12月31日(日)

ゲイ雑誌・バディさんがプレゼントしてくれたトレーナー、一年もの長きに渡ってベッドルームの隅で絶賛放置プレイ中だったが、大掃除のついでにようやく袋から出して、今それを着用の上キーボード叩き中。

このトレーナー、色的にはゲレンデ一番乗りで見る処女雪の白……としごく無難なセレクトながら、胸に輝く文字GAY LIFE MAGAZINEが、着る者のハードルをやたらと高くしている。

その上、サイズは3Lと私が二人入るほどバカでかい。これじゃ細身系雑誌バディじゃなくて、ガチムチアニキG-menからのプレゼントだったかなぁと勘違いしそうだ。

こんなアクの強いトレーナー、たとえカミングアウト済みであっても差し上げる人材を微妙に選ぶゆえ、ずーっと放置したままだったのだが、この際片づけないわけにもいかない。
だから寝間着代わりに着ることにしたところ、やっぱり3Lは風邪ひきそうなスースーっぷり。
けど、布団に入る直前に着替えれば何とかいけそうなので、GAY LIFE MAGAZINE BADIトレーナーは私が愛用させて頂きますよ、編集部の方。

……とは言いつつも、肝心の大掃除はベッドルームから一歩も出られず停滞中。
なぜなら、昨夜からずっと年賀状作成に追われまくっていたのだ。凍えながらパソに向かったお陰で、さっきようやくゲイ友向け以外の年賀状を投函し終えた。

知人にはメールで新年の挨拶を済ませればいいんだし、サイト持ちはトップで挨拶すればそれで済むから、今年はミニマム枚数で行こうと思っていたのに、電脳世界をイマイチ信用できない印刷物重視の性格ゆえ、ハッと気付くと例年以上の数になっていた。

それに種類も会社向けと犬関係向け、エジプト関係向けが二種類と計四種類。
すごい!頑張ったね!と言われそうだが、いやーなんのなんの、種類が多いだけで、どれも写真を貼り付けただけの超手抜きなのがまったくもって不本意である。

中学生の頃は年賀状に「一枚一日」(今の犬トップは年賀状用の絵。手間かけすぎ)の時間をかけていたが、あの情熱を忘れちゃいかんよなぁ……本当は手間のかかったものを一種類だけ作ればいいのに、今年は恥ずかしいほどの粗造乱造ぶりだ。

せめてこれから作るゲイ友向け年賀状くらいは丁寧に描かなきゃな。
でも時計を見るとすでに午後3時。ジムにも行くし、年越しそばを食べる時間までにはさすがに実家に帰らなきゃならないので、男絵に使える時間は約4時間……
またしても粗末なものが出来上がりかねないが、せめて皆様に愛らしいマッチョをお届けできるよう、4時間くらいはキリキリ集中してやりたいと思う。

12月30日(土)

昨夜はあれからきっちりとバッカスの甘言にノセられた管理人。すでに時計の針は9時半を指していたのだが、わざわざ電車に乗ってまで大阪へ出張してきたよ。

夜9時を過ぎると、仕事帰りに飲み終えた人たちは、大阪から西に向かって移動する。
そんな時間に人の流れに逆らって、東行きのガラガラな電車に乗っていると、ちょっとヤクザな気分が味わえて何となく楽しい。

大阪ではまず、いつものくるくる寿司屋に突撃!熱燗のアテに安いネタをつまんでバー行きに備えるのだ。

私はくるくる寿司が大好きである。高級寿司屋よりずっと好きだ。……というのは、べつだんグルメじゃない上に、普通の寿司屋では「こんな頼み方したら、年の割にモノを知らない奴だと思われないかな」なんて、いらんカッコつけちゃう情けないSAGAだからである。

それゆえお高い店に行くと、記憶にあるのは箸置きのデザインと店内に飾られた開店祝いの胡蝶蘭、板さんが見習いを叱りとばす台詞(寿司屋の見習いはなぜかよく叱られている)、そして隣の席の同伴キャバクラ嬢のピカピカ光る指輪のみで、肝心の寿司の味の記憶が飛んでいる……なんてことも多い。

けれどくるくる店ではそんな気遣いご無用!
大トロの次に白身を食べようと、「コーンマヨネーズ軍艦」みたいな恐るべきネタをたてつけ五皿食べようと、いきなり杏仁豆腐に手を伸ばそうと、誰はばかることないのが素晴らしい。私はこの店でシャコばっか食べながら、いつも心の中で
「ビバ!くるくる寿司!」と叫んでしまうのだ。

だが、地元にくるくる寿司店はなぜか三軒しか存在しない上、くるくるのくせして高くてマズいので、大阪に飲みに出たときには、必ずこの店で腹ごしらえをしてからバーに行く、というパターンが出来上がっている。

で、くるくるの後は、行きつけのレディスバーでグラス片手にまったりと読書しているうちに、あっという間に終電の時間になってしまった。でもカッコつけて読んでる本はといえば、ビジュアル系ゲイ雑誌「ファビュラス」(特集はモッコリ写真がいっぱいの「大好き!スイムウェア」)と野蛮人コナン。

コナン読むなら家で読め!と自分に言いたいところだが、私にも一年に数度くらいは人恋しくなることがあるのだ。
そしてこのバー、回りはセクシュアルマイノリティー女性ばかりで心やすい上に、人と話をしなくてもぜんぜんオッケーなので、適度に人恋しさが紛らわされるのが気に入っている。

昨夜は遅い時間のお客さんがいなくなったので、レディースバー経営の難しさについて、オーナーからいろいろ話を聞いていたよ。いや、自分がバーを経営するつもりはないんだけどね、少なくとも当面は……

オーナーによると、「レディースバーは三重苦」。かなり流行っているこのバーですら、経営はかなり危なっかしいそうでびっくり。

三重苦の一つ目の理由はまず、「女性は小食&酒をあまり飲まない→低い客単価」。これは容易に予想できる。
二つ目は「多くの女性の収入は男性に比べて低いので、可処分所得が低い分、財布のヒモが固い→低い客単価」。

まぁここまでは誰でも分かる範囲だが、三つ目はオーナーの話を聞いてふーむ、そう言われれば確かに、と思った。
……というのは、「親と同居している若い女性は、そうそう夜中に遊びに出させてもらえないし、夜の繁華街を一人で歩くのも怖いので出て来にくい」から、稼働率がどうしても低くなるらしい。

「ゲイの子もオッケーのミックスデーを作ろうかとも思ってるんやけど……」とオーナーは言うが、ゲイとはいえ男性が入ってくることを嫌がるビアンも多いゆえ、それはどうしても思い切れないそうである。

うーん、やっぱ飲食業経営は色々とキビシイんだなぁ……とか言ってると、なんか新規出店するチェーン居酒屋の店長講習でレポ書いてる気分になってきた。
ハコと酒と当座の運転資金さえあれば、誰でも気軽に始められそうな職業なのだが、その取っつき易さゆえにあちこちでバーが出来てはまた消えてゆく。
うーむ、ふと脱サラを考えることもある私だが、やっぱ思いとどまるべきなのだろうか?オタクのための癒しの場・「バー・ガンダム」の経営は。

12月29日(金)

今日は冬コミ。私はカタログを買うことすら忘れていたものの、行かないなら行かないで、オタクとしてレベルダウンしたような寂しさがなきにしもあらず。
あの非日常的空間の心地よさを思い起こすと、このまま新幹線に飛び乗ろうか……なんて気分になってくる。
今頃きっとあの人もこの人も狩りの真っ最中だろうが、どうぞ皆さまが私の分までグレートハンティングを満喫されますように!

話変わるが、先日の日記でしょぼくれたこと書いたせいか、皆さんたくさんのお見舞いメールやアドバイスを送って下さって、心から感謝している。本当に有り難うございます。
人の心の温かさに触れて、気分も体調もすっかり通常モードに戻ったので、今日は張り切って大掃除に取りかかったよ。

だが、一年間かけてじっくりコトコト荒らした家が、そうそう簡単に片づくはずがない。
ハンパに面積があるところにもってきて、玄関からベランダまでまんべんなく物が散乱しており、種々雑多な小物らを、それが本来あるべき場所に戻すだけで気力が尽きてしまいそう。

もう何ヶ月も掃除機をかけていないペルシャ絨毯の上には、年始に買ったキティーちゃん福袋とシェパードが入りそうなバカでかい犬小屋と商店街のスタンプカード、コンバットマガジンとコレステロール除去サプリメントと宝くじとゲイ雑誌が仲良く同居して、得体の知れない小宇宙を形成している。

まずは家の端っこから……とベッドルームの掃除をはじめてもう何時間が経過しただろう。でも、掃除を始めた時と見た目はぜんぜん変わってない。このままでは掃除機がけに至る前に気力が途絶えてガラクタの山で遭難、そのまま凍死ちゃいそうだ。

あ〜あ、もう掃除は明日に延期して、パーッとレズバーにでも遊びに行ってこようかなぁ、なーんてふとどきな考えが頭をよぎる。だが、まだ年賀状すら書いていない状況では、そんなことしちゃ明日から地獄を見るのは火を見るより明らかなんだよね。

しょーがないからまた掃除に戻ります。とにかくうちにはモノが多すぎるのがいかん!
私の来年の目標は、「ヤな人だと思われることを恐れず、言いたいことは胸にためずに言う」なのだが、それに加えて、来年の干支である太った生き物のシンプルライフ?をお手本に、「たくさんのモノを持たない生き方」をも目指したいものだ。


掃除していると昔描いたこんな男絵が出てきた。濃ゆいわっ!!(怒)→

12月26日(火)

どうやら、ネットの世界でトラブルに巻き込まれそうな予感いっぱいで、すご〜く気が重いのだ。
あそこにはいろんな人がいるだなんて分かり切ったことだし、こういう輩はまともに相手にしたら逆効果だろうと無視している。だが相手が一体何を言いたいのか、そのあたりからぜんぜん意味が分からないので、とてつもない薄気味悪さを感じてしまう。

もちろんこのサイトやミクシィ、それどころか同人系の人たちは関係ないので、その点はどうぞご心配なく!
ただ、今までネット関連でイヤな思いをしたのはたった一度だけなので、久々の因縁、何をしていてもそれが心の隅にひっかかって、こうしてキーボードを打つ指にも今ひとつ力が入らない。

たとえお会いしたことのない人たちであっても、このサイトを見てくださる方々が下さる一言メールはいつも、私を心の奥から励まし力づけてくれるので、ネットに救われている部分も多いのも確かである。
けど、回りには顔の見えないのをいいことに、無責任な発現を繰り返す人たちにどえらい目に遭わされたお友達も結構いるので、今までたいしたトラブルに巻き込まれなかった自分がラッキーだけだったのかもしれないなぁ、いよいよ来ちゃったのか?と、どうしても不安を感じてしまうんだよね。

まったく頼むよ、この忙しい時期に……今年一年ツイてなかったが、〆はミステリーメールで決まりか?!とトホホな気分でいっぱいだが、当面は無視するしかなかろう。
とにかく、これ以上鬱陶しい事態に陥らないように、皆様どうぞ祈ってやってください。

メールから発生する邪悪な電磁波のせいか、胸までイヤ〜な感じで痛くなってきた。今年は乳ガン検診行ったっけ?と記憶の糸をたぐっていたら、さっき公共広告機構の乳ガンCMが流れていてドキッとしたよ。

先週の子宮ガン検診でもガン以外の問題が発覚したことだし(「ガンです」と言われた時の心の準備が出来てないので、ガン検診の結果はまだ聞いてない。)、どのパーツもぼちぼちガタが来るお年頃。もしもこの胸の痛みが続くようなら、速やかにガラス板に乳を挟まれる苦行ーマンモグラフィー検査ーに行かなきゃなんないなぁ。

それに加えてウミが溜まった奥歯の調子も怪しいと、マハードもシモン(師)も走る段になって問題続出。小学生の頃から遠足の前日に熱を出すタイプだったが、あれからン十年年経ってもこういうところは変わってない。
三つ子の魂百まで、雀百まで踊り忘れぬ……先達の言葉をしみじみと噛みしめる年の瀬である。

12月24日(土)

しばらくマトモな更新ができるかどうか分かりませんので、場つなぎにカリムとシャダの子供話をもう一本アップしました。→カリシャダSS「マンドラゴラ」
以前オフラインで出した話ですが、発行からかなり日が経ってるのでまっいっか……ということで、もうお読みいただいている方はご免なさい。
今やこのサイトには、古代編ファンの人がどれだけ来てくださっているのか謎ですが、興味を持ってくださる方にお読みいただければ嬉しいです。


遊戯王ウォーカーさんの来年6月閉鎖は頭が痛い。遊戯王GXはGXサーチさんがあるからまだいいけれど、無印オンリーの人間にキビシイ話だ。
その遊戯王ウォーカーさんにしたって、今じゃ新規登録されるのはGXサイトばかり。これから無印メインの人はどんどん減るばかりなのかな……と揺らぐ心。

こうなったら、現在進行中のジャンルを楽しむためにも、もう長いこと見ていないGX、ビデオを借りてキャラの把握くらいはすべきかと思っている。あ、O里さん、カイザーはだけ絵、遅れれてすみません!正月休みに完成させます。でも……まだカイザーでいいんでしょうか?(私信)
GXといえば、同人サイトさんで見かけた西部劇風キャラ、ジム・クロコダイル・クックが、ちょっとお気に入りなのだよ。

私は下まつげが長かったり(兵藤少尉)、目張りが入ったり(カリシャダ)、目の下が黒い(ハーネマン)と、目の回りにインパクトのあるヒトにグッとくるのだが、ジムも目元のラインがぶっとくて、どことなくデビルマンの不動明っぽい。
それに加えて、片目が包帯で隠されている……となると眼帯マニアとしてはちょっと気になってしまう。

とは言ってもジムを目撃したのは同人サイト。同人絵には描き手のテイストが加味されるもの。
当家のカリムが、原作のカリムを知らない方のキャラ認識を兇悪なまでに誤らせているのと同様に、オリジナルのジムに永井豪入ってるのかどうなのか、それはビデオを確認するまで分からない。

とにかく、冬コミにも旅行にも行かず、もちろんバーが閉まってるから飲みにも行かず、ガラパゴスゾウガメのように引きもこり予定の来るべき正月休み。その間サイトに小出しに出来るよう、SSや絵やエジプトネタを仕込んでおきたいもんだ。

でももしどなたか大阪神戸にいらっしゃる予定があれば、ぜひ遊びに誘ってやってください。今年の冬休みは比較的長いけれども、べつに親戚回りもしないもので、管理人の予定はガラ空きですよん。

12月23日(土)

さびれた商店街を盛り上げるために、さまざまな団体(いきなり「男体」と変換された。ヤなパソ!)が思い思いのステージショーを披露する夢を見ていた。

もちろん私も参加者である。お尻にサンバダンサーみたいな羽根を付け、ドキドキしながら出番を待っている。
私のグループはセクシュアルマイノリティーの地位向上を訴える某ゲイ団体。(えらく具体的だな……)
回りでは、フリフリ魔女っ子コス、でもお顔のしわからすると50代?のニューハーフ、ぶっとい腕で"BE PROUD"と書かれたプラカードをかかげた黒タンクトップのアニキ、赤いべべ着た可愛い金魚のようなドレスを引きずった、ゴージャスなドラァグクイーンが談笑している。

太鼓演奏、子供達のコーラス、婦人会のハンドベル、ピエロのコントに手品ショー……商店街のイベントらしく、私たちの前には無害な出し物がまったりと続きゆく。ええんか?そんなとこにやおら気の狂ったゴクラクチョウみたいな軍団が登場して?!年寄りがキモ冷やさんのかと不安はつのる。

そんな不安は的中した。私たちが商店街にさっそうと躍り出た瞬間、絶対零度で凍り付く善男善女。「見ちゃいけません!」と子供を叱る母親の声、蜘蛛の子を散らすようにそそくさと退散するギャラリー……しまった!やっぱハズしたか?!

しかし、おおおお!!その数分後、半分の人はなまはげを見るような目ではあるものの、まだその場に踏みとどまっているじゃありませんか!

私たちは踊った。好奇の視線を、果たしてこれが町おこしになるのか?という疑念を振り払うように。
「さぁ!皆さんもご一緒に!」 15センチヒールのせいで、身長2メーターにも達するドラァグクイーンが叫ぶ。

そんなカーニバルな雰囲気に酔ったように、一人、また一人と踊りの輪の中に加わる普通の人々。
そしてラストは「さぁ!ジェンカだ!」

♪レッツ キッス ほっほよっせてぇ〜 レッツ キッス ほっほよっせてぇ〜♪
ガチムチアニキに続く制服姿のサラ金OL、商店街会長の後ろはサンバダンサー……見知らぬ人の肩に手を掛けて、長い長い行列はシャッターの大半が閉まった商店街を、いつまもいつまでも……行進するのだった。

……と、こんお気楽な夢を見たのは、今日は実家への帰宅を勘弁してもらっているという開放感ゆえなのだろうか。
いや、明日は親孝行のためヘボピーと共に母を連れて、家族の古い友人がステージをつとめるディナーショーに行くので、今日は一日自宅でのんびりなのだ。

今は夕方4時。これからジムに行ってから、年賀状を描かなきゃなんない。来年の干支はイノシシ。この茶色く太った生き物をどうマッチョ男に変換するべきか、ちょっと悩んでいたのだが、ここはまたしても褐色肌で決まりかな?

12月20日(水)

私は今、恋愛問題で悩んでいる。
この恋にはある意味、エドワード8世とシンプソン夫人の「王冠を賭けた恋」よりも障害が多い。

なぜって相手は二次元だから! http://www.konami.jp/am/wartran/

ドイツの変人教官が好きすぎて困る今日このごろ、妹ヘボピーに「ミッヒと結婚したい」とメールすると、「ギャハハ〜!中学生か!と光速のレスポンスが返ってきた。確かに……これが中学生の子供がいてもおかしくない年齢層の地球人に対する、ノーマル星からの反応ってもんだろう。

しかし、私は人よりむしろモノとのお付き合いを好む、フェチもしくはピュグマリオニスト。
ひょっとすると今までの三次元恋愛が脇道にそれていただけであって、今の姿が本道じゃあ……?なんて毎晩お布団の中でぐるぐる考えたりしている。自分で言うのも何だが、ホンマにヒマ人だ。

占い師によると今年は結婚運が12年に一度の盛り上がりっぷりとのことで、恥ずかしながら年はじめには、老後への不安からいい加減身を固める気マンマンだった。実際、好条件の見合い話もゾクゾクと入ってきていた。

けど、ここにきてガソリンをまかれた干し草小屋のごとく燃え上がった二次元愛のせいと、あと単純に「知らない人と会うのがめんどくさい」のもあって、今年も素敵な奥さんになりそこねちゃったよ……
まぁ「孤独を好む」(小学生の頃の通信簿より。書くか?フツー?!)人間ゆえ、今のライフスタイルが精神的にはベストなのだと思ってはいるのだが。

ハーネマン様に会うためには、目下、道路規制によって周辺住民を気が狂うほどにイラつかせている音と光のページェント会場を越えざるを得ず、そのためには信じがたい迂回を強いられる。だからなかなかゲーセンに日参とまでは至らないのは、愛が足りないせいだと心苦しい。

それに、行ったら行ったでなかなか6面まで到達できないんだよなぁ!
教官は3面で登場、6面で
復讐にやってくるねちこいお方。3面では「お前はいつ見ても美しいなぁ……」(ナデナデ)とか、「さて、いよいよお前の出番だぞ」(ナデナデ)と、物言わぬ銃に話しかけるばっかりで、私にはただの一瞥すら投げかけてくださらない。

だが6面では、「ここまで来られるとはショックだねぇ」と、二足歩行タンクの上からものすごくエラソーに見下ろしてくださるので、毎日でも6面を拝見してイヤミな視線に身悶えしたいところだが、そこに至るまでに他の教官ズにしごかれるのは、肉体的、金銭的ダメージ大で、ついつい3面でおいとましちゃうのである。

まったく今の心境は「押し絵と旅する男」(※)かピュグマリオンだ。
こんなに好きなのに、敵は一緒に旅できる押し絵どころか、朝青龍が4人かかっても持ち上げられそうにないバカでかい店舗設置型ゲーム……ハンディな家庭用ゲームキャラにはまってる人たちが羨ましいよ。

また、ウォートラン・トルーパーズが家庭用ゲーム機に移植される可能性はゼロな上に、地元で設置が確認されていた二軒のゲーセンの内、一カ所からはついに撤去。残り一カ所も風前の灯火で、私の心もXデーに向けて風前の灯火のように揺らめいている。

年始めに「ウォートランにはまってる」と友人に話した時には、「ミキさん、家にマシンを買いそうな気がする」と言われて「さすがの私でもそれはないない!」と爆笑しつつも、実は搬入方法を検討しようとしていたのでドキッとしたものだ。

あれからもうすぐ一年。途中数ヶ月の空白を経て、今新たに再燃するハーネマン熱。“銃器への愛は狂気すら感じるほどだが、興味のないものには見向きもしない”という爽やか好青年っぷりには、フェチな自己を投影するがゆえ余計に愛が盛り上がる。

先日うっかり中古ゲーム機販売業者のサイトをクリックしたら、ぼちぼち入荷しているみたい、ウォートラン。
もちろんマンションの玄関からは入らない。けど、ベランダからクレーンで吊れば、いやいっそコンテナか倉庫を借りた方が……と、メジャー片手に悩んでいる自分がおそろしい。

(※)押し絵と旅する男……江戸川乱歩の情感溢れる短編。たまたま覗いた望遠鏡に、ちらりと写った美しい人に心奪われた男。だが捜し求めた愛しい人は、押し絵に描かれた女性で……
ギリシア神話のピュグマリオンは、己の製作した彫像を愛するあまり、神さまに頼んで本当の女にしてもらったってあたりが、「なんだよ、結局生身の女がいいんじゃないか!」とイマイチ気に食わないが、「押し絵と旅する男」には真の二次元愛がある。
赤いハイヒールに名前を付け、恋人のように慈しんだ男の小説(題名ド忘れ!)と共に、フェチの聖典と呼びたい名作である。


一言メールにお返事する時間がなくなっちゃった。お返事はまた明日に!

12月18日(月)

頼む!Gジム!マシンルームでヘビメタかけるのは止めといたってくれ!

いつもはチョロいポップスがかかってるのにさ、趣向を変えようとでもしたのだろうか……今日はBGMにヘビメタチャンネルが選ばれていてびびったぞ。
お部屋で聞くヘビメタならば害はないが、ただでさえ熱い筋肉野郎のこと。ジムの咆哮系BGMはエキサイトのあまり、つい
「うぉおおぉぉお〜〜〜っっ!」なーんて無理めのウエイトにトライしちゃって危険がいっぱい!

それにしてもヘビメタとプロレスとボディビルは、なぜあそこまでファン層が重なるのだろう。ジムでメタリカやアイアンメイデンのTシャツを、汗でぐしょぐしょにしながらバーベル挙げてる男を新発見する度に、やれやれ、またかよ……って気分になる。

かく言う私が着用するのは一枚を除いたすべてがミリタリ風味。
各種迷彩に始まって、胸に「JGSDF」の文字と共に愛らしいサクラの花がプリントされてたりとか、「NEVY SEALs」の文字と共にアメリカハクトウワシがポセイドンの鉾をつかんでたりという、嬉し恥ずかしGIジェーンなりきりファッションで、トレーニングにせいを出している。

そんなミリタリシリーズの中にあって一枚だけ異色なのが、友人が誕生日プレゼントにくれたマンガのシャツである。
そのマンガとは、知る人ぞ知るロケットブースター付きありえなさの格闘技マンガ・「バキ」。

いや、そこに描かれているのは主人公バキじゃなくって、バキの父にして“史上最強の生物”・範馬勇次郎が、黒ビキニ一丁で怒髪天を衝くの図。それもなぜか体が青い。(笑)

他の女性はフリフリやらキラキラなウェアでトレーニングしてるってのにさ、“背中の筋肉が鬼の顔に見える、獅子より凶暴なオヤジの黒ビキニ姿”のTシャツでいいんだろうか?
べつだんジムで出会いを求めているわけじゃないんだけどさ、スタッフに「オトコオンナ」なんてあだなを付けられてると想像すると、ちょっと精神的に落ち着かなくなる女心は複雑なもの。

……と、いつもながら話題が350ヤードの飛びっぷりだが、今は(いや、いつもそうだが)話をまとめる氣すらない。
なぜならば、ヤバい!
すごくヤバい!ウミがたまったまま様子を見ていた奥歯がーいや、右のアゴ全体が痛み始めたのだ!

あと少しすると病院は年末年始の連休に突入するから、それまでに治しておかなきゃ正月に泣くことになりそうだよね。けど、「しんどい治療になる」と堂々宣告されてるからなぁ、どうしても二の足踏んじゃうんだよなぁ……

……ってことで、今夜はもう寝ることにする。週末のオールナイトお遊びで体力落ちてるせいもあるんだろうから、早めに寝て様子を見るよ。
オールをした原因ってのが初体験・SMバーなのだが、こちらについては、機会があればまた後日ってことで。いや、べつに踏んだ踏まれたまでは至ってないもんで、大したネタは無いんだけどね。

12月16日(土)

父の病院の電話受付は8時45分から始まるので、せっかくの休日、昼まで寝たいところだが、出社時間に起きだして予約を取ったよ。
んなもん本人が電話すればいいじゃん!と言われそうだが、父は目がもうあまり見えなくて、電話のプッシュボタンを押せないのだ。まったく親が老いてくると、こういった些細な面でも手を取られるようになるのじゃよ、若い衆。

この整骨院はものすごい人気ゆえ、電話のリダイヤルを数十回押してやっと繋がるのだが、今日は5度目に繋がってすっげえラッキー!
役目を終えてさて、二度寝しようかと思ったものの、やること溜まってるので疲れた体にムチ打って起床、ゲイ友向け年賀状用にマッチョなんぞを描いていた。

マッチョといえば、ザック・スピアーズ(ゲイポルノ俳優)もカリム(ゲイポルノじゃなく遊戯王の方)もイムホテップ様(ハムナプトラ)も素敵だが、私的に今一番ホットなマッチョはなんといっても蛮勇コナン。
また、今年は作者のハワード生誕100年のせいなのか、東京創元社が新訂版コナン全集の配本開始、と嬉しいニュースも耳にする。

ただ、コナンサイトやコミュニティーで、「ありゃないぜ!」と不評極まりない新訂版の表紙。
「マッチョなんてどう描いたってそう変わらんだろうに……」と実物を見ないままにクールな面もちで書店へ向かった私は、SF棚の前に立った瞬間、興奮剤を盛られたドーベルマンのように、口から泡を飛ばし叫びそうになった。
「こりゃないぜ!!!」

いや、これが世界で初めて紹介されたコナン本なら、読者も「ふーん」と素直に受け入れるかもしれない。 http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=3624

だが、日本、いや世界のコナンファンは、海外ならばゴッドオブマッチョアート・フラゼッタや、ヴァルキューレに己の魂を売り渡したボリス、日本では武部 本一郎氏によるムキムキのコテコテ・上カルビみたいに脂したたるイラストレーション群に目を慣らされてしまっている。
それが今更こんなフレンチの前菜みたいなオサレ系コナン、受け入れられようか、いや、受け入れらるはずがなかろう。

ネットを見ていると「途中からでいいからイラストレーター変えてくれ!」という叫びも聞こえてくるが、東京創元社はそのあたりどうとらえてるのかな。私の個人的見解では、ひょっとしたら今までのコナンファンに加えて、アニメ絵に慣れた女性層、若者層の二兎を追ったの?と思うのだが、その結果ズッこけてちゃ意味ないよなぁ。

新訂版コナン全集、全集といっても6巻しかなくて、そのうち2巻はすでに出版済みとなると、今更の変更もむつかしいかもしれない。
だが、コナンといえば武部氏画の
コレなのだ!(新訂版の表紙 http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=3624 と比較下さい)
コテコテでギラギラの野蛮人コナンのファンとしては、せっかくの全集なのだから、創元社さんがキンメリア人的に考え直してくれること、心から願っている。

12月12日(火)

本日はひとつ古代史ファンへのお知らせを。

世にエジプト関連書は多々あれど、こんな本は今まで無かった!こういう本を待ってたんだ!と、発売当時はファンを欣喜雀躍せしめた画期的なエジプト本「古代エジプトうんちく図鑑」については、ナイルの賜物であるこの地に興味をお持ちの方ならば、皆さますでにご存じのことと思います。

時は流れてあれから2年強……「うんちく図鑑」の著者・芝崎氏の新作がようやく発刊されました。
今度のテーマは古代ギリシア。バジリコ出版から絶賛発売中の
「古代ギリシアがんちく図鑑」

恥ずかしながら私、古代ギリシアと聞くとまっさきに頭に浮かぶのが「美青年たちによるフリチンオリンピック」なのですが、この本はそんな下世話な腐女子の心にも、歴史、神話、旅行記を通じて、ギリシアへの興味をモリモリ盛り立ててくれること間違いなしな一冊です。

著者である芝崎みゆき氏は、私の敬愛するギャグ師匠にして、世界に点在するBAKA物件を渉猟するハンター仲間。
「古代エジプトうんちく図鑑」を読了した時は、全ページに渡ってきら星のごとく散りばめられたハイレベルなギャグに度肝を抜かれると同時に、BAKA物件に対する暖かな視点に限りない共感を感じ、いっぺんで芝崎氏のファンになったのは記憶に新しいところ。

……自作品に冴えたギャグを練り込むにはどうすればいいか? 
……どうやったらスベらないギャグを書けるのか?
……いや、そもそも無意識的に製作されたBAKA物件にこそ、真のギャグが潜んでいるのではないか?

この「古代ギリシアがんちく図鑑」は、そんな難題に取り組むBAKAなギャグ職人には強力なカンフル剤となり、そうでない方にも、「古代ギリシアってこんなに面白かったの?」と新たな興味を誘起せしめること請け合いの、今年一番のおススメ本です。いや、ほんと1700円プラス税というのが信じられないくらいの、濃厚な労作なんですぜ!

先週の金曜日には全国書店に配本済みとのことですので、世界ふしぎ発見とかウルルン滞在記がお好きな方は、とりあえず書店にレッツらGO!
あっさりテイストの表紙デザインだけ見ると、「ホントにそんなに面白いのかな?」と疑われそうですがそこはご心配なく。(バジリコの人、ここ見てないよな……)
中身はオリーブオイルとトホホな人々、トンデモな神様たちによる乱痴気騒ぎがたっぷりの、ルクルス(美食家)すら顔色を変えそうな滋養と濃厚さですよ!

ただ、一ページ開くと、オール手書きによるギリシアが津波のように押し寄せてきて、反射的にページを閉じてしまうかもしれませんので、まずはその第一関門をしっかり乗り切ることが肝心です。(笑)

高校生の学習教材に、親の介護に疲れて鬱から抜けたいときに、おせちにもテレビにも飽きたときに……
さまざまなシーンに対応可のハイブリッド本・「古代ギリシアがんちく図鑑」。迫り来る長い正月休みのお楽しみのため、ぜひとも手にとってみられることを熱烈推奨いたします。

なお、古代エジプトうんちく図鑑も、目からウロコの傑作ですので、未読の方はぜひご一読を……ということで、今日はブリリアントな新刊のお知らせでした。

12月11日(月)

本日ややオカルトゆえ、苦手な人はスルーしてね。

下の方で書きかけ日記を削除せずにそのままアップしちゃったり、○○年生きてきて一度も落としたことがなかった電車の切符を、ここ1,2ヶ月で4回も落としちゃったり、出勤途中で忘れ物をしたことに気が付いて、何度も家に取りに帰ったりと、最近ボケっぷりがひどく、自分までアルツハイマーでは?と不安になる。
これは親の病気によって引き起こされる心労が、灰のように降り積もっているからなんだろうか。

とはいえ、一時よりは気力がかなり戻ってきたし、この一年半というもの神経を張りつめさせ、いよいよ本人に向かってブチ切れる寸前だった会社の問題(派遣女性の件)を、「もう我慢できん!」と上司に直訴したため、これから状況は多少なりとも好転するのかな、という期待もあるから、まぁよしとすべきなんだろう。

それに、昨日友人がくれたメールで気付いたのだ。
彼女曰く、「とにかく笑顔を絶やさないこと、それが福を呼び寄せる最短の方法だ」。これは本当にそうだよねと思うから、辛いことは多いが嘆いてばかりおらず、楽しく思いやりの心をもって生きることにするよ。

ただ、思いやりも度が過ぎるとあまりよろしくないようで……昨日書いた「子供の霊(らしきもの)を供養に行った」件について、カレや霊感鋭いお友達からやんわり注意されちゃったよ。
「貴女は妙に親切だから、『この人に言ったら聞いてくれそう』といらないものまでついてくる。そんなことしてたらきりがないから、知らないフリして相手にしないのが肝心だよ」と。

確かにそれは分かってるのだが……先日のアレははっきり口に出して約束したからなぁ、約束を破ると後味が悪いので、今回は特例ってことで! もちろん、あっちの世界との交流を望んでいるわけではないから、これからは身の危険を感じるほど酷い時以外はスルーするようにしなきゃね。

それにしても、私は日々先祖への感謝を忘れない程度で、それ以外では占いも信じないし、特別スピリチュアル世界を重視しているってわけじゃないと思うのだが、お知り合いになる方には「あ、私にも分かりますよ」って人が多いのが不思議。かつてそれをRさんやTさんに話すと、「当然でしょ」「やっぱ集まるもんだからねぇ」とごくフツーに流されたがやっぱそうなのか?

会社もまた、そういう話題がナチュラルに受け入れられるミステリアスな環境下にある。
だって普通、「変な夢を見て供養に行ったんだよ」なんて言おうものなら、「そんなことありえねぇ!」とか「頭ヤバいんじゃないの?」「怖いっ!」みたいな反応が返ってきそうなものだが、「ふーん、どこの寺?」「そういうことあるよね」「ミキさん優しいですね」で終わりだもんなぁ。

若い女子社員:「サンプル室で誰かが髪の毛を引っぱるから、『○○さん(社内で突然死した人)、いたずらしないで下さい!』って怒ったんですよ」上司:「はははは……遊びに来たんやね」とか、若いくせして般若心経をフツーに唱えられるとか、「昨夜オヤジが出てきてなぁ。テレビがついたり消えたりあんましうるさいから、『オヤジとっとと帰れ!』って怒鳴ったんや」「ひどっ!お父さんかわいそう!(爆笑)」とか……

我々貿易屋にとっては、異世界の住人も異文化のバイヤーも、日本人同士のように話が通じるワケじゃないって点で同じ、ってわけでもなかろうが、オカルトな会話がナチュラルに進んでゆくのが、個性派揃いというかポジティブにすぎるというか……さすが社員の四分の一が蠍座なだけある。(関係ねぇ)

このように、何でもフツーに受け入れる働きやすい職場だが、ただ一つだけ気になるのが、べつにデンジャラーな職種ってわけじゃないのに、社員と社員の家族、さらに主な取引先まで含めると、突然死による訃報が妙に多いってこと。

それも長く病んでいたとか、年がいってるとかなら分かるんだが、「母がスーパーで倒れてそのまま……忌引きお願いします」「昨夜オヤジが突然……忌引きお願いします」と、みんなやたらとせわしない。
昨年とおととしには、喉にモチ詰めて……等のありえない理由で、社員&取引先の10代20代の息子さんが3人もあの世に旅立たれたって、それってアリなのか?

どうなんだろう、突然死って私が思ってるより多いものなのかな?皆さんの回りでも、若くして無くなった方、突然倒れてそのままになった方ってたくさんいらっしゃるだろうか。

別に会社の中に「なんかイヤだな」と感じる場所はない。前勤めていた会社みたいに、幽霊が出すぎて困るから社費で除霊を依頼したなんて、そこまでの問題も出ていない。
ただ、「もう一人会社で倒れたら霊能者に相談しなきゃね。ははは……」なんて会話が、弁当食べながら冗談まじりで交わされるのがある意味怖いぞ。

12月10日(日)

実家から帰宅する電車の中で、「ツンデレ・ハーネマン」を妄想してるうちに、うっかり電車を乗り過ごしちゃった。
降車駅に到着したことに気付かないほど二次元妄想に没入するなんて、いい年こいたリーマンのやることじゃねぇ……私もようやく二次元恋愛マスター、電波男・本田透氏の治めるキングダムへ、足を一歩踏み入れられたのかしら?とちょっと嬉しいような不安なような気分。

さて、12月1日の日記で触れた妙な夢の件だが、あれから子供たちとの約束をちゃんと守ってきた。

供養に向かったのは、先祖供養に通っているお寺。毎月のお勤めと一緒に、どこの誰かも分からない子たちの供養も一気に済ませようという魂胆である。
ここで何をするのかといえば、なんていうのか正式名称は知らないが、卒塔婆型にカットされた木片……というよりもむしろ、巻きずしを包む茶色い植物の薄片みたいなものに「ミキ家先祖代々」なんて書いてもらった上で、坊さんにお経を上げてもらうのだ。

だが、書く気マンマンでビシーッ!と筆を構えたお寺のオバちゃんの前に立った時、私は迷った。
なんの血のつながりもない子供たち、名も知れぬ彼らの供養を一体どうやって依頼せよというのだ!

そこで、私は困惑のうすら笑いを浮かべながら言った。
「えー、私には関係のない子供たちなんですが……」「…………」
「あの、私の縁者じゃないんですけど、先日夢に子供達がたくさん出てきて……」「お名前は?」
「だから私には関係のない子なんで……」「いえ、貴女のお名前は?」
「??……ミキチサトですが」

それを聞いたオバちゃん、深くうなずくとサラサラと筆を走らせた。そこには、ミキチサトの夢に出て来し水子一同の霊”って……あるんかい!テンプレート!!(爆笑)

聞くところによれば、私と同じように夢見が悪いことを気にして、供養に来る人は大勢いるらしい。
「そういう場合は出来るだけ供養してあげた方がいいんですよ」というのはまぁ、お寺さんのセールストークなんだろうが、少なくともその日から、冴えなかった私の体調はスッキリ良好になったというのは、あながち気のせいだけじゃなかろう。

とにかく私にできることはこれで終わった。あとはあの晩出てきた子がみな、無事に成仏への道を辿ることを心から祈りたい。

12月10日(日)

昨夜は京都のエジプト学校の帰りに、わざわざ大阪で途中下車して、回転寿司店(好きなのに地元にはほとんど無いのだ)でお銚子三本ほど空けてから、行きつけのレディースバーに行って来たよ。

ミキさんずいぶんとレディースバーにはまってるわね!と思われそうだが、いや、正直なとこすでに飽きてきてます。
だって、客が女だけって以外は、ごくフツーの飲み屋なんだもの。

そりゃまあ店のお客さんの中にはオタクも紛れ込んでいるんだろうが、少なくとも私が会った人たちについて言えば、「セクシャリティー的にはマイノリティーだけど、濃ゆさ的にはパンピー」って人ばかりゆえ、どうしても話があたりさわりのない世間話になるのが面白くない。
「何も見ずに手塚治虫キャラ」をやりながら、タールのように濃厚な体験談、胃がでんぐり返るほど愉快なトリビアを聞くのが理想の飲み方なのだが……

だいいち「好みのタイプは?」と問われてもなぁ……日本女性では思い当たらないから、「マシンガンが似合うムキムキマッチョの金髪娘」とか「エイリアンのリプリー」だなんて答えようものなら、その瞬間に話が終わってしまう。

そういうわけでレディースバーはぼちぼち卒業かな。(早っ!)近日中にお友達がSMバーに連れて行ってくれるということで、そっちに期待してみよう。ただ、他人の肉体的接触を見るのはあまり好まないので、そちらにもはまるまでには至らないと思う。

あーあ、どこかに面白い形態のバーはないものだろうか。以前、アートや映画の話が聞きたくて、画家がやってる美術バーに行ったこともあるが、あれはあれで客層がおハイソすぎて、肩凝りで死にそうだった。
オタクにとって一番楽しい飲み会は、なんといっても心ゆくまで萌え話ができるイベントの打ち上げだから、オタクバーなんてどうだろう。

そういえば以前ヘボピーと、「バーの経営しない?」という話がマジで出たときに、「オタクの集まるバーにしたいね!」「店名は『ガンダム』だね!」なーんて盛り上がったものだ。
だが、オタクとは衣・食・住と三次元恋愛に費やすゼニをすべて二次元に注ぎ込む種族。ゆえに、下手するとレディースバーより低客単価・長滞留時間で、あっという間に店閉めてそうだ。

なら「犬猫やインコが接客してくれる鳥獣バー」なんてどうだろう。
だが、ペットと触れあえるのがウリの施設がぞくぞく閉鎖されているところを見ると、人はゼニ取られてまでは犬猫をナデナデしたいものではないらしいからこの案もボツ。

メイド喫茶、執事喫茶、こたつバーにノーパンしゃぶしゃぶ……いろんな業態の水商売が現れては消えてゆくのを目にする度に、サブカル系経営者の想像力の豊かさにほほーっと感心してしまう。
時折脱サラを考えるこの身としては、私も自分が通いたくなるような店のプランを立てて、「ミキママ」実現を目指すべきかもしれない。

うーん、通いたくなるバー、通いたくなるバー……あ、ペルシャ絨毯バーとか古代エジプトバーなんてどうだろう?
……いや、バカ高い内装費をかけたわりに、半年でぽしゃりそうだからやっぱ止めとく。

12月9日(土)

110円の電車賃をケチって、出先から家まで1時間以上歩いて帰ってみたら、リビングが妙にあったかい。
エアコンのランプを見ると、どうやら昨夜7時から17時間、延々電源が入りっぱなしになっていたらしい……ガッデム!!!!

ミクシィのお友達が答えやすそうなバトンを放り投げてくれたので、この鋭い八重歯でガッチリくわえさせて頂いた。
ただ、「ベストスリー」ならすぐに思いつくのに、10個も答えるのは予想以上にむつかしくて、回答に意外な時間食っちゃったよ。で、勿体ないから(?)こっちにも移しとく。

【10個バトン】************************************

1・好きな食べ物10個

シシケバブ(羊肉の串焼き)
鹿肉のステーキ、イノシシ肉のステーキ
マンゴー、生ガキ、クエ鍋
生ウニ、キャビア、セロリ
メルジメッキ・チョルバス(トルコの豆スープ)

「クエ鍋」だけはお銚子を傾けながら温泉旅館で食べてそうな料理だが、それ以外はローマの放蕩オヤジが好みそうな食べ物じゃの。

2・苦手な食べ物10個

食べられないほど苦手なものはないけど、強いて言えばケーキかな。
あと、まずいくせに微妙に高い、「創作料理」とカテゴライズされた、ジャズが流れる店の料理はパスっ!

3・好きな芸能人10人(芸能人では10人も好きなヒトが思いあたらないので、有名人も含めて)

マーカス・シェンケンバーグ (ちょっと前のスーパーモデル。理想の顔と体!)
小川和久 (軍事評論家。日本人としては一番好きなタイプ。特に声が素敵なのv)
鹿賀丈史 (好きなんです、でかい口が。)
嵐 (子供向けの歌手だとバカにしてたけど、最近ちょっといいなと思ってる。テレビで見て、はじける若さ・恐れを知らぬ明るさにグッときたぜ。)
マルチェロ・マストロヤンニ (一番好きな俳優)
デビット・ボウイ (声が好きv)
カーナヴォン卿 (ツタンカーメン王墓発見時のパトロン。黄金の棺を見る前に病に倒れ、臨終の床で
「黒い鳥、黒い鳥がぁ〜〜っ!」なんてうわごと言いながら死んじゃった悲劇のヒト。)
ヨーコ・オノ (芸術家として尊敬してます)
鈴木まどか先生 (古代エジプト学、お洒落な佇まいがカッチョいいのだ。)
アーノルド・シュワルツェネッガー (「ターミネーター」ではそんなにいいとは思わなかったけど、「コナン・ザ・グレート」で見直した!さすがミスター・オリンピア、芸術的な筋肉の上に乗った顔も可愛いv

4・萌ポイント10個

スキンヘッド、黒いタートルネックセーター
迷彩服と機関銃
男性の外腹斜筋(恥骨からV字状に外側上方に広がる筋肉、通称エロ筋)と女性の上腕二頭筋
大きな口。口をゆがめて笑うクセがあればなおよし!
プラチナブロンドの海兵隊刈り
女に地対空ミサイル、男にスカート(腰布)
ひじまである手袋
ペンタゴンの中枢に入り込めるようなものすごいハッカー能力
一人称が「僕」

5・萎えポイント10個

10個も思いつかないけど、だらしなくて義理を重んじない、自分に優しく他人に厳しい人は、萌え・萎え以前の問題で苦手です。 あと、ぶりっ子女と、過度に女好きの男もイヤだな。

6・好きな曲10曲

☆マタイ受難曲「神よ、哀れみたまえ」 (バッハ)葬式ではこれを流してもらうのだ。
☆ベアトリ姐ちゃん(エノケン) 浅草オペラは明るくて楽しくてやがて哀しき。
☆空の神兵(軍歌) ♪撃ちてしやまん 奇襲隊♪ 格調高い曲調。もちろんカラオケで歌う時には直立不動だ!
☆命の名前(中島みゆき) みゆき姐の歌声には魂を揺さぶられまくる……
☆ホーリー&ブライト(ゴダイゴ) 未来への希望をつないでくれる曲。
☆冬の歌(ヨーコ・オノ) 「私はスフィンクス、ヒルトンのポスターにプリントされて、砂漠を見たいと願っている」……ヨーコの歌詞はどれを取っても美しい。
☆イッツ・オーライト(ヨーコ・オノ) 人生最悪の時期、何度も死のうと思ったが、この曲に救われた。
☆赤い花の満開の下(ヤプーズ) 何度聞いても泣けてくる。地を這うようなどん底の日、ふと見上げると満開の花々が話しかけてくるように思えた……という救済の曲。
☆LOVE LOVE SHOW(ザ・イエローモンキー) イエモン大好き!彼らの曲には花火のように燃えてあっという間に消えてゆく人生のはかなさと、死すべき運命に立ち向かう人間の強さしぶとさを感じるのだ。
☆アイム・ザ・ウォーラス(ビートルズ) 青春をビートルズに捧げたので、ビートルズからも一曲。まずはノンセンス詩人ジョンの面目躍如のこの曲を挙げたい。

7・好きな飲み物10個

クリュッグ(シャンパン)とシャブリのグランクリュ・レクロ(白ワイン)
両方とも高価でなかなか飲めないのだが、ゴージャスさにも酔えるダントツに好きな酒。でもぜんぜんワイン通ってわけじゃないのだよ。
ギネスビール、アマレット(兇悪に甘いリキュール) ボジョレー・ヌーヴォー(赤ワインは軽いのが好き)
漁港で飲むワンカップ大関、タンニン出過ぎの濃ゆーい日本茶、 インドのラッシー
マレーシアで飲んだコンデンスミルクたっぷりの紅茶
フレッシュミックスジュース。会社の昼休みに近所のデパ地下に飲みに行くお気に入り。

8・今欲しいもの10個

人間に対する相貌認識能力。これが病的に欠けているため、苦労が耐えないのよねぇ……
両親の健康
両眼1.5の裸眼視力。震災の時に眼鏡を捜して這い回ったが、人間、目が悪いだけで生き延びる確率は小さくなるもんだ。
素晴らしい記憶力。エアコンを切り忘れたり、遠方の展覧会に行ったはいいがチケット忘れてたりと、最近ボケがひどい。
生まれた街に500坪以上の庭付き一戸建て……って、ドリームジャンボの一等を当てたくらいじゃ買えねぇ!
甥か姪
GIジェーンの筋肉
格闘技をするに足る反射神経と柔軟性
最愛の相棒・今は亡き愛犬イリのDNAを引き継いだサルーキの子犬(英国に現存)
ジープかハマーと、それをスムーズに縦列駐車できる運転能力
カレシ用にハーネマン軍曹v

……けっこう悲壮感漂う回答だな。

9・マイブーム10個

野蛮人コナン(映画&小説)
ウォートラン・トルーパーズ(ゲーム)
迷彩服&コンバットブーツが制服の人たち
レディースバー(いわゆるレズバー)
ネイティブ・アメリカン、マサイ族 、古代クレタ文明
ブルース・ウェーバー(ファッションフォトグラフィーの大家。男撮らせりゃ世界一!)
男の太股、女の腹筋
人の持ってないようなアバンギャルドなデザインの帽子。

10・次にバトンを回すヒト

特に指名しません。ネタに詰まったらどうぞ。 でも、10個って意外と思いつかないもんですぜ。

12月8日(金)

本日ボーナス日。テレビや新聞では連日、「景気回復」という文字が踊っているが、少なくとも私のボーナスには反映されていない。「もうかってまっか?」と絨毯屋の社長に聞こうとイタメシ屋のマスターに聞こうとも、返ってくる返事は皆同じ。「景気がいいってどこの話なんやろ。」

まったく地方企業にとっては、「いざなぎ景気越え」は、どこぞのパラレルワールドの話としか思えない。
しかしまぁ、自治体が破産しちゃった夕張市民の辛さを思うと、低空飛行ながらボーナス支給額が安定しているうちの会社は、まだマシな方なんだと思った方がいいのかもなぁ。

今夜はこの札束をふところにショッピングへ……と言いたいところだが、すでにこれをあてにして、どこの未来警察?って感じのシャネルのグラサンと、ブチャラティのコスにしか見えないジッパーだらけの革ジャン(男性用。今日びの男は肩が細いぜ!)と、古代人に見せたら目の色が変わりそうなゴールドに輝く財布を購入したから、これ以上はもうビタ一文も使えない。なんたって年末のエジプト旅行をキャンセルした代わりに、来年はアフリカかキューバ旅行を企てているのだよ。

……ってことで、これからお金を使わずに済む唯一の場所……ジムに行って、無駄遣いする元気もなくなるくらい自分をいじめてくるつもり。そしてジム後はサド軍曹にいびられに、はるばるゲーセンへと向かうのだ。

地元でウォートラン設置が確認されているゲーセンはただ二カ所だけなのだが、それら二台もいつ撤去されるか分からないという、あやうい運命が待っている。だからミッヒとお別れしなきゃならないXデーまでは、寒くても疲れてても眠くても、ウォートランある限り足繁くゲーセンへ通うことに心を決めたのである。

親の介護もゲームも同人活動も、こうやって「思い残すことがないように」と呟いてばかりだと、必然的に時間が足りなくなってくる。そして見合い相手と連絡を取り合う時間がもったいなくなり、またしても老後の安寧を逃しそうな、そんな予感で一杯の今日このごろ。
でも正直なところ、経済的不安、老後への不安さえなければ、独りでいるのが一番好きな自分、結婚する必要は全く感じないから、生身の異性とのお付き合いはどうしても後回しにしちゃうんだよね。

いっそ二次元の相手と結婚宣言できるほどはっちゃけられればいいのだが……
「ヒトより絨毯や犬の方を愛してる」なーんて身もフタもないフェチ宣言してるくせして、二次元キャラと脳内結婚できるレベルに至るためには、私はまだ何か大切なものを掴み切れてないようだ。
ここへきて親の呆けっぷりがどんどん悪化するのを目にするうちに、己の将来への不安がふと芽生えて夜も眠れなくなる……とハンパにオタクでハンパにナイーブな自分が憎い。

あ〜あ、二次元ギャルと楽しい結婚生活を送って、「俺は……みさき先輩に俺の愛を全部捧げる!もう三次元の女などいらんっ!」(「電波男」/三才ブックス)とキッパリ言い切れる、ヲタの中のヲタ・本田透氏の生きざまが羨ましいぜ。

12月7日(木)

以前から当サイトをご覧下さってる方はお気づきかも知れないが、管理人、ただ今ジャンル的に迷走中。ちょっといいなと思うものは次々に現れるものの、今ひとつ対象を絞り込みきれず悶絶している。

遊戯王ではこの三年というもの、同人活動やサイト運営に全身全霊で取り組んで、遊戯王絡みということで興味が派生したリアルエジプトにも突っ走ったけど、遊戯王燃えもエジプト燃えも一段落した今、さて、次の対象は……と周りを見回してみると、一心不乱に二次創作活動できるほどの対象が見つからないのだ。

コナンはいい。映画も原作もとても気に入っている。
だが、コナンへの興味はどうやら、SFだとP・K・ディック、映画だとタルコフスキー作品に対する愛と同種であって、萌え〜!→同人活動って対象にはなりそうもない。

なんたって、コナンがバリんバリんのノンケってのが痛いんだよなぁ!
女を片腕に抱えて跳躍したり、ギラついた目で氷神の娘を地の果てまでも追い回したりと、めざましい野蛮人ぶりは見せてくれるものの、ストレートの恋愛に興味がない自分にとって、それらは萌えとは別次元のイベントである。腐女子にとって、男カプ萌え出来るか否かは最重要課題なのだ。

また、一時は次のジャンルは皇国か?と思ったのだが、こちらははまってわずか数ヶ月で、好きキャラ一人残らず戦死でありますっ!って事態がキツすぎる。
これからも連載は続いてゆくものの、自分にとって新たな萌えが補填されることはないんだと思うと、正直なところ「終わった……」という虚脱感でいっぱいなんだよね。

で、最近萌え再燃なのが、個性豊かな教官殿が特殊部隊訓練をほどこして下さるアーケードゲーム、ウォートラン・トルーパーズだが、こちらは同人史上、ただ一つのサークル、ただ一つのサイトすら、(多分)存在したことがないというレアリティーが大問題である。
いや、それどころか、ウォートランというガンシュー自体知ってる人が皆無ってあたりで、さしもの私も独り相撲を取るだけの気力が起こらない。同人は仲間がいてこその同人。同じ人がいなければただの個人。同人とは寂しいと死んじゃうウサギのような存在なのだ……

萌えとは若芽が萌えたつように、自然発生的に動く心の状態だと思う。ゆえに、無理に対象を見つけて心を奮い立たせるのは萌えとは言い難い。

……とは思ってみるものの、萌え(燃え)られる対象さえあれば、何があっても立ち直る力が湧いてくるものだから、家庭的に色々辛いこのドン詰まり状態から立ち直るため、一刻も早く早く新たなジャンルを!とあせってしまうのも確か。

新たな愛の対象に出逢うためには、色々な漫画やアニメのチェックをするべきなのだろうか。
ただ、我ながら嫌気がさすほどのマイナー嗜好……というかむしろ天の邪鬼(人が興味を持たないものが好き)ゆえ、数ヶ月先にここで
「萌える〜!」と叫んでいる対象は、電脳世界にたった一つのヲタサイトすら存在しない、ワケわからんフレンチコミックだったりする可能性が巨大なのが怖くて、どうしても次の一歩を踏み出せずにいる。

12月5日(火)

父親が病院へ行く間、母に付き添わなきゃならないもんで、有休を取って実家でまたしてもヒマ潰しにビデオを見ていたよ。
今日のビデオは、ドキュメンタリー「戦略大作戦」のDデイ&ドラグーン作戦の巻と、鬼才デレク・ジャーマン監督作品、「セバスチャン」

前者は当時のフィルムを使用しながら各作戦の経緯を軽くなぞっていくドキュメンタリーだから、別に説明の必要はない。問題アリといえばアリなのが後者なのだ。

このセバスチャンとは、クララの執事でも、しまぶーのギャグ漫画「ぎりぎりセバスチャン」(マニアにしか通じない話!)の主人公でもなく、三島由紀夫もエル・グレコもヴェルサーチもみんな大好き、ローマ兵士の矢を全身に浴びてあの殉教者・「聖セバスチャン」を指す。

まぁ、どの画家もこぞって、全身を射抜かれ恍惚とも取れる表情を浮かべたセバスチャン図を描いたことだし、三島由紀夫の初射精のオカズも彼だったというからには、デレク・ジャーマン版セバスチャンも、だいたいのテイストの予想は付けたつもりでいた。冒頭から白塗り仮面のリンゼイ・ケンプ(著名なダンサー)が、股間にチ○コケースを付けた男達に囲まれてクネクネ踊り狂うあやういシーンでも、「まぁ芸術映画だしな……」と己を納得させていた。

だが、デレク・ジャーマン版セバスチャン、こむずかしい芸術作品かと思って見たら、予想を100万光年ほど飛び超えて監督の趣味丸出しな「雄尻映画」だったもんで、途中からは母を無言でテレビ前から移動させたよ。

とにかくどのシーンを取っても太陽にプリッと照りかがやく尻!尻!尻!
かつ兵士達のユニフォームは、フンドシというより
むしろヒモ。Tバックから誇らしげにむき出された双丘を、ああまで畳み込むように見せつけられると、さしもの尻ファンもお腹一杯胸一杯!

加えて生まれたままの姿シーンも多いゆえ、5分に一度ボカシが入る。全裸のセバスチャンもスローモーションで水浴びしちゃうサービスっぷり!

まぁ、舞台は辺境の地、登場人物といえば、闘う相手もいない砂漠の中でヒマを持てあますやりたい盛りの兵士ばかりである。
そんな生活が長く続くと、そりゃ当然盛りたくなるよね!と納得しながらも、あまりにも堂々と繰り広げられる男X男ワールドに、「普通の映画ファンはびびらなかったのかな?」と妙にそわそわしちゃったよ。

ローマ皇帝の近衛隊長だったのが、キリストの愛に目覚めて僻地に飛ばされ、一日中「貴方の髪は太陽の黄金……」なーんてうわごとのようにキリストを賛美する夢見るアイドル・セバスチャン。
そんなセバスチャンに好きと言えなくて、いじめっ子モードで夜な夜な彼をムチ打つ金髪美形の司令官シベリウス。
ついに意を決して、「俺はお前を愛してる!お前も俺を愛してくれ!」と世界の隅っこで愛を叫んだはいいが、「ふっ……可哀想な人だ……」と冷たくあしらわれて錯乱、ついには愛する男を処刑してしまうなんて、これは永遠に交われぬ運命を背負った男たちの、苦悩と決別とを描いた愛の映画なのだ!

まぁそれは分かる。分かるが、主役を越えて濃ゆい脇役陣には、ますます「ええんかいな」感が盛り上がる。
脇役だというのにスローモーションで延々と絡みシーン(もちろん全裸)を見せてくれるラブラブカップル。
寝ぼけまなこの同僚の顔に股間を押しあて、「ローマからの贈り物だぁ!」と香ばしいギャグを繰り出すTバックオヤジ。
そして、セバスチャンの清らかさに打たれ、ほのかな恋心を抱く兵士……

「ほら、見てみろよあの貝」「ホントだ。輝いてる……真珠みたいに。」
バッシャーン!←飛び込んだ音)
「セバスチャン、お前への贈り物だ」「えっ……?!」←喜びと羞恥の混じった表情で。
……って
一体どこのボーイズラブじゃ!!(怒)

この後、彼とセバスチャンが交互に貝に耳をあてて「海の響きが聞こえる」「いや、俺にはカモメの声に聞こえるな……」なーんて微笑み合う少女漫画シーンが繰り広げられる頃には、すっかり映画のペースに乗せられて、多少の雄尻には負けない耐久力が身につくのが嬉しい。

ぶっちゃけ映画自体は面白いとは言い難い。だが、どの青年も美尻か否かを判断基準にオーディションしたのでは?と思えるほどに、みなさん揃ってプリッ&モリッとスタイルがいいので、ギリシア的肉体美を鑑賞したい向きにはもってこいの作品である。

とにかく、こんな趣味全開の映画を撮ってなお、批評家を「ポルノっぽいけど芸術作品……だよね?」と勘違いさせちゃうデレク・ジャーマン監督の才覚と、批評を恐れぬフリーマンぶりに軽い感動を覚えることは請け合いだ。
もしこれがアダルトビデオ監督の作品だったらきっと、「ゲイ映画」の一言で済まされちゃうだろう。芸術の世界も奥が深い。

12月3日(日)

実家から帰還。実家はネット環境にないので、暇つぶしに14時間ぶっとおしでビデオを見たら、さすがに目が疲れた……
それもほぼすべてが戦争映画だったもんだから、棒くいみたいにバタバタ斃れゆく兵士の姿が、今でもまぶたの裏から離れなくて、気分はまるでベトナム帰還兵。やさぐれて真っ昼間からワンカップ大関をあおっちゃいそうだ。

ただ、戦争映画に混じって一本だけ毛色の違う映画も借りてきたのだが、それが「マサイ」
自分が今、一番興味をそそられているのが、ネイティブアメリカン(※)とマサイ族ってことで手に取ったのだが、これが思っていたよりも遙かに、かつ予想とは別の形で胸を打つ作品だったよ。

(※)インディアンという言葉は差別的だから、こっちを使いましょうと教わったのは中学生の頃だったが、現在はどうなってるのかな。ネィティブアメリカンという呼び方もそれはそれで失礼な気がするんだが……

フランス製作だし、「総撮影時間2000時間」とか、監督のパスカル・プリッソンが12年もかけてマサイの村に入り込み、世界で初めて映画撮影の許可を得た、といろいろ重々しいだけに、ライオンをしとめた勇者や結婚式の様子や、西洋文明の浸食を受けつつある近年の生活を追ったドキュメンタリーだと思いこんでいた。

だが、いざ見てみると、マサイの信仰体系や自然と一体となった生活ぶりに胸を打たれるというよりも、ぶっちゃけこれは「マサイ萌え映画」と呼びたい。
http://kadokawa-herald.co.jp/official/masai/
 角川ヘラルドのオフィシャルサイトには“マサイ版「スタンド・バイ・ミー」”と紹介されているが、簡にして要を得たいいコピーだ!

なんつーかもう……腰布マニアとしては、口をポカンと開けたままうっとりするばかり。マサイ族があんなにカッチョいいなんて思ってもみなかった。

マシンとプロテインで作った筋肉ではなく、日常生活で培われた自然の美よ!背は高く手足が信じられないくらいに長く、お顔もワイルドかつ西欧文明的美観からしても男前な上、ヘアスタイルもドレッドのロンゲとファッショナブル。
そんな彼らが原色のアクセサリーと赤い腰布一丁を身にまとい、盾と槍をかかげ歩くとき、サバンナはパリコレのキャットウォーク(花道)と化す。

こんな風に書いたら構想に12年もかけた監督に絞め殺されるかもしれないが、いや、ぜったい監督もカメラを覗きながら「美しい……」とか「うほっ!」と心の中で叫んだと思うぞ!

なんせ、マサイの勇者達を写すアングルが、そこかしこでモードフォトグラフィー的なのだ。バオバブの木の回りで8人の若者が佇むシーンなんか、そのままル・ウォーモ・ヴォーグの表紙に使えそうで、さすがおフランス!いい仕事してますねぇ〜と唸っちゃったよ。

もう字幕を読めなくなって、一番好きだった洋画を借りてきても、10分で飽きてグースカ眠ってしまう病気の母が、最初から最後まで画面に食らいついて離れなかったと言うと、その破壊力がお分かり頂けるだろうか。そう……母は私もシャッポを脱ぐ(死語?)ほどのメンクイなのだ。

こちらの映画サイトには、http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=4665 「人類で最も美しく完璧な肉体」とあるが、マサイ族の肉体は、このコピーがあながち誉めすぎだとも言えないほどのレベルに到達している。

自分、男体の美にはちょっとうるさいことを自認していたが、それは単なる思い上がりだったと痛感させられた。マサイを知らずして男体を語るべからず。
ワイルド系腰布マニアの方には、なにをおいてもお勧めしたい「マサイ」。我がメールフォトライブラリーにぜひとも追加したくなる、滋養に富む一品である。

12月2日(土)

コナンを見た次の日にはきまって焼き肉を食べたくなる。腰布男どもの大暴れに、現代人に残った野生が刺激されるのだろうか……
体調が完全に回復したわけじゃないくせして、コナン効果で昨日は焼き肉屋で暴飲暴食。またしても体調が崩れ気味。

先週から立て続けにものもらいと口内炎と風邪に悩まされていたところへ、ついには歯にまで異常が発現しちゃったよ。ものを噛むと奥歯にイヤ〜な鈍痛が走るので、レントゲンを撮ったところ、歯と骨の間にウミが溜まっているそうな。

ウミを掻き出す治療は大変なので、数日間は抗生物質を飲んで様子を見ることになったのだが、これだけ体のトラブルが続くということは、全体を調整してもらった方がいいんだろうと、行きつけの整骨院にも行って来た。

そしたら先生から驚愕の忠告……ってほどでもないが、ちょっとした注意を受けてびっくり仰天!
なんでもヨガは体のスジがちゃんと通っていて、病院であてる電気でも「もっと強く!」と叫ぶ人向きの運動であって、私のようにジョイント部分がゆるゆるの上、全身がねじれている人間にとっては、(誤った方法の)腹式呼吸だけでも体をゆるめることになってあまりよろしくないそうなのだ。
腹式呼吸も正しい方法ならいいそうなんだが、素人なんて何が正しいのか良く分かってないしなぁ……

へぇえ〜〜、ヨガなんて万人に効くもんだと盲信して、忙しい中時間を見つけて行っていたけど、反対にせっせと悪化させていたとは。
ヨガを始めて数ヶ月ほどになるが、振り返れば別に効果が出ているとも思えない……っていうか手首なんかは無理なポーズ(片手で体を支える)をしたために変なパキパキ音が出るようになったから、どちらかと言えばやらない方がいいとお墨付きをもらったら、これで心理的にも自分への言い訳が立つな。

……ということで、これから毎週水曜日はヒマになったから、この時間をヲタ活動にあてたいものだ。コナンを見るとカリムが描きたくなるから、久々にカリシャダエロをやりたいし、皇国の文章作品も作ってみたい。

ただ、背景についての基本知識は揃っていた古代エジプトに比べると、学生時代日本史はからきしダメだった私にとって、皇国のモデルとなった明治時代については、軍隊どころか民衆の生活のイメージすら頭に浮かばないってところが問題だ。

さらには、実家に置きっぱなしにしてきたMacのノートが動いてくれるかも心配である。
なんたって数ヶ月通電してないからなぁ、先代のMacみたいにハードディスクが固まってそのまま死去……なんてハメになってないだろうか……
と、さっきから
Macと5,6回打ってるのだが、Macという文字を打つ度にタイプ2のエラーでソフトがダウンするのがとてつもなく不吉な予感。怒ってる?Mac?

心配だからさっさと実家に帰ってMac(またダウン!)をチェックの上、近所のお寺で先日の約束を果たしてくる。

12月1日(金)

近頃流行の脳トレーニング法の一つに、「コーヒーを飲みながら魚の写真を見る」というのがあるそうな。
なんでも、視覚が捕らえている魚の生臭い匂いの代わりにコーヒーの匂いがしてくると、「なんでやねん?!」と混乱するうちに、脳味噌がたくましく鍛えられるらしいのだ。

ふーん、自分、毎朝出社してデスクに座ると、まずは一杯のコーヒーで寝起きの体にカツを入れるのが習慣なので、あとは魚の写真を捜してくればいい。脳トレ用ゲーム機を買う必要もなくて安上がりだね……ということで、早速ネットで魚の写真を捜したよ。

脳に勘違いさせるのが目的だから、タイやヒラメよりもワイルドに生臭いやつがいいんだろうなぁ。
だからといって爽やかな朝のオフィスで、コーヒーカップ片手にアンコウのグチャグチャした切り身を鑑賞していると、人々の間に「ミキさん変人説」が根付きそうでシャクにさわる。

そこで白羽の矢が立ったのが「カツオのタタキ」だった。うーん、ネギとニンニクがたっぷりかかって美味しそうv

だが、いざコーヒーをすすりつつパソコンの画面を眺めると、記憶に蘇るのは魚の生臭さよりもニンニクの臭いばっか!それに朝っぱらからニンニクてんこ盛りのナマ魚写真を凝視していると、私のガラス細工の胃がムカムカしてきてもうアカン。

よって「C&F(コーヒー&フィッシュ)作戦」はたった一日で頓挫した。ここはやっぱりニンテンドーDSか脳トレ用電卓でも買って、地道にボケ防止すべきかねぇ。


ちょびっとオカルト入ってますのでご注意を……

先日の明け方、起きているのか眠っているのかよく分からない境目の状態で、奇妙な夢を見た。

私はどこか知らない街を歩いている。知らないとは言っても外国じゃない、日本であることは確かだし、そこにいる人々も日本人だ。
だが、回りが異常に暗い。それは夜明けの暗さでも夕暮れの暗さでもない、漠然と不安を煽られる暗さである。
どのビルにも、どの家の窓にも明かりは灯っていない。かといって暗闇でもない。空気に墨を流したような、閉じたまぶたの奥に広がる光景のような、そんな不穏な暗さが街を覆っている。

街はそんなに暗いのに、道路では沢山の子供達が遊んでいる。自転車に乗ったり鬼ごっこをしたり、キャッキャとはしゃいでいる。
だが、回りには一人の大人も見られない。子供だけなのだ。

その時数人の子供が私の姿を認めて走り寄ってきた。お姉ちゃんお姉ちゃんと親しげにまとわりつき、背中におぶさろうとしたり、手にぶら下がろうとしたり、足にしがみついたりしてふざけている。
私は半覚醒で、これは夢なんだと思いながらも気味悪くなって、「お姉ちゃんはもう帰るからね」とやんわり子供達を振り払いながら、必死で目を覚まそうとした。だが、そうこうするうちにも子供達は楽しげにわらわらと集まってくる。

子供に追いすがられながら私は叫んでいた。「みんな離してね!約束するから、ちゃんと供養してあげるから!」
そこでようやく目が醒めた。

私自身には幼い子供の知り合いに心当たりはないのだが、毎年なぜかこの時期になると子供が出てくる夢を見る。
ただ、今までの夢では小さな子が一人だけだったのだが……行きずりの子供たちを呼んじゃったのだろうか。私は妙な夢の根っこにあるものを分析できるほどには霊感鋭くないので、本当のところ何だったのかは分からない。

とにかく明日かあさってにでもお寺に行って、お経の一つでも上げてもらうつもりだ。夢の話でも約束は約束だから、一応守ってやりたいからね。