アブシンベル神殿 第19王朝第三代のファラオである「建築王」ラムセス二世(治世紀元前1290〜1224ーAtlas of Ancient Egyptによる)によって造営された下ヌビアの神殿。ラムセス二世の岩窟神殿そして彼が最愛の妻・ネフェルタリとハトホル女神に捧げた小神殿から成る。1813年にブルクハルトによって発見され、1960年代のアスワン・ハイダムの建設時には湖底に沈む危機にさらされたが、国際協力のもと、より高い場所に移動された。大神殿のラムセスの座像の高さは21メートルあり、ピラミッドと並び最も有名な古代エジプトの建造物のひとつである。
ラムセス二世は現代人よりはるかに短命な古代エジプト人にあって92歳まで生き、第何夫人までいるのかカウントするのに飽きるほどの数の妻とさらに多くの子供達を持ったという、まこと精力旺盛でやる気満々のファラオだったそうだ。 で、彼が南の隣国に睨みをきかせるために作ったこの神殿も「大きいことはいいことだ」という大昔のCMコピーそのままのでっかさ。こんなでかいのを3200年前に建てたとは古代エジプト人アンタらホンマに・・・(以下略)と呆れかえるような神殿であった。 エジプト観光コースに8割方組み入れられている人気スポットなので、ありとあらゆる国から来た観光客の話す様々な言語が古代の巨大な建築物の回りで飛び交い、歩いていると何だか不思議な気持ちにさせられた。 そしてどこでもトッパなヤツは生息するもの。群れる日本人、せわしく走り回る韓国人の間で、ナゾのポーズで瞑想する欧米人。それも一人二人ではない。ホルス神像の間で思い思いの不気味な印を組み、日の光を浴びて並んで突っ立ったり座禅を組んだり。 配置的には“ホルス・白人・ホルス・白人・ホルス・白人・ホルス・・・”という限りなくクドい光景。 心ゆくまで瞑想し、一人が去ると又次の人が来て瞑想を始める・・・写真を撮ろうと待っててもきりがない。 コラ欧米人!(怒)座禅組むなら龍安寺に来なさい!私はアンタら抜きのホルス石像の写真が撮りたいんだヨ! (右)しばらく時間を潰してやっと撮れた白人抜きのホルス像。でも今から思えば瞑想する白人にサンドイッチされたホルス神像も盗み撮りすればよかったかなぁ。
さて、このアブシンベル大神殿は貴重な文化遺産を守るためフラッシュ禁止である。フラッシュをたく不埒者を見張るため、神殿の前と回りにはエジプト警察が、内部では「ノー・フラッシュ!」と声を枯らせて叫ぶ番人のようなオヤジが数名配置されているのだが、この番人が手に持ってるのは他ならぬ千年錠。まぁ下の写真をご覧下さい。高橋センセもきっとこれをご覧になったのでは。
そう思い直し、せめて一緒にカメラに収まりたいもんだと千年錠のオヤジに英語+アラビア語+ボディランゲージで頼んで撮ってもらったのがコレ。 ただ、デジカメはシャッターが降りるまでに数秒かかるため、デジカメ慣れしていない素朴な歯抜けオヤジのブルブル震える手のせいで、どれを取っても激しいピンぼけぶり・・・ ちなみに胸の千年錠もといアンクは「貸せ!」とオヤジから奪い取ったもの。ゴメンなオヤジ、人使い荒いオバちゃんで。 |