ルクソール神殿の入り口正門。左右には人頭スフィンクスが並んでいる。

古代においては一年の一度の「オペト祭」の際、カルナックとルクソールを結ぶこの参道を、 神官のかつぐ輿に乗せられたアモン・ラーの神像がしずしずと行進し、 参道は行列を一目見ようとする人々によって埋め尽くされた。 「・・・この参道を歴代ファラオや高級神官が・・・」 平伏して石畳に口づけてしまいそうだ。 月明かりだけで見る当時の光景はより美しかったに違いない。

ライトアップされたルクソール神殿のパピルス柱。 観光客だけではなく、地元の家族連れなどで賑わっていた。 ぶらぶら歩いていた私に、二人連れの男の子が声をかけてきた。 どうも一緒に写真を撮って欲しいらしい。 え?オバちゃんと一緒に?・・・思わず聞き直した。 二人とも10代でかつ可愛い。 どの写真を見ても私の顔はぜったいにやけていたと思う。

この日は満月。 今も昔も変わらず夜空を照らす権高な姿。 エジプトで見る月も日本で見る月のように ウサギがモチをついていた。 数千年昔に生きた人々も同じ夜空を見上げたのかと思うと 急に感傷モード突入であった。

列柱の間に立つラムセス二世像。 このエジプト旅行で一体いくつのラムセス二世像を見たことか。 「建築王」の名にふさわしい ホントに目立ちたがりのファラオである。 この区画には祭礼の際、一般民衆が集まることを許されていた。 みんな待ち望んだハレの日でさぞうきうきしたことだろう。 嬉しくて駆け回る子供やそれを眺める親、 一張羅を着た若い娘さんの姿が目に浮かんできた。

チンコ勃ってますが、そういう神様です。 左手に勃起した陰茎を握り、右手には殻竿を持つ ミンと呼ばれるこの神は、東部砂漠・鉱山地帯の 守護神でもあるそうだ。 パシャパシャとこのレリーフを激写する私の横に、 同様にレンズを向ける白人男性がいた。 私とオッサンの目と目があった瞬間、 二人の間に何かとてつもなく暖かい空気が流れたのは 単なる気のせいだろうか。

犬の甘え方は万国共通。それにしても警戒心ゼロである。 愛犬イリでさえ人前では腹を出さないのに。 外国人にはサービスサービスぅ、なのか?

腹に子がいるのか授乳中なのか、ぱんぱんな乳房をして だるそうに寝ころぶ母犬。 近づいても一瞥だにしなかった。 こんな所で寝ずにさっさと家に帰っとけ。

サッカラにて。 ありふれた雑種だがバックはさすがエジプト。 駄犬と遺跡というコンビネーションに、 日本から遠く離れながら、言いしれぬ詫びさびを感じた光景。

「キャー!やめてー!キライー!」 野良犬に襲われる日本人観光客。 ・・・というのはウソだが、犬多すぎである。 エサをねだるわけでも、甘えるでもなく ただヒマそうににウロウロしていル。 犬嫌いにとっては試練のひととき。