シャダ萌えエジプト旅行リターンズ<エジプトのケモノたち>

のどかな田園地帯ベニ・ハッサンの田んぼでのんきにクローバーをはむ雄牛が一頭。
モォオオ〜腹いっぱい。これからちょっくら昼寝でもするべ。
だが・・・

彼は私の存在に気付くや否や、角をふり立ててモーレツに暴れ出した。こっちもびっくりしてベストショットは撮れなかったが、この、目がおびえている様子お分かりだろうか。
エジプト人曰く「大キライな注射をしに来る獣医と間違えたから」だそうなのだが・・・ホンマか?牛!どうやったらエジプト人獣医(オヤジ)と日本人OLを見まちがえるんだ?エジプトでは牛までが早とちり。

古代からさまざまな動物たちと深い関わりを持ってきたエジプト。
フンコロガシやカモのひなやマングースなどの小さな生き物から、ヒヒやライオンやゾウまで・・・ある時はペットとして、ある時は食用として、また時には神さまにまで昇格させてしまったり・・・と古代エジプト人はあらゆる動物に対して深い愛と鋭い観察眼を注ぎ、時にはそのパワーにあやかろうとしてきました。

もちろん古代エジプトの頃には棲息していた野生動物ーカバやワニやライオンは、現代ではその多くが姿を消してしまいましたが、こと家畜については現代エジプトでも食用や農作業用、運搬用として今でもごくごく一般的に飼育されています。

今のエジプトで見ることのできる主な家畜は牛、羊、ヤギ、ロバ。特にロバはルクソールのような大きな街のど真ん中でも疲れた顔でフンを落としながら荷車をひいていたりします。

そのどれもが日本でも見られる動物ですので、べつたん珍しくないといえばないんですが、銀座のママ並みに気のきく友人Y氏は以前、わざわざ家畜写真を撮りにエジプトに来た著名な動物写真家・岩合氏の動物撮影旅行に同行したとのことで、プロの目で見るとエジプトの家畜ってけっこう魅力的なのかなぁと思ったりします。

また旅行中にはほとんど見なかったものの馬やラクダも飼育されており、特にラクダは運搬用だけではなく食用としても普通に売買されているようで、ラクダ市なども開かれているとのことです。

カイロのペットショップの店頭でつまらなさそうにふくらんでいたハトカップル。
ハトはペットとして人気があるらしく、観光客にも有名な高級めレストラン・フィルフィラの店内でも、客席の
すぐ隣りにいくつも鳥かごがしつらえられており、ハトがクルックルーと啼きながらバタバタ羽毛を飛ばしたりするのを楽しみながら食事ができる。

左はペット用だがこちらは食用。ハト料理は最も有名なエジプト料理の一つなのだ。
これはハトの中にこれでもか!とパンパンにライスを詰め込んでローストしたもの。詰め込まれた揚げ句にピラフの丘の上にきちんと座らされた様子は哀れをさそう。来世はハトにだけは生まれ変わりたくない・・・
また、ハトは小骨が多くて身が少ないせいで、この料理法ではごはんばっか食べてるような気になってたいそうキツイ。胃弱の人に勧めると確実に人間関係を破壊しそうな料理だ。

エジプトで最も人間の役に立っている動物、それはロバさん。一頭二万五千円くらいで買えるとはいえ、月給数千円の人には相当大きな出費なので、きっと大事にしてもらってる・・・と思う。
これはテル・エル・アマルナの渡し船の上にいたロバさん。白くてすんごくかわゆぃ〜んv

・・・と思ったら股間でそそり立つ凶器が!!!
きっと働きすぎて疲れマラなのだろう。

「馬並み」という言葉は有名だが、ロバもけっこうなモノねぇvフフフ・・・

ヤギさんもそこらの道端でナチュラルにウロウロしてる。初エジプト旅行の頃は「野良ヤギ?」と喜んでいたものだが、なんのことはない単なる牧夫の手抜き。
11月はヤギの子育てシーズンなのかどうかは知らないが、あちこちでやたらとはしゃぎまくる子ヤギを発見。子ヤギって罪がない・・・
これはテル・エル・アマルナにて。カメラを抱えて駆け寄るとゼンマイ仕掛けみたいにはね上がって逃げた。

チチチチ・・・おいでおいで・・・と呼ぶと増えた。
こいつら、どうも双子のようだ。
兄者〜〜〜!!

そこらへんに落ちているしょーもないワラくずでも必死で食べていた。きっと好きにさせてあげるからエサは自分で捜しなさいねvという「地鶏方式」で飼育されてるんだろうな。でもモノはヤギ。

ここルクソールでもヤギは必死になっていた。必死でカルナック大神殿のゴミ箱をあさっていた。
ちなみにヤギは一頭一万円くらい。羊は一頭二万円くらい。羊の完全勝利。

羊たちは沈黙して牧夫のオッサンに率いられてゆく。
時はラマダン真っ最中。あと二週間ほどすると彼らはみんなラマダン明けのお祭りでツルされて食われちゃうのだ。
ラマダン明けが近いこともあって羊の値段は日々高騰している真っ最中だった。ああ市場原理。

(写真左)ここにも「はたらくロバさん」が。
ロバさんはとっても我慢強くて力もち。クソ重い欧米人を乗せて文句ひとつ言わずに王家の谷へ至る山道を歩いている・・・いや、クッソー重いんだよこいつら!肉ばっか食いやがって!くらいは思ってるかも。

王家の谷までの坂の傾斜はきついうえに距離もある。直射日光を受けながら慣れないロバに乗るのはけっこうしんどいらしく、皆さま顔がすでに引きつっていた。でも人がギューギューな王墓の中はもっとキツイ。脱落者が出ないか心配だ。

まぁロバならまだいいが、この坂を自転車で上るバックパッカーも目にするのでどびっくり。よほどの体力自慢でない限り、自転車での西岸観光はやめたがええと思う。
「地○の○き方」などに「レンタル自転車で回る手もアリ」と書かれているせいか、けっこう日本人も見るのだが・・・特に暑い時期は無謀のひとこと。まぁ私もタクシー代をけちってカッパドキア(トルコ)の山を自転車で上ろうとしたあげくに頂上寸前でパ・ン・クしたので、あんまし人のこと言えないけどね。

「エジプトのケモノたち2」につづく