3月31日(土)

夜中の4時に「○○につきましては」と打とうとしたら、いきなり「憑きましては」と変換されるとゾッとする。
パソの漢字変換は、使用頻度によって順列が代わってくるものだろうが、「憑く」なんてオカルトワード、自分がそんなに激しく使っているとは思わなんだ……反対に、「燃えるゴミ」が「萌えるゴミ」と変換されるのは、オタクのパソコンとして当然の調教結果だとニヤニヤしちゃうんだけどね。

昨夜は二重三重に入れ子になった夢を見た。とかく夢をよく覚えている方だが、こういう構成は自分にとっても珍しいパターンだ。

夢の中で私は、「おっきなゼリー」の新製品を食べている。
カップゼリーの中にざく切りのフルーツが入っているあの手の商品、みなさまご存じかと思うが、私が食べていたやつは、紅ショウガ、みじん切りの生ピーマン、ごま油で炒めたタマネギとシイタケが入った、胃液が上がってくるほど具だくさんな商品だ。

さすがに私も、甘いゼリーと炒め野菜のコンビネーションに「美味いっ!もう一つ!」と叫べるような通人ではない。
「ぐぇぇえぇえ〜っ!まずぅうっ!」 吐き気をもよおしつつも食べていると、その様子をじっと見つめる視線に気が付いた。

それはなんと、10年以上前に亡くなった祖母。
「おばあちゃんも食べる?」 祖母にゼリーを勧めてみた。だが、スプーンですくって一口、口に運んだ祖母は冷静に一言。
「……ゴミやな」

祖母の夢を見たのは、亡くなってから初めてのことだが、よりによってこんな形で出てくるとは、BAKA大好きだったおばあちゃんらしい。(笑)

さて、祖母の一言で目覚めた私。
「今、夢におばあちゃんが出てきたよ」「へぇえ、懐かしいねぇ」と、笑っていたのはアルツハイマーになる前の元気で優しい母。
「あ、お母さんが元気だなんて嬉しいな。でもこれは夢だな」と思いつつも私は、「ゼリーのレシピを書かなくちゃ」と、そばにあった「フランスファッション史大辞典」(そんな本は無いが)を開くと、余白に紅ショウガ、ピーマン……とメモし始めた。

だがその時、開いたページに描かれていた19世紀末フランス軍士官が、やおら本の中で会話を始めた。
銀縁メガネのやさ男、「今度の士官服、どんなのにする?」すると「魁!男塾」のゴツイ系キャラ似の大男曰く「俺はもう決めてあるぞ。
白いボンタンで決まりじゃ!」

フランス人で白いボンタンとは、そりゃねぇだろ!……と突っ込んだ時に、夢の中の夢で目が醒めた。
ああ、レシピをメモしたつもりだったけど、あれも夢だったんだ。今度こそメモを取りに行かなくちゃ。

そう思いつつパソ部屋に行くと、机の上に一辺30センチほどの木の箱があるのに気が付いた。ずいぶんと使い込まれたような、手垢で黒々と光った木箱。側面には一カ所だけ小さな穴が開いている。

その穴を覗いてみると、そこには満開の桜の樹下で恍惚と花を見上げる夏目漱石と忠犬ハチ公の姿。
「どうして漱石なのにネコじゃないのかな」と思いつつも、雪のように舞い散る花びらの中で仲良く肩を並べるヒトとイヌとの姿には、なんだかとても安らかなものがあって、私もその光景にうっとりと見入っていた。

するとその時……「オイこらテメェ!なにやってんだよ!」
ハチ公がいきなり二本足で立ち上がると、肩を怒らせズカズカと覗き穴の方に歩いてきた。「箱を斜めにするんじゃねぇ!オレたちの足場がグラグラするじゃねぇか!」

さっきまでのメルヘン気分はどこへやら。「なんてガラの悪い犬なんだろう!」とあきれたところでまた目が醒めたのだが、それはまた夢の中で……

「朝起きると幸福そうな顔でこときれていた」という話は時折耳にするが、お亡くなりになった方の中には、ひょっとするとこういう重層的な夢の世界で迷子になって、戻ってこられなかった方もいるのかもしれない。
「うかうかしてると逝っちゃうとこだったかも……」最後に現実世界で目覚めたときに、思わず額の汗をぬぐったのである。

3月30日(金)

……クズです。私はどうしようもないクズです。

年に2,3回はこの台詞を呟いている気がしないでもないが、「恥の多い生涯を送ってきました」という太宰の言葉が、今日はやたらと心に染みいる。

本日は会社の決算賞与日。
若い頃から人間の一生は、いつ幕を閉じるか分からないものだという妙な覚悟というか焦燥感があるせいなのか、私は貯金することに興味がない。
だが、実家では呆けた母と目の悪い父と独身の妹が清貧に甘んじているのだから、自分も宵越しのゼニは持たない主義なんて言っているとバチがあたる。もう高価な買い物はしない、衝動買いなぞもってのほかだ!と固く心に誓ったはずだったのだが……

ボーナス袋を抱えたまま(我が社はボーナスだけは現金支給なのだ)、定期メンテナンスから戻ってきた機械式時計を取りに、行きつけの時計店に立ち寄ったのが運の尽き。

うぉあおぅぉあぁ……(悶絶)時計屋に行く前にちょいと銀行に寄って、紙幣を預け入れさえしていれば、今ごろこんな風に頭を抱えて転げ回るハメにならずに済んだのにさ!
時計屋からの帰路、からっぽのボーナス袋の代わりにCHANELと印刷された黒い箱を抱えていた。

最近になってようやく、機械式時計のメンテナンスがいかに大変かに気がついて(※)、愛していた機械式時計コレクションから、3本の超美形を泣く泣くコメ兵に売り渡したばかり。
(※)……機械時計は最低5年に一度メンテに出さなきゃならない。そしてそれには一本約5万円も要するのだ。

だから考えようによっては、今回入手した新しい恋人いや恋時計と古い恋人を替えただけで、ボーナスを充当したってわけじゃなという言い訳も成り立つのだが……
そうは言っても、自分、余りにも思いつきで行動しすぎだ。なんだかもう、誘惑に弱い己への嫌悪感と、家族への何とも言いがたい申し訳なさにいたたまれなくて、このまま糸コンニャクで首をくくりたくなってきた。

幸いにして明日の夜には、両親とヘボピーの誕生日をまとめて祝うため、マヤっこには留守番させて食事に出掛ける予定がある。だから贖罪と言っちゃなんだが、せめて食事代くらいは出させてもらって、ぜいたくしてしまった自分にムチを入れたい。

プラス、ヘボピーには気持ちだけでもボーナスのおすそわけをしたいのだが……
今だとヘボに渡ったゼニは、もれなく硫黄島関係書に化けそうなので、綺麗なお洋服でも買って欲しい姉としては、キャッシュよりもブツで支給すべきか、それとも本人の希望を尊重すべきか、それが大きな迷いどころではある。

3月29日(木)

気温の上昇と共に桜の蕾がひとつ、またひとつとほころび始めているが、私の頭の中でも大輪の妄想の花がふるふると花びらを震わせているよ。

ウォートラン萌えは相変わらず健在。最近ではついに脳内のハーネマン様が、私に頼まれてベルリンの庭でバラの害虫駆除をして下さる……そんなレッドゾーン妄想に到達してしまった。

キャンディキャンディのアンソニーじゃあるまいし、それって軍人妄想としてアカンのは言うまでもないが、会社でヘトヘトな時に、妄想の舞台を硝煙のかほり漂う戦場に設定するほど気丈でもない。
疲れている時には妄想の中でくらい慰めて欲しい……なんて思う私はやっぱりか弱い人間。そして今日もハーネマン様は脳内の庭園でアリマキを退治する。

実はさっき会社の決算打ち上げ食事会から帰ったばかりである。
お調子者の私、いつもならば2次会3次会まで、バンビのように軽やかなステップで出席するのだが、ヒザカックンに端を発した体のずれが、今じゃ全身に行き渡ったようで、ここ2,3日なんだかものすご〜〜〜く調子悪い。

立ち上がったとき、振り返ったとき……ちょっと体を動かしただけで、体のあちこちから「ペキョッ」というなんともいやらしい音がするのは気味が悪いし、心なしか偏頭痛までしてきた。
だから今日は一次会だけで切り上げ、ゲーセン経由で(笑)帰ってきたところ。

ただ、そんなに具合悪いなら、このまま寝床に直行すればいいのだろうが、一番上段に「阪神選手 陰毛焼き」を置いたままにしておくわけにいかない。
だから今、体半分夢の国に足を踏み入れたままこれを書いている。

何故そんなにキバらなきゃなんないのか?
それは今週末にミクシィの方で、遊戯王と並ぶ私のエジプト熱の源、ミカ・ワルタリの小説「エジプト人」のコミュニティーを立ち上げる予定だからである。

以前から当家を覗いてくださっている方ならば、お下劣オッケーBAKAウエルカムの面々が揃っていると固く信じているのだが、ミクシィ経由の、それも1945年に公刊された絶版小説が好きだという皆様が、一体どういうノリなのかまったく想像がつかない。

……っていうか、40年間ならいざ知らず、今頃「エジプト人」について熱く語り合いたい人が、果たして存在するのだろうか?と、そもそもスタート地点からして問題ではあるのだが。

「ただただ、われ自らの哀れなる心に平安を得んとの願いにして、わが運命の枡も今ははや満たされた」なんて古めかしい文章が、文庫本全3巻に渡って小さなフォントでページをびっちり埋め尽くしている、という体裁ゆえ、エジプト好きからすらも「読むのがめんどくさい」と敬遠されがちみたいだしなぁ。

そんな状況だが、万が一同好の方がミクシィのマイホームを伝ってこちらを目にした時、いきなり日記最上段が「陰毛焼き」ではびっくりされかねない。「下ネタを連発するような管理人のコミュはイヤ!」とばかりに警戒されて、出来るお友達も出来ないではちょっと口惜しい。

……とまぁ、これで取りあえず「日記最上段を入れ替える」という目的は果たせた。もう限界、とりあえず寝る。

ここしばらく日記のノリが悪いので、我ながら落ち着かないが、今夜はとにかくおやすみなさいフランシス。
お布団の中では、ハーネマン様と「羊たちの沈黙」のレクター様と「XーMEN」のマグニートー様の三人に、寄ってたかってイジワルされる夢でも見られればいいのだが。

3月28日(水)

我らがトラトラタイガース、今年こそV奪回してくれるのだろうか。そう思いながら本棚を整理していると、山と積まれた同人誌の間から、2005年4月2日付けの大スポが出てきたよ。

スポーツ紙は滅多に買わないのだが、思い出した。この時だけは見出しに心奪われてKIOSKに走ったんだっけ……
第一面を飾る超特大の見出しにある文字はといえば、
阪神選手 陰毛焼き

「きょう1日開幕のセ・リーグでV奪回を旗印に燃えている阪神タイガースの若トラたちが決死の「陰毛焼き」を敢行した。一致団結を確認し、大いに盛り上がったのだが、ひとつ間違えば、大事なところが丸焼け、世間のひんしゅくを買うハメになったところ」

アホや……焼く方も焼く方だが、トップ記事にこれを持ってくる方も大アホや……これが日経やNYタイムズと同じ「新聞」メディアに属するとは思えん。
……とは言いつつも、大好きなんだけどね、大スポ。あの記事のリズムそして男の脂がしたたり落ちそうな濃厚さは、私が大いに参考にしたいところなのだ。

紙面には他にも「某若手選手ライターで自ら着火」「激しい火花に拍手とおたけびの嵐」「本誌記者も『陰毛焼き』体験」、さらには“火をつけて腰を振る”という命を賭した秘技「ジャングルファイヤー」など、心躍る見出しが踊っている。おおお!私も若トラと共に激しい火花におたけびを上げたいっ!……って自分のには火はつけないが。

セ・リーグ開幕まであとわずか。選手会の決起大会では、今年も秘技・ジャングルファイヤーが敢行されたのだろうか。
ならば若トラの体を張った勝利祈願の甲斐あって、うひょーっ!開幕からいきなり15連勝やんか〜!なんて、トラキチたちが心臓発作を起こしそうな、そんなパラディソな事態が訪れることを祈っている。

3月25日(日)

夢にナポレオンが出てきた。
古代エジプト好きとしては、ナポレオンと聞くと真っ先に思い出すのが、大著にして稀書である「エジプト誌」(一千万円でこれの入手を果たした荒俣宏氏は、天に駆け上がりそうなほど大喜びだったそうだ)である。

その影響もあるのだろうか、夢の中のナポレオンはエジプトのとある遺跡で、木棺の中に収められた貴重な香料と、ヨーロッパでは調合不可能なブルーの顔料を入手して、それらを売りさばき戦費とせしめんと、ある貴人の墓をあばかせていた。

実際にはそんな香料も顔料も存在しないものだとは思うのだが、夢でそれらは木棺の内側にべったりと貼り付いており、棺を壊さない限り取り出せない。
だから人夫たちはバラバラにした木棺から、タール状の香料と顔料を、額に汗してせっせとこそげ取っているではないか。

それを横から見ていた現代人である私は、「貴重な遺物がバラバラに!」と気が気ではない。でも、人夫たちが遺物の保護のため、皇帝の命に背くなんてことがあるはずもない。

腹が立つけれど遺物が蹂躙されるのをなすすべもなく見つめるしかない私は、せめてもの腹いせのつもりだったのだろうか……
風呂上がりに腰布一丁でくつろぐナポレオンに歩み寄ると、得られたばかりのブルーの顔料を筆の先につけ、香油でテラテラ光る上半身に、やおら日本の文字を記し出した。

「俺の 屍を 越えてゆけ」

「はっはっはっ!なんと書いたのだ?」とやたら上機嫌なナポレオン。「邪を払う東洋の呪文でございます」……だなんて、ホントの意味が知られようものなら、一家そろって縛り首だっつーの!!

そんな北斗の拳テイストの台詞を、なぜセミヌードのナポレオンに書いたのか……馬鹿らしい夢には慣れているが、さすがに目覚めた瞬間に、「アホか自分」と呟いてしまった。

だけど同じ夜に見た「庭の松の木の、下から数えて9番目の枝に乗せられたさかずきを、高枝切りバサミで必死にはさみ取ろうとする夢」の、なんだか不気味な意味深っぽさと比べると、相手がサウナ上がりのオッサンなだけに、はるかに罪なく明快な感じはしないでもない。

3月25日(日)

昨夜は久々に実家に帰らず、どこに出掛ける予定もなく。
そんな日は家でゆっくりすればいいようなものだけど、行くところが無いとなるとどこかへ行きたくなるのが、せわしない人間の性分。

「上半身のトレーニングだけなら……」とヒザをかばいつつジムに行ったあとは、電車に乗って大阪へと。いつもの回転寿司屋で夕食にした。地元には回転寿司屋がほとんど無く、またあっても高いばかりなので、つい食いだおれの街まで遠征しちゃうのだ。

ご存じの通り回転寿司店では、くるくる回っていないネタでも注文すれば握ってくれる。そしてその時、私はイクラが食べたかった。見ればベルトの上には、いつからそこにいるのか分からないイクラが、たった一皿だけくるりくるりと回っている。

菓子の賞味期限にはこだわらないが、こういう店で「捨てられるくらいなら……」とエコ精神を発揮するのはよくないものだ。
迷いに迷った挙げ句、リインカーネーションの輪のごとく、延々と回り続けていたイクラ皿を取ってしまった。

口に入れた瞬間、ミイラ並みのネタの乾燥っぷり、舌に貼り付くノリの湿りっぷりに、思わず漏れる呻き。
「ぐぅうっ……同じ値段なのに!」と爪が食い込むほどに拳を握りしめた。

その後はいつものレディースバーに直行。この店は平日はヒマすぎてオーナーの事務所と化しているらしいが、週末はいつ行っても、わんさかいるカップルの熱気でムンムンしている。

そこで隅っこに座り、静かに店の書棚からゲイ雑誌を取り出しては、映画や美術の情報をゲットするのが私のこの店でのスタイルである。だが昨夜は珍しく、オーナーと軽めの政治話になった。

なんでも石原都知事、「オリンピック誘致をする際に、美しい日本の恥をさらすような汚らわしいモノは撤去すべし」と、歌舞伎町と新宿二丁目を潰そうとしているそうでびっくり!オイオイ……それって日本で公営カジノをやろうとしていた人間の発言なのか?

まぁ確かに人間の欲望がアラベスクを織りなす歌舞伎町も二丁目も、面白い場所ではあるが、逆立ちしても美しいとは言えないよね。けれど、色んな価値観を呑み込んで、清らかなものも濁ったものも相混じるのが、大都市の面白さだと思うんだがなぁ……

石原都知事のこの発言(単なる発言なのか、それともすでに水面下で準備が進んでいる計画なのかは知らないが)、セクシュアルマイノリティー間ですらあまり知られていない情報だそうなので、ここを見た東京在住のゲイやビアンの方、どうぞお友達にも知らせてみてください。
まぁ以前からびっくりするような差別発言の目立つ石原氏、マイノリティー(非婚女性である私も、彼に言わせると立派な半端モノのマイノリティーだ)の人が、進んで石原氏に投票するとは考えにくいのではあるが。

こういうネタはヲタサイトでしても余り楽しくないので、これ以上は止めておく。ただ、今回の都知事選の行方にはかなり興味あるな。特に投票率に。「結局何も変わらない」と思ってる人たちが多くて、思ったほどは伸びないのかもしれないけど……
私は必ず投票に行くが、それでも地元にほとんどの市民がノーと言った空港が出来たとき、結局なにも変わらないんだなとガッカリしたもんね。

それでは実家に帰ります。先週、母と一緒に行動するのはもうヤメだ!と叫んだものの、やっぱり歩けるうちは付き合わなきゃ、寝たきりになってから激しく後悔しそうなので、気晴らしに先祖供養のお寺へでも連れて行くよ。

3月24日(土) 本日エジプト系日記も更新してます。

地元デパートで開催中の「華麗なるハリウッド映画衣装展」を見に行ったのだが、そこで目にしたヴァンプな黒いワンピースがたいそうカッコよかったので、自分も無性にワンピースが欲しくなった。

イスラエルデザイナーの手によるベネチアグラスのネックレスをいくつか衝動買いしたところなのだが、このアクセども、いつも着ているメンズファッションにはてんで不釣り合い。
けれど黒いワンピースならばきっと似合うに違いない……と、脳内には千倍ほど美化してレッドカーペットを歩く己の姿がぽよよ〜んと映し出される。

スカートはこの15年間ほど、ただの一度も履いてないけど、今ならトレーニングのお陰で足も少しは細くなっている。私のスカート姿でも、ギリギリで歩くジェノサイド兵器と化さずに済みそうだしね。

そこで串カツをかじりながらカレに、「ワンピースを着たいと思ってるんだけど」とおずおず打診してみると、「えぇえぇーっ!?日本沈没や!」とびびられた。

「マトリックス」のトリニティー、GIジェーン、「コナン」のヴァレリア……彼が日本人男性には珍しく、ソルジャー系外人女性マニアだとは分かっちゃいたが、まさかそこまでフェミニンを拒否されるとは……
彼の嗜好を受け入れている限り、私は一生モテとは無縁じゃなかろうかとちょっと考え直した一瞬。

3月23日(金)

ヒザの調子をこれ以上悪化させるのが怖くてジムにも行けず、一日おきに整骨院に通う毎日。
私の通っている病院では、診療に保険が一部適用されるからまだいいのだが、それでも一回1800円+交通費ってのは、薄給リーマンにとってはかなり痛い。

まったく、あの日立て続けに2回も風呂に入るんじゃなかった……
どうやら今回のヒザカックンは、二度の長風呂によってちょうどいい案配に体がゆるんでいたところに、体圧分散のための抱き枕・愛称ミッヒを抱かずに横向きで寝ていたため、ヒザに微妙な力がかかり誘発されたものだと思われる。みなさんも風呂での暖めすぎに注意しましょう。

とにかく、いまさら後悔してもしよーがない。これ以上悪くなると、病院の待合室で大ボヤキ大会を開催中の、関節痛のおばあちゃんの運命が待っているので、今はヒザをかばいつつ、Vシネマにおける金貸しのボスのように大仰に椅子から立ち上がる毎日だ。

あ〜あ、こんなことを繰り返すたびに、せっかく付けた筋肉がまた落ちちゃうんだよなぁ!ちょっと付いたと思ったらケガをして、またちょっと付いたと思ったらヒザカックン……天の意志は私に筋肉を付けさせたくないのだろうか、とちょっといぶかしく思う今日この頃である。

ところで、ミクシィの方の手塚治虫コミュで見つけた、手塚キャラ成分分析をやってみた。手塚好きの方、やってみて下さい。
http://seibun.nosv.org/maker.php/TedukaKyara/

どんな美形キャラが出るのかしら、ドキドキ……と、まずはミクシィで使っているHN(バイト先で使っていた源氏名でもある)を入力してみた。
すると、
52%がコバルト、32%が手塚良庵、各7%がレオとピノコ、残り2%がアトムの妹ウラン、という結果で、「32%が「陽だまりの樹」の青年医師とは渋いぜ!」と爆笑したのだが、次は同人で使っているペンネームでやってみると、71%がコバルトと、コバルトレベルが上昇していたので笑顔が消えた。

ご存じの方も多いとは思うが、コバルトとはアトムの兄弟であるウマズラの地味系少年である。
私は小学生時代、アトムよりも背が高くて思春期の少年っぽいというのに(確か兄として作られたという設定だったかと)、ファッションは小さな少年であるアトムと同じパンツ一丁しかはかされていないコバルトに、なんともいえない宙ぶらりんのセクシュアリティーを感じて、彼の存在を何となく避けていた。

うりざね顔ってところは確かにコバルトと私は似てるけど……と思いつつ、今度は本名で成分分析したみたところ……
81%がジェラルミン大公ー「リボンの騎士」で出来の悪い息子のため王座奪取を夢見て奔走する、サファイア王子の政敵オヤジーですと出て、8割がアコギなオッサンかよ!(笑)と、こちらの方はなんだかものすごく納得したのだった。

3月21日(水)

神戸で開催中の「ミイラと古代エジプト展」について取り急ぎひとことだけ……

関西圏にお住まいの方は、JR駅構内のパンフレット置き場などで、頻繁に展覧会のポスターを目にされていることと思う。

あのポスター、向かって右に今回の目玉であるネスペルエンネブウのカルトゥーシュ棺が、左手にはCTスキャンで立体映像化された彼のミイラの写真があるのだが、このミイラの頭にメンタイコみたいなものが乗っかっていることに気が付かれた方は、慧眼の持ち主である。

←こういう程度の引用でも写真は使えないのでめんどくさい、けど仕方ない。

実はこれはメンタイコではなく、形状的には丸くひらたくて、むしろフリスビー。その正体はといえば、つくりの粗い素焼きのだそうなのだ。

なんでミイラが頭に皿のっけてるのか?
それは、2800年前のミイラ職人の
うっかりミスのせいなのだ!

ミイラ作成の際、松ヤニを入れていた皿を、古代エジプトのうっかり八兵衛が死者の頭部の下に置いたまま放置。
「あちゃーーーっ!」しかし気付いた頃にはすでに時遅し。セーヌ河畔のイチャイチャカップルのように、皿は頭と固くくっついて離れなくなっており、職人達はミスを隠蔽するため、泡くって包帯を巻いたのでは……との解説であった。

2800年間隠し通されていたミスが、21世紀のハイテクによって衆目の面前に晒し出されるだなんて……
ミイラ職人もネスペルエンネブウ氏も、
「いらんことを!(怒)と、CTスキャナーの製造メーカーと大英博物館そしてSGI(グラフィックソフト会社。CTスキャンされた映像を立体化するソフトを製作)をさぞ恨んでいることだろう。私ならきっと恨む。

……てなわけで、今回の展覧会で私の心に一番残ったのは、やはりこのうっかりエピソードだった。
これは展覧会場の3Dシアターで明かされるミステリーなのだが、「神戸まで見に行く予定はない」って方も多いだろうから、ネスペルエンネブウ氏には申し訳ないがここでも紹介させていただいた。

皆さんも今後もし「ミイラと古代エジプト展」のポスターをどこかで目にされることがあれば、頭に皿を乗せたネスペルエンネブウさんに注目&合掌して頂きたい。
そしてその際には「皿もある意味個性的でカッコいいと思いますよ!」とくらいは、心の中で軽く付け加えて頂ければ有り難い。


海洋堂フィギュア引換券付き「ミイラと古代エジプト展」前売りチケットが数枚余ってますので、必要な方はお申し付け下さい。一枚1200円。ご希望に応じて博物館の前まで配達します(笑)。

3月21日(水)

アイタ〜〜〜っ!!ヒザやっちまった!!

転んだのではない。ぶつけたのでもない。おとといの夜、ベッドでごく普通に寝ていると、左のヒザのお皿が突然ガクッ!という衝撃と共に外れたみたいになり、一瞬後に元に戻ったのだが、その傷みに飛び起きたのだ。

「元に戻ったみたい」とはいえ、そこには微妙なズレが生じているようで、朝起きると痛みが残っていて何ともイヤ〜なかんじ。
靴を履こうとヒザを曲げたところ、
「うぉおぉうぉおおぅぉおお……!」
これって拷問?!という激痛に、玄関でクマのように咆哮。映画「ブラヴォー・ツー・ゼロ」でゲリラに拷問されていた、英陸軍特殊空挺部隊(SAS)隊員の気分をちょっと味わえた。

ヒザが痛い、ヒザが痛いとおばあちゃんがぼやく姿は、日本全国津々浦々で見られるものの、ババァとはいえまだ若い私がヒザ痛だなんて洒落になんない。
不幸にして水曜日は休日、病院も休み。
昨日は楽しみにしていたお食事会だったので、休み明けまで我慢しようかという考えも一瞬頭をよぎったのだが、「悪くなったらすぐ処置せよ」という整骨院の先生の言葉を思い出し、予定は泣く泣くキャンセル。いつもは薄汚い迷彩ファッションで来る女が、いきなりお食事会用のよそいき服で飛び込んで、あまりにもの不自然さに整骨院の受付女性に引かれまくったのだった。

処置が早かったのと先生の腕がいいお陰で、幸いにして今のところは曲げても大丈夫みたい。ただ、昨夜のクマのように咆哮した激痛を思い出すと、靴を履くのはどうも怖いなぁ。

しばらくは年寄りのようにそろそろ動かなきゃね。いつもなら頭の中にレンジャー部隊を思い浮かべ、迅速果敢をモットーに行動しているが、こうやってスローモーションで動く方が、「たおやかな女性(ルビは「ひと」ね」だなんて勘違いされて、たまにはいいかもしんない。

それではこれから母を美術館とデパートに連れて行くよ。
スローモーにしか動けないのをいい機会に、そこでは久々に母と「家庭画報ごっこ」(「お上品な言葉しか使ってはならないルール)を楽しみたいが、発言が「アレ」と「それ」で構成されている母が、果たして上品ぶりっこについて来られるか……
いや、呆けてなお遊び心だけは健在な母のこと、いい仕事ぶりを見せてくれそうな予感でいっぱいだ。

3月18日(日)

はぁあ〜、今実家から帰りました。
さすが陸上自衛隊仕様リュック、重量がうまいこと分散されるようにデザインしてあるんだろう。手から提げると腕が伸びそうなほどヘヴィなもの(海外から届いたばかりの豪華男写真集)でも、背負うとさほど重さを感じない。

……とはいえ、実家から駅まで30分、駅から自宅まで30分の計1時間を大荷物を背負って歩くのはかなり疲れるわい。こういうことを毎週続けていたら、少しずつ足の骨が摩耗して、50才になる頃にはダックスフンドみたく短足になっていないかちょっと心配。

さて、12時半まで惰眠をむさぼった土曜日とはうって変わって、今日は平常時間に起床。それなりに時間を有効利用したので疲れてはいるが心地良い。

母を買い物に連れて行って、マヤの毛玉を刈って、父と葬式と墓の話を詰めてから、立て続けにDVDを二本見た。
今日中に返さなきゃ延滞料金を取られるので必死だったんだが、やっぱり四時間連続で見ると目が痛くなるなぁ!半額フェアだからって欲張って借りるとろくなことない。

今日見た二本は、ゲイ雑誌で取り上げられていて面白そうだなと思った「真夏の夜の夢」。もちろん原作はシェイクスピアだが、舞台を19世紀初頭のイタリアに移して若干のアレンジを加えてある。
そしてもう一本は、マイフェヴァリット俳優、ジュード・ロウの飛行機乗りファッションが見たいだけだった「スカイキャプテン」である。

「スカイキャプテン」の方は、子供向けコミックみたいな作品で、ストーリー自体は実にしょーもなかったし、ジュード・ロウは他の作品の時ほど綺麗じゃなかったという点では期待はずれ。
また、宇多田元夫氏の伝説の大作「キャシャーン」を思い出させる、明暗がキッツイくせしてソフトフォーカスがかかったような映像のせいで、オープニング10分後にしてすでに涙がボロボロ……目が弱い方にはおススメしにくい映画である。

ただ、アンジェリーナ・ジョリー演ずるSM風味のアイパッチ中佐と、マトリックスのトリニティーっぽい女ロボットのボンテージファッションが、ゾクゾクするほどカッチョよかったので、ボンテージの女戦士にグッと来る同好の諸氏には、見てソンは無いとプッシュしておきたい。

そして「真夏の夜の夢」。これはもう、まばゆいばかりの美しさに感動するあまり、実家のボロテレビの前でゴーゴンの犠牲者のようにフリーズするばかりだった。

映画が始まってしばらくは、どうってことないイタリアの貴族や下々のものの生活が映し出されていたのだが、カメラが妖精の王・オベロンのしろしめす森へと移動するや否や、画面がいきなりピエールとジル(有名なゲイ写真家。ラメ入り遊戯王GXカードの100倍ほどキラキラした写真を撮るヒトたち)を彷彿とさせるゴージャス世界に変貌してびびりまくり!

溢れる色彩、天界から舞い降りてきたかと思うほど美しい男女、心震わせるクラシック音楽。
シヴァ神のような青い肌のインドの少年、蜘蛛、芥子の種、カタツムリの妖精……彼らのファンタジックな衣装もよかったし、妖精の男も人間の男も、もうええっちゅーほどに惜しみなくセミヌードを見せてくれるのも、筋肉好きとしては「じゅるっ……ぐへぐへ……」って感じで嬉しい限り(笑)。

また、ルパート・エヴェレット、ミシェル・ファイファー、ソフィー・マルソーと、美形揃いの俳優陣の中にあって、ハゲた中年男姿のフォーンを演じるスタンリー・トゥッチがたまらなくいい味出しているのは、何も私がハゲマニアだからってってわけばかりじゃなかろう。

私が一番好きだったのは、ロバに変身させられ、惚れ薬を仕込まれた妖精の女王・タイテーニアと一夜のちぎりを結んだ村人ボトムが、伯爵の庭に飾られていた大理石のタイテーニア像にそっと触れる、何ともいえない情感溢れるシーン。
そして、人間からレコードと蓄音機をもらったはいいが、どうやって使えばいいか分からない妖精たちの前に現れたボトムが、何気なくレコードに針を落とした時、世にも美しいアリアが響き渡り、森の住人がいっせいに顔を輝かせるシーンだった。

おお、もしあの雑誌がこれを熱烈紹介してくれていなければ、私はこれほど華やかで幸福感溢れる映画を知らないままだったろう。テラ出版に感謝だ。
ここしばらく湿っぽい気分だったが、こういう作品にたまたま触れると、頭の上にかかっていた灰色の雲が散ってゆくように思えてくる。

落ち込んだ心を盛り立てるには、やっぱり美しいものを見るのが一番だなぁ!そして昨日はまた毛色の違った美しいものー古代エジプト美術にも触れてきたので、その話はまた日を改めて書ければいいなと思ってる。

3月18日(日)

遅くなりました。一言メールお返事よーん。

Rさま・・・わたしのノートウインは、以前起動時は画面が赤かったのですが、最近真っ赤に光ります。悲鳴を上げられているようで怖いです。けどウインはなにをしていいのかさっぱりわかりません。

それは間違いなくRさんが呼び寄せたオカルト現象(笑)。
以前、古代エジプト不気味物件の原稿を書いている時に、突然マックが
「あああああああああ」と延々「あ」を打ち出て止まらなくなったことがありました。
時間が丑三つ時だっただけにびびりまくって、でも電源を切ろうとしても切れず、コンセントを引っこ抜いたのですが……
起動時にサルのお尻よりもまっかっかってのも落ち着かないなぁ!私ならとっくに取り替えてますよ、そんなホラーなパソコン!

パトカーのパトライト、非常用具入れのランプ、SMクラブの照明……赤という色には不穏な雰囲気があるものですが、真っ赤なモニタのパソってのもイヤすぎです。
私思うに、その現象は「お願いですご主人様、鬼畜原稿ばかり打たないで!」という、パソからの決死のメッセージかもしれませんぜ。

Sさま・・・やっぱりハーネマンさんは美しい。
高架下商店街、健在なんですね!好きだったのでちょっぴりうれしいです。

サンクスフォーリップサービス(笑)。愛しのヘンタイ王子には、ここ一週間ほどお会いしていないもので、その間にマシンが撤去されていないかおののきを感じてます。
もし撤去されようものなら、ウォートランが現存するゲーセンを求め、京阪神をしらみつぶしに捜さなきゃならないので、置いてもらってる間は、せっせと地元ゲーセンには貢がなきゃならないというのに……私ったら「精神的に参る」なんてことばっか言って毎日くよくよしてさ……
そう思うと、会社の件なんてほんとくだらない悩みね!(いや、ゲーセンの悩みもな)

高架下商店街にはあの地震以降いらっしゃってないとのことですが、地震からかなり変わりましたよ〜。
5,6丁目はギリギリかつての雰囲気を残しているものの、それより西は、渋谷系(って言葉はもう古いのかな)若者向けの店やこじゃれたバーが増えて、昔ながらの地下足袋屋や、フェンダーのレアものギターを、なにも知らないおじいちゃんが3万円で出していたほのぼの中古雑貨屋などは、絶滅の危機に瀕しています。

高架下の生物相……いや店舗相が完全に変化する前に、どうぞSさんもK市にいらっしゃってください。共にM食堂でナマ腸と舌とロバを食しましょう!

Tさま・・・R製菓のケーキ写真、うーん独特ですねぇ!子供の頃小銭を握り締めて追いかけたロバのパン屋のパンをなんとなく思い出しました。
……ロバパンを最後に追いかけたのは小学生の頃で、かき集めた70円でひとつパンを買ったのですが「ロバに乗りたいかい?」と聞かれて念願のお馬にしばらく乗せてもらえたのはいい思い出です。

年寄りのお茶うけにはお勧めできないR製菓のケーキ。(のどに詰めるから)
Tさまからのメールを拝見して、拙サイトのお客様の年齢層の高さに嬉しくなりました(笑)。
ロバに乗せてもらった話といい、「あれはウマじゃないロバだ、お前は騙されてるんだ!」と、当時は美少年だったお兄さまに小馬鹿にされた話といい(お兄さまの頭髪に幸あらんことを!)、ロバパンにまつわる思い出は、地域性や若干の年代の差を超えて、共通点が見いだせるのが愉快ですね。

私はロバパンの実物を見たことはないのですが(トロいため追いつけなかった)、路面電車の線路に一銭玉……いや一円玉を乗せて、ぺったんこにして遊んで叱られたかすかな記憶があります。ああ古きよき西岸良平の世界。

昨年だったか、♪ロバのパンやはチンカラリン〜♪という懐かしのメロティーが久々に流れていたもので、70円いや100円玉数枚握りしめて会社から飛び出したのですが、停まっていたのは鉄のロバ(軽トラ)だったのでがっかりしました。

Xさま・・・突然すみません。実は私、多分ミキ様と昔3ヶ月ほどだけ文通していたような気がする、、、、いえ!していました。

どひゃーっ!!今日はタイムスリップグリコ特集!「愛犬ジャーナル」と伺って、いきなし中高生の時代にさかのぼりましたよ。
今ウィペットを飼っていらっしゃるということは、サイトハウンド系の方でしょうか。失礼ながらお名前を伺っても分からないかもしれないのですが、当時のご愛犬のことをお聞かせ頂ければ、すぐに思い出せるような気がしますので、よろしければまた教えてやってくださいませ。

それにしても、拙サイトはぜんぜん犬関連じゃないのに、ジャーナル関連の方に再会できるとは……世の中は広いようで狭いものですね。拙サイトにアクセスして下さったということは、同人系、それともシンドバッドかミクシィの流れでしょうか。
当時の愛犬ジャーナルの常連投稿者さんは、みなさん趣味的にすくすくと育ち、今や立派なオタッキーとして世にはばたいておられます(笑)。

3月18日(日)

最後に書いた薄暗い日記から更新が途絶えていると、心配してくださる方もいらっしゃるかもしれない。
ご心配なく、忙しいだけで私は元気ですよん!……と明るく言いたいところなのだが、すんません、あんまし元気ないです。

とにかく毎日だるくてたまらない。毎朝目覚ましが無くとも同じ時間に目覚める私としたことが、昨日なんか起きると時計の針は12時半を指していてびっくり!
前夜は12時に就寝したというのに、12時間半もの間ノンストップで寝っぱなしだなんてあるまじきこと。だからだらしない自分に罰を与えるため、次の日は徹夜しようと思ったが、墓穴を掘りそうなのでヤメにした。

12時間半寝たとは言っても、次々に襲い来る悪夢にびびってちょっちゅう目覚めるので、12時間寝ても体の疲れは取れないどころか、寝れば寝るほど具合悪くなってくる。
こういう生活がすでに一週間以上続いているので、頬も心なしかこけてきたような……いや、最近、機嫌のいいピカチューみたいに幸せそうな頬になってたから、ちょっとはこけたくらいがストイックに見えていいんだけどね。

とにかくこの10日間ほど、見る夢がストレートに怖い。
私が見る夢は大抵アホな夢ばかりなのだが、アホ夢を見ているうちは元気なのだと痛感した。ここしばらく、くだんの派遣女性と幽霊がかわりばんこで登場する夢が、連夜絶賛公開中で精神的な消耗はなはだしい。

昨夜なんか、幽霊屋敷に迷い込む夢を見て3年ほど命が縮まった。
ごく普通の古い平屋建ての家なのだが、どうやらそれは地元でも有名な心霊スポットで、何十年も空き家のままらしい。「早く出なきゃ!」とあせっていると、あらゆる部屋のガラスが救急車のライトで照らされたように真っ赤になり、そこに真っ黒な人間の影が大量に映っている。
「逃げなきゃヤバい!」手近なドアを開けようとするが、ドアはびくともしなくて、そのうち家全体がガタガタ音を立て始めて、あまりにもの恐怖に目が醒めた。

また別の日には、怖い夢を見たってわけでもないのに、夜中に飛び起きて(比喩ではなく本当に「飛び」起きたよ……あんな経験初めてだ。鬼軍曹にどやされた新兵が2段ベッドで飛び起きるってこんな感じかな、とあとから思った)、あたりにものすごい圧迫感があることに気付き、その日はたまたま洗面所に置き忘れていたお守りを取りに走って、それを首から下げて寝直した。

このお守り、私が何回目かのエジプト旅行に向かうとき、友人が「今回はヤバい気がするからこれ持って行きな」とプレゼントしてくれた水晶の勾玉なのだが、バハレイヤ・オアシスに泊まった時、朝起きるとテーブルの上に置いていた水晶の中に突如としてキズが出現していたという事件から、結構頼りにしている。

これってどうなのかな。老いた両親のことは常に心配だし、とても信頼している友人が入院したショックの影響もあるかもしれない。
そしてなによりも、入社2ヶ月目(!)から「私やっぱり待遇がいい正社員がいいんですぅ!」と駄々をこね続けていた、でもホチキス止めすら指示通りできないブリっ子派遣女性(37才)から、津波のように押し寄せてくる妬みオーラの影響も確実にありそうで怖い。

この女性が最近またしても正社員登用を断られた上、ついに辟易した人事担当者に6月末で契約を切られることになりそうで、その点では心底ホッとしているのだが……隣のデスクで、さも安楽な生活をしていそうに見える私を、もうそれはそれは猛烈に逆恨みしているようなのだ。

「ミキさん、どうやってこの会社に入ったんですか?」「普通に面接受けてだけど」「へぇえ、ラッキーですねぇ!」って、あんたみたいなトンデモな人間、他の希望者ゼロでも企業は採らんっつーの!(怒)
また、「ミキさんのカレの友達を紹介してください」「あなた結婚してるんでしょ?」「いえ、ぜいたくさせてくれそうなお友達が欲しいなーって(真顔)」……ってふざけとる!

社内でサンプルを分けようものなら、他の人が取っていないのに箱に詰めて全部持って帰ってしまうという、そのものすごい女性がいなくなってくれる6月末までのあと3ヶ月半、精神的にもつかどうか……ぜんぜん自信がない。

ここはスピリチュアル系の友人にアドバイスを求めたいところだが、あっさり「生き霊飛ばされてるね」なーんて言われようものなら、恐怖のあまりその人におべっか使ってしまいそうになるので、ここは質問しないことにする。Tさん、Yさん、Rさん、Cさん、現状分析は不要です……6月末まではただ見守ってください、頼んます。

たかがと言っちゃナニだが、たかが一人の他人のせいで、なんでこんなに悩んでるんだ?と皆さん思われるだろうし、「たかがこんなことに振り回されて……」とアホくさく感じているのは本人も同じである。

けど、今回だけはどうしてもダメなのだ、もう一人の自分の「軽く流せ」という声も聞こえるのだが、どう頑張っても彼女の人間性を受け入れられない。
ヘボピーなど「これも試練だと思え!硫黄島の兵士の苦しみに比べたら……」などとまことに頼もしい励まし方をしてくれるが、彼女とデスクを並べて丸2年、私は今、マジで人生最大の危機にある。

こういう年齢になってくると、辛いこと、悲しいこと、借金に追われてかけずり回ったことくらい人並みにはある。
けど、真綿で首を絞められ続けられるこのストレスは、頑張ればなんとか解決できた今までの経験とはちょっとタチが違うんだよなぁ。

6月末に一体どうなっているのだろう。まさかゴネにうんざりした人事が折れて、契約延長なんてハメになってないか、自分は神経内科のドアを叩いていないか、そしてこのサイトは存続しているだろうか……私は今ほどドラえもんのタイムマシンが欲しいと思ったことはない。

3月14日(水)

かなり前に流行ったものらしいので、皆さんすでにご存じかもしれないが……先日会社で話題になっていた心理テストをご紹介。

設問1・あなたが結婚相手もしくは恋人に求めるものは?
1番大事だと思うことから順に、3番目まで述べてください。

設問2・では、あなたが求める3つの条件を、すべて同レベルで満たしている人が二人いたとします。
その場合、4つめの条件として何を挙げますか?

私の答えは、1番「知性」、2番「バイタリティー」、3番目が「健康」。そして4番目は……

結果から言うと、なんでも4番目に挙げたものが、その人が結婚相手に一番強く求める条件だそうだ。
え?私の4番目はって?

私が結婚相手に求める最も重要なポイントは、ずばり「ギャグセンス」。トホホ……
とは言え、「ミキさんカス掴むタイプだなぁ!」と爆笑されつつも、内心
「ゼニ!」だなんて高らかに叫ばなくてよかったなぁと、ほんのちょっぴり胸をなでおろしたのである。


付き合う相手に対しては、第一にセンスオブユーモアを求めるが、顔について言えば、これでいいのかと不安になるほどに私は非・メンクイである。

世間一般に言われるハンサムにはレーダーが全く反応しないどころか、捕虜収容所のシェパード並みに警戒心が働く一方、ついつい惚れてしまうのは、「こ、この顔のでかさでは身長2メーターは必要だっ!」と叫びたくなる巨顔男子や、カトちゃんのハゲカツラをかぶったせんだみつおのそっくりさんとかの、かなりの個性派ぞろい。
そう、私にとって大切なのは、まずはギャグセンスと知性とバイタリティー。たいていの顔にはいつか慣れるものだ。

で、会社でそんなどうでもいい話をしていたせいか、昨夜見た夢では、身長2メーター越えのフランケンシュタインそっくりなKGBのロシア男にベタ惚れ、押しかけ女房と化していた。

ピッピッ、ピッピッ……とホイッスルを吹きながら、カレのランニングに自転車で伴走するのが私の一日のはじまり。
その帰りには二人で朝マックするのが日課なのだが、土からできたゴーレムよりも無表情のまま、エッグマフィンを10個ほど一気食いするホラー風味のロシア人を前にして、「素敵v」などとうっとりしている自分には、夢を見ている本人ながら「オイオイ……いいのか?それで!」とちょっとあせったぞ。

……あああすみません、会社の心配事があるせいか、どうにもこうにもノリが悪いので、中途半端ですがこれにて店じまい。
今日は疲れた……世の中にはいろんなヒトがいるものだと頭では理解しようとしてみても、想像を絶して厚かましいヒトの存在にはおののきを感じるな。
とにかく精神的に疲労困憊なので、今日はもう休養します。一言メールお返事は明日改めて……ごめんニャさい。

3月11日(日)

小春日和の土曜日・昼12時。良き家庭人は家族サービスに努め、若いカップルはデートにいそしんでいる。
街はショッピングを楽しむ着飾った女性で溢れ、あちこちから子供達がはしゃぐ声が聞こえてくる。

だが、この四角いジャングルに集う男達は、そんな週末のありふれたワンシーンとは無縁の存在。
金曜日の夜、土曜の昼、日曜の朝……常にまんべんなくジムを埋め尽くす彼らが、唇を噛みしめ汗にまみれつつ、己の肉体の限界に挑戦するストイックな姿には、時に崇高なものすら感じられるのだ……
……って、マシンで力を込める時に
「ニュー・ヨー・クーッ!!」って叫ぶのはお願いですからやめてください。ゴルフのスイングの「チャー・シュー・メーン!!」と同じようなもんだろうけど、笑いすぎて足の上にバーベル落としそうになるからさ……

金曜日の午後から早退してマンションの配水管清掃に立ち会って整骨院に行ってから、土曜はジムに行ってヒエログリフ教室に行ってレズバーに行って、日曜は母を連れて外出して実家に帰って母の髪の毛を染めて……と週末から今まで(もうすぐ月曜日に変わりそう)バタバタしすぎたせいか、金曜日の出来事が遠い昔のことのようだ。
まぁ、やることが沢山あるってのは、ヒマよりはいいとは思うんだけどね……たまには丸一日のんびりした方が、体のためにはいいような気もなきにしもあらず。

それにしても、アルツハイマーが着々と進行しているせいで、母との会話で受けるヒットポイントが最近かなり高い。

いや、母の言わんとするところを推測することには慣れてきた。使える単語が日々減っており、母の発言は主に「アレ」「コレ」「あそこ」で構成されているものの、私は元来推測が得意で勘も鋭い方ゆえ、母の言葉の断片から、全文をかなり正確に当てられるようになったのだ。

ただ、会話が噛み合わないのだけはどうしようもない。不毛なやりとりに疲れてもうやりきれない。
例えば私が、「あそこにはまだ行ったことないのよね」と言うと、母は「行った?」と言う。「いや、行ったことないの」。すると母、またしても「行った?」「いや、行ったことない」「行った?」
……あああ!もうイヤっ!ギミーシェルター!……とまぁ、万事がこの調子。

これではALICE ならぬCHISATO IN WONDERLAND。幼い頃からルイス・キャロルのファンではあるが、よもや自分がワンダーランドにいざなわれるとは……
母とこういう不毛な会話を交わしていると、時折自分がキチ○イ帽子屋(Mad hatter)のお茶会で、帽子屋と5月ウサギのコンビに言葉責めされてる錯覚に陥りそうよ。

こういう日には、「シッダールタ」byヘルマン・ヘッセを読んで心を鎮めるのが最近のマイブーム。
20代前半に死にたいほど悩んで、毎日高速道路の上の橋から流れる車のテールライトを見おろしていた時には、渋澤龍彦の「高岡親王航海記」に救われた。
そしてイリの死から母の病に至る疲れで心をやられる寸前だった今回は、この小説に救われたみたいよ。ヘッセといえば、中学生の頃にイヤイヤ読書感想文を書かされた「車輪の下」くらいしか知らなかったんだけどね。

偉大なる覚者とドス黒い心の俗物を並べるなんて、なんとも面の皮が厚いことだが、母とのマッドなお茶会で爆発しそうな時には、解脱に至るまでのシッダールタの懊悩を思い浮かべると、やや平常心を取り戻せるようになってきた。

ただこの本、図書館で借りて感動して、自分用に文庫本を買ったのはいいが、たかが500円未満の文庫本、ケチって古本屋で買うべきじゃなかったよ……

ふらりと入った高架下の古本屋、棚で燦然と光り輝いていた「シッダールタ」はたったの100円!
だが、「うほっ!得した!これって天のお導き?」と小躍りしたのも束の間のこと。帰宅して開くと、元の持ち主が感動した箇所なのだろう、あらゆるページに鉛筆で傍線が書き込まれているじゃないか。

特にラスト部分、解脱したシッダールタが若き日の親友と問答をするサビのパートなんぞ、ページの端から端までがびっしりとタテ線で埋め尽くされていて、元の持ち主がどんなに感動したか手に取るように分かるるものの、私としてはその人からテレビ回線を利用した講義を受けているようで、読んでいて落ち着かないことはなはだしい。

幸いに傍線は鉛筆書きゆえ、手間はかかるが消しゴムでコツコツ消して行こうかとも思ったのだが、元の持ち主の感動の歴史を消すようで、なんだか悪い気もする。

消すべきか、消さざるべきか、それともいっそ新品を買うべきか、それが問題だ。
またしてもこういうどうでもいい悩みを抱えつつ、私の夜は更けていく。さっさと眠って明日からまた5日間、一生懸命お仕事しなきゃならないのにね。

3月8日(木)

ほろ酔いだったんだろうか、道で私の後ろを歩いていたオヤジが、突如として小声で歌を口ずさみ始めた。
「♪森のこかげで ドンジャラほい てんてん 手拍子 足拍子……こびとさんが そろって にーぎーやーかーに♪」

ギャハハハ〜〜!!幼稚園のお遊戯会以来、久々に聞いたぞ、こんな歌!
酔っぱらったオヤジが歌うのは、軍歌か演歌と相場が決まっているものだと思っていたが、男には時にファンシーな歌を口ずさみたくなる夜もあるものらしい。

人目を気にしてかやや控えめな声で、「あ、ほーいほーいのドンジャラホイ」と歌うラブリーな姿に、私は笑いをかみ殺すのに必死であった……

はぁあぁ〜〜〜、それにしても疲れた、ヘトヘトだ。
いや、疲れても当然なのだ。なぜならばカロリー消費のため、そして往復240円の電車賃を節約せんがために、5駅先の整骨院まで、速歩で往復二時間かけて歩いたんだからさ……
ペルシャ絨毯とゲーム機の中の男には、イグアスの滝の水のごとくゼニを貢ぐくせして、240円をケチってしまうこの金銭感覚、我ながらいつまでたっても理解不可能よ。

で、帰り道には、終戦後の怪しいマーケットのかほりを残す高架下の商店街を、ずずーっと歩いて帰ってきた。

この高架下商店街、好きなヒトは好きだが、嫌いなヒトは近寄るのもごめんってかんじのテイストで、若い娘さんなんぞ、夜になると怖がってまず一人では歩こうとはしない。

だけど、もう若くない娘さんである私は、ミリタリショップやバッタ屋(捨て値で買ってきた倒産会社の在庫品を売るお店)、中古パチスロ機屋にエロ本に注力した古本屋、薄汚れたキューピー人形とピンカラ兄弟のレコードの間に、作動するのか否かが不明なワープロやスーファミを置いた店や、謎の「焼き肉スナック」などが並んでいる、このエリアが大好きなのだ。

今日はこの高架下にて、多分私が生まれる前からケーキのようなパンのようなクッキーのようなふ菓子のような、正確なカテゴライズに迷いまくる甘ものを製造・販売しているR製菓で、フンパツして90円の菓子を6つも購入。

それから、夕食には高架下を抜けたところにある、地元の大衆系中華の有名店、大陸の香り漂うM食堂で、人気メニューのローメン(中華そばの卵とじ。汁気の多い焼きそばみたいなもの)を食べるというささやかな贅沢を楽しんだ。

それにしても我がK市に生まれ育って○○年になるというのに、なぜかこの有名なM食堂には、いままでただの一回も入ったことがなかった。それはショーウインドウの蝋細工の不気味なドス黒さに、漠然とした恐怖を覚えるがゆえだったのだが……

いや〜、ある意味期待を裏切らない店だったな!
高いゼニ払ってるというのに、バイト先の店の厨房でまかないをかっ込んでる気分にさせてくれるカウンターテーブルは、お洒落な総ステンレス張り。

年期が入ってどんより曇った金属の箸立てには、ダシ取ったあとの鶏ガラスープを海上に投棄して、環境破壊しそうだと目でも付けられているのだろうか。「海上不法投棄、油汚染は118番に!」という海上保安庁の警告ステッカーがべったりと……

壁に貼られたメニューを見ると、「胃袋 耳 舌 肝みそ 心ぞう 生腸 かしわ」の文字。
いや、「かしわ」っていうのは鶏肉を指す関西語だが、「生腸」っていうのはいったい……やっぱりずばり腸の刺身ってことだろうか。
それって焼き肉屋のメニューならかろうじて受け入れられそうだが、テーブルが総ステンレスの中華料理屋ではあまり食したくないメニューだよなぁ!
また、普通は「タン」って婉曲表現するところを、ズバリ
「舌」だなんて、あまりにの率直さにびびりまくり。

目の前の大釜では、グズグズになるまで煮込まれた豚足が山盛りにされており、厨房の奥では息子らしき男性が母らしき老女に大声で文句を言っている。
そして出てきたローメンは人気メニューというだけあって、やや薄味ながらトロリとした卵の半熟具合がなかなかのものだったが、意外と繊細な私は、どこか知らない国に迷い込んだようなこのカオスな雰囲気にすっかり食欲が失せ、完食に難儀したのであった。

他のテーブルに運ばれる皿をチェックしていると、どうやら一皿の盛りがかなり多いみたい。だから次回は色々なメニューにチャレンジすべく、誰かと連れもって来たいと思っている。

そして気になる「生腸」と、さらに気になる二文字の皿……ショーウィンドウの中で異彩を放っていた蝋細工の肉片、「ロバ」の正体を確かめたいものだ。

高架下で営業続けて○○年、R製菓のケーキもどき、一ケ90円也。こんなおおざっぱなケーキ、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家でしか見たことねぇ!(汗)

「スイーツはべつばらなのv」という頼もしいお嬢様でも、2つ食べるとギブアップしそうなこのボリューム、そして口内の唾液をすべて奪い尽くすパサパサ感に、さしものチープ菓子好きな私も完・全・敗・北。

3月5日(月)

突然の豪華客船との遭遇でバタバタ走り回ったから?それとも週末の母との遭遇で、びっくらこくほど意志疎通がむつかしくなったことにガックシきたから?
歩くたびに右足首がポコポコ気味の悪い音を立てる。だから仕事帰りにいつもの整骨院へ駆け込んだ。

先生曰く体がひどくねじれていたみたいで、治療を受けたら痛みは多少治まったものの、季節的に油断は禁物だから、しばらく詰めて行かなきゃなんないことになったよ。ぅおおお……この調子では、2007年度もまたしても確定申告でバッチリ医療費控除の対象だね……(※)

※・・・世帯まとめて(←ここ重要)交通費込みで10万円以上の医療費は控除の対象となるので、まだ確定申告してないヒトは3月15日までに税務署へGO!
まぁ住居購入の控除とは違って、耳クソほどの額しか返ってこないけどね……

気温が徐々に上昇してスギ花粉の舞い散るこのシーズンは、一年で一番体のバランスが狂う時期とのこと。
そういえばカレや会社のオッサンたちも、オフィスで、ゴルフ場で、そして朝食の目玉焼きつついてるテーブルで、HERE, THERE, AND EVERYWHEREで、ギックリ腰に襲われて死屍累々だぞ。

人間、生きてるからには絶対に左右対称には動けないから、腰痛や首痛の原因を取り除くのは容易じゃないそうだが、少なくとも「痛いときには無理をしない」「痛いところを指で押さない」「寝過ぎない」「風呂をシャワーで済ませない」「風呂に長く入りすぎない」ってあたりは注意しなきゃならないみたい。

ギックリ腰やむち打ちは「オレも年だなぁ、ワハハハ」なーんてナメてると、一生苦しむ辛い症状と化すので、心当たりのある方はいろんな整骨院に行ってみて、一刻も早く信頼できるお医者さんを見つけましょうね。


さて、週末の惣流・アスカ・ラングレー、いや飛鳥IIとの遭遇……とは言っても、キャプテンのキャビンに潜入したわけじゃないので、べつだん大したことはないのだが、この疲れは主に、港にアスカさんがいたことによって引き起こされたと思われるので、ことの次第を書いておく。

この日の昼、ヘボピーから「夜8時に外国客船が音楽隊の演奏で出航するそうだから、一緒に見に行かへん?」というお気楽ゴクラクなオタクメールが入っていた。
だからいけないリーマンの私は、それがどんな船か確かめるべく港方面に無理矢理用事を作って、かのポルトガル船「ダナエ・ハーモニー」を見に、チャリが「E・T」みたく空に向かって舞い上がるほどペダルを漕いだ。

でも、息せききって港に着いてガックリ。言っちゃ悪いがこのお船、完全に名前負けだね……いつもこのターミナルに停泊している天津行きのボロ船と、規模的にはさして変わらない。はぁあぁ……あわててソンした。

「確かめたけど見に行くほどのもんじゃないな」とヘボピーにメールして会社に戻り、仕事を終えてからはまっしぐらでジムへ……花の金曜日にジムを埋め尽くすヒマなマッチョどもに混じって筋トレしてきた。

で、ジム後は地元のコッテリ系ラーメンの雄・「もっこす」でさっき消費したカロリーを台無しにしたのみならず、さらに800キロカロリーほど追加で摂取してから、気休めに猛烈な速歩で歩いて、区内で唯一ウォートランの設置を確認しているゲーセンへ……と、私はこのように多忙な人間なのだ、ってウソつきすぎ。

昼間のチャリ漕ぎがきいて、クレイジー教官の真骨頂がおがめる6面までは到達する気力を欠いたため、3面で許して頂いてトボトボ帰宅しようとしたところへ……うおぉおっ!!?目の前にまばゆく光り輝く女神の姿が!

それが彼女、「飛鳥II」。
思い起こせばこの船が完成した時に会社経由で船上パーティーに誘われたのに、アホな私はお断りしてしまったのが○○年前のこと。
それからというものナマ飛鳥には一度も遭遇できず、写真でその華麗な姿を見るのみだったのだが……
じーん、やっと逢えたねv飛鳥サンv

それからはまたしてもバタバタ再開である。
いやー、この日ほど己の携帯カメラの性能の悪さを恨んだことはないね!マヤっこを撮ると犬じゃなく温泉まんじゅうにしか見えないこの低解像度のカメラでは、豪華客船はぼんやりした光の点々にしか写らない。

しょーがないからカメラを取りに家に帰った。区内の端っこから端っこまで、走り出す一歩手前の競歩のスピードにて、前のめりに歩いて45分。
え?タクシー使えばいいじゃんって?いや、こういう時には意地でもタクシーを使わないのは私のマゾ精神ゆえである。

ハァハァ言いながら家に着いたのが10時半。
入出港状況を確認すべく、港サイトにアクセスすると、
うほっ!ラッキー!「出航11時」とあるではないか。
クイーンエリザベスIIの出航以来、夜の豪華客船の出航が大好物となった私が、こんなチャンスを逃せるものか。あと25分あるから、またしてもチャリを「E・T」並みに飛ばせば、11時にはギリギリ間に合うYO!

だが、カメラを抱えて華麗にチャリにまたがった私は、5秒後に顔面蒼白になっていた。
タ、タイヤがパンクしとる……

昨日は何ともなかったのに、昼の間に前輪の空気が抜けちゃったみたい。そして不幸にして空気入れは会社に置いている。
どうする自分!?諦めるか?今日は疲れてるからもういいじゃないの、船はまた入港するもんだし。

いや、「NEVER・NEVER・NEVERサレンダー!」と阪神タイガースも言うとるではないか!逃げちゃダメだ!と碇シンジも……(以下略)

残り時間は20分。華麗なるウイリーを披露する曲乗りバイクをイメージしつつ、限りなく重心を後部に移動させると、完璧に空気が抜けてペコペコと哀れな悲鳴を上げる前輪を完全無視、ロードトゥヘルをまっしぐら。
タイヤがパンクした自転車ほどすべりやすいモノはないので、転んで後続のジャリトラに轢かれてぺっしゃんこにならないよう、運転は限りなく慎重に!かつスピーディーアズポシブルに!

そして港に到着したのは11時2分前。
はぁああぁああ……間に合った……飛鳥IIはまだ同じ場所で輝く姿を見せてくれている。私は自転車をペコペコいわせながら船の回りをグルグル回って、思う存分「海の貴婦人」の佇まいをカメラに収めた。

だが何か妙だ。11時10分、20分……11時半になってもアスカさんはびくともせず、出航の「しゅ」の字の気配も見えてこないじゃないか。

どうやらまたやってしまったらしい……よく考えると夜11時なら23時と表示するよね、フツー。

朝9時にネット予約した飛行機に遅刻しそうになって、タクシー代4千円はたいて空港カウンターに滑り込みセーフしたら、「お客様のお席は夜9時の予約になっておりますが……」なんて言われるこのパターンの勘違いが、私にはたいそう多い。
そしてどうやら今回も、飛鳥IIさまの出航11時というのは、明日の午前11時を指していたものと思われる。

ならこんなに泡食わなくても、地下鉄か何かでゆっくり来れば良かったなぁ。そう思ったとたん、ウイリー(気持ち的には)でチャリ漕いだ疲れにドッと襲われた。

帰路はもうウイリーする気力はない。自転車は重く、タイヤはペコペコだ。私はコンビニでハーフボトルの赤ワインを買うと、それをラッパ飲みしながら、やさぐれ気分で人もまばらな夜更けの港をあとにしたのである。

アスカ様が停泊していたのは市内屈指のデートスポット。海とネオンとメリーゴーランド。

ラブラブカップルしか棲息を許されなさそうなこんな場所にあるゲーセンで、夜10時に一人寂しくシューティングゲームをしている……そんな自分をちょっと好きです。(笑)

3月3日(土)

この一年半、珍しく愛Mac「安藤兄弟」がクラッシュしてないなぁ、という甘えた心を見透かされたのだろうか。
近頃マシンの調子がなんともいえず不気味なカンジでさぁ……しょっちゅうタイプ1&2のエラーでフリーズするここ一週間は、ベトコンの仕掛けたトラップだらけのジャングルを歩く兵士のような、いやむしろ、ジャングルの中でプレデターに狙われてるようなスリリングさを、パソを開くたびに味わっている。

だから絵を描く時には特別マメにセーブするようにしているのだが、それでもセーブってついついおろそかになっちゃうもの。昨夜もトップ絵を描いてる途中いきなりフリーズして、血圧が150に跳ね上がった。(私の通常血圧は上90)
幸いにしておシャカになったのは40行程ほどだったが、それでも40行程を描き直すってめんどくさい。これからは5行程ごとにセーブしようと固く心に誓ったのだった。

そんな事情が目に見えぬストレスとなっているのだろうか……昨夜は愛機がクラッシュして、データが一つ残らず失われてしまうというおっそろしい夢を見た。

キーボードを叩いていると、突然モニタが真っ青になり、切り紙細工のサカナの群れがモニタの海の中を泳ぎ回るのだ。
OH!ファンタスティック!だなんて言ってらんない。何とかしなきゃ!でもこんなパターン初めてだから、どうしたらいいかてんで分からない。

MacのOS9.XXは、マシン内部に深刻な問題が発生していると、立ち上がる時にいつもはニコニコ笑ってるパソコンの顔が泣き顔で出てくるという、血も凍るファンシー現象を見せてくれるのだが、切り紙細工の魚なんてクラッシュ予告、見たことも聞いたこともないよ!

なすすべもなくただ慌てまくる私にはお構いなしに、やがてモニタの海の色は明るいブルーから濃紺へ、そして緑がかった青へと変化して、そして画面の端からいっせいに魚たちが泳ぎ去ると、突然画面が真っ暗になってALL OVER、マシン死亡。

「ひいぃいいっ!」恐怖のあまりベッドから飛び起きた私は、クラッシュする前にぼちぼちMac病院へ愛機を点検に出さなきゃならないなぁ、と額の汗をぬぐったのであった。


<一言メールお返事よーん>

Sさま・・・このトップ絵大好きです!骨格標本…美しいですよね。
……そしてこの薄暗い部屋にたたずむはげまゆなしのハーネマンさんも………美しい。

前回のトップ絵へのコメントレス、今頃になってすみません(汗)。教官が美しいってのはものすごいリップサービスだ!(笑)……とは言いつつも、誉められると嬉しいのが女心。
ぜひ一度Sさんとウォートランをプレイしたい、そして彼がどんなブサイクかを知ったSさんがおののく姿を眺めたいものです。

私も骨、すごく好きですよ!特に繊細なカーブを描く肋骨が美しいと思います。
そういえばバブルの頃に、骨格標本の専門ショップがあったんですよ!それも科学標本ではなくアート系の店。ネズミから大型肉食獣まで、ありとあらゆる骨格をかなりいいお値段で商ってました。
私も部屋にヘラジカの頭部骨格を飾りたいなぁと、東京のショップに見に行く段取りを付けてたんですが、家人に激しく反対されて諦めました。
今はあのショップどうなってるのかなぁ……日本人ってあんまし骨や剥製は好きそうじゃないから、骨取引がバブル当時ですら商売として成り立ってたのかどうか、すごく気になるのです。

Rさま・・・スキンヘッド&迷彩のコスプレ、ぜひ頑張ってください!

いやもうかなりマジで考えてますよ!
だってファッション系のスキンヘッドって、若い内だけのもの。年取ってからの剃髪は痛々しくて、手術したか出家したとしか思われなくなるもんね……でもまぁ、迫力あるオバハンのスキンもそれはそれでいいかも。(笑)

ただ、問題は夏コミまでに筋肉が付くか、そして気力がもってるかどうかです。スキンヘッドになによりも大切なのは、「サノバビッチ!」と中指立てちゃうような攻めの気持ち。介護疲れを引きずったまま剃ってしまっては、ただの病み上がりのハゲ……
また、あと5ヶ月で両肩の筋肉がちゃんと仕上がってるかどうか、それが問題です。冬コミならレザーのボンテージで隠せるんですが、夏はそうはいかないので色々悩みます……って、私の悩みってこういうことばっかですね!(笑)

R子さま・・・『蒼天航路』という青年漫画ご存じですか? どこかのサイトで、紹介に「宦官にするシーン」でマッチョがマッチョにあれを青龍刀みたいなもので切り落とされてるシーンがアップされてて、思わず全巻買ってしまいました。

反応する部分が実にR子さんらしい!(笑)
「蒼天航路」、連載開始からしばらくは読んでましたよ。でも、漢字の名前が覚えられない私にとって、中国人の名前はハードルが高すぎて、途中からすべてがゴッチャになって読むの止めました。覚えているといえば、超大型の木製張り型で辱められる褐色娘のエロシーンのみ・・・

私はどちらかといえば「蒼天航路」よりも前作の「地獄の家」の方がお気に入りでした。ヨーコ・オノに似たものすごい烈女が出てくるの。主人公のスケールもでかすぎて、最終回はなんやもうワケ分からんカオスの中に終わった怪作です。

T風さま・・・テニミュの事なら相棒が強者ですよ…わざわざテニプリ仲間と共に観に行ってますからvv
私には付いてゆけん微妙な世界だけど、曲だけは聞かされていて、私も頭の中でやたら氷帝の曲が無駄にぐるぐる回ったりして…(泣)

♪すーごい奴だぜー 越前リョーマ おまえはオレを 熱くするー♪ 
いやもうあれは、T風さんのみならず、あの曲を聴くすべてのヒトの頭の中で無限ループですよ!
動画を一瞬見ただけで脳味噌に刷り込まれる強烈なメロディーそしてミステリアスな歌唱法・・・世の中には私の知らないこんな楽しいことがあるんだ!と、目まいがするほど感動しました。(笑)

私もぜひとも見に行きたいです、はまらない程度に。その場合は事前に相棒さんにレクチャー願います。
できれば私の好きなキャラ、ジャッカルの出てくる舞台を見たいなぁ。彼、スキンヘッドは当然として、やっぱりブラジル系らしく顔は褐色ファンデで着色してんのかしら?

TDさま・・・うわー、ホントにシャンデリアみたいな船ですね!

この日は日中、別の港にポーランド船籍の客船が入稿いや入港しているということで、わざわざ会社で港近くに行く仕事を作って見物に行ったのですが、いつもいる天津行きのしょっぼい船並みのサイズにガッカリして帰ってきたのです。
それが夜になって、期せずしてこんな巨大な船を見られるなんて!海の神さまの思し召しでしょうか。

夜の豪華客船には、イヤなことをすべて忘れさせてくれそうな夢のような美しさがあって感動します。あのシャンデリアのような姿を見るといつも、スピルバーグの「未知との遭遇」のUFOを思い出すのです。もちろん胸に響くは「ピノキオ」のテーマ……

Sさま・・・夜の船あかりはとても心誘われますね!それと以前誰が持っていたのかわからない中古品や古い道具も好きです!!
(氏素性すらわからぬ古モノののろいをいっぱい身にうけて生き延びる考古学者には、熱烈にあこがれます←笑)

私は初めて宝石を買ったスリランカ人の宝石商の催眠術にかかったままですので、やっぱりアンティークに抵抗があるんですよ。ましてや古代のブツなんか!ぶるっ……考古学者は霊感が強いとやってられなさそうですね。(笑)

夜の船あかりといえば、Sさんはフェリーニの「アマルコルド」をご覧になったことありますか?寒村の港に入港した巨大な客船が、画面一杯に映し出されるシーンは、感動の余り気が遠くなるほどです。
同じくフェリーニの「そして船は行く」も、「ポセイドン」の監督に爪の垢煎じて飲んで欲しくなる美しさでした。
ポセイドン、オープニングでカメラが船を舐めるとこだけは萌えたんだけどなぁ……あっという間にひっくり返っちゃうところが船ファン的にはマイナスポイント一億じゃ!(怒)

ところで、29日の写真でマッチョに囲まれてニヤついてる女は母じゃなくてあたくしですよ(笑)。60代になってレザーの首輪してるママなんて怖すぎる!……とはいえ、私は60代になってもレザーの首輪をする恐るべき老女になりたいものです。

3月2日(金)

少し前に見たテレビ番組で聞いたところによると、男性が女性をナンパするのが一般的な世界の多くの国にあって、スペインでは女性から男性を誘うケースの方が多いとのこと。書店では、女性向けの「ナンパ101のテク」なんて怪しい本も売れに売れているそうだ。

その本では題名の通り、女が男をゲットするための101のテクニックが紹介されているそうだが、私が一番感心したのが、「犬はナンパ師」って部分。
うーむ、確かにそれは言えるなぁ。愛らしくて無垢なわんちゃんを連れて歩いてたら、飼い主のアラやドス黒い心も多少は隠せそう。
そういえば、幼い頃読んだディズニー絵本の「101わんちゃん」でも、公園でポンゴとパーデタのリード(犬用のヒモ)がからまって、二匹の主人の間に愛が芽生えていたもんだ。そして絵本の次のページをめくると、犬も人間もいきなり結婚式あげててさ……子供心ながらに「行動早すぎ!」とびっくりしたんだっけ。

ただ、「ナンパ101のテク」の「図書館のコピー機に原稿を置き忘れましょう」ってアドバイス、これはオタクにとっては使えないどころか、すべてをブチ壊しにする危険性をはらんだ技だぞ!

コピー機に忘れた原稿が、ヴェルレーヌの詩やフィレンツェの地図だったらまだしも、黄金のマスクをかぶった全裸のマッチョ男が「おっぴろげジャーンプ!」なんて叫んで、大股開いて宙に舞ってるようなコミケ原稿だったら……実る恋も実らんわ!(怒)

……とここまで書いて、急激に体力の限界を感じてきたので今夜はもう寝ます。(最近いつもこのパターンですんません)
ついさっきまでゲーセンのある港にお船を見に行っていたのだが、これについてはまた明日……バタバタ走り回りすぎたせいで、もう、化粧落とす元気もない……

別居中のハーネマン教官に会いに行ったら、たまたま豪華客船「飛鳥」が停泊していたよ。

ぼんやり波止場を歩いていると、目の前に突然シャンデリアみたいな巨大な船が現れて、感動のあまりのどから心臓が飛び出しそうに……う、美しいーっ!さすが海の貴婦人!

ちなみに、中央部分で船の一部と化しているやつは船体じゃなくてホテル。地元民には名前を思い出してもらえず、単に「ケーキ型のホテル」と呼ばれることが多くて可哀想なやつだ。

反対側に回ってみた。ものすごいでかさ!でも品格という点では、クイーンエリザベス二世号ほどクルものは感じられなかったのは何故だろう。最新鋭だし綺麗にまとまっているのに……クイーンエリザベスをヨーロッパの歴史ある建物に例えるならば、この船は六本木ヒルズっぽいってところに原因があるのだろうか……

……とはいえ、操舵室というか司令室というか、正式名称は知らねども、スタトレでいうとカーク船長がいるこの部分には萌えた!願わくは「一日船長」のたすきをかけて、この部分から、行く手に広がる大海原を見渡したいもんだ。