2013年5月28日(火)

下の日記で「手出し無用で静観します」とか書いたそばから荒ぶる市場にギャンブラー魂を突き動かされ、昼休みの30分間に息もつかずに売ったり買ったりした結果、減らし続けていた利益をちょっとばかし取り戻した管理人。
ククク……リスクを取らずしてリターンなし、と己の蛮勇を自画自賛したのもつかの間のこと。

やっちまった……。(色で心を表現してみました)


この手のありえない相場のあとは、休日を越えて持ち越すのはリスクが高い。だって金曜日夜のNY市場が大暴落〜連鎖反応で月曜日には世界同時株安〜ブラックマンデーが誘発されないとも限らないもんね。

そのあたり、ようやく漢字を読めるようになった頃から『デビルマン』や『火の鳥』や『日本沈没』に、そして成長してからは「ノストラダムスの大予言」につちかわれた管理人の、筋金入りのネガティブ思考、というよりむしろ終末思想。
ある日突然世界終了!さよなら人類というテーマが細胞に染みついているせいか、右肩上がりのグラフよりも暴落するグラフをイメージするのが得意である。

まあそんな人間が株やんなよって言われたら、ごめんなさいと謝るほかないが、マジでブラックマンデーが来てもおかしくない状況だったので、土壇場でびびった金曜日、えいやっ!とボタンをクリックして、手持ちのストックをぜーんぶきれいに売っぱらった。

そう、ニプロ、メディネット、コスモバイオ──以前から上場のうわさがささやかれていた、ips細胞関連の大本命リプロセル。その大株主であるがゆえ、リプロセルが本当に上場するとなると暴騰や約束されていた三銘柄──雨にもまけず、下げにもまけず、大損しながらもコツコツ買い集めていた株も、ぜーんぶ一気に売っばらった。
そもそもリプロセルの上場のうわさ、あれ、ガセネタかもしれないもんね!

……だがそのたった数時間後のこと……。
リプロセルが上場発表。

倒れました。

もちろん発表の直後から買い注文が殺到して、夜間市場はストップ高。昨日月曜もストップ高で寄り付かず。「売ってくでー!」となんぼ札束をびらびらさせようとも、お求めになれない状況。

まったくもって私はこのパターン──大材料が出る直前に真逆の行動をとってしまうということが、まるで霊界通信を受信しているかのように多いので、よく「私のする逆をしてたら億万長者になれるよ」と冗談めかして言うのだが、またしてもジンクスを作ってしまった。さすがにへこむ。へこみまくる。

次に第六感が働けばその時には銘柄を知らせますので、ぜひ私と逆に動いてみそ。

あと、リプロセルはIPOに当選したら99%上がるので、証券口座を持ってる方は、ダメもとで申し込むのもありですぜ。まあ抽選倍率千倍とかだけど、ひょっとしたら運命の女神が微笑んでくれるかも。

←哀しみを癒すため、行きつけのバーのオーナーが送ってくれたムキムキをアップするよ。台湾のランタン祭りでの作品だそうだが、筋肉マニアが蛾のように引き寄せられていると思いきや、ぽつんと一人寂しそうだったとのこと。誰か慰めてやれ。


旅行ページを更新しようとしているのだが、写真のチェックからして時間がかかって、なかなかアップできません。2,3日中には何とかしたいです。

なお、日常生活のストレスがでかすぎてこのままではハゲあがりそうなので(株なんて大したストレスじゃないよ。家族問題だよ)、気晴らしにお盆もインドに行こうと旅行会社に相談したら、8月は雨期まっさかりとのことであっさり断念。

だってGWに行った時にはただの一日も雨に降られなかったんだけど、5月の平均降雨量18.2ミリに対して、8月は平均160.4ミリだと。こりゃアカンわ。

→こいつも同じランタン祭りにいたそうだ。サイレントヒルの三角頭が脱いだらきっとこんなにすごいんだろう。ファンシーな写真をどうもありがとうTさん!

2013年5月24日(金)

日経平均▲1143円。見れば見るほど恐ろしい数字だ。

数ヶ月前からおそるおそる参入した初心者も多いと思われるこのところのアゲアゲ株式市場だったが、今週に入ってからの上げ、特にユニクロ(ファーストリテイリング)の上昇なんて、そもそも異常だったんだ。

時価総額が多いユニクロとソフトバンクとファナックさえ上げればつられて上がる、指標として穴ありすぎな日経平均。
誰かがユニクロをどんどん買い上げて株価が上がっているように見せかけていたけれど、この数日間、本当は下がっている銘柄の方が多かったから、ぶっちゃけズルしてる日経平均上昇だった。

それでも株をやらない人が連日ニュースで「今日も日経平均は上昇」と目にすると、「景気はよくなってるのかな?」と勘違いしてしちゃうよね。でも本当は見せかけばかりの相場。いつ暴落してもおかしくないチキンレース。


昨日のこの爆弾一発で、額に汗してこつこつためた資産を霧散させた人も多かろう。今日の電車の運行具合が気にかかる。同じ投資家として痛いほど気持は分かるが「生きろ」とつぶやくしかない。

かく言う管理人はといえば、昼休みの時点で「こりゃアカン!下がる!」と悪寒がしたのだが、仕事中にそうそう売買するわけにはいかない。だから2,3日中に作らなくてはならない証明書の用事を今日に前倒し、昼休みが終わると同時に商工会議所にダッシュ!

そして証明書類ができるまでの待ち時間で、暴落の波・しっかり洗いで無茶苦茶にもまれながら、ガラケー経由で株価が下落するとプラスになる「空売り」という手法を駆使して死ぬ気で売買。
売ったり勝ったりした結果、なんとかプラマイゼロで逃げられた。怖すぎて携帯のボタンを押す指が震えた……。

しかしハッと気付くと私は恐ろしいことをしていたのだ。

売ったり買ったりを10回以上繰り返したのは、ファナックという銘柄なのだが、この株、一株が一万数千円で最低売買単位が100株。
つまり、最低の取引に百数十万円が必要なのだが、ふだんはこういう高額な株をさわらない管理人、パニくるあまり勘違いして千株単位で発注を繰り返していた。ということは……(以下略)
ひとつ方向を間違えばとんでもない痛手をこうむるとこだったと気付いて、背筋が冷たくなった。

その影響で、さっき証券会社にログインしたら「ミキ様の本日の信用取引の手数料は無料になります」とのアナウンスがでかでかと。そりゃ無料にもなるわな。

さて、あと30分で市場が開く。みんな疑心暗鬼になっている今日の相場。「信用手数料無料」に釣られず、手出し無用で静観させていただきますわ。

2013年5月20日(月)

中東やアジアでのショッピングにつきものの悩み、それは「値札がない」という点である。
買い手と売り手が納得した時点で交渉成立、お買いあげありがとうございまーす♪となるこの方式、相場を分かっている現地の人にはよろしくても、ジュース一本の適正価格すら分からない外国人観光客にとっては、胃を悪くしそうなシステムだ。じっさい妹ヘボピーなんか、値札のついてない店に行くとストレスのあまり腹をこわすらしい。

いや、ジュースくらいならそうぼられることはないし、ぼられたとしたって数十円、たかがしれている。
しかしモノが高額になるとヘラヘラ笑ってばかりもいられない。大事な諭吉を守りたいなら、ネギしょってきたカモに1ルピーでも高く売りつけようと手ぐすねひいてるヒゲオヤジどもと、剣の代わりにネギを手に取り激しく戦う覚悟が求められる。

……とは分かっていても、実際はそう上手くいくもんじゃないんだよね……。
慣れない街をあちこち連れ回されて疲れMAXな値札パラダイスからの観光客が、ベニスの商人に輪をかけてタフなペルシャ商人や、百戦錬磨のカシミール商人とやり合うなんて、竹やりでプレデターに向かってゆくようなもの。

必死でディスカウントプリーズとシャウトした末に、「よっしゃ!あんたにゃ負けたよ。ユーアーマイフレンド!その値段でいいよ」と交渉成立、意気揚々と店を去る観光客の背後で、ぺろっと舌を出すオヤジが目に浮かぶ。

かく言う私も、値札のない世界にちょくちょく旅するようになった今なお、自分は本当にオヤジに勝ったのか?それとも背後で舌を出されたのか?と悶々とする繰り返しである。


思い起こせば私が無慈悲なボリの洗礼を受けた街、あれは当時、キャッチセールスのメッカだったイスタンブール。流ちょうな日本語をあやつるトルコ人に、10万もしないクズ絨毯を40万でつかまされた。
該当ブツは自分をいましめるためにリビングに敷いているが、ペルシャ絨毯選別眼強化合宿を経て、審美眼を磨いた今では「こんなものに40万も……」と見るたびに胃液が上がってくるダメダメ絨毯である。

それだけではない。「悔しい──っ!リベンジしたる!」とその半年後に再度同地に向かったところ、またまた流ちょうな日本語をあやつる別のトルコ人に、30万程度の絨毯を70万でつかまされるという、ハイブリッドカモネギ観光客を演じてしまった。(結論・日本語が上手い商人は信用しちゃダメ!ぜったい!)


さて、話が戻るが去るGWにも、舞台をインド・ジャイプールに移し、血糖値が高そうなマネージャーとの一時間OVERのバトルの末に、お高いストールをゲットした。
だが、これについてもまたまた「オヤジに勝ったか負けたかよく分からない」せいで、イマイチもやもやが晴れないのだ。

パシュミナに目がチカチカするほど細かい刺繍がしてあるんだぜ。

こんな感じで全面にびっしりと。
制作日数8ヶ月と聞いて納得のびっしりっぷり。

私の懐疑心に火を付けたのは、以前ここに上げた二枚のブツ。どちらもカシミールのニードル刺繍がされており、右は左よりも使っている色が多くて刺繍もやや細かい。

だが、神戸大丸で買った右は14万円。インド・ダージリンで買った左は5千円弱。その差28倍。なんじゃそりゃ(怒)

だから今回のインドでは、写真左レベルのストールを山ほど買おうと張り切っていたのに……。ダージリンは今回買い物したアグラ(タージマハルがあるモロ観光地だよ)より田舎なせいで、格別に物価が安かったのだろうか?

旅行会社から紹介されて行ったカシミール製品の店には、5千円のストールなんぞ皆無。刺繍してない無地のカシミアストールの、一番安いやつが1万円スタート。全面刺繍となると10万円〜と、写真左の商品が5千円とは別世界。

マネージャー氏に「ダージリンではこういう刺繍のが5千円だったよ!」と訴えると、「それはウールでしょ。本物のカシミアがそんな値段であるはずない」と軽くいなされるばかり。

「私はカシミアそのものには何の興味もない。ただ刺繍が欲しいだけなんだ!」と言っても、その店は布地のクオリティーの高さにこだわるインドの金持ち御用達の店なせいか、「安い布地製品は置いてない」と言われて絶望した……。

それでもまあ一枚くらいはと、店にあるめぼしいストールを片っ端から出してもらっているうちに、マネージャー氏に私の熱すぎるクラフトマンシップ愛と、トルコ商人にだまされた悔しさをバネに磨いた審美眼が認められたらしい。

出してくる商品が観光客向けから徐々にハイレベルになってきて、最後に奥からうやうやしく取り出されたのが上の写真の一枚。これが出てきた瞬間に、他の商品は私の視界から消え去った。

しかし「参考までにおいくらかしら」と内心ドキドキしながら聞いたところ、返ってきた答えは日本円で43万?!買えるわけない……。

それでも「自分も刺繍をするからこの商品にどれだけの手間がかかっているか痛いほど分かる」「でも高い!」「私には審美眼がある。だからこれがどんなに素晴らしい品か分かる」「でも高い!」「これをぜひとも日本に連れて帰りたい」「でも高い!」とと粘りに粘り、最後はオーナーの爺さんまで出てきて私の希望価格・20万円で交渉成立。売り手とにこやかに握手をして、お土産までもらって店をあとにした。

だがその後芽生えた「もうちょっと安くなったのでは?」という思い。まあ20万でも納得のクオリティーではあるが、インドの相場だとひょっとすると15万でもいけたのかもしれない……と悶々としてるのだ。

この商品はほんとのところいくらくらいなのか?私はオヤジに勝ったつもりで負けたのだろうか?と思いつつ、インドからストールを輸入しているネットショップの価格を調べてみたら、似たようなタイプのストールのお値段、15万〜80万と幅がありすぎて、ますます深まる混迷の度合い。

このままではまたしてもインドにリベンジに行っちゃいそうだ。やっぱり高い買い物をする前には、下調べ必須と思い知ったわ。

2013年5月19日(日)

懐かしい写真が出てきた。左からナチとキナとハル。20数年前に私を支えてくれていた大好きなサルーキたち。

今ではみんな天国に行ってしまったけれど、彼らがいた当時の楽しい記憶は昨日のことのように蘇る。20年なんて未来にあっては遠く感じるけれど、過ぎてしまえばあっという間だ。


今日はヘボピーが家にいるというので、マヤっこの世話は任せて久々に自宅に戻っている。

母の体調がどうもすぐれないため、週に一度はうんざりするほど時間をかけて、隣島にあるホームまで見舞いに行っている。そのせいもあって、なかなか自分の用事を片づけられないんだけど、今日はたっぷり時間があったはず。

だというのに12:55分現在、サイト更新はおろか、たった一通のメールすら書けてないって、♪これっていったい DOーUーKOTO?!(ラップ調で)

かろうじて成しとげた事といえば、インド・サモード村の仕立屋のおばちゃんの写真をダイエーにプリントしに行ったくらい。(写真を撮らせてもらったら「写真ちょうだいね!」と住所のメモを渡された。送らざるを得まい)

いや、それがすんなり行けばまだまだ気力は残ってただろうが、写真屋のプリントマシンって、ウィンドウズ規格のCDにしか対応してないなんて、そんなの聞いてないよぉ!!

CDを読み込ませようとすると、端末が20分ほど頑張るフリをしたあげく、しれっとフリーズ。「隣の機械で試してみてください」とお店の人に言われて隣に移動したら、こっちも断固としてフリーズ。
そしてMacでCDを焼いたことにエラーの原因があると判明するまでに、さらに15分。ものすごい人生の無駄したみたいでヒス起きそうになった。

それでも、今日やらないとまたしても伸び伸びになり、おばちゃんに「日本人口約束ばっかしやん!」とアンチジャポンになられても困るので、チャリをぶっ飛ばして一旦うちに帰り、ネットを駆使してMacでもウィンドウズでも読みとれる規格を調べ、そいつでCD焼き直し。
できた円盤をひっつかんでダイエーに駆け込んだんだけど、ガハハと笑うサリー姿のオバちゃん写真がめでたくプリントアウトされた時には、すでに燃え尽きシンドローム。

ターミネーターのBGMに乗って、できたてホヤホヤの酒瓶がベルトコンベアーで流れるテレビ映像をぼんやり見たり、台所のシンクのカビを心ここにあらず状態でこすっているうちに、あっという間に日付変更線上のアリア。
くっそぉ〜!せっかく家に帰ってきたのに、今日もろくすっぽなんもできんかったYO……。

まあ気力がなくてもしょーがないかねー。父の死からぜんぜん立ち直れてないというのに、母まで弱ってきたことに加え、一時はプラス分が大台(七桁じゃないぜ)に乗って、ありがとう黒田日銀総裁!ありがとうアベノミクス!だった株でも、ほんのちょっとした判断ミスで、たったの2日で利益の半分が吹っ飛ぶ負けを喫し、精神的にぼろ雑巾。

おまけに希望の星・マヤまで心臓にトラブルが見つかったとあっては、これはもう元気ハツラツでいろというのがどだい無理な話ではなかろうか──いや、頼むから無理って言って!

そんなこんなで相変わらずストレスまみれで鬱と戦う毎日ではあるが、急激な円安のおかげで勤め先の会社が墓から蘇って雄叫びを上げつつあるので、リーマンとしての本業にいそしみもって、まあぼちぼちやりますワー。


これも20年くらい前、ハル&キナと撮った写真。当然ながら管理人も若い。眉の描き方が濃いあたりにはバブルの残り香が感じられる。

ハルとキナは二頭ともテキサスからやってきた。ハルは生後八ヶ月くらいのを送ってもらったんだけど、生まれる前から予約していたキナは、血統書の名前は貴女の好きなのを付けていいわよとブリーダーに言われてミサオ(母の名前)にしたんだよ。どんなにお母ちゃん好きやねん?って感じだが。

2013年5月15日(水)

時間切れ!途中まであげときますインド。

2013年5月12日(日)

犬は未来になにがあるか想像することはないし、死への恐怖も存在しない。
「前にこうしたら急にしんどくなって倒れたから、ちょっと運動を控えようかな」と過去の経験を土台に自己管理することもできないし、「よその犬はおうちの中で可愛がられてるのに、どうしてぼくはカンカン日照りの庭の隅につながれてるんだろう」と他者と自分の置かれた環境を比べて、我が身を嘆くこともない。

動物が嫌いな人だと、犬猫なんぞ本能で刷り込まれた行動しかしないんだ、人間みたいにふるまうように見えるのは、人間がそう思いたいにすぎないんだと言うだろうし、キリスト教では犬には魂があるやなしや?つまり犬には天国に行く資格があるかないかで、愛犬家と非愛犬家の間でケンカになったりもすると聞く。

私はといえば、犬は人間とは違う種族だと思うし、擬人化して過保護にするのはよくないと思ってる。それでも犬の心というもの、人間が想像するよりずっと繊細なんじゃないかな?と感じることも多いのだ。


実家に帰らず自宅から出社した先日のこと。ヘボピーから一本のメール。
「今夜は会社が終わったらすぐうちに帰る?家を出る時マヤが元気なかったから心配やねん」

聞けば、いつもならぬいぐるみをぶん回してはしゃぎながら玄関先でお見送りした後は、ベランダから出勤する私たちを見下ろすのが習慣なのに、その朝はぜんぜん元気がなくて、玄関先で出した手を弱々しくぺろ……ぺろ……となめるばかりだったらしく、どこか具合が悪いのかな、と?

だが夕方。仕事を無理矢理定時で終えて、いつもはケチって乗らないバスまで使って帰った私を出迎えたのは、ブタのぬいぐるみをぶん回す、太ったコッカースパニエル。金正恩並にわがままないつも通りのマヤだ。

おかしいなぁ、朝に何があったんだろう……と思いながらふとテーブルの下に目をやると、スーパーのおそうざいを入れるペコペコいう透明の入れ物が転がっている。牙の痕があるということは、マヤがゴミ箱でもあさって揚げ物のクズでも舐めてたんだろう。悪い犬!

だがその後、帰宅したヘボピーが言うではないか。「今日の朝『消えたミンチカツ事件』があってん」。聞けば弁当用にカバンに入れていたミンチカツが、神隠しに合ったように消え失せて、いくら探しても見つからなかったらしい。

そうか!謎は解けた!
朝のマヤの元気のなさは「悪事が見つからないかとドキドキしすぎたせい」だったと判明した!

もしヘボピーがその場でミンチカツ泥棒を取り押さえていれば、ウー……ギャワンギャワン!ぎゃー!また噛まれたー!で終わるいつもの逆ギレパターンだったろう。
だが、空き箱を見つけられないヘボピーが本気でミンチカツを探したために、犬はもう気が気でなくて具合が悪くなったと見える。

繊細な性格のサルーキに比べて、コッカースパニエルはおおざっぱなキャラクターだと思っていたが、どんな犬種でも人との暮らしが長くなってくると、経験を積んでいろんな意味で利口になるものだと、太ったわがままで凶暴な愛犬がますます愛しくなった一件だった。

母のホームの庭で車椅子を押して回ると、マヤが大興奮してついてきた。

乗りたいのかな?と乗せてやったら、しばらく座っていたけど、じきに飛び降りた。目的は別のところにあるようだ。

母の枕をぐいぐい引っぱりはじめた!

もうそれはお手手まで使ってぐいぐいと力の限り。

ぼくんだ!と確信をもって引っぱる様子にハッと気付いた。

この枕、去年の8月に母を一時帰宅させた時、マヤが股の間に挟み込んで一心不乱に遊んでいたやつだ。

証拠写真。他にも枕はたくさんあるのに、一年近く前の、たった一度だけ嗅いだにおいを覚えているなんて、犬の記憶力って思ったよりも凄いかもね。

2013年5月10日(金)

インドといえばカレーとタージマハル。タージマハルといえば思い出すのが映画『スラムドッグ$ミリオネア』。ごらんになった方ならば、アホな欧米観光客たちが幼い主人公兄弟にかつがれて、小銭をまきあげられる場面を覚えておられるだろう。(未見の方にはおすすめ!理屈抜きで面白い映画です)

その影響で、自分たちだってどストレートの観光客のくせしてヘボピーと、「タージマハル?観光地かよ……めんどいなぁ」「別に行かなくていいのにねぇ」なーんて話していたのだが……。

本物を見た瞬間「キレイ……(うっとり)」「やっぱ名所旧跡は自分の目で見なきゃわからないね!(うっとり)」と魂抜かれた状態に。
寵后に捧げられた白亜の墓所は、たとえ観光客に十重二十重に取り囲まれようとも、ポストカードで見るよりはるかに美しくて感動したっ!

それに加えて亡き犬イリの本名"MUNTAZ MOOMBEAN"。これまで「ムーターズ・ムーンビーム」と読んでいたのだが、正しくは「ムムターズ」であって、ムムターズとはこのタージマハルに眠るお后の名前だと知ってさらに感動したーっ!

なお、通常ならば夕方6時くらいで追い出されるタージマハルだが、満月の夜だけは夜間にも開放されているらしい。
私たちが行った3日前に満月だったそうで惜しいことをした。ここに満月がかかるとどんなに綺麗だろう。クフ王のピラミッド入場並に予約が取りにくいらしいけど、次回はぜひ満月の夜に訪れて、イリと過ごした幸福な日々に思いをはせて鬱MAXになりたいものだ。

2013年5月8日(水)

お久しぶりです。ゴールデンウィークはインドでした。1月に行ったばかりなもんで、ビザ(6ヶ月間有効)がそのまま使えました(笑)

半年おきに行くなんて、そんなにいいのかインド?と問われたら、イエス!と答えるにはものすごく∞にためらってしまうインド。

牛と野良犬とリキシャと車と人間が入り乱れる街に立つと、車のクラクションと排気ガスと人いきれで3分もすれば頭がぼんやりしてくる。ましてや5月は暑季だもんで、旅行者にとってはオフシーズン。

40度を超える熱気と疲れのせいか、わりかしタフなはずの管理人も熱中症?でダウン。ANAのゲロ袋を片手に、30分おきに吐きながらの観光。ぶっちゃけインド料理と街の光景を思い出すだけで、腹がしくしく痛くなってきます。

しかし私もヘボピーも、幼い日の記憶に残る昔の日本にどこか似ているインドの雑踏が性に合ってるようで、旅を楽しんでまいりました。今回はなにげにオカルトな出来事もありましたので、落ち着けばぼちぼちご紹介したいと思います。あー、腹痛ぇ……。(まだ体調崩してるよ)

←今回泊まったサモード・パレスはロンドンタイムスが選んだ「世界ベストホテル5」のひとつ。マハラジャの別荘を改築したホテルなんて、そりゃ幽霊もおるわな……。