天井までびっちりきっちり並べられた食料品店のディスプレイ。上の棚の商品は可愛い少年がはしごに上って取ってくれるので、つい上の方にある恐ろしい色のジュースまで購入してしまった。重かった。

エジプトの洋品店は全般的にトーンがダーク。
色といい品揃えといい、大阪・天王寺界隈の高架下洋品店を彷彿とさせて、天王寺から遙か彼方のエジプトにいるような気が
ぜんぜんしない。

スパイス類はアスワンの代表的土産物。日本では目ん玉飛び出るほど高価なサフランも、ここではワサビ粉並みの庶民プライス。
ところでエスニックなスパイス類に混じって並ぶ左の青い粉はいったいなに?
なんなの?!

青い粉の正体は洗濯用漂白剤。そういえば日本でも白さと香りのニュービ○ーズとかにもこういう青い粒が混じってたよね。これをダイレクトにぶち込むのがエジプト風だが、白い衣料を白くするか青くするかは主婦の腕の見せどころだ。
そして食品の横に洗剤を並べる無造作さもエジプト風。確かに彩りはいいが、スパイスが漂白剤くさくなりそうで個人的にはとてもイヤ。

長さ一メートル程度の謎の物体。丸くてでかくてふわふわしている。
何かと思えば、日本では小分けして売られている「スチールたわし」のマユだった。きっと客の求めに応じて計り売りしてるんだろう。でなきゃ一生皿洗っても消費できない量だ。

スパイス屋に店先にて。何かの植物の横に並んでいる海の生き物・ヒトデの干物。
これをすりつぶして民間療法の薬にするのかな、とエジプト人に用途を尋ねると「単なる家の飾り」とのお言葉。楽しい家庭の団らんが目に浮かぶ。ブラジャー代わりにしてもいいかもしれない。

万事において派手好きの国民は、電気のスイッチカバーにも妥協を許さない。電気屋の店頭に並んでいたスイッチカバー各色。

私なら上段・左から二番目の金に青のファラオニックなやつがいいな。

雑貨屋のナイスなディスプレイ。力強く羽ばたくアメリカハクトウワシ(ゴム製)そして釣り用リール&ゴムの蛇。
ぽかんと口を開けて眺めていると、店主は奥から出してきたダンシングサンタを得意げに踊らせてみせてくれた。オッサン・・・その商品一体いつ仕入れたんだ?

肉屋の店頭でいきなしゆらゆらしてるスプラッタな肉塊。客はこの肉塊の横をすり抜け、必要な量を注文して切り取って貰うシステムだ。よろめこうものなら服に肉汁&血液のシミがつくので通り抜けは慎重に!

カバン屋さんの店頭のキュートなバッグ。きっと高いに違いない。今まで一体何人の子供がこのバッグを欲しがって地団駄を踏みそして泣きわめいたことだろう・・・
そして偽キティーはナイルからの悠久の風に吹かれながら、今日も超然として子供達を見おろすのである。

どこもかしこもこういうおしゃべりオヤジで一杯のエジプトの商店。日本の下町でもよく見られる暑苦しい光景だが、ガラベーヤ着用の黒いオヤジだといっそう暑苦しく感じる。それにしてもそこまでもたれかからんでも・・・オヤジ・・・

自分の頭よりでかいカリフラワーを売るジジィ。ジジィの目から放射される「買っておくれビーム」に貫かれて、家で待つ孫のためにひと玉買おうかと一瞬迷ったが、スーツケースのふたが閉まらなくなりそうだったのであっさり断念。