2019年5月27日(月)

先週日曜日、満月の日に無事に退院しております。手術は予定通り終了、硝子体(「しょうしたい」と入力すると「焼死体」変換するのマジやめて……。)をいじった左目は、手術したからといって歪みが完全に取れるものではないそうで、まだまだ本調子ではありません。
それでも両眼とも白内障手術がセットになっていたお陰で、40数年ぶりに戻ってきた「裸眼で見える」生活。「あっ!寝る前にコンタクト取らなきゃ!」「しまった!コンタクトしたまま寝ちゃったYO!」と一日20回ほどびっくりする毎日です。

数十年前なら視力を失っていたであろう病気を1時間半の手術でサクサクっと済ませて、たった一週間の入院の後に仕事に復帰させてもらえる有り難さ!
神戸アイセンターのドクターとスタッフ、アイセンターにアクセスする道を開いてくれた眼科のドクターと、その眼科にアクセスするきっかけをくれたヘボピーとお店のママ。
最先端の眼科手術を開発するまでの研究者の努力と献体者の奉仕、そしてあまたの実験動物たちに心からの感謝を捧げます。

眼病患者の聖地。上の階ではips細胞の研究もやってるよ。

ホテルみたいだと聞いていた入院施設は、病気でなければ引っ越してきたいくらい快適だった。
トリップアドバイザーなら迷わず五つ星を付けるところだ。

2019年5月24日(金)

ほとんど人の来ないひっそりとした近所の公園に、一本だけさくらんぼの実る桜の木がある。今年もまた、その木は数え切れないほどの実をつけて、もう少ししたら食べ頃だからね、と空に向かって枝葉を広げていた。

様子を見に行った私とヘボピー、数粒だけちぎって口に入れるとまだすこし酸っぱい。次の週末が食べ頃だろう。ルビーのような実を鈴なりにした木を思い描くと心が浮き立った。

でも日曜日、カメラを携えて公園に行ってみたら、綺麗さっぱりなくなっていたさくらんぼ。残っているのは青い実がほんの少し。それすらも数えられるほどしか付いていない。
よく見ると枝を切り落とした跡があちこちにある。木のてっぺんまで丸裸なところを見ると、ハシゴまで持ってきて取り尽くしたのだろう。

目を楽しませる可愛らしい実を少しだけ分けてもらって、残りは他の人や小鳥と分けるのが当たり前だと思っていた。木の回りに家族や鳥たちが集まって、和気あいあいとさくらんぼを食べる姿を想像して、楽しい気持ちになっていた

「強欲」とはなんと罪深いものなのだろう!と心の中で呟くことを止められなかった。

2019年5月14日(火)

さて、これからアイセンター。本日入院、明日手術。
順調にいけば5日で退院、保険会社の入院給付金をもらえるギリギリの日数(5日以上)の比較的お手軽な手術ではあるけれど、人生初入院、初手術だから不安がないと大うそつき。オリジナルの眼球で見る最後の景色を震えながら見つめている。

恐怖の手術体験については視力復活の暁にあらためて。「安定剤を入れられすぎて、居眠りしてるうちに終わってた」「視力を取り戻して分かった。世界ってこんなに美しかったんだ!」と爽やかにレポできるよう、どうぞ祈ってやって頂きたい。

それじゃみんな、また会おうな!!

硝子体切除、おそろしすぎ。そして人工の硝子体を入れられた私は一歩サイボーグに近くなる。
「他の治療法 特にありません」ってソー・クール!!

2019年5月11日(土)

新しい元号に代わって4日目のこと。うららかな陽光を浴びながら洗濯物を干していると、聞こえてきたのは笛太鼓。
そういえば街のあちこちにのぼりが立っていた。この時期には海外で過ごしていたから見たことはないけれど、近所の神社が毎年みこし祭をやる時期らしい。

めでたい空気に誘われて自転車にまたがり飛び出すと同時に、ぴたりと止まる笛太鼓。しばらく近所を走り回って音はしないかと探したけれど、みこしの影も形も見えやしない。

ああ残念だ!もうちょっと早く出ていれば見られただろうに、迷っている間に終わってしまった。令和に代わって間もないこの時期に、神さまに捧げる行列を見れば幸を分けてもらえそうだったのに……。
がっかりしながら家に戻ると、またしても聞こえてきたドンツクドン。それから駆け出しては音が止まり、家に戻ったらまた聞こえてくるを繰り返すこと3度。

一度などは道路を隔てたビルの裏側から音がするのを突き止めて、自転車を駆ったら赤信号にはばまれて、道路を渡れた時には人っこ一人いないものだから、白昼夢を見ているのか?と薄気味悪くすらなった。

でも4度目の正直で音を追いかけ走ったら、ようやく行列に追いついた。よかった……。私の頭が狂ったんじゃなくて!

それでは私の苦労のたまもの、低スペックスマホ写真をご覧下さい。こういういい被写体のある時に限って一眼レフ、持ってないんだよな!

これを見られるのは一生に今日かぎりだと思うと感慨深い。

海と山とにはさまれた細長い街がわたくしたちの街。

女性がかつぐのは花みこし。御神酒に地元酒造メーカーの名前が見える。

広場で休憩中。小西酒造さん、お世話になっております!

そして御輿はゆく。

2019年5月7日(火)

緑萌え立つハイキングコース。気が向いたらこの道をテクテク歩いて森林浴。イヤっちゅーほどリフレッシュできる。

「こんなに長い休み、旅行にも行かずに家にいたらさぞ時間を持て余すだろう」と案じながら始まった10連休。終わってみれば、マヤの散歩と餌やりと粗相の後始末(なんたって30分おきにおもらしするんだから!)そしてペルシャ絨毯の発送に追われながら、あっという間に幕を閉じた。

ゴールデンウィークに日本にいるのは久しぶり。こういう休みもいいものだ。早起きして犬と一緒に5月の爽やかな風に吹かれ、近所の山に登って木々と語らい、簡単な食事を作り安酒を飲みながら漫画を読む。(「約束のネバーランド」にはまってるよ!)そして次々に売れる絨毯を新たなオーナーの元へ送り出し、家はどんどんスッカラカンのシンプル仕様になってくる。

10日間の休みを終えた今、「ああーっ!いい連休だったなあ!」と大きな伸びをしている。遠いヒマラヤまで行かずとも、吹く風はどこでも同じであることを事を知った、貴重な休息日であった。

2019年5月2日(木)

10連休も中盤。連休スタート直後はあれもしよう、これもしようと計画モリモリだったのに、ふたを開ければ絨毯屋さんと化したのみ。それでもこんな困った目の状態で、よく頑張ってるYO!と自分を誉めた方がいいのかもしれない。

本日は手放した中で一番お高いやつを無事に引き渡せて、かつ買い主さんにもいたく気に入って頂けたので、心の底から安堵中。
チャラいメンズにかしずかれてドンペリを抜きたいところだが、フリマアプリが「お疲れさま(・∀・)」とセブンの焼き鳥11円チケットをくれたので、アルパカの安ワインで祝杯を上げるつもりである。

米国の運輸会社TNTのいまむかし。いったい何を比較しようとしたのかさっぱり分からない。

こわいわっ!!
そういえば虹彩のこと「アイリス」っていうの、なんかカッコいいよね!

あたくしがもうじき入院するアイセンター内、ips細胞研究所に見学に行ったとき、
足下に置かれていた虫さんのおうち。

それにしてもこの写真を撮った当時は、自分が同じビル内でオペられる事態になるとは夢にも思わなかったYO……。

2019年5月1日(水)

令和元年の初夢は、友人Mとサンフランシスコ旅行をしようとする夢だった。ところが旅行準備の時間配分を勘違いした私、出発時間も迫っているというのに、まだ家の近所でうろたえている。
出国手続きどころか空港行きのバスにさえ乗れていない現状では、間に合うなんて1000パーセント無理!脳の血管が焼き切れるほど考えた結果、やおら携帯を取り出し友人に電話。「ゴメン、間に合わんわ」

ええええーっ!と驚いた友人だったが、しばし考えた後にこう言った。「仕方ないね。今度カフェに付き合ってくれたらチャラにするよ。」アメリカ旅行がポシャッた代わりにカフェで許してくれるなんてあんたは神か!とびっくりした。そして令和にはもうちょっとMに優しくしようと思うのであった。

……と定番の「遅刻する夢」に追いまくられて迎えた令和初日。本日もちぎっては投げ、ちぎっては投げでペルシャ絨毯を手放している。かつては「命の次に大切」とまで言い放っていた美しいものを、なぜ全て売り払うことになったのか。

急遽お金が必要になったわけではない。ただ、年を取ったせいだ。体力も気力も衰えるにつれて、「価値のあるものを適切に管理する」ことにヘトヘトになってしまったのだ。

トータルすればセルシオのいいやつが買えそうな大金を出した愛するものたちを、捨て値で売ることには抵抗はあった。海外ではペルシャ絨毯は金や宝石と同様、資産として親から子に受け継がれると聞く。ならば私も無理して手放さなくていいんじゃない?と、フリマアプリやオークションサイトに商品データを入力しながら迷いが頭をもたげてきた。

だが、クレームを避けるために隅々までチェック、怪しいへこみが見つかるたびに「虫食い?」と背筋を凍らせながらルーペで覗いているうちに、心の底からこう思った。「やっぱマジで無理」
絨毯のために365日カーテンを閉め切り、鍋物も揚げ物もしない生活を送ってきたが、そこまでしても不安がいっぱい。そもそも高温多湿の我が国は、繊細な繊維製品のメンテナンスには向いていないのだ。

そういうわけで一気に10枚以上の嫁ぎ先を見つけて、残すところはあと10枚強。いったいどんだけ持ってたんだ!って話だが、こんな多くの高額品の行き先を決められたのは、ひとえにいい買い手さんに恵まれた幸運、そして私が信頼に足る人間だと思って頂けたお陰である。いやー、ほんと誠実さって大切ですね!(=´ω`=)

そんなこんなで今、カーテンを全開にして爽やかな5月の光を全身に浴びている。10年以上の長きに渡り薄暗い部屋でうごめいてきたが、「執着」をまたひとつ捨てた私は、いましめを解かれ大空を飛翔するカラス天狗のごとく自由である。

桜の季節も終わったけれど、アップし忘れていたので上げさせていただく。
今年もまた、いつもの公園で満開の桜に囲まれることができた。神さまありがとう、ぼくに、友だちをくれーて♪

それにしても今年の桜は散り方が変だったね。
いつもなら一気に咲いて一気に散って、公園には花びらの絨毯ができるのに、
今年は咲きながら散ったのかな。ピンクの絨毯を見られなかったし、
恒例の「さくらまつり」(花びらを集めて冷蔵庫に入れておいて、マヤをさくら団子にするイベント)もできなかったよ。

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