“義恋-GIREN-”の晶山嵐子さまがマハード追悼としてご自分のサイトに飾られていたものを頂いて来ました。 山岳地帯に物見遊山に入ったファラオの前での舞踏シーン。 嵐子さんご自身によるSSはこちら。 山岳に物見遊山にいったファラオの目に入った御前舞踏。 その地で魔物を封じている家系の長男マハード。 真っ赤な衣をつけての舞踏は誰をもいすくませる威力があった。 赤は太陽の色、炎の色、血の……色。 赤い衣は魔物を倒した血を象っているのだと言う。 先祖が魔物に勝ったことを祝い、神に感謝し、永代の 封印を祈る……踊り。 ところどころで魔封を含むその踊りは力あるもので無いと意味が無いと言う。 先祖代々、魔力の一番強い者に印される魔封の化粧。 この時だけ丹色に塗って勝利を祝う。 唄も音楽もない。 ただ……舞い、だけ。 何も音がないのに……空間に絵を描くようにひらめく血色の布が……まるで、妙なる琴線のように場にあるすべての者達の脳を冒して行く。 青光りする二本の曲刀を床において制止したマハード。 彼の額から落ちた汗がぽたり……と、居並ぶすべての者達を驚愕させ、正気を取り戻させた。 否。 今の今まで正気を失って舞いに魅いっていたことを思い出したのだ。 がたん!と、しつらえられた粗末な玉座からファラオが質がる。 「何も名物がないからせめて不遜の息子の踊りでも……だと?  そんな片手間の舞か!これが!」 血に塗られたマハードの視線にファラオはごくり、と声を呑んだ。 「アクナディン!あやつを王宮に連れて参れ!  あやつが最後の千年宝物の護り手だ!  訓練次第ではセトを追い抜くやもしれんぞ!」 そうして……マハードはテーベの王宮へと招致された。 嵐子さんと私がマハードに対して抱いているイメージは“炎”や“太陽”。 明々と燃える破邪の力を持つもの。 彼の頂いている被り物もアトンの太陽円盤を象徴したデザインですし・・・ それにしても、白装束という印象が強かった彼にこんなに赤が似合うとは思いませんでした。 赤い前垂れが誠によろしいですね! “水彩画より油絵の凝固したる色味に似た・・・” 私の心のマハードソングは。ヤプーズの「赤い戦車」に決まり。