2019年7月31日(水)

2泊3日で福島と茨城に行ってきたよ。霊感系の友人二人が相談して決めてくれたコースだったせいで、自然&神社といやっちゅーほど触れあう旅だった。おかげさまで久々に気力を取り戻して、お腹にきちんと芯がある感覚を覚えている。

旅行を決めた2ヶ月前に比べてマヤの病状が急速に悪化したためキャンセルすることも考えたけど、行ってよかった。東北の濃い自然の中で過ごして心身共にリセットできたから、マヤとも新たな気持ちで向き合えそうだ。

会津磐梯山。福島の田んぼは神戸周辺の田んぼとは比べものにならないくらい広くてスカッとする。

一泊目の旅館はぬる湯温泉の二階堂。
冬の間は宿に通じる一本道が雪で閉ざされるため休業。そんな山深い土地に一軒だけぽつりと建っている。

 二泊目は秘湯ファンの間で人気の大丸あすなろ荘。一日中渓流のせせらぎが聞こえる宿。

2019年7月23日(火)

ご無沙汰しています。マヤも私もヘボピーもなんとかやってます。でもマヤの介護が急速に大変になっており、昼夜逆転でヘロヘロです。
仕事と介護の兼ね合いってほんと大変。それでも神さまから「人と犬、仲良くやりなさいよ」と預かった命、ベストを尽くしてケアします。

あさってで16才と半年になる素晴らしいわんちゃん。
ばんざーい!ばんざーい!

こういう状態でもうとうとするようになった姿に老いを感じる。

いつもバーベルを上げてるヘボピーねえちゃんには、10キロちょっとのわんちゃんなんか軽い軽い!

2019年7月16日(火)

ストレスフルな日々が続いているせいか、朝起きると体がよどんでモヤモヤする。こういう時には滝の前で体操して、おにぎりを食べて帰るに限る。
そう、最近のマイブームは出勤前の森林浴。自宅で朝を迎えた日には登山口までチャリを飛ばし、平安の歌人たちが歌に詠んだ名滝まで400メートルの道を散歩するのだ。

滝に着いたらまずは瞑想。それが終わったら滝に向かって阿吽を唱える。呼吸が浅い私にとって腹式呼吸をするいい機会だ。
人目も構わず怪しいポーズを決めるなんて恥ずかしくないのかって?そんなのカンケーねぇ!(古)朝っぱらから滝の前に来る人間は他人のことなぞ気にしちゃいない。
そもそも、滝の前には朗々たる声でうなるおやっさんや、登山口と滝の間を何往復もダッシュする筋骨隆々の黒人、果ては横笛の練習をする乙女までいたりして、龍神もびっくりの好き勝手状態なのだ。

瞑想と阿吽が終わったら、滝の隣の巨石の足下に祀られている彫像(不動明王とか)にお詣りする。5カ所もあるからめんどくさいが、気持ちよく一日のスタートを切るには欠かせない。
それが終わればやっと体操。ラジオ体操第一のメロディーを脳内リプレイしてひととおり体操が終わったら、やおらおにぎりを取り出してむしゃむしゃ食べる。時にはどうどうという水音に混じって、乙女の奏でる笛の音がヒョォォオオオオ〜と聞こえてきたりと、雅なことこの上ない。

今の家に住んで20年近くなるけれど、市の中央部だからガサガサしていて好きじゃなかった。でも気軽に森林浴ができると知ってから、どんどんこの土地に愛着がわいてきた。心身を調整するための朝ハイク。今の私には欠かせない。

登山口。階段は400段あるからそこそこ運動になるよ。

いにしえの貴人たちが称えた滝。
平日は静かなものだが、街からすぐの観光スポットとして土日はすごい人出になる。

2019年7月10日(水)

耳は聞こえず目ももうほとんど見えなくなった。
目の前に差し出したおやつを食べようと見当違いの方に口を出すから、鼻も駄目になりつつあるようだ。
いつ見てもぼんやり突っ立っているかぐるぐる回っているか寝ているか。ますます老いを強く感じるようになったマヤ。
それでも風に吹かれたふとした時に、とてもかしこい顔をするんだよ。


昨年のメモ帳に「マヤ、チキンくれないと文句言いに来る」と書き付けている。そういえばヘボピーがケンタのチキンを一人で食べて、分けてくれないんだと私のところに駆けてきてワウワウ訴えたことがあった。1年前にはまだこんなにしっかりしていたんだな。

マヤ16才5ヶ月と2週間。犬も認知症になると尻尾の振り方を忘れることを知った。
以前なら仕事から帰って玄関のドアを開けると待ちかまえていて、尻もちをつきそうなほど尻尾をピコピコ振ったものだが、今は帰宅してもボーっと突っ立っていて、やがてじんわりと記憶が甦った様子で迎えに来る。アルツハイマーだった母と同じように、この可愛らしい小さな頭からも少しづつ記憶が失われているのが手に取るように分かって寂しくなる。

それでも夜が明けて目覚めればふらつく足で立ち上がり、朝が来ましたね、と私の顔に湿った鼻を押し当てる。おはよう、今日も目がさめて偉いねえ、と私も頭をくっつける。
朝の光を浴びながら頭と頭をくっつけてじっとしていると、犬の心が伝わってくるようだ。それは私の気持ちまで凪ぐほど穏やかで、こんなに長く生きてくれた小さな生き物の尊さに、胸に熱いものがこみあげて泣けてくる。

2019年7月3日(水)

お守りみたいに獣医さんからもらっておいたマヤ用の睡眠薬(安定剤)、シリンジに入った透明の液体はぎりぎりまで使いたくなかった。だが、「ぎりぎり」はあっという間にやってきて、処方されたたったの2日後、ダッシュしたあとみたいな激しいパンティングを止めないマヤをみかねて、夜中の2時に飲ませてみた。

その5分後、これまでに耳にしたことのない妙ないびきをかいて眠り始めた犬。「薬を飲ませた後は吐くことだけには注意してくださいね。気管にものが詰まっても吐き出せずに窒息してしまいますから」という先生の言葉を思い出す。

そういえばドラマ「ブレイキングバッド」のコカイン中毒のジェーン。眠っている間に吐いたものが喉に詰まって死んでしまったっけ。朦朧としながら苦しそうな咳をして、最後には窒息してこときれたジェーンの姿を思い出して不安は高まる。

ブォーブォーと異常ないびきをかくマヤは、揺り起こしても目覚めない。これが薬で無理に眠らせるということか……。つばがのどに詰まらないように100均で買ってきたお子さま用座布団を頭の下に敷いてやりながら、暗闇の中、耳ざわりないびきを聞いていた。

その3時間後……。ハッハッというパンティング音で目が覚めた。朝5時だ。
先生の言った通り安定剤はきっちり3時間しか効かなかったんだな。それでも少なくとも3時間は眠らせられることが分かって少し気が楽になった。今日は新しいお守りを2,3本もらいに行こう。

草の上に寝かせるとぜんぜんパンティンはしないのが不思議なのだ。

犬がパンティングをする原因には「痛み」と「ストレス」があるらしい。
マヤは股関節変形性の「痛み」と認知症由来の「ストレス(不安感)」でハァハァが止まらないのではと診断された。
それが草のじゅうたんの上では全く出ないって、どんなグリーン癒し効果だよ!ってびっくりだ。

すやすや眠る。

いつまでも眠る。

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