シモン:なかなか上手ではないか、シャダ
カリム:人には長所もあるものだな。
シャダ:どうですか王子、ファラオの犬舎のブチですよ。
アテム:(不満そうに)でも・・・セトのやつの方がいい。
シャダ:え・・・?
アテム:うまいけど・・・なんかとしょかんにあるずかんの絵みたいだ。
シモン:そう言われれば・・・確かに図鑑的じゃの。どちらかと言えば戯画ではないわ。
アテム:オレはもっとカッコいいのが欲しいんだ!

シャダ:(少し気を悪くして)それじゃあ・・・(さらさらと筆を走らせる)これはどうです!
シモン:何じゃこれは?
シャダ:仔犬をハイエナに取られそうになって勇猛果敢にも立ち向かう母犬の図、です。
カリム:・・・多少説明を要する絵だな。
アテム:オレ、犬はすきだけどハイエナはすきじゃないよ・・・
シャダ:(がっかりして)ちょっと凝りすぎたようですね。それじゃあ・・・

シャダ:これではどうです!?
カリム:・・・お前、犬が好きだな。
シモン:犬とワニとハリネズミ・・・判じ物か、シャダ?
シャダ:自分でも何が描きたいのかワケが分からなくなってきました・・・(肩を落とす)
アテム:・・・・・(ふくれ面)カリム、お前も描け!
カリム:いや折角ではございますがわたくしめはたいそう絵が下手でございますゆえ・・・
シャダ:お前だけ傍観者はずるいぞ!描いてみろ!(オストラカと絵筆を押しつける)

10分後・・・
アテム:(困り顔で)・・・これは・・・人間なのか?カリム。
カリム:(折れそうなほど強く絵筆を握りしめながら)はい、一応そのつもりです。
シモン:これだけでは寂しくないかのお?
シャダ:そうだね、何か描き足した方がいいかもね。人間をあと一人くらい。
アテム:じゃ犬もかいてくれよカリム。
カリム:(渋々と)はい、かしこまりました・・・

さらに10分後・・・
アテム、シモン、シャダ:
こ、これはいったい?!・・・・・・・・(無言)

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