2008年7月31日(木)

実家で母の介護する際には、あんまし一生懸命めんどう見てるとこっちまでプッツン来ちゃうので、テキトーに暇つぶしするためにDVDを見ることが多い。

先日借りてきたのは、タリバンに抑圧される悲惨な市民生活を描いた薄暗い映画、「アフガン零年」、共産主義の影響バリバリだった頃にある日本人グループによって撮られた、ホームビデオとしか言いようがないクオリティーのアフガニスタンの記録「もうひとつのアフガニスタンーカーブル日記」(最初から最後まで撮影者のオッサンが延々一人でド下手なナレーションしてます)。
そして行きつけのバーのオーナーに「萌えどころだらけだからマニアなら是非とも見れ!」と勧められた砂漠のホースレース映画「オーシャン・オブ・ファイヤー」、そして2枚の「兵器大百科」である。

まず手始めにプレイヤーの皿に乗せたのは「兵器大百科」・アフガン戦争編&イラク戦争編。砂漠と兵器のコラボレーションだなんて、こりゃ砂フェチとしては萌えるっきゃないっしょ!

しかし・・・・・・「再生」を押して10分後、ジョーズ登場の音楽のように徐々に押し寄せる不安感。あのぉ、私はミリタリにぜんぜん詳しくないんですけど、この程度の映像で「大百科」を唱ったら怒られないでしょうか?マジなミリヲタの皆様方に。

だって画面に映し出されるものはといえば、地元のゲリラ兼農業のおやっさんから没収した埃だらけのしょっぼい銃器とか、輸送ヘリからおろした水の入ったペットボトルをアリさんマークの引っ越し社のように運ぶ米兵とか、アフガンの険しい崖をしんどそうに登る米兵とか、米兵が水虫の足の指の股掻いてるようなのどかな小休止風景とか、現地のオッサンに米兵がなにやら質問しているバックで、牛がモォーと鳴いてるとか・・・・・・。

そんなゆるゆるの光景が、♪ズビズビズババ〜〜♪って感じのエレキだけはノリのいい空威張りなサウンドに乗って、一時間もの長きに渡って繰り広げられる。あぁ〜、こういう音楽どっかで聞いたことあるなぁ、と記憶の糸をたぐったら、ブロンドねーちゃんの爆乳が目に痛い海外エロビデオのBGMだった。

ま、峻厳な山岳地帯という地理のせいで、物資の運搬からして難儀しまくったというアフガン戦争編に比べると、イラク戦争の方はまだ現代戦らしい臨場感もあったんだけど・・・・・・。
♪ズビズビズババ〜〜♪にのって流れる「ゲリラ掃討作戦」のチャプターなんか、粉塵を巻き上げながらちょっとずつ削れてゆくビルを遠くから撮影した映像のみ。
そこで激しい銃撃戦が行われているであろうことはタタタタタタタタタ、ドゴーン、ドガーンというきなくさい音から想像できるのだが、ビジュアル的には「200メーター離れて隠し撮りした雑居ビル」って感じでさっぱりワケわからん。

でもってこちらもデジャブがあるなぁと思ったら、G-men編集部さんが誌面アンケートに答えたご褒美にプレゼントしてくれたミリタリものゲイビデオ、「チェイン・オブ・デザイアー」(ごつい教官が新兵どもを股間のバットでお仕置きする話)だったぜ・・・・・・

このDVD、舞台は99%屋内なのだが、さすがにそれじゃミリタリ風味に欠けて、「エッチな兵隊さん」を求めるマニアなカスタマー(含む私)に優しくないという配慮からか、冒頭で基地に停まってる一台のハンビーが延々映し出されるのだが・・・・・
ゲイビデオ用に軍事施設を隠し撮りしてるのが見つかったらヤバいってことは分かってるせいか、カメラが時折ぷるぷると震えるという点で「兵器大百科」とおんなじノリで、つい思い出し笑いしてしまった。

おっと、もうこんな時間?久々に文章書くと時間ばっかりかかるなぁ。
今夜はもうおねんねするが、明日にでも私が今、ウォートランとビアンバー(駄目じゃん!)の次にはまっているものーアフガニスタン萌えと、映画「オーシャン・オブ・ファイヤー」のことでも書かせて頂きたい。

2008年7月30日(水)

「私もお城の舞踏会に行きたいんです!行かせて下さいっ!」。シンデレラは半泣きで頼みました。
でも可哀相なことにシンデレラの願いはかなわなかったのです・・・・・・。

あ〜あ、ホテルも押さえた、新幹線のチケットも準備した、カタログもチェックした。でもってエステではアホ高い「顔やせコース」まで買って、ビッグサイトの舞踏会には、マトリックスのトリニティーばりに引き締まった顔と体で臨む気マンマンだったというのに・・・・・・。

ここへきて母のアルツハイマーが急速に悪化。その認知能力の急降下っぷりたるや、高度約2000メートルのCH47ヘリから自由降下する空挺隊員を彷彿とさせるものすごい勢いである。

コミケには行きたい、すっごく行きたい。でもって空いた時間には関東のウォートランファンと共同演習して、ハネたんに萌え萌えしたい。
けれど一体何をしでかすか、犬よりも0歳児よりも予測不可能な徘徊老人を、自分もすでにヨボヨボの父一人に介護させるような鬼娘にはどうしてもなれなかった。
おまけに今は愛犬マヤっこまで病気で、浴びるようにステロイドを投与されてるってのも大きな心配の種だしさ。

いや、コミケにだけは行かせてくれと半年前から妹に頼んではいたものの、ヘボピーにも緊急の予定が入ってしまったからにはしよーがないよね。ヘボには介護をメインでやってもらっているという弱みもあって、こちらが折れざるを得なかったのだ。

ただ、こうして嘆いてはいるものの、会場で一番お会いしたかった絵師Sさんが今回は不参加なので、もうどうしようもなく残念で、悔しくて夜も眠れないってほどじゃない。
それに猛暑ですでにバテバテの今、灼熱地獄のビッグサイトはキツい。それもウォートラン先輩方に挨拶するために、テニプリやリボーンスペよりも確実に3℃は気温が高い三日目男性向けスペースに出動するのは、想像だけでちょっと気が遠くなってたから、ま、親が病気ならしょーがないかとわりかしあっさり諦めた次第。

とはいえ、東京では会いたい人が多いし行きたい場所も溜まってきてるので(例えば六本木のモデルガンバーとか池袋の寄宿舎カフェとか・笑)、ちょっと時期をずらして上京するつもりではある。ただ、コミケついでに見に行くつもりだった、「対決・巨匠たちの日本美術」が8月17日までってのは残念なのだが。

とりあえずコミケキャンセルで浮いたお金は、交通費とホテル代だけでも5万円。
明日はこのゼニを握りしめ、さっき某マダム向けブティックのショーウインドウで見つけた、ヒラリーが演説会で着てそうなスーツでも買いに行こうかね。

2008年7月27日(日)

久々に自宅の掃除に精を出してるんだけど、ちょっとフローリング部分をつやだしマイペットで拭いただけで全身あせみずく。まだ半分もふいてないってのにバテてきたから涼しい部屋で気分転換中である。

せっせせっせとふき掃除をするうちに思い出したのは、先日ン十年ぶりに見たディズニー版「シンデレラ」。
幼い頃の記憶によれば、シンデレラって「どんなにいびられようともただひたすら黙って堪え忍ぶ娘」というけなげキャラだったのに、大人になって見たシンデレラには、「あれれ?思ってたほどにはけなげじゃないんじゃね?」と首をひねるシーン続出。

まぁ確かに堪えているといえば堪えてるんだけどさ、屋根裏部屋でネズミや小鳥相手に「もうあの人たちイヤんなっちゃうわ!」とブーたれて適度にストレス発散してたり、あとからあとから仕事を押しつけられようとも「はいはい分かりましたよ」みたいな調子で軽く受け流したりで、ただ忍従してるばかりじゃなかったもんで、「シ、シンデレラって意外と強い娘さんだったんだ!」と若干のおののきを感じた。

お城の舞踏会への招待状が来た時なんか「私も行きたいんです!行かせて下さいっ!」と、継母が思わず引いちゃうほどの勢いではっきりしっかり意思表示。さすが西洋の女、同じ「堪え忍ぶ」でも東洋とはひと味違うわぁ。まぁ、元々が小作人の娘ってわけじゃなくて、父親が亡くなるまでは愛を一身に受けたお金持ちのお嬢さんだったせいもあるかもね。

でもって「シンデレラ」の一番のお勧めポイントはどこかといえば、有名なビビディバビデブー変身シーンも華麗で捨てがたいが、私としては意地悪な義理の姉・アナスタシアとドリゼラのブサイクすぎるキャラデザインを推しておきたい。

相当にディープインパクトなブサイクなもんで、この映画を見たことがある方はきっと覚えておられるに違いない。
ナイトキャップをかぶった怠惰な寝間着姿もブサイクだけど、お城の舞踏会に意気揚々と参戦する時の、思いっきり着飾ったドレス姿もこれまたブサイクで、ちょっと気の毒になってしまうほど。

シンデレラとは同年輩のはずなのに、イジワルキャラの運命として、口元にはくっきり法令線が出ちゃってパッと見すでにおん年41,2才のババァ。またご面相のみならず、「根性の悪い小姑」や「根性の悪い隣の奥さん」といった部類の、心のブサイクさまでをも見事に表現したデザインの妙には、さすがディズニーと感動した。

だがそれと同時に、ガラスの靴を持った使者も王様も、美人のシンデレラには鼻の下伸ばしまくりだというのに、ブサイクx2を前にした瞬間、「あちゃー!こりゃヒデェ!」とばかりにオーバーアクションで目を覆う様子を見ると、その嫌がらせ方、古いアニメとはいえディズニーさん、それはちょっとないんちゃうのん?となぜか複雑な気分になったりして。

二人の姉がどういう風にブサイクかは画像で紹介すれば一発なのだが、あの系列のアドレスを貼る蛮勇はさすがにない。
必要以上に人々の心に深く刻まれているようだ、ネズミー著作権侵害の恐怖心は。「子供たちが文化祭?で校庭に描いたネズミの絵を消させた」という嘘か誠か分からないネタによって・・・・・・。

ま、もしも本屋さんで思い出したら、一度「シンデレラ」の絵本を開いてババァ嬢ちゃんなアナスタシアちゃんとドリゼラちゃんを見てみてください。
そこでもし、ちょっぴり分かる!シンデレラにイジワルしたくなる気持ち、だなんてブサイクX2に共感を覚えたならば、あなたもきっと大人の女性です。

2008年7月25日(金)

隠し子の一人二人がいようとも、ちっともおかしくない年齢に到達した今になって、びっくらこくような新たな発見が。
・・・・・・どうやら自分はある筋においてはモテ系らしいのだ。−って、己でするには寒すぎて腹壊しそうな発言だな。

そんなサプライズを与えてくれたのは、最近行きつけにしているレディースバーのお客さまたち。
レディースバーとはべつにビアン限定の店ってわけじゃなくて、「男子禁制のバー」って程度の意味で、お客さんにはビアンもバイもストレートも女装メンもいるし、結婚もしてたりシングルだったり同性と同棲していたり、趣味も職業も年齢もてんでバラバラで幅広い。
唯一の共通点はといえば、それは皆さんが「自分は変わっている」としっかり自覚してるってことくらいかな。

多様な性指向を受け入れるこの店では、普通なら空気が凍り付きそうなフェチ発言を打ち上げようとも、適当に流してもらえるところが気に入って、最近ちょくちょく足を伸ばしてるんだけどさ・・・・・・
タカラヅカ風味のお姉さんキャラには根強い需要があると見えて、四半世紀ぶりのモテ期到来。ああ、この波動がロマン・アブラモビッチとかラクシュミ・ミタルとかウォーレン・バフェットに効けばもっとよかっ・・・・・・いや、そんな贅沢言ったらバチがあたる。

とは言え、勘違いしてもらえるのは黙っている間のみ。
口を開くや否や、フェチでマッチョでオタクでほふく前進な正体がバレバレで、常連さんの間ではすでに、「一見上品なお姉様だけど、実のところは超変人」と囁かれているのは、クールぶりっこせずに済むから嬉しいような、でもちょっぴり残念なような気がしないでもない。
まぁ本気でモテようと思ってるなら、マッパで白馬にまたがってスローモーションでビーチを駆け抜けたいとか、来世はこういう男に生まれ変わって魔性の尻で野郎どもを虜にしたいだなんて、墓穴を掘るような発言は慎んでるはずだよね。

ともあれ、どういう指向であろうとセクシュアルマイノリティーには当然ながら優しいし、意外なことにイケメン話や腐女子的話題も頻繁に飛び出す上に、映画や本や演劇のファンが多くて話題にはこと欠かない。「変わり者ばかりで楽しいからつい足が向いちゃうのよねー」というお客さんはかなり遠方からも集まってくるようで、週末なんか常に満席ってのもちょっとした驚き。

正直なところ三次元恋愛には興味ないから、ここで誰かれとどうこうしようって気持ちはさらさらない。
けれどしゃっくりを止めるためにパジャマに火をつけたというミットン卿や、死ぬまで一度もヒゲを剃ったことがなかったログビー卿ほどの奇人ではないものの、家族にさえ「宇宙人みたい」と言われてきた自分の素を、人にどう思われるかな、なんて心配をせずにさらけ出せることが、これほど気楽なんだとは思ってもみなかった。

階段を上る途中の壁には私の一番好きな画家、ギュスターブ・モローの複製画がたくさん飾られていて、ドアを開ける前から「これは肌に合うかも」と感じたこの店では、ハロウィンパーティーなんかも開催してくれるみたいだから、その日に向けてナチ風味の軍服もどきをボンテージショップにオーダーしようかなと画策中。

つい飲み過ぎてエンゲル係数がぐんぐん上昇中なのは難点だが、悩みにあふれた現実をしばし忘れさせてくれる場としてこのお店、第一印象だけはエレガントなお姉さんぶりっこで、せいぜい利用させてもらうつもりだわよ。

2008年7月24日(木)

「ファンタスティック・フォー」でヤフオクの商品検索をかけたら、柏原芳恵、杉本彩、石野真子、斉藤慶子の「ファンタスティック4」がヒットした。ある意味アメコミヒーローを超えそうな凄いユニットだ・・・・・・

昨夜はベトナム料理屋でルアモイを飲み過ぎたせいで胸がムカムカしてる。
ルアモイというのはアルコール度数45度のベトナム焼酎なんだけど、韓国焼酎の真露に似た、自分の一番苦手なタイプの味だってことをきれいさっぱり忘れていた。

ショットで頼むよりボトルの方が安いからと、ケチ発動でボトルを注文したのはいいけれど、最初の一口で早々に大後悔。けれど後悔しつつもダラダラ飲んでるうちにいつの間にやら一本開けてしまって完璧に悪酔い。むし暑かったせいもあるのか、昨夜はベトナム戦争で味方を誤射する夢にうなされた。

で、さっきのろのろと起き出して、丸二日放置プレイを決め込んだメールボックスを開くと、そこには「毛皮の下はなんにも着てないの・・・」を初めとするエロメが、スモーキーマウンテンの産業廃棄物並みに積み上がっていた・・・・・・

アメーバのように増殖するスパムメールに辛抱たまらず、新しいアドレスを取得してもう一年以上になるけど、ぼちぼち替えた方がいいのかなぁ。エロメとは子エロメを産み、子エロメは孫エロメを産んでネズミ算式に繁殖していくものなのだろうか?最近のスパムメールの数は洒落にならなくて、比較的気の長い私もぼちぼちムカついてきた。
なにが
「バスト?89だよ!!」だ?大事なものはブラの中にしまっときなさい!なにが「堂々と暴露します(変態で何が悪い!)」だよ!!そういうことは知らない人に送信せずに、会社で堂々と暴露しなさい。(怒)

で、人目で見て産廃と分かるメールの中には、「from雅史 昨日ありがとな!!」みたいな、雅史って誰だっけ?と思わず記憶のポケットを探し回るような馴れ馴れしいメールとか、友人と同じ名前の送信者からのエロメも混じってるもんだから、一体どれがゴミでどれが大事なメールなのか判断がつきにくい。

そんな状況ゆえ、もしサイトトップのメルフォ以外から当方にメール下さる時には(メルフォからのメールはすぐに見分けが付くので)、出来ればお名前の前に「ウォートランの○○」とか「遊戯王の○○」とジャンル名を付けてみる等の、ちょっぴり恥ずかしいひねりを加えてくださると、あ、これは大事なやつだ、と判断し易くて助かります。

あ、なんだか中途半端なところで出社時間となったので、これから会社行ってきます。今夜は大人しく帰宅する予定なので、続きはまた夜にでも・・・・・・

2008年7月20日(日)

暑い、シロクマ即死レベルで暑い。
さっき近所でオムライスを食べてきたのだが、家まで歩く途中であまりにも暑くて胃が痛くなってきた。これからはあの店では欲張らずスモールサイズを注文することにしよう。

さて、昨夜はあまりにも興奮状態が収まらないので、バッファローでも爆睡しちゃうようなきっつい睡眠薬を飲ませたものの、たったの三時間しか寝てくれなくて私を完璧な睡眠不足に至らしめた母は、今日はデイケアに行ってくれている。

だからその間に自分の洗濯物を片づけようと、まずは自宅に戻るつもりだったのによぉ・・・・・・途中の駅でクラブ・ウォートランの魔性の男・ハネヲちゃんに呼び寄せられ、ハッと気付くといつものゲーセンで銃を構えていた。でもって自宅に戻ると、残された時間はわずか30分。
だから洗濯は明日に持ち越すことにして呑気に日記の更新などしている、自分がまず何をすべきなのか、すでによく分からなくなってる管理人。

マヤっこについては、取りあえず死亡の危機はなさそうなので一安心。みなさん、心配してくださってありがとうございました。そうなんですよ〜T風さん、マヤも介護疲れなのかもしれませんよね。犬は母のオムツを替えたりご飯を食べさせてはくれないけれど、家族の誰かが母に腹を立てて手を上げそうになった時にはワンワン吠えて仲裁に入ったり、夜中の室内パトロールをしたりと、犬なりに色々と大変なようです。

それにしても昨夜はキツかったぁ!睡眠薬はご老体に悪いので出来るだけ飲ませないようにはしているのだが、昨夜ばかりは辛抱たまらず、最終兵器を取り出したのが夜中の2時。

薬を飲ませた後は徐々に興奮が治まってきて、眠りに落ちる前にほんのちょっとの間だけまともに近くなって、いろんな思い出話をしてやると「ああそうだった、お前は良く覚えてるねぇ、楽しかったねえ」とすごく喜んだもんだから、私もひどく胸が痛くなってさ・・・・・・
誰よりも仲良しだった母だから、やっぱりギリギリまで自宅介護しようと目を潤ませたのも束の間のこと。

その三時間後には、すすり泣きながら意味不明の言葉を口走る母に叩き起こされた。
一体何が言いたいのか、たったのひとかけらすら理解不可能な母の台詞を寝ぼけた頭で聞いていると、古代マヤ人の言葉もこのくらい分からないんだろうなー、お母さんは別の世界の人になっちゃったなー、とぼんやり思ったりして。
でもって、いくら「まだ夜明け前だから寝かせて」と哀願してもどうしても大人しくなってくれないもんだから、しょーことなしにデイケアの送り出し時間まで起きてた次第。

・・・・・・とここまで書いてタイムアウト。デイケアから帰ってくる母を迎えなきゃならないから出発します。
もう実家での安らかな睡眠は諦めたので、さっきTSUTATAでアフガニスタン関連のドキュメンタリーと特殊部隊映画と、ブーツが大好きなヘンタイどもが舞い踊る「キンキーブーツ」を借りてきた。
今夜は母が望むだけ起こしておくのを覚悟の上で、私はソルジャーとオカマとアフガン人にまみれた夜を過ごすことにしよう。

2008年7月19日(土)

今日から楽しい三連休。ヘボピーは遊びに東京へ、父は親戚に会いに城崎へ。
たまには介護から解放されて思う存分羽を伸ばしてきてねと、崇高な自己犠牲の心に溢れて二人を見送る私は、貴重な休日を実家軟禁状態で母の介護に費やす、と。そういう覚悟だけはしっかりできていたのだが・・・・・・

玄関のドアを開けるといきなりマヤっこが死にかけワンちゃんと化していたもんで、のっけから心が折れそうに・・・・・・うおおぉ!なんて素敵にバッドタイミング!(泣)

いつもなら私が帰宅すると玄関の前で待ちかまえていて、脱いだばかりの靴をくわえて走り去り、家中を駆け回ってふざけまくるのがマヤ流歓迎セレモニーなのに、今日は私の顔を見ても悲しそうに「くーん」と一声鳴いたきり、揚げまんじゅうみたいに丸くなったまま弱々しく尻尾を振るだけで、立ち上がる気力もない様子。
やべぇ。こいつは超やべぇ。呼吸も浅いし体も冷たいし、マヤちゃん、このままじゃ死んじゃうかも!

犬のこととなると簡単に気が動転する私は、靴をはいたままドカドカ家に上がってかかりつけの獣医に電話、無理言って時間外診療の予約をねじ込んでもらい、返す刀で末の妹に連絡。母を一人で家に置いておくわけにはいかないから、妹を緊急召還して、彼女とバトンタッチで犬を抱えてタクシーに飛び乗った。

でもって検査の結果、病名は溶血性貧血と判明。
宿泊先に到着したばかりの父がよこした電話によると、どうやらこのいじきたないワンちゃんは先日、焼き肉のタレのかかったステーキを盗み食いしたらしい。
だからタマネギ中毒の可能性もあるけど、赤血球の状態がそれとはちょっと合致しない点もあるので、ひょっとするとコッカースパニエルに多いなんたらとかいう(聞いたはしから名前忘れました)血液の病気かもしれないと診断された。

いずれにせよ赤血球が壊れてヘモグロビンがだだ漏れになっているのは確かなので、ステロイドの投与と栄養点滴を続けるため、さしあたって三日間入院させることに。

まぁ病院にいれば、たとえ容態が悪化したとしてもすぐに対応できるという意味では安心だから、ひとまずはよかったじゃないのさ、と言われそうなんだけどさ・・・・・・おおよその診療費を聞いて私の目ん玉は飛び出しそうになった。

良心的な料金体系のこの獣医さんでさえ、入院には一日およそ3万円もかかるものだとは!犬を入院させるのは初めてじゃないけど、前回は20年ほど昔だから、そんなに高くつくものだということをすっかり忘れてたよ。

・・・・・・ということは、入院が最短で済んだとしても3万x3日で入院費9万、プラス本日の検査費2万8千円、そして退院後の薬代やタクシー代その他もろもろと計算すると、ざっと20万円ほどの出費は覚悟しなきゃならなさそうだ。

まったくこういう出費って痛いよなぁ!それに加えて、すっかりへこんで青ざめた顔で帰宅すると、アンラッキーなことに本日の母はクレイジーモード。一緒にいると気が狂いそうになったので、妹に頼み込んでもうちょっと世話して貰うことにして、私は仕切直しに自宅に戻ってきて、こんなとこ更新してるわけ。

マヤの溶血がタマネギのせいか、それとも血液の病気のせいなのか、そのどちらかは分からないが、もしも焼き肉のたれが原因ならば、つまみ食いの代償=20万ってことに・・・・・・(怒)
とは言え、タマネギが原因の方がまだいいなぁ、もし後者ならば、マヤはこれから死ぬまで爆弾抱えてなきゃならないってことだもんね。
人のみならず犬まで病気だなんて辛すぎるので、どうかつまみ食いのせいでありますように、とこの度ばかりは本気で神さまに祈っとく。

2008年7月13日(日)

一週間ぶりにウォートランやってると、雪見だいふくを擬人化したみたいなふくよかボーイが、満面の笑みを浮かべて声を掛けてきた。そう、彼のコードネームはオタコン軍曹。
「彼とは又会うような気がする」と下で書いたばかりなのに、もう再会しちゃうとは早すぎやんけっ!オバちゃんちょっぴり心配よ、あなたの将来が。

ただ、先週とは違って本日の雪見だいふくはママ同伴。地域社会の一員としてはある意味ホッ。
「お母さんがエントリーカード忘れてきてん・・・・・・」と悲しげに呟いたオタコン軍曹、(忘れてなかったら独りでやるつもりやったんかい!)、私と一緒にやりそうだったけれど、もう帰る時間が迫っていたらしい。しばらく背後で熱心に見学していたが、間もなくママに呼ばれて去っていった。

遠目に見たオタコンのママ、自分より一回りほど若そうだったのにはちょっぴりしみじみ。そうなんだよねー、9才の子の親って、早めの出産だとするとまだそういう年なんだよな。
そんなガキんちょとゲーセンで遊んでるワシって一体・・・・・・と、港のベンチに腰をおろし、バドワイザー飲みもってハトにパンくずを投げつつ、思わず己の人生を振り返ってしまった日曜日。

さて、下の方で「この日記が途絶えたら介護地獄にいると思って下さい」と薄暗い宣言をしてしまったが、実のところ先週日曜日から今日までの空白期間は、地獄どころかパラダイスウイークだったのよ。

ーというのは、受け入れ先はどこもかしこもジジババでびっしり満員なせいで、いつもならばせいぜい一ヶ月にたったの1,2日しか予約を入れられない介護施設から、急に利用者のキャンセルが出たからと、一週間もの間、母を受け入れてくれると連絡があったのだ。

この電話を受けたとたんホッとするあまり、ひざの力が抜けて倒れ伏そうになったわよ・・・・・・ありがたやありがたや、神さまたち(=介護士さん)のおかげで、私たち家族は少しの間だけでも肩の荷を下ろせます・・・・・・

てなわけで、木曜日に母を送り出してから火曜日までは、プロに介護してもらってるという安心感もあって、ストレスフリーの安穏生活。
いや、ホントのところは、いつ前の施設に断られた時みたく
「お母さんは暴れて手に負えないのでもう預かれません!」と校長室への呼び出しコールがかかるか、ずっとケータイを気にする生活ではあるんだけどさ、少なくとも今のところは着信履歴に預け先施設の名前はないので、無問題なんだと思っておこう。


そんな表面的にはピースフルな日曜日、「家事なんか嫌いじゃ!」と言い放つ傲慢不遜な心を入れ替えて、朝から自宅の掃除にいそしんだ。フローリングのふき掃除に加えて、入居してからここまで、マトモに向き合ったことすらない我が家のやっかい者・ベランダ君の掃除もしたよ。

我が家のベランダ君、平米数から言えば大学生が一人住める程度に広い。
だが、ベランダでカクテルパーティーを開くわけじゃなし、ミキ家的にはせいぜい洗濯物を干すだけの空間だからそんなのぜんぜん無駄である。加えて、部屋の回りをL字型にぐるりとベランダ君がとり巻いてるせいで、拭かなきゃならない窓ガラスも多くてもーたまらん!

そんなベランダ君&窓ガラス&網サッシには、4年間の放置プレイがたたって煤煙ビッシリ。いや、窓ガラスと網サッシは思い出したように掃除してるけどね・・・・・・(言い訳)
そこを、ゴンドラに乗ってオフィスビルのガラスを拭いてるプロのお掃除屋さんがよく使ってる、先にゴムべらのついた棒でふきふき、水をふんだんに流しながらベランダにブラシをかけたのだが、四年分の垢がそう簡単に墜ちてくれるはずもなく・・・・・・いくらごしごしやってもドス黒い水が透明になってくれやしない。
三分の一ほどやったところで
ギブ!ギブ!残りは翌週に持ち越すことにした。

ま、どうせ来年末には手放す家だから、別に今目の色かえてやらなくてもいっか、という甘えた考えもふっと心をよぎらないでもないが、きっとあと一年したらもっと煤煙がたまるに違いない。
引っ越し後のお掃除を少しでも楽にすべく、そしてうちに遊びに来たマヤっこがベランダで走り回っても、「足の裏が真っ黒になるからダメっ!」と叱らずに済むように、少しづつ綺麗にしなきゃなんないよ。

とは言いつつも引っ越し後の掃除、想像しただけで今から暗くなっちゃうんだよね・・・・・・いっそプロのお掃除隊(ダスキンとか)を雇おうかとも思うのだが、目ン玉飛び出るほど高いこと言われそうで怖いしなぁ。

いかがでしょう、どなたかお掃除テクに自信のあるお嬢さま、我が家でお掃除のバイトをしませんか?ベランダとか換気扇とか、自然のままにうっちゃってありますので、やり甲斐だけは保証します(笑)。

2008年7月6日(日)

バーで複数の子に取り合いされて(同性だが)、おーっ!これは1/4世紀ぶりのモテ期到来か!?(同性だが)と喜んだのも束の間、「夢はムキムキの外人イケメンに生まれ変わって、すっぽんぽんで白馬にまたがりスローモーションで砂浜を駆け抜けることです!」という発言でどうやら墓穴を掘ったらしいミキです。

一週間以上日記書かなかったり書くとなったら連続して書いたりと波のあるサイトだが、これは私のムラっ気のせいというよりも母の病状の波のせい。
日記が止まっていたら母が荒れまくって家庭は崩壊寸前で、日記が続いたらそれは母が比較的ご機嫌で、介護もわりかし楽だったってこと。

先週末なんぞ、ボケボケな上にお腹まで壊していた母を、過剰なサービス精神で買い物に連れて行ったせいで、駅のトイレでもう、これから先10年は夢に見そうな地獄の体験をしたのだが(尾籠すぎる話ゆえ詳細は割愛)、昨日今日の母は比較的しゃんとしていて、実家の玄関を開けると「まぁ!帰ってきてくれたの、嬉しい!」とピョンピョン飛び上がって喜んだので、こっちの気分もたいそういい。
だっていつもなら帰って「お母さん、元気だった?」と抱きしめてもどんよりした目のまま無反応、目に見えない洗濯物をただひたすらに洗うマネをしているばかりなんだもん。

そんな中、朝、母をデイケアに送り出してからは、貧血も取りあえず治まってわりかし元気もあったもんで、久々にウォートランしちゃろうとゲーセンに行ったところ、開始後すぐに話しかけてきたガキ一匹。「あのぉ、一緒にやってもいいですか?」

うーん、お姉さんスコアタしたいからさ、ホントはあんまし坊やとは一緒にやりたくないんだけどなぁ・・・・・・
しかしふとっちょ君の右手に握りしめられているエントリーカード(本気な人もしくは、うっかり両替機と間違って買っちゃった人しか持っていない専用メモリーカード)を目にしたら、自称ウォートラン宣伝部長としては一緒にやってあげざるを得ないっしょ。

だから「いいよ、手伝ったげる」と答えて共闘開始。ランカーさんにはプッと吹かれそうなエラソー発言だが、大人の世界ではヘボプレイヤーでも、さすがにガキには負けとらへんでぇ!

でもって、何度か書いている通りウォートランは成人にとってさえむつかしいゲームゆえ、なんぼゼニがあっても足りはしない。
だからそこはガキんちょの予算に合わせて(とは言ってもいきなり100円玉10枚も出してきたからびっくり。今日びのガキは金持ちだ)ステージを強制終了させる究極アイテムー関係者の間では「職権乱用」と呼ばれるICBMを発射しまくり、なんとかフルステージ終了した。
いやぁ、それがまた3,4ステージで音を上げると思いきやこの少年、連コでスゲェ食いついてきたもんだからオバちゃんびっくりよ。

エントリーカードを使ってフルステージ終了すると、性別と年齢、自分の好きな名前を登録できる。だからなんか怪しい人みたいでちょっとイヤだったけど、私は少年に尋ねた。「年いくつ?」

すると少年答えて曰く、「9才・・・・・・あ、やっぱり19才にしといて」って、おいおい、なんか慣れてるなぁ、キミ。さっきからしきりにケータイで話してはいるものの、回りに親も見あたらないし、ガキが独りでゲーセンに来ちゃいかんということを知っての発言なのだろうか。

そして「名前は何がいい?好きなのを登録できるよ」と言うと、何の迷いもなく返ってきた「オタコン」という返事。
「え?オタク?」「ちがう、オ・タ・コ・ン!一番好きな名前やねん!」だってさ。“オタコン”が「一番好き」って・・・・・・オバちゃん、久々に小学生男子のセンスにシビれたわぁ(笑)

そんなこんなで小学生との共同演習は久々だったが(以前も知らないガキとやったことあるってのも・・・・・・頼まれると断れないのは母性愛)、ウォートラン三番銃のぽっちゃり系新兵にそっくりな彼とはまた会うような気がする。

じゃまたな、オタコン軍曹!次やる時にはフルオート取っちゃるからな。

2008年7月5日(土)

近頃ちょっと気になっていた「姫ギャル」ーそう、超大盛りのヘアスタイルやネイルアートやアイメイクで和製マリーアントワネットを目指し、「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と言い放てる優雅な生活を夢想するお嬢さん方のことである。

いや、テレビで何回か姫ギャル特集を見たんだけどさ、角度によってはアホにしか見えない(失礼!)姫君たちの、朝4時起床でメークに3時間、夜は明日の化粧のために8時に就寝だなんて意外に規則正しい生活ぶりや、人からどう思われようと「カワイイ!v」と思う己の美意識をかかげて突き進む姿に、あそこまでやると立派だよなー、とジャンルは違えど妙に親近感を覚えちゃったのだ。

てなわけで、姫ギャルの生態もとい嗜好をより深く知るべく、彼女たちの愛読書だという「小悪魔ageha」を買いに走った。

けれど、大型書店の女性誌コーナーの棚の隅から隅まで捜しても、それらしき本は見つからない。しよーがないから店員さんに「あのぉ、『アゲハ』って雑誌どこに置いてますかしら?」と、娘にお使いを頼まれた母のつつましさで聞いたところ、先ほどすでに探索済みの棚に誘導された。

そこでさしもの店員さんも一瞬迷った様子ながら、30秒後に手渡された一冊の雑誌。
あらまあ、これって棚の一番前に出てて、さっきもちゃんと目には入ってたやつじゃない。どうやらあまりにも題字らしからぬデコレベルに、私の脳はよもやこれが雑誌の題名であるとは認識しなかったらしい。

ともあれ無事にプリンセスたちのテキスト入手、ワクワクしながら開いてみると、め、目が!目がぁーっ!!!
ハート&ダイアモンド&パールでデコ盛りされた見出しの数々は、もう、あまりにもキラキラしすぎで目を閉じると残像が・・・・・・

それでも目を休めつつ見ていくと、どうやらこの雑誌、姫ギャルのためのテキストっていうよりも、キャバクラ嬢向けファッション誌みたいね。そういえば最近、「女子大生のなりたい職業アンケート」で、上位に『キャバ嬢』が上がって良識ある紳士淑女を嘆かせてたけど、そんな子たちが一生懸命読んでるのかもなー。

それにしても「age嬢出没三大繁華街ランキング」に大阪ミナミと六本木と並んで、歌舞伎町がナチュラルに上がってるのは、私も正直なとこ「ええんか?それで?!」ってびびった。
もしも私が「歌舞伎町」で連想するものは?と聞かれたら、即座に「風俗、チンピラ、酔っぱらい」と答えるところだが、そんなノワール小説の背景的タウンが、若い娘さん向け雑誌の表舞台に出てくるとはなぁ・・・・・・時代は変わった。

まぁ歌舞伎町以外にも、「きっと、生まれた時から愛してるvカルティエ」(そうなのか?)とか、「夜職の浴衣デーはやっぱり花魁道中」(そうなのか?!)等のファッションや、「つけまつげの上からマスカラを塗る」みたいな特盛りメイク情報プラス、「結婚=女の幸せ成分表」てな夢見がちなページもあって、平成のage嬢たちがどういう地平を目指しているのか、なんとなく分かったような気分にさせてくれる「小悪魔ageha」。

カラーコンタクトと通販キャバドレスと豊胸手術と脱毛と出会い系サイトの広告に混じって、なにげに「幸福を呼び込むスピリチュアルグッズ」なんて怪しげなものも紛れ込んでいるのを目にすると、「ダンナに求める三カ条ーイケメンであること。年収2〜3千万。部屋は別々でも気にしない、でもお金は入れてくれる人」なんてお姫たまたちが悪い輩に引っかからないことを、老婆心ながら祈るばかりである。

2008年7月3日(水)

近所の花屋に並んでいた変な鉢植え。思いつきを三次元化した結果えらいことになってしまったらしい。タイヤ屋さんのミシュラン君にインスパイアされたんだろうか?やりたかったことは何となく分かるものの、ヘッド部分にしか花植えられないわ不安定だわ場所取りだわで、どこに置こうと邪魔者あつかいされてそう。

ううぅうっ・・・・・・もうアカン・・・・・・耐えられんーっ!(演奏中のCDをポチッと停止) 

いや、会社の後輩とライブの話になった時、ヨーロッパのレイヴ(というのか?)に行くほどダンスミュージックが好きな彼女に、それが一体どんな音楽なのか見当もつかなかった私、「どんな感じか一度聞いてみたいなー」とサービス精神半分で興味を示したところ、「ちょっと古いCDなんですけど」といろいろ貸してくれたんだけどさ。

ケミカルブラザース、アンダーワールド、ダフト・パンクetc・・・・・・借してもらった以上は感想の一つも述べなきゃならんだろと全部聞いたものの、音楽を聞き続けることにこれほどの忍耐を要求されたのは、ビートルズの全曲中、最低最悪クズゴミ作品の誉れ高き、現代音楽くずれ・「レボリューション#9」以来。
それでも我慢して聞いてるとなんだかもう、貧血と歯痛どころか心拍数までおかしくなってきたぜ・・・・・・。

でも、人の数だけ好みはあるもんで、世の中にはこういう音楽にたまらんグッとくる人も大勢いるんだろう。
その証拠に借りた内の一枚、「ライブ・オン・ブライトン・ビーチ」のジャケットでは、街を真っ赤に染めながら大移動するクリスマス諸島のカニの大群の勢いで、わんさかとビーチに集結した英国ヤングメンが、雨乞いをする農民のように両手を天に突きだして、アンダーワールドやらローランド・クラークの演奏に陶酔してるじゃないの。

でも悪いなぁCさん。せっかく貸してくれたんだけど、やっぱりこの手の音楽は昭和の女の耳には厳しいみたい・・・・・・
そう思いながら、ケミカル・ブラザーズのリーフレットを開いてみるとこうあった。

“テクノの切迫感とアシッドハウスのホワイト・ノイズ、パンク・ロックのクランチと強烈さを兼ね備えたこのレコードで、トムとエドは多くのバンドの憧れの的・リミキサーへとのし上がった・・・・・・”

アシッドハウス?クランチ?リミキサー?なにソレ?説明書きからしてぜんぜん意味分かんねー!いや、「ホワイトノイズ」って言葉だけは見たことある、「SAS敵地脱出マニュアル」の「拷問」の項で・・・・・・。
確か精神的に参らせて機密情報をゲロさせるため、縛った捕虜の耳元のスピーカーからエンドレスで流すピーピーガーガー音のことだよね。(違います)

なにはともあれ分かったこと、それはダンスミュージックは自分にとって、ある意味イラク軍の拷問に近いものがあるってこと。
これからはCさんに音楽の話を振るのはやめておこうと思う。

2008年7月2日(火)

私は首が悪い。ねじれた首に変な具合で力がかかるせいか肩こりもひどい。
これは7,8年前、裸の大将的スタイルの住所不定男の運転する車(その後、賠償もせずにトンズラ・・・)にぶつけられてむち打ちになっちゃったせいもあるんだが、そもそも首は生まれた時からポップン版ハーネマンーとまでは行かなくとも、かなりしっかりポッキリ曲がっていたそうだ。

そこへもってきて「あらまあ!この子、首が曲がってる!」とあわてふためいた親が、おくるみに包んだ私を抱えて整形外科医の門をくぐったためー生後間もない赤子の首にマッサージをほどこすなんて現在ではありえないことらしいーますますドツボにはまってしまったらしい。
決死のマッサージの甲斐なくモロ分かりの斜頸は中学生の頃まで残っていて、どれを取っても媚びを売るかのように首をかしげて写っている当時の写真を見ると、同級生に「やーいやーい、ぶりっ子やーい」と言われて歯噛みした苦い記憶が蘇る。

前置きが長くなった。そんなこんなで梅雨の時期になると古傷が痛んで、週一回の整骨院通いを欠かせない私に朗報が届けられた・・・・・・って、単にテレビ見てただけなんだけど。
番組で紹介されていたその病院、なんでも国内唯一の「枕外来」で、いろんな検査を経て肩こりや首痛の原因を探った上で、その人に一番合った枕を処方してくれるらしい。

「何十年も不眠に悩まされてきたんだけど、ウソみたいによく眠れるよ!」「あんなにひどかった肩こりが消えました!」「すごい!枕がこんなに大事なものだったとは!」

肩こり、頭痛、不眠症に悩まされてきたお仲間たちのそんなドラマティックな体験談を耳にすると、これまでの自分の首の具合の悪さは、すべて枕に起因するような疑心暗鬼に捕らわれて、考えすぎなタイプの私はもう居ても立ってもいられない。
なになに、病院の場所は相模原かぁ、遠いなあ、でも交通費のことなんか言ってられない。私もさわやかな目覚めのため、一刻も早く山田朱織先生にマイ枕を作ってもらわねば。

そこで早速予約を入れるべく病院のHPにアクセスしたんだけどさ、予約ページを開いたとたん、「ー」ってマークは「空」って意味だっけ?と、一瞬日本語が分からなくなった。

気を取り直してよく見るまでもなく、「ー」は「空」を意味する記号ではなく、「予約済み」を表す記号。それがもう、朝から晩まで、8月末まで、たった一つの「空」のマークもなしにビシーッと行儀よく並んでいるのだ。その光景は見ようによっては幾何学的に美しくて、なんか二次元に生きる種族の居住区に迷い込んだみたいな気分に・・・・・・。

でもって「9月の予約は7月1日受付開始」とあるもんで、7月1日まで待つしかないやと思っていた私。
昨日は貧血で思考力ゼロだったせいでうっかり忘れており、さきほど予約サイトにアクセスしたんだけど、あちゃー!やっぱ出遅れ!
肩こりに悩む人々はたった一日の猶予すら与えてくれはしなかった。7月2日の朝5時にもかかわらず、9月の予約は見事なまでに「ー」で埋め尽くされていた。

おおお、世の中にこれほどまでに最高の枕を求める人が多いとは・・・・・・しょーがないから、次の予約開始ー8月1日午前0時には、ぜったいパソコンの前でスタンばっておかねば。

山田朱織先生の枕サイトはこちら。貴女もぜひ「ー」の行列をご確認下さい。(「www.マクラ」ってまんますぎだ)tp://www.makura.co.jp/
サイトトップにある「9月分の予約につきまして、7/1午前0時に、予想範囲を上回る、圧倒的なアクセス過多となったため云々」の「圧倒的」って部分が圧倒的に恐ろしい。8月1日午前0時もきっとおんなじなんだろうな・・・・・・ぶるっ。