2018年10月30日(火)

この日記もツイッターもフェイスブックもぜんぜん更新していないから、ミキさん大丈夫?と心配してくださっている方もおられるかもしれない。
ありがとうございます。私もマヤもヘボピーも元気です。ただ、眼鏡を変えたことによって私の脳の混乱が続いており、目の「見え方」がちょっと困ったことになっているせいで、これまでと同じ日常を送ろうとすると3倍の時間がかかって、仕事をするだけで精一杯。文章を書く気になれなくてね……。

そういうわけで、今日はひとまずまやちゃんの写真を置いていきます。近々またお会いしましょう(´・ω・`)

老犬マヤ。

マヤは来年1月で16才。そりゃ老犬感があって当然だ。

そこはかとなく「いきもののさみしさ」を覚える後ろ姿。

2018年10月16日(火)

各家庭の軒下で火を噴いて爆発四散しそうなほどフル稼働していたエアコンの室外機のいつの間にやら沈黙に沈み、街中をおおっていたキンモクセイの香りも消えた今、冬に向かいつつある季節の中で私の心を悩ませている心配ごとがひとつある。それはマヤに関する問題だ。

いや、ボケが進行して昼も夜もなく泣きわめくようになったわけではないし、寝たきりになって介護が大変なわけでもない。そういう悩みは近い将来8割の確率でやってきそうな予感がプンプンするが、今のところはそうではない。

私の心がちくちく刺しているのは「もう二度ともんもを見られなくなるかもしれない」という悩みである。

ここで「もんも」というこの世で一番可愛らしい単語をご存じない方にもんもをひとつふたつ、お見せしておきたい。

これが「もんも」である。

ちょっと汚れてきているが、これも「もんも」である。

そう、もんもとはマヤちゃんのももの毛がふわっとしている部分のこと。
「わーっ!綿菓子みたい!」と道行くおばちゃんにモフられたり、登校中の男子高校生に「可愛っ!足がぬいぐるみみたいっ!(=´ω`=)」と女子高生のような歓声を上げられる、マヤちゃんという存在を構成する上で「シャアのザクは赤い」レベルで重要なファクターなのである。

なぜその「もんも」がもう見られなくなるのか?理由は単純明快。「わんわん美容室に断られたから」だ。(どうでもいいけど、「明快」と打って第一候補に「冥界」を推すって嫌なパソコンだ)

これまでは一ヶ月弱のサイクルで美容室通いをさせていた。一回8千円の出費は痛いが、汚れる前に連れて行けば美容師さんも犬も負担が軽いだろう、という私なりの大人の配慮だった。

それでももう限界だった。昔は「マヤちゃんはおとなしくていい子ですね〜」と誉められたマヤも、認知症の進行に伴い、「カット=イヤ」という情報が一度インプットされると制御がきかなくなっており、施術中に大音量で泣き叫ぶわ、高さ1メートルはあるトリミングテーブルからがむしゃらに飛び降りようとするわ、二人がかりのトリミングも、もうそれは大変だったみたいだ。

それでも一軒目の美容室に断られてから、今の美容室「プリンセスローズ」はがんばってくれた。店名からしてチワワやプードルが主な顧客なことが分かる中で、荒れ狂うイングリッシュコッカースパニエルを押さえて「綿菓子みたいなもんも」を造り上げるのは、大変だったと思う。

でもついに限界が来たようだ。一番の問題は「マヤがテーブルから飛び降りようとする」点らしい。
ボケていない犬は高さを怖がるものだから、四つ足がぎりぎり立つスペースの「トリミングテーブル」というプロ器具を使用してドライングとカットをする。しかしまだらボケのマヤは「高さ=怖い」と認識しないせいで、「カット=イヤ→降りたい」と、高さに対する恐怖をカットのイヤさが上回ってしまうのだ。

そんなわけで「私たちの力が及ばず申し訳ないのですが……」と慇懃に「二度とくんな」を言い渡されたマヤと私の運命は?……自宅で犬洗いするしかない。(そういえば昔、「犬洗い 一匹10円」とかいう糸井重里制作のCMがありましたね)

問題は「私が腰痛でシャンプーの時の中腰がキツいこと」、「家庭用ドライヤーでは犬はなかなか乾かない」こと、
そして何よりも
「私ではもんもを丸くふわっと作れない」点である。あーどうしようどうしよう……。

わんわん美容室に三行半を突きつけられてから一週間。おねしょするせいで、すでにぷぅーんと匂い始めているマヤの、かろうじてまだまだふわっふわのもんもを撫でながら私の心は憂鬱だ。
他にも自分の目のこととか足のこととか、もうちょっとマジな悩みはあるというのに、目下最大の心チクチク議題は「もんもプロブレム」。

人の悩みなんてそんなものかもなあと思いながら、ヘボピーと二人でドライヤー二刀流をするために、家庭用ドライヤーとして最大風量をうたうテスコムの商品も購入した。
あとは私とヘボピーの腰がもつかどうか、マヤが暴れず辛抱できるか否かにかかっている。

わたしは再びもんもをモフれるのだろうか?決戦はマヤの「ぷぅーん」が最高レベルに達した日曜日だ。

美容室帰りのもんも。私にはこのふわっふわを作る自信がゼロである。

2018年10月10日(水)

行きつけの整骨院の近所にあるパチンコ屋「ピエロ」ののぼり。
ジョイフルな雰囲気を出そうとした結果、微妙にホラーになっている。

そういえば私がこれまでに見た「怖い心霊写真ベスト3」の一つに、ジムでランニングしながらたまたま目にしたテレビの画像がある。
フランスだかアメリカだかどこかで撮影された写真なのだが、窓の外の空一杯にフルメイクの劇団四季の人みたいな顔が浮かんでいるのだ。

こうやって文字にすると「別の意味で怖い」けれど、それを見た瞬間はどう言うのだろう……なにか人間が見てはならない禍々しいものを目にしたような悪寒が走って、すぐに画面から目を逸らした。

今でもあのイヤな感じ、思い出すとなんとも言えず嫌な気分になるから、あわてて頭からふりのける。ひょっとするとやっぱり人間が見てはならないものだったのかもしれない。
それと比べるとこのピエロのおとぼけぶりときたら……いや、やっぱり微妙にホラーだわ。

2018年10月9日(火)

落ち着かない日々を過ごしている。メガネを変えてから世界に奥行きがあることが分かったのはいいけれど、これまで生きてきた中で築き上げた視覚の処理方法がいきなり変わったせいで、戸惑った脳が時々反乱を起こすのだ。

昨日も「絶対に間違えちゃダメ!」なマヤの耳の薬を目にさして大騒ぎになった。薬剤を洗い流すため、顔に水をぶっかけられたマヤには可哀想なことをしたが、失明する可能性があったから仕方がない。ごめんね、マヤ。
目薬と耳薬の容器の一部が「オレンジ色である」という情報だけを脳が拾って拾って処理してしまったらしい。こういう間違い、さすがに今まではなかったからものすごく怖い。

……とここまで書いてすでに頭が疲れてきたので、取りあえず会社に行くわ。元のメガネに戻しても見えない、新しいメガネにはなかなか慣れない。もうどうすればええんや!と、極度近視者(メガネ度数マイナス15)の悩みは尽きない。あー!目がいい人が羨ましいぜ!

2018年10月3日(水)

ご無沙汰しております。この日記も全てのSNSも一切更新していない。これほど長い間更新しないのは妹が他界した2014年8月の次の月に、丸一ヶ月沈黙を保った時以来だから、またしても心がキツいのか?と心配してくださっている方もおられるかもしれない。

だが心配ご無用!心の方は至って元気だ。「みんな死んでしまった……」と極限まで嘆き悲しんだ結果、「生きてても死んでても大差ないんじゃね?」という大逆転の境地に達したので、心の方はノープロブレム。修道院の裏庭でマンドラゴラを育てる修道僧程度には心は穏やかである。

ただ問題は肉体の方。日を追って身体の使い方が下手になってきており、これまで通りの日常生活を送るためには3倍、いや5倍の時間と精神力を要するようになっているため、ゼニをかせぐために仕事する以外では、文字を打つのがもう、ぶっちゃけしんどいのだ。

この「己の肉体を操るのがしんどい」感を表現するならば、兜甲児が初めてマジンガーZに乗り込んだ時、もしくは碇シンジがエヴァに乗せられた時の感覚……。
いや、よりマイナーながらより近い感じは、「フラウ・ファウスト」(まほよめ、もとい「魔法使いの嫁」の作者、ヤマザキコレさんの漫画)に登場するホムンクルス。人間そっくりのオートマタ(機械人形)に収められた小さなカプセルの中から外殻を操っている、そういうレベルの「自分の身体なのにそうじゃない感」を抱えて生きる毎日である。

この不便な感覚の原因はただ一つ。「加齢のせい」だと分かっている。加齢の恐ろしさについてはハードカバー本上下巻2000ページを費やしてぼやきたいところだが、出社時刻が迫っているので、今日は「元気にやっている」ことを記すだけに留めておこう。

 まやちゃんも、まやちゃんのもんもも元気にしています。

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