メモリーズ その五 こどものさくぶん 2

小学校3,4年生の頃の作文再び。 ここに登場する「池田」という少年は、どうもクラス一ののひょうきんものだったようだ。 顔もよく覚えていないが、こんなお話書いたりして、今なら一つ間違えると立派な「いじめ」である。 しかし当時はこの「池田ストーリー」、本人も楽しみにしていた。 

で、ひょっとして池田君のこと好きだったのかしらアタシ?!


やあおれ池田だぜ。 

おれのすきなものはピーナツとジュースのかんのそこにのこっているジュースだ。

おれは午前は学校で、午後は動物園ですごす。 おれは学校より動物園のほうが好きだ。 そのわけは、お客がおれにピーナツをなげてくれるからだ。 ときどき、ボンボンキャンディをほってくれた。 

ボンボンキャンディはうすいセロハンにつつまれている。 したがとろけそうなあまいキャンディだ。 

おれはセロファンをむこうとしたが、どうしてもむけない。 そんなおれを見て、客はわらった。 おれはくやしくなってセロファンごとキャンディを食べた。 味はしなかった。

学校でただ一つたのしみなことはきゅう食だ。 きょう、つまり1月12日のみかんはだれにもとられなかったのでうれしかった。(※1) 

おれは、理科の時間にボールペンをなめていて、先生にしかられた。(※2) 

ボールペンの青のやつは特にいい。 マジックペンのピンクのやつもなかなかだ。

おれは大きくなったらヤクザになりてえ。(※3) 

あのほほを走るキズが何ともいえねえ。 おれはまだ百分の一人前だからドスはもっていないぜ。


※1 池田君はどうも1月10日あたりに給食に出たミカンを、お友達に取られたようですね。

※2 池田君にはどうもボールペンを舐めるくせがあったようですね。

※3 この作文を書いたこどもは、小さい頃からこの職業が気になってしかたなかったようですね。