「村長」(カー・アペル)像かと思ったよ・・・
シャフト(竪穴)の底に降りていったセンセイが
「頭が痛い・・・」「(女子アナ)え?先生、大丈夫ですか?」「いや、ヘルメットが・・・」とおっしゃるショットでも爆笑。だってヘルメットが頭に乗った状態だったもの、さぞしめつけられたのだろう。
既成サイズのヘルメットでは先生のでかい頭のハチには合わないに決まっている。カレとおんなじ!私のカレも会社の会議で「ヘルメットはS・M・L」と作ってはどうでしょうか」と提案して即刻却下されたそうだから世間は大頭に冷たいものだ・・・ヘルメットにもグローバルデザインを!

さて、今日行った展覧会の名称は「古代エジプト文明3000年の世界」。3月21日まで開催されているが、展示物は国内博物館所蔵品プラス個人蔵のコレクションで構成されていて、ビーズやアミュレット(お守り)が主というかなり地味めな内容。
あちこちに豆ぶつほどの展示物を鑑賞するための虫めがねが設置されているのが今回の展覧会の内容を如実に示している。
また、時代分類もマーケットによく出てくる末期王朝〜プトレマイオス期の遺物が多く、遊戯王ファンにはイマイチ興味を持てないかもしれないが、キラリと光る遺物もあるので興味をお持ちの方はぜひ覗いてみて欲しい。

どうも地味くさいと一般観客にまで見破られているのかどうなのか、京都で土曜日だというのにそれほどにギューギューじゃないのは魅力的。
来月名古屋に来るルーブル、夏の神戸のベルリン博物館エジプト展では絶対にこうはいかないので、ゆっくりと「ペンセット」とか「イアリング」とか「チュン太郎」「アヌビス・のようなもの」などの名品を鑑賞して下さい。

レバノンは遠きにありて想うもの 2005年1月29日(日)

昨日は日帰りで東京さ行ってきました。
5時半、6時、6時半と時間をずらして目覚まし時計を三つかけていたというのに、結局起きたのは9時前・・・
枕でこすられたせいで、ローマ皇帝の三男坊からジャングルの王者ターちゃんと化した乱れ髪をセットする暇なんかない。財布とカメラをひっつかんで家を飛び出して、一番手近なのぞみに飛び乗って上京。

ナマSAKUJIも4度目となるとさすがに慣れてくる。最初のうちは「綺麗にしていって印象づけたいわ〜んv」なんてちょとした欲望もあったものの、もうべつにジャングルの王者でいいよ・・・って気分。

東京駅へ着いてからは目黒から東急に乗り換えて、エジプトはまりしなければ一生来ることがなかった駅(名前すら忘れた)で下車。
地元の人に聞きながら猫がニャーと鳴いているような路地をいくつも抜けて、ついでに途中にあったお地蔵さんに500円入れておがんだりしながら、「林試の森公園」へと向かった。

目的はここに植わっているレバノン杉。古代エジプトでもビブロスの港とかから積み出されて、神殿や王宮の扉、船や高級木棺の材料となったのだが、この木はたいそう木むずかしい、いや気むずかしいらしく(最低なオヤジギャグ・・・)日本では植樹しにくいせいでどこででも見られるものじゃないらしい。そう、シリアで紀元前から続く高貴な家系のお嬢さまはけっこうもったいぶってるのだ。

念のため地元の森林植物園に「レバノン杉、あります?」とブティックにニューモデルの財布の在庫でも問い合わせそうなノリで電話したものの、地元にあるものはまだ小さくて一般公開していないらしい。まぁレバノン杉嬢指名なんて珍しかったのか、「なんなら特別にお見せしますが」と言ってくれたのだが・・・

そこでわざわざ目黒まで足を伸ばしたってわけだ。カリシャダが新婚旅行(・・・)でシリアに行く話とかも書きたいので、上京したついでに実物のレバノン杉を確認しとくかねぇ、という腐れ動機もモリモリあったしね。

予定では余裕で間に合うつもりだったのだが、なんせ寝坊しまくったせいで公園内でも競歩状態。なんで私はこう年がら年中バタバタしてんだ?

あせりまくって公園を抜けて公園事務所のオッサンに杉が植わっている場所を聞き、さあお嬢さまにご対面。
ふーん、○○年間でこのくらい育つもんなんだねぇ、香りがいいからお棺に好まれたといういうけどどんな匂いなんだろう・・・カリムんはやっぱレバノン杉の木棺に埋葬してあげたいねぇ、などとクンクン幹の匂いをかいでみたり、回りに落ちている破片を拾ってティッシュに包んでバックに収めたり・・・

そばでサッカーしている少年たちの保護者に思いっ切り不審な目を向けられている気がしたものの、思う存分木のエナジーを分けて頂いたよ。

<右>杉の幹に頬寄せて妄想しているとこんな虫を発見。エナメルを塗ったような鮮やかな色をして、うろの間でじっとしてた。

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杉との対話(笑)が終わってからはまたまた競歩ときどき駆け足にて高田馬場へ。SAKUJI講演の会場は早稲田のエジプトピルなのだ(「ビル」と書くとものすごそうだが、かな〜〜〜りちっちゃいです)

今日の講演は先日アメリカがツタンカーメンのミイラのCTスキャンをしたこともあって、「ツタンカーメンのミイラから何が分かるか」ってテーマだったのだが、予想通り先日ダハシュールで早稲田隊が発掘したセヌウのミイラの話が中心になったよ。

ネタとしては特にご紹介するべきものはないのだが、2,3年前から日本隊に許可されていたツタンカーメンミイラの再調査がなぜアメリカにもっていかれたか、という理由について知ることができた。

テレビにもよく出ているのでご存じの方も多いザヒ・ハワース博士(今のエジプト考古庁長官。でっぷり太った白ヒゲオヤジ)はアメリカで勉強したせいもあって大のアメリカびいき。その上に、先日までスイス人とドイツ人に視姦されていたアヌビスたんをはじめとするツタンカーメンの秘宝巡回展が、次はアメリカに行くらしい。
そう「ツタンカーメンCTスキャン」はぶっちゃけ主催者である
ナショナルジオグラフィックのプロモーションだったのだ。

CTスキャンするくらいならついでにDNA鑑定もしてくれれば、ツタンカーメンの血筋について真実が判明するからぜひともDNAを、とはSAKUJI先生も頼んだらしいが、なぜかエジプト世論はDNA鑑定に否定的でアメリカのCTスキャンでさえかなりの批判が出たらしい。これって宗教的に問題があるのかな?私には分からないが、今度イスラムに詳しい友人に聞いてみたいと思う。

このツタンカーメン巡回展をなんとか日本にも誘致すべく、先生はあちらこちらを当たってみたらしいが、黄金のマスクが来ないならそこまでの集客が望めないから・・・という理由のせいでどこの企業もしぶるため、巡回展はアジアでは中国に行くのではという話だった。
やっぱツタンカーメン展を呼ぶのはものすご〜く高いそうだ。そして日本の展覧会は金ピカな目玉展示品がないと客が来ないので、派手なものかミイラがないエジプト展はどこもやりたがらないらしい。
今巡回しているツタンカーメン展の相場がいくらくらいなのか私はものすご〜く知りたかったのだが、残念ながら質疑応答の時間がなくて聞けなかったよ。まぁバッ!と手を挙げて展覧会の相場を聞くような真似は、さすがの下世話な私でもようせんけどね。

お気をつけあそばせアクナーテン様 2005年1月26日(水)

あ、下の日記で書いた「アクナーテン」。
あれから少し読み進めたものの、このままでは血中コレステロール値がまたしてもH2ロケットになってしまいそうなので、心と体のために今はちょっと一休み中。だってあまりにも美味しくて萌え滋養たっぷりすぎるんですものっ!!
まさかクイーン・アガサ作品でここまで萌えさせて頂けるとは、さすがの夢想家な私でも夢にも思ってなかったよ。

まだほとんど読んでないのだが、将軍ホルエムヘブに仔犬のようについて回っては、あこがれのまなざしで見上げる「様子はいいが気弱な少年」ツタンカーメン。
「私は戦塵に汚れた老いた軍人にすぎません」と謙遜する将軍に秋波を送り、「何をおっしゃるの、そんなにハンサムなのに!それにお話を伺うと、戦闘って芸術みたいなものだと思えてきますわ」とまるで銀座のママ並みのトークを繰り出す王妃ネフェルティティの妹ネゼムート。
ホルはホルでまた・・・
ホルエムヘブ (考え込んでいるような口調で)女性・・・そうですね。自分には女性はどうも苦手です。と
爆・弾・発・言。

主人公アクナーテンに至っては、自作の彫像に対する意見を求められて困ってしまったホルの腕を組んで・・・
アクナーテン (低い声でささやく)「私を愛しているから、私がこしらえたものを何によらず、褒めてくれるんだね?」 
ホルエムヘブ (どぎまぎして)陛下、そのような・・・」

一体どこのサークルなんだよっ??!!二日目西館??!!
で、カプはやっぱり王道(ホルエムヘブxアクナーテン)なんですかアガサ様。

美味しい、美味しすぎるよアガサ・クリスティーのエジプト。それとも訳者が美味しいのか?
パラパラ読んだだけですでに気分はバブル期の「トゥーリア」(ディスコ)+リオのカーニバル+博多どんたく。ああ・・・今思い出しただけでエキサイトのあまり息が上がってきた。

全体の感想は、クリスティー様の心をくみ取るためにじっくりねっとり読んだあとに、また改めて書くことにいたします。

わくわく王国サンパーク 2005年1月2日(日)

本日はワッショイ!独り新春埃及祭り第二弾

「交通費二万五千円かけて行くようなもんか?ハズレだったら痛いぜぇ!」とささやくもう一人の自分を振りきって、はるばる山口は小野田という、こういう機会でなければきっと一生行くことがなかったはずの街に、片道四時間以上かけて行ってきた。なぜならおヒゲの王子様・SAKUJI先生の展覧会兼エジプト展をやっていたから。

会場のショッピング施設「サンパーク」という名称がかもし出すB級(失礼)ムードから察するに、膝カックンになるほどしょっぼい場所だったらどうしよう・・・と内心ドキドキしながらも、私のポリシーは「やらない後悔よりやった後悔の方がまだマシ」
それに根がシンプルなせいか昨夜のテレビの影響で、初夢にいきなり先生が登場した(※)とあっては、これは先生のヒキの強さを分けて頂くためにも年明けにとりあえず押さえとかなきゃならないイベント!という錯覚に陥ってしまったのだ。

新山口まで新幹線、それから在来線で小野田まで行って、小野田から1,2時間に一本しか走っていない単線・一両編成の小野田線に乗り換えて南中川で降車。五回も乗り換えするだけでもも〜ダルダル。久々にハヤカワSFを一冊読破した。

そして、あたりには喫茶店の「き」の字も見えない新年の寒風吹きすさぶ街を、鼻水をズビズビすすりながら15分ほど歩いて行くと突如出現するサンパークは、周辺の人たちがみんな車で買い物に来るようなけっこう大きめの複合ショッピング施設でホッと一息。

展覧会自体は小さなもだったのだが、結果から言うと一日かけて行ってきただけの価値はあった。
第一の収穫は、約10年前の「再現!ファラオの暮らし展(東京ガス主催)」で復元されらしいが、私は写真でしか見たことがなかった「ペリパウトの三本足テーブル」の復元模型が展示されていたこと。

ベッドや椅子は王族のものが博物館にあったもののテーブルは未見だったので、後学のためにもホモ小説ネタのためにも、大きさとか高さのイメージをつかんでおきたかったのだ。
この目で確認する三本足テーブルは星一徹でなくとも簡単にひっくり返せそうで、わざわざ好きこのんでこんな安定感に欠けるデザインにする古代エジプト人の冒険心にあきれた。

第二の収穫は、先生のギャラリートークでゲットした小ネタ・・・エジプト国内からこっそり持ち出された遺物の相場。(どこの国でも同じだろうが、エジプト国外への遺物持ち出しは厳禁されている)
そう、旅行記などでやたらと給料や値段について触れているのを見ていただければお分かりの通り、私は前世はベニスの商人?と思うほどモノの相場に興味があるのだ。

先生曰く、エジプトでは今でも発掘現場からお宝をちょろまかそうとするこそ泥からマシンガンを持った泥棒いや盗賊までがおり、貴重な出土品が秘密裏に海外流出しているらしい。それも現地の役人などの手を経て・・・(昨日の日記の「セティ一世王墓ミステリー」もそのあたりに関係あるのかもしれない)

そしてその相場はといえば、例えばツタンカーメンのカルトゥーシュ入り指輪は彼の墓以外の場所では今まで4個しか出ていないらしいが、もしそれがこっそり持ち出されて売却されるならば、現地でそれをくすねたエジプト人からの買い取り価格が10〜20万円、それがスイスに入って一億円、さらに転売されてクリスティーズやサザビーズのオークションにかけられると最終的に10億程度。
また、これが全く発見されていない彼の妻・アンケセナーメンのものになると30億は下らないとのこと。
この相場、私の予想とは一桁違っていたが、まぁ考えてみると村上隆の美少女アート・ヒロポンがクリスティーズで4800万だからなぁ・・・「一桁違ってた」っていうのは、単に私がエジプトをナメすぎだったってことかもね。

それにしてもなぁ・・・神戸から山口に行くだけでこんなに疲れたのに、昨日エジプトから帰国されたばかりというSAKUJI先生はかなりしんどかったに違いない。
いくら元気印のタフガイとはいえ、今日は目の焦点がフラフラしてたから同情したよ・・・
確か先生も還暦超えてるんだもんねぇ。今じゃもう「むちゃくちゃすごい新発見すんねん!新発見してエジプト学年表に名を残したるねん!」という気力だけでもってるんじゃないか?とちょっと心配になった年明けだった・・・と言いつつも、またしてもバーを吸い取ろうと思いっきり握手してる私。

さて、今日はもうベッドに入って、明日からの「新春カリシャダモード」への切り替えのためにお布団の中であれこれ妄想することにしよう。おやすみなさい。いい夢見ます。

※わたしの初夢・・・うちにいきなりSAKUJI先生が訪ねて来た。私はいいチャンス!マントゥマンでしか出来ない質問を浴びせかけようと大喜び。
・・・だが・・・!!
部屋には遊戯王同人誌とかゲイ雑誌とか、さらにはオシリス神を現代風半裸マッチョにアレンジしたむちゃくちゃ恥ずかしい原稿(現実にはそんなもん描いてないのだが)が散乱している。

こんなもんエジプト学者に見られようものなら二度と口きいてもらえないよ〜!
先生が他のモノに気を取られている間に必死で隠そうとして、私は初夢の中でまでまたしてもあせりまくっていた。

何とか恥原稿を隠しおおせた後、先生がサンパークのイベントに向かうから一緒にタクシーで行きましょうということになったのだが、そこへ企画会社の人が走り寄ってきて、先生にお供してもらうのならタクシー代と私のギャラを出しますと言う。

「ギャラの相場ですが・・・」と彼が取りだした一覧表は、なぜか新地のクラブママ達の写真入り一覧表。派手なドレスや着物に身を包み、こってりとお化粧をしたママたちが婉然と微笑んでいる。
「うちではこのクラスの店のママにこのくらい出してるんですが・・・」とギャラを提示されて、「でも、私水商売じゃないんですけど・・・」とものすごく困惑したところで眼が覚めた。

あの〜・・・言っておきますが私は普通のリーマンなのにこんな初夢イヤすぎる。一年を占う初夢。その初夢が変にリアルだとなぁ、これじゃ今年も色々と生臭い一年になりそうだ・・・

ネフェルタリ、愛の水中花 2005年1月1日(土)

みなさま、新年あけましておめでとうございます。
旧年中は当サイトご愛顧いただき誠に有り難うございました。
今年も遊戯王&エジプト&犬に変わりない熱い愛を注いでサイト運営していく所存でございますので、ひとつどうぞよろしくお願いいたします。

今日は「たけしのエジプトミステリー」の放映日。エジプトファンの舞踏会で情報をゲットしてからというもの、すごく楽しみにしていたこの番組。
また、大晦日に昔撮ったビデオを整理していると、当時は「ふーん、綺麗な墓だぁ」と普通に流していたホルエムヘブ王墓の映像がたまたま入ってて狂喜乱舞したりして、「今年のシメがこれで来年一発目からラムセスとはこれも何かのエジプト縁?」などと勝手に深読みして気分は嫌が応にも盛り上がる。

ネフェルタリが処女の生き血風呂に入ってそうなえげつない女に見えたものの、番組は思ったよりはるかに内容が詰まっていて面白かったなぁ。ありがとうテレビマンユニオンさん。
また、このサイトには9時から11時半までに来て下さる方も多いのだが、今日だけはカウンタが全く回っていなかったのには客層が反映されているようで笑ってしまった。

閉鎖中の墓を開けまくってくれるのはさすがテレビの力。
セティ王墓もセラペウムもよかったが、何と言ってもラムセス二世王墓(工事現場みたいな何もない墓)が見られて大感激。そしていつもながら無国籍風な再現フィルムの衣装と、稲森いずみ着用のド派手Tシャツのものすごさに目を奪われた。

ホルエムヘブと彼を取り巻く男達に熱い視線を注ぐヲタ女的には、何と言ってもホルホルの再登場に大興奮!

今日のテーマは19王朝なもんで彼の登場はぜんぜん期待してなかったんだが、ラムセス二世の祖父はラムセス一世。
部下にして友人を「ラムセスさん、8番テーブルのホルエムヘブさんご指名で〜すv」と次期ファラオにしてしまった
ホルエムヘブとラムセス一世の熱(暑)すぎる友情vvを取りあげてくれたのには椅子ごと後ろにひっくり返ったよ・・・
アビドス王名表のアメンホテップ三世ーホルエムヘブーラムセス一世のあたりのカルトゥーシュをクローズアップしてくれたのにも鼻血吹いてあやうく失血死しそうだった・・・カルトゥーシュが、カルトゥーシュがぁ・・・
まったくアニメ遊戯王といい
テレ東は私を殺す気かっ??!

おまけに再現フィルムのホルエムヘブ役、これがまたいい味出してんだよねぇ。
イケイケの軍人ってあたりを考慮したせいかどう見てもビーフケーキ(ムキムキ)特集のゲイ雑誌にいそうなタイプなのはたまらん。まぁ私のホル像は「スジ筋系」(これもゲイくさい表現だが)なのだが。そこらはミイラが見つかってないもんだからもう、勝手言い放題。

「ミステリー仕立て」という辺りでやや自分の首を絞めてる感のあるこのシリーズだが、何と言っても今日一番のミステリーだなぁと思ったのは、財宝が残っている可能性のあるセティ王墓の謎の地下部屋の調査が、エジプト政府の命令によって60年代から中止されたままなこと。
そして去年日本の調査隊に許可が下りたはずのツタンカーメンのミイラ再調査が、いきなりキャンセルされてアメリカ隊に持って行かれちゃったって事だった。(後者はゼニ問題だろうが)

それにしてもやっぱいいねぇ、エジプト。
予告編でテレ東の女子アナがたけしに「私、ミイラフェチなんですよ。ひからびてていいですねぇvv」って言っていたのを見習って、石像フェチの私としても「私、石像フェチなんですよ。固くていいですねぇvv」って堂々発言できるように、今年もはもうちょっと気合いを入れて、あの埃及という底なし沼につま先を浸したいものだ。

ラストダンスは私に 2004年12月10日(金)

あぁ楽しい舞踏会だった!
昨日の昼まで仕事してから、午後の新幹線に乗って舞踏会へ行って夜行バスで帰ってきたという慌ただしい行程だったにもかかわらず、会場に集まった気力満点の豪華なメンツに接したお陰で無闇やたらと元気いっぱい。
今日はヘトヘトのはずだから・・・と午前中は有給取ってるのだが、こうしてパソコンに向かい合ったりしてるもんね。午後からはボーナスもらいに出社しなきゃ(笑)

いや〜、やっぱやる気満々なオヤジはいいなぁ!ビバ!オヤジ!
新事業を立ち上げようとしているオヤジ、発掘費金かせごうとしてるオヤジ、視聴率取ろうと画策してるオヤジからは、悟空並みのオーラが溢れ出てるね。私も脂ぎったパワーをちょっと分けてもらって、半歩ほどオヤジに近づけた気がする。

会社では出発前ギリギリになって、よりによって5年ぶりくらいの大ミスが出てきて気が狂いそうになるほど慌てたが、それも何とか処理できて出発したときにはもうくたくただった・・・でも会場に到着するなり気力回復!

残念なことに立食ではなく着席だったので思ったほどは交流を深められなかったのだが、色んな国の王子さま(出版、放送、大学、銀行etc)のメンツがかなり豪華で楽しかったなぁ。
個人的には日ペンの美子ちゃんの会社の社長さんと是非お話を・・・と思ってたのだが、ビュッフェのローストビーフ取るのに夢中になってるうちに美子ちゃんのことはすっかり頭から抜け落ちてて、思い出した頃には舞踏会はお開きになっていた・・・ああ残念。

でも今日の一番の目的であるおヒゲの王子様(吉村SAKUJI先生)にはお会いできたのでとりあえず目的は達せられた。
前回は
「な、鍋物の汁は飲まないようにします!」なんて間抜け発言しちゃったもんで(※)今日は名誉回復のためにマトモな事を言わねば!と意気込んでいたのだが、今日もあんましろくな事言わなかったような気がする。
ともあれ、しっかりと握手して
先生のバーを吸い取らせて頂くことだけは忘れなかった。

(※)センセがトークの中で「野菜のアクは普通考えるよりずっと体に悪いから、自分はアクの出た鍋物のぞうすいとかは食べない」ってな事おっしゃっていたのだ・・・ってエジプトぜんぜん関係ないよ先生!(笑)

それから予期せぬ嬉しいこともあったよ。私がエジプト学者として今一番好きなロンゲの王子様(近藤二郎先生)ともお話しできたのだ。
書き物には人柄がにじみ出るもの。
二郎先生がエジプト学会の何周年記念号かに寄せてらした文章を拝見してからというもの、この教授の大ファンになった私。そしてその思いは、今年最近集英社新書から出た「ヒエログリフを愉しむ」という本でもっと強くなった。何て言うかなぁ・・・ジロー先生のエジプト人とエジプト文明に対する暖かい眼差しに惚れちゃたのだ。

ナマ二郎先生は、思った通りのおだやかな優しい感じの方だった。私は言いたいこといっぱいあったのだが、あせると言わなきゃならない事ってホントに出てこないもんだね・・・後ろの席のオヤジの足が臭い夜行バスの中で思い出して情けなくなったよ。まったくあれはホントに臭かった・・・

何をしゃべったかといえば、以前この日記でも書いた中島みゆきのCD「生きていていいですか」についてとか、先生があとがきを書いてらっしゃる「古代エジプトうんちく図鑑」(今、古代エジプト関係で最も売れている本。つい最近出たと思ったのに、昨日見たらもう5版か6版でびっくり)の話とか・・・
そんなどうでもいい話ばっか振っちゃった私のバカバカ!

「センセイ、「生きていていいですか」はいきなり出だしから♪うらみぃ〜まぁ〜す♪でびびりました」じゃねーよ!
もっと言いたかったこと・・・たとえば「ヒエログリフを愉しむ」の中で取りあげられた供養文「ヘテプ・ディ・ネスウト」の事とか、古代エジプト大辞典(世界のエジプト学者が総力結集で作った最新版。英語ならまだしも独語では私にゃ無理・・・)についての質問とかあったのに・・・
せっかく高名なエジプト学者とお話しする機会があったというのに、
中島みゆきとユーミンの話してきた私は本当にバカだ。

でも、ユーミンの曲の中で歌われているジャコビニ彗星をシベリアかどっかで観測していて、最初に日本に知らせたのはまだ学生だったジロー先生らしい、などというこぼれ話はゲット(笑)やっぱ若い頃からマニア道だなぁ。

帰りはテーブルが同じでお友達になった秋田の女性とお茶してバスまでの時間をすごした。
その方には大学生の息子さんと娘さんがいらっしゃるそうだが、二人ともオタクで、娘さんはジャンルがゲーム。ヲタ友達に会うために秋田から明石(神戸の隣りの市)まで行っちゃったりするらしい。そして息子さんは今年冬コミデビュー
まさかエジプト倶楽部のパーティーでコミケの名が出るとは・・・!

「私は遊戯王なんです」と言うと(言うなよ)「息子がカードを集めてたけど途中で挫折した」そうだ。そしてご本人もかつて里中満智子の大ファン(トークショーまで出かけてしまうような)やってたらしいから、オタクとオタクは引き合うものなのか?とちょっと嬉しかったな。
まぁ「エジプト好き」と言ってるスタート地点からして
すでにあんまし普通の人じゃないっていうのは、あの会場にいた人たちみんなに言えることだな(笑)

そういうわけで、一気に気力回復するほど楽しかったのですが、色々と遺恨も残した舞踏会。
来年の舞踏会には「トーク草稿」でも準備して、王子様たちに体当たりかましたいと思います!

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