アケトアテンで萌えを極める<2> ![]() レリーフには当然ながらアイの仕えた王の姿が・・・ 彼らのカルトゥーシュは、完膚無きまでに破壊されている。 さて、テル・エル・アマルナの太陽神殿跡に立ち、「アケト」のヒエログリフそのままに昇る朝日を拝んで萌え死にたい!という私の願い、叶えるのは一見イージーなことに思われるかもしれない。 だが思い出して頂きたい。ルクソールだと2万払って気球に乗れば簡単にご来光は拝めるが、ここアマルナは昼間の移動にまで警護のパトカーがついてくるという、観光客のセキュリティーにやたらめったら神経質なお土地柄。 そして太陽神殿とは、8時にならないとオープンしない=ツーリストポリスが来てくれない、東岸砂漠ド真ん中の遺跡エリアに位置するということを。 よってアマルナ初訪問から6ヶ月後、私の「アケトアテンで萌えを極める」というトッパな願いが実現されるまでには、観光局&地元警察との交渉に際しての、ものすごい根回し(友人Y氏の)とものすごい苦労(友人Y氏の)とものすごい手間(友人Y氏の)が注入されているのだ!! ワガママ女優の現地ロケじゃあるまいし、私との友情を重んじてくれた侠気溢れるY氏には、もうホントに心から感謝している。 さて、「アケトアテンでご来光」の前日にも、Y氏はカイローアマルナ間数百キロを往復して、地元警察と打ち合わせ。 そして当日。
それがまた、ホテルから太陽神殿跡へは車で一直線に行けるわけじゃあない。西岸から東岸へは船に乗り換える必要があり、当然朝の4時には定期船は動いてないので、渡し船もSPECIALオーダー。 船着き場には早朝出勤の船着き場の職員さん&船頭さんが5,6名。対する乗客はY氏とヘボピー、警察そして私のみ・・・いたたまれなさも最高潮。 昼間は人でワサワサにぎわっている船着き場も、朝5時前には当然ながらとっても静か。 そして船を下りてからは、また別のツーリストポリス車両で現場へ向かい、数名の警官を伴ってご来光を待つことに。
![]() ・・・そう、アホな私は太陽が昇る位置は365日動かないと思い込んでいたのだ。 そう言われればアブシンベル神殿でも、神殿の最奥にある神像に朝日が当たるのは、年にたった二度。その日には早朝から観光客がどっと押し寄せると知っていたはずなのに。 ああああ!ごめんなさいYさんツーリストポリスのみなさん!まぁ彼らには「アケトのヒエログリフで萌えまくりたい」とまでは伝えてなかったんだけどね。(ヲタすぎる動機でさすがに恥ずかしかったから) だからこの場所でご来光を拝めただけで、現代のアテン信者のように感動しているように見せかけつつ(※)、いや、じっさいご来光には深く感動したのだが・・・ そしてこの数日後には「カルナック大神殿でご来光プレイ」。 だが、カルナックでも大列柱室の中心線どころか、聖池のはるか向こうあたりから、それもぼんやりしてる間にちゃっかり昇っていた太陽・・・ このように「シャダ萌え旅行REMIX」でのご来光は、100%恵まれたものではなかった。どうやら「萌え」を求めてご来光を拝もうとする邪な心がラーの怒りに触れたと見える。 ※欧米では、古代エジプトの太陽信仰を踏襲するカルト系教団の信者がかなり存在するらしく、彼らはこの場所で太陽を拝んで号泣、ガイドをびびらせるそうだ。 |