ツタンカーメンの遺物展示通路から脇に入った人もまばらな展示室、そのガラスケースの隅でひっそりとパンをこねるおもちゃ。ひもを引くとカクカク動くのだろう。

古代エジプト人は子供をとても可愛がった人々だと言われており、こういったお手製のおもちゃも色々発掘されている。

古王国(第四王朝)の超有名な作品、ラーヘテプと妻ネフェルトの座像。古王国展示物の中では目玉なので、いつ見てもこの回りには観光客がわんさかわんさ。

さあゲームをしようじゃないか。

カイロ博物館入ってすぐ、ロゼッタ・ストーン以上に重要な逸物「ナルメルのパレット」の向かいに展示されているゲームグッズのかずかず。

このほとんどがどういうルールで使用されていたかということすら、数千年の時の壁に阻まれいまやまったく分かっていない。

「セネト」とならんで現代人にわりと知られているゲームといえば、下の写真に見える円盤、「蛇ゲーム」という古王国時代のゲームくらい。

ルール不明であれ、数千年前のデュエリストに思いを馳せるのも楽しいかもしれない。

王の実子であり、ヘリオポリスのラーの神官や労働監督官などを兼任したラーヘテプは古代エジプト人には珍しくちょび髭を生やしている。
たいそう有能な人物だったそうだが、ヒゲのせいかそこはかとなくゲイくさい。現代の美容師とかコックの像だと言われても違和感ない。


カイロ博物館の閉館30分前、ほとんどの人が退館したあとでこの座像の部屋に行ってみた。するとそこには食い入るようにこの彫像を見つめる超カッコいい西欧中年男性が!グレーの髪、猛禽のような彫りの深い顔・・・超絶私好みだ。

だが、しばらく男を観察しているとただまらぬ鑑賞ぶりであることに気付いた。
ラーヘテプを下から見たり横から覗き込んだり・・・10分経っても離れようとしない。
余りにもの熱心さに、ひょっとしてカレ彫像に恋したの?
それも男の方に?!とか思い、腐女子アイを通してみると、そのハンサムさんも限りなくゲイくさい。

記念にと物陰から何気なく「彫像に魅入られた男前」をカメラに収めようとした。するとカレ、邪悪なオーラを感じたのかそそくさと行ってしまった・・・

ちなみに私が惚れているのはなんといっても二階にある「ツタンカーメン王墓のアヌビス像」。この度も前から横から後ろから心ゆくまで鑑賞してきた。そんな私も横から見ると「彫像に惚れた女」とか思われてるのかも。犬だけどな。

パンツコレクターR嬢へのエジプト土産にと、
カイロ博物館にて採取した古代の腰布。

ツタンカーメンのパンツはメイン展示室にこれ見よがしに展示されており(マハ萌え旅行記参照)毎日世界中の至る所から訪れる観光客の好奇の眼差しにさらされている。私が見た時もきらびやかなサリーをまとった「インド婦人会」(憶測)の団体が興味深げに鑑賞していた。

しかしこれはそんな「VIP扱いのパンツ」からは遠く離れた場所・・・カイロ博物館でも「パンのなれのはて」だの「トイレ」だの「アカシアの小枝」といったフツーはぜったい見たくないような地味すぎな展示物が並ぶ外縁廊下に展示されている。

数千年の時を経て、西日に照らされひっそりと息づいている・・・まこと侘び寂び溢るるパンツだ。

しかしあなどるなかれ!これは(多分)素材がレザーのメッシュという、古代エジプトらしからぬマニア系腰布なのだ!!

以前エジプトの服飾専門書でこれの類似品(大英博物館所蔵)を目にしてからというもの、ぜひシャダマハの参考にと実物との対面を願っていたブツ・・・
私は彼?彼女?に呼ばれたのだろうか・・・フラフラと廊下側に吸い寄せられ、ハッ?!と我に返ると薄暗い廊下側でこれと向き合っていた。
「アタシを洗って!」というパンツの精のメッセージなのだろうか?

いやしかしまぁ多分、墓に入れるようなものはすでに洗濯済みだろう。

象牙で象眼され、現代インテリアと言っても通じる素晴らしいデザインである。
名もなき王も幼い頃アク王の隣でこんな椅子に座っていたと想像するととてもお可愛いらしい。

ちなみにツタンカーメンの身長は167.6センチとされている。
エジプト人の平均身長は現代人ほど高くなかったので、名もなきファラオが身長150cm台でもさして違和感なかっだろう。っつーか、ファラオはフツーで六神官がでかすぎだったろう。

ツタンカーメンが子供時代に座っていたという椅子と足置き台。黒檀に

こちらはファラオのポーチ。

ガラスケースから取り出して日本へ持ち帰り、「はい、エジプト土産」と言って渡してもあっさり「ありがとう」で済まされそうなほど古代の遺物っぽくない。

王はこのポーチの中にレアカードでもお入れになっていたのだろうか・・・