2019年2月26日(火)

ミキ、手術受けるってよ──はい。受けます。それも白内障の手術は「おまけ」みたいなもんになったってよ!はい。そうなんです……。

本日午前8時半。Kクリニックからもらった紹介状を握りしめ、視力弱者のあこがれの地・アイセンターのフロアを踏みしめていた。
待合室のソファーにはすでにジジババ18名。さすが年寄り、朝の病院のスプリンター。私は「19」と印刷された番号札を引き(2時間後に診察を終わった時は「293」までいってたよ……みんなどんだけ目え悪いんだよ!)、受付前で待つこと15分。

時計の針が8時45分を指すと同時に、無人だった受付カウンターのあちら側にしずしずと現れたのは、パリッとしたチェックのスカートスーツ、「わたしはたるみを許さない!」とばかりに断固たる感じで引き上げられた黒のハイソックス、といういでたちの事務スタッフ総勢7名。

そして高らかな宣言。「おはようございます!お待たせいたしました。これから受付を開始いたします!」(深々とおじぎ)
うぉおおお!さすが医療産業都市の誇るアイセンター。こんな受付、見たことない!なんかAKBみたいだなあ!……というのはまあ、おそろいの服を着た5人以上の若い女性を見ると、AKBかおにゃんこクラブを連想してしまう旧石器人的な過剰反応だからおいといて、テーマパーク感がやおら盛り上がってめったらやったらワクワクした。その1時間半後、先生の説明を聞いてまっつあおになるとはつゆ知らず……。

うーん、めんどくさいから結論から書こう。(目がしんどくなってきたんだよ)
私の明るい手術計画によれば、白内障オペ(日帰り)をちゃちゃっと受けて、40年ぶりのクリアな視力を取り戻し、斜視とか老眼についてはメガネで適時調整すればいいんじゃね?と、実を言うとそこまで深刻には考えていなかった。
もちろん目ん玉にストローぶっ刺して水晶体をクラッシュ&吸引する手術はこわいけど、「すぐ済んだしぜんぜん痛くなかった」という友人の体験談もあり、はっきし言ってナメていたのだ、己の目の網膜牽引パワーを。

私の病名は「近視性牽引黄斑症(網膜分離祖湯)」。放置すると「黄斑円孔網膜剥離」となり、視力を失う危険がある、強度近視にはちょくちょく見られる症状で、眼球が前後方向に伸ばされすぎて、伸びきれなくなった網膜が分離するらしい。写真に撮られた私の左目の網膜は、分離して豚バラみたくなっていた。

朝8時45分の段階では受付AKBに喜んでいた。
その1時間後にもまだ、推定価格2千数百万円、メンテ代年数百万円、驚異の超広角走査レーザー検眼鏡Optos 200Txで眼底写真を撮られて「うひょー!ピカッときたぁ〜!」とワクワク感は継続していた。
だが、検査の結果導き出されたのは、「ミキ、一週間入院するってよ」という悲しい結論とは……。へなへな。

それでも不幸中の幸いで、一週間の入院が終われば、片目でいいなら仕事に復帰できるらしく、かろうじてホッとした。そうでなければ「書類がメシの種」の事務屋ゆえ、マジで「ミキ、会社やめるってよ」になるところだった。

あとは手術をいつ受けるかだ。たかが一週間の入院、大企業なら同じ課の人間に仕事を振ればいい話である。だが、ギリギリの人員で回している零細企業はそうはゆかない。私の仕事は私だけのもの。同僚に私の仕事を丸投げした場合、会社は回るのだろうか?という不安があり、仕事の割り振りを考えるだけですでにジャングルに帰りたくなっている。

そんなこんなで「なんか、最近視力が急に下がった気がするから、ちょっと違う目医者に行ってみっか!」という軽い気持ちで叩いたドアは、手術室につながっていたという結末。
日本医事新報社のweb記事によれば、「強度近視は我が国における失明原因の上位を占める疾患です」とあってゾッとした。私も含めて、「近眼」が病気だという認識はあまりないものだが、このたび痛感した。近眼も立派な病気だ。そしてセカンドオピニオンだいじ!おかしいと思ったら他の医者の意見も聞くべきだ。

悪いことは言わない。私のような豚バラ網膜になりたくなければ、近視ピープルは「検査機器(できればOptos 200Tx)を揃えた眼科」に迷わずGOだ。

2019年2月20日(水)

ツイッターの方でぼやきまくったからご存知の方もおられるだろうが、どうやら手術を受けることになりそうだ。人生初の外科手術。それも部位は目!おおおおおお!!!

身体に切り込みを入れることはの抵抗感が強すぎて、チョチョイのチョイで終わる静脈瘤の手術はおろか、ピアス穴を開けることすら拒否り続けてきたというのに、よりによって目!私的には脳と1,2を争う「世界一受けたくない手術」がいきなりきたYO!

……とは言っても第一段階の「白内障」は、おじいちゃんおばあちゃんの定番手術。また50代であっても「最近ゴルフボールが見えなくてさー。スコアが下がってきたからいっちょ目にレンズ入れとくか!」と軽い感じで人体改造に踏み切る勇者がいるくらいの「よくある手術」。びびりまくっている私が臆病なシマリスに見えるかもしれない。

それでもいくら「日帰りも可能な手術」と言われたって怖いものは怖い。誰だって、「目の玉にストローをぶっ刺してクラッシュした水晶体を吸い出し、そこへ人工レンズをはめ込む」手術なんか、できることなら避けたいのが人情というものだろう。

それに、私の水晶体の白濁レベルは「年相応」。ゴルフボールの映像がぼやけることが問題ではなく、失明に至る可能性のある、より深刻な問題が隠されていたのだ。

その問題とは「網膜分離」。

弱視に近いから目の健康についてはものすごく気を遣っており、眼科での定期検診も欠かさなかった。だが、近頃急速に視力が下がったために受診したかかりつけの眼科は、「異常なし」。それでも恐怖を覚えるほど見えないもんで、セカンドオピニオンを求め、初めての眼科のドアを叩いた。

眼科通い生活45年。あんな検眼、初めて受けた。そもそも横6列に並んだランドルト環(検眼表の穴の開いたわっかね)なんて初めて見た。
そんな検眼表を前にして、「ちょっと限界まで視力、出していきますね」と言われて始まった視力測定。
「限界まで視力出していく」!?Xメンのミュータント学校の教官かよ!!この言葉ですでに検査技師さんに対する信頼感MAXである。

そして、これがプロフェッショナルの仕事か!と度肝を抜かれながら、目に普通のメガネレンズのみならず、ぶ厚いものさしみたいなもの(プリズム)を当ててゆく検眼までした結果、強度近視なのは言うまでもなく、10段階の中レベル9の強度斜視(それも左右プラス上下にズレているらしい。初耳!)であることも判明。
通常なら日常生活を送るのが厳しいレベルだが、私の脳は「不要な情報を取捨選択する能力」がかなり高いらしく、検査技師さんにも先生にも「これでよく普通の生活を送れてますね。脳がすごくがんばってますね」と誉められるという、鼻を高くしていいのかどうなのか微妙な検査結果を得たのだった。

……とここまで書いてタイムリミット。会社行ってくる。目が見えにくいせいもあり、色々とトロくさくなっててすいません。

最先端医療の関連企業誘致に注力している我が町K市。
その流れで先日、産業都市20周年の記念イベントが開催された。

これは某大学のコスプレブースである。研究室の写真を背景に白衣をまとい、それっぽいポーズをするあたくし。
「わーっ!こういう教授いそう〜!」と学生たちが一瞬どよめいたのだった。

2019年2月16日(土)

16才の誕生日のために腕をふるったよ。

ボディはイモケーキ、顔は丸ぼうろ、耳は食パンの耳、尻尾は鈴カステラ、鼻は干しぶどう。

犬用の似顔絵ケーキを作ってくれる店をネットで探すと色々あってびっくり。
でも送料込みだと5千円近くなるから、迷った末に手作りすることにしたんだ。
まあ、手作りと言っても大したもんじゃないけど、マヤは自走式おいもだからこれでいいよね。

ベースになったパン屋のイモケーキ。270円也。

お誕生会の席に運ばれるまやちゃん。
これからどんなワクワクパーティーが始まるかぜんぜん分かってない顔。

席に着くや否やイモケーキにロックオン!

ミニチュアマヤのお尻の匂いをクンクン。

「マヤの好み的(パンは食べない)にこれは多分食べないだろうな」と見せたケーキを迷わずガブリ。それもパイナップルからいった!
16年近く飼った愛犬がパイナップル好きだなんて初めて知った。

ケーキとローストビーフをたらふく食べて、若く元気な頃の気力が復活したのだろうか。
グルッ……とうなりながらヘボピーをにらんでいる。
ヘボピーはマヤのライバルだから、おっきい姉ちゃんにいじられているところを見られるのはイヤみたいだ。

2019年2月14日(木)

2019年1月25日。みき・まやちゃんは16才になりました。
14才の時には「もう来年はないかもしれないね」と、15才の時には「これが最後かな」とおねえちゃん達に言われながら、16回目のお誕生日を元気に迎えることができました。なんと嬉しいことでしょう!

今では耳は完全に聞こえず、目も白内障で徐々に見えなくなっていて、眠りこけてはおねしょでぐしょぐしょ。おしっこしたい!と思うと辛抱できないからその場でジャーッとおもらししてしまう。認知症の老犬に付きもの「旋回」も出てきていて、時折ぼんやりした顔でぐるぐる回っていたりします。

でもご飯はモリモリ食べるし、電池で動くオモチャみたいな動きだけれど歩いて前に進めるし、時にはふざけてジャンプもします。
朝は「おしっこしたいです。ベランダに出してください」とおねえちゃんを起こせるし、レンジでチンしたぬくぬくタオルでお腹をふいてもらったら、気持ちがよくて「ぐっぐっ」といいながらおねえちゃんをじっと見つめて、尻尾をピコピコふったりもできます。

ちっちゃなわんちゃんが16年も生きて動いて尻尾をふっている。それだけで可愛くて尊くて尊くて、おねえちゃんはぷぅーんとおもらしの匂いがするまやちゃんを、洋服に匂いがつくのも構わずしっかりと抱きしめるのです。

ペットショップのガラスケースの中でふくれっつらをしていたみすぼらしい売れ残りの仔犬は
16年も生きてりっぱな王様になりました。めでたしめでたし。

2019年2月8日(金)

すこし前は何をやっても上手くいかなくて、もーイヤッ!と叫んで頭をかきむしりたくなるほどだった。でもこの1,2週間はいろんなことが結果オーライ。私、超能力者じゃね?と浮かれるほどで、ここで喜びのご報告をするつもりでいた。

まあ、いろんなことと言っても大したことじゃない。「猛烈に迷った末に購入したカメラが初期不良で返品となり、実機を使ってみる経験ができた結果、『やっぱり買わない』判断ができた」とか、「迷った末に予約した爪エステ。友人に『爪くらい切ってあげるのに!』と言われて、あちゃー!8千円もったいなかった!とモヤモヤしていたら、当日になってエスティシャンさんが体調を崩してキャンセルとなった」とか、「安物のスーツケースを注文してしまい、やっぱりすぐ壊れそうだな、失敗だったなとひどく後悔していたら、配達予定日に届かないから問い合わせると、なんと店が出荷を忘れており買わずに済んだ」という程度なのだが。

しかし、人生山あれば谷あり。きましたよ!でかい谷が!!

な、なんと人生初の外科手術となりそうなのだ。それも目の!!コワイヨー!

……とここまで書いてヘボピーとの待ち合わせ時間が迫っているので、続報は後日。将来的な失明の可能性も示された失意の心を立て直すため、いっちょジビエ立ち飲み会を開催してくるわ。

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