2014年12月19日(金)

今日も寒い。つい最近まで自宅の暖房は節約のために辛抱してきたが、ついにガス魔法(ファンヒーター)を使っちゃったよ……。
そうなると人間、どんどん自分に甘くなるもので、ガスの暖かさだけでは満足できずに電気魔法(エアコン)まで開放。それでも寒くてたまらないんですが。

おかしい。このエアコン、動作音はすれどもちっともぬくくならないのだが。室温も10度から上がらないし、壊れてんの??!!と電気の下僕を罵倒しつつ、震えながらキーを叩く出勤前の楽しいひとときです。((((・ω・))))

さて、今日の目覚めも飽き飽きするほどブルー……。目覚めた瞬間に頭に浮かんだ「カナはもうこの世にいないんだなあ」という思い。今に始まったことじゃないとはいえ、朝の一発目がそういうのってあんまし楽しくない。

でも今日は、自分の思いに呼応するように「ちゃあちゃ、元気出して!」とカナの声が頭に響いてきた。これは霊界通信なのか、それとも自己保存本能が作り出した幻聴だろうか。
まあ別にどっちでもいいや、と投げやりに考えながら顔を洗ってパソコンを立ち上げた。最近、起動時に「ガリッ、ガリッ」という音がするようになったから本気でやばい。修理に出さねば、とは思いながらもMac工房へ持っていく気力がないのだ。

ここ数日間パソコンを立ち上げていなかったからメールがけっこう溜まっている。そのほとんどは銀行と株屋とFX屋からの、早くしないとアベノミクスに乗り遅れますよ!とのお誘いメール。
「儲け話しなんかもういいよ……。」とうんざりしながら広告メールを削除していると、SBI証券と野村証券のメールのはざまに、当サイトトップのメルフォから届けられたメールを発見した。

無記名なのでどこのどなたが下さったものか分からない。が、その文面を見た時、パソコンを抱えたままスキップダッシュでMac工房に修理に持って行き、返す刀でFX口座にログイン、南アフリカランドをレバレッジ25倍で買い付けたくなるほど胸が高鳴った。

ご本人の承諾を得ずに掲載するのは気が引けるが、きっと許してくださると思うので、事後承諾を乞いながらここにメールの一部を掲載させて頂く。

(前文省略)
今日はレマルキスに関する面白い情報を拾ってきましたよ!
少しでもミキさんの心の栄養になれば嬉しいです。

スノーピアサーのエッグヘッドは
ウィルフォード氏と公式でデキているそうです。
映画を観た時「このふたりあやしいなー。デキてんじゃないかなー」と
によによしていたのですが
まんまと監督が仕掛けた罠にかかっていたようです。
「エッグヘッド」「スノーピアサー」でググると
ポン・ジュノ監督のインタビュー記事を一部翻訳したツイートが読めますよ。

「スノーピアサー」とは、はじめから終わりまで画面が薄暗いせいで、目をカッと見開きすぎてドライアイになりかねないSF映画。
ここではレマたんが「エッグヘッド」というもうちょっとひねったれや……と言いたくなる役名でもって、ゆで卵を配ったりかわいそうな人たちを虐殺したりしており、腐女子はエッグヘッドと主人公(クリス・エヴァンス)の敵のボスであるウィルフォードさんをくっつけて、妄想世界に遊んでいたのである。

だが、事実は妄想より奇なり。公式で監督が「ウィルフォードはバイで、エッグヘッドとも寝てるよ。二人が電話で会話するシーンはそんな怪しさを出してみたよ」とコメントしていたなんて、夢にも思わなんだ。

妄想の池に将軍自らエサをまいて下さるかのようなインタビュー。池のコイとしては食らいつくしかない。腐女子的燃料、これはどんな美食にも勝る喜びとエナジーを与えてくれるもので、今の私は目覚めた時の憂鬱はどこへやら、って感じである。

素晴らしいメールをありがとうございます、名も知らぬお方!おかげさまで命が1,2年延びた感じです。
今夜は会社が終わり次第ダッシュで「スノーピアサー」を借りてきて、ウィルフォードさんとエッグヘッドたんの電話会談のシーンを、舐めるようにチェックするつもりでございます。

これがくだんの電話会談シーン。腐女子クラスタはこのシーンを見て、「きっと彼はウィルフォードさんの声しか知らないんだよ」「電話エッチはしてるよね」などと語り合っていたのだが、まさかガッツリやってたとは!

かわいそうな人たちを撃ちまくるシーン。

パキスタンのパンジャビスーツみたいなスリットがセクスィー(=´ω`=) だがよく見ると胸にはウィルフォードの「w」のマークが刺繍されており、一気にオヤジのパジャマ感を増している。


これからパソコンを修理に出しますので、ちょっと更新が滞るかもしれません。(今、マンションの下でパソコン屋が待ってるんだ!)戻ってきたらサクサク更新したいと思いますのでどうぞよろしゅうに。

なお、エアコンがぜんぜんきかない!と怒っていましたが、リモコンが「冷房」になっとりました……。

2014年12月17日(水)

長い、重い。

ふてぶてしい。

でもお尻は意外と無防備なの(=´ω`=)

人間以外の生物になる夢を初めて見た……。はじめは人間として小さな緑色のトカゲをじっと見つめているのだが、意識が徐々にトカゲに乗り移っていって、気付いた時には自分に襲いかからんとする巨大な蜘蛛と話していた。

お願いです、食べるのは勘弁してください。そう蜘蛛に乞うと蜘蛛はしばらく考えてからこう言った。
今私が作ったばかりの卵の入ったこの袋。しばらくするとここから何百という子供たちが出てくるんだ。今見逃してやったらお前はその時ここに戻ってきて、子供たちに食べられると誓うかい。誓うならば今のところは見逃してやろう。

誓います!誓います!トカゲの体ではうなずくことはできないけれど、私は必死でそう答えた。答えながら、ひとまず逃げてしまえばこっちのもの。ここに戻ってくる必要なんかないと思っている。
そして、そう考えているトカゲはずるい奴だ、でも己の命を最優先することは人間以外の生物としては当然のことだし、と眺める自分もいて、さらにその外には全ては夢だと分かりつつ「なんだよこれ、どこの民話だよ……。」と呆れながら夢を見ている自分がいる。

自意識が三重構造になっている夢から醒めたときには、めまいがしてひどく疲れていた。
このところ自分が今いる時間と空間がどこなのか、一瞬見失いそうになる夢をよく見るのだが、トカゲなんかになってしまうと、自分が2014年12月17日の日本に生きている人間の女性であることすら見失いかねなくて、日常生活を送る上ではあまり喜ばしいことではなさそうだ。

来る日も来る日も考えてばかりいるせいで、脳味噌がオーバーヒート気味なのかもしれない。それでも家族に不本意な最期を迎えさせてしまったという罪の意識から逃れられないのなら、それを逆手に取ってより思考を深化させるしか自分が楽になる道はない気がするのだ。

ここから先は、脳味噌に負荷をかけすぎて精神的に病んでしまう可能性も少しはありそうだけれど、人生を半分以上過ぎたこの時期に、一度「自分のおさらい」をするいい機会だとも考えている。こんなにじくじく考えてばかりなら、いっそウパニシャット哲学でも学びはじめようか……なーんて通勤電車に揺られながら、どうでもいい考えをひねり回す毎日だ。

2014年12月12日(金)

ボーナス出た。予想をかなり上回ってた。でもアベノミクスなんかにゃだまされないぞ!と全額定期預金にほりこんだ。たくさんもらえたら一眼レフを買おうかなあと思っていたけど、いざ現金を手にすると消費意欲がしょぼしょぼ。使う気が消え失せた。

以前ならこれだけボーナスが出ればぜったいカナを呼び出していただろう。焼き肉屋で「ロースでもなんでも好きなの注文しなよ!」と言って、でもカナは遠慮して鶏もも肉なんかを頼んだりして。それからカラオケでマッチやポルノのメドレーを歌ってもらって、そして小遣いをやるパターン。「そんなの悪いよぉ」と言うカナに「いいからいいから!」とお金を握らせると、いつも申し訳なさそうに受け取ったものだ。

しかし小遣いをあげる妹も、ちょっとふんぱつして美味しいものを買って帰る父母もいない今、金銭を手にすることがこれほどまでに虚しいとは。
ちょっとしたぜいたくすらする気にもなれなくて、ボーナスをもらった帰りにはサイゼリアに寄ってご飯を食べた。2時間半の滞留で988円。でもカナはこんなチープな外食すらできないままに死んでしまったのだと思うと、自分だけぜいたくしているみたいで罪悪感に胸がヒリヒリする。

そういう感じでボーナスをきっかけにまたうつが加速。しばらく沈むかもしれませんが、そのうち浮上しますのでご心配なく。

明石駅前でスタンバッているドバトども。
視界の果てで一羽がパンくずもらっているのを発見するや否や、いっせいにフン爆弾を投下しながら、すさまじい羽音をたてて飛び立つのだ。

秋の風物詩、菊花展。菊って見るたびに「色のバラエティーは少ないしなんか地味だなあ」とあまり好感を抱けないのだが、作るのはけっこう楽しい。
ましてや精魂込めて育てた作品が大臣賞を授与されようものなら、その喜びはいかほどのものか。

私も中学生の頃にちょっとだけ菊づくりにはまったから、このこんもりっぷりに至るまでの苦労は想像できる。実に愛らしくて上品で、そして丸い、丸すぎる。

明石といえば明石海峡で捕れるタコが名産。明石市は自らを「オクトパスシティー」と名乗るほどの持ち上げようである。
当然菊花展にもナチュラルにタコ。明石にある限り、たとえそれが菊であろうとタコ化は避けて通れない。

先日の日記にあげた「変な歯のポスターを売っているアンティークショップ」に飾られていた気品あふるるわんこの絵。
「あっ!イングリッシュコッカーだ!」と飛びついたものの、マヤちゃんとはわんわんカーストが違うのに気づき、購入は思いとどまった。このイケメンぶり、同じ犬種とは思えない。

あっ!イングリッシュコッカーだ!

薄目をあけたままブタみたいにいびきをかいています。

2014年12月9日(火)

 おちばふぶきのなかでマヤちゃんがダンスをしています

ぼんやりしているともう12月も9日目。明日はいよいよサラリーマンのお楽しみ、ボーナスデーだ。
新聞(主に日経。赤旗にあらず)を開けば昇給とかボーナス増とかの景気のいい文字が踊っている。なんでもこの冬のボーナスの平均支給額は60万円弱とのこと。

けれどもすでに景気が上向いていたはずの夏のボーナスですら10万そこそこだった零細企業の勤め人としては、期待するとガッカリのあまり出社拒否になりかねないから、冬もまた10万だと覚悟しておく。

うちは輸出企業だから円安でウホウホだと思われがちだけど、それはトヨタとかソニーといった大企業のおはなし。発言力の弱い零細なんか、円安になればなったでガミガミおばさんみたいな客から「さっさと為替レートの見直ししなさいよっ!」としょっちゅう求められるせいで、ちっとも美味しくないんだぜ。

でも、もしも20万もらえたら、オレ、新しい一番レフ買うんだ……とささやかな夢がふくらむボーナス前夜。さて、ふたを開ければどうなることやら。

2014年12月6日(土)

8月から今までに覚えているだけで三度、カナの夢を見た。来る日も来る日も考えている割に、たったの三度かという気もする。
一度目は先日の日記に書いた「行きつけのバーとかがある元気なカナ」の夢で、二度目は2,3日前の「姉妹三人でドイツ旅行をする夢」だった。

生まれてから一度も海外に行ったことのないカナを、どこかに連れて行ってやりたいという思いは私にもヘボピーにも常にあったもので、いつでも行けるようにと昨年パスポートを取らせておいた。
しかし今年の正月のバングラデシュ行きは旅費があまりにも高すぎて、カナの分まで出してやることができず、GWのスリナガルの時には誘ったもののすでに体力がかなり衰えていたカナは、インドはしんどいなあ、ちゃーちゃたちに迷惑かけるわ……と行こうとはしなかった。

こんな結末を迎えるとは夢にも思わなかったものだから、秋に台湾か香港にでも連れて行ってやるか、とヘボピーと話しつつ、一度も判を押されることの無かったパスポート。まっさらのそれが枕元から出てきた時には、「楽しいことのない生活で、唯一夢みたいなことの手掛かりだったのかと思うといたたまれない」とヘボピーは泣いた。

でも、そういう後悔を吹き飛ばすくらいに夢の中のドイツ旅行は楽しくて、姉妹三人で笑いっぱなし!夢とは思えないくらいリアリティーがあったせいで、目覚めてからしばらくの間も幸福感にひたった。

夢の中のカナはいつも笑っていて、それは私に安らぎを与える。ひょっとすると平行世界というのは本当にあって、そこでは幸せに生きているカナがいるのかもしれない、と想像するのは私にとって大きな救いだ。


こんな風に思っていたら、三度目の夢はちょっと違った。
昨夜見た「夢」というのか、睡眠と覚醒のはざまにいる時に押し寄せてきたイメージ。そこで私はカナが倒れている部屋に佇んでいる。死斑が浮き出た腕を見つめながら絶望している。すると遺体がゆっくりと動きだし、立ち上がって無言のまましがみついてくるのだ。

でも、怖いなんてことは全くなかった。これは「起きたら死んでました(=´ω`=)」のパターンかなのかなぁ、という思いがちらりと頭をよぎったものの、引っぱって行きたいならいいよ、一緒に行ってやるよとカナの体をしっかり抱きしめたところで覚醒した。

これも一種のPTSDだろうか。第一発見者として受けたショックは心に深く刻まれて、消えることはないのだろう。日中でも突然にあの光景がフラッシュバックすることもある。
「ミキさんは送り人だから(受容しなさい)」と指摘する友人も、「妹さんの死はちょっと早すぎたね。何よりもミキさんには第一発見者にはなって欲しくなかった……。」と意味深なことを言っていたことだし、私の心のタイプにとっては乗り越えるのがむつかしい経験なのかもしれない。

それでもやはり私が見つけてやれて良かった。腐敗臭で近隣の人に発見されるなんて、そんなの絶対イヤだ。
何でも自分の眼で確かめないと気が済まないタチだし妹は私を頼っていたから、私でなくてはならなかった。私が第一発見者でしかありようがなかったのだ。

昨夜の夢では痛みかけてたけど、カナはやっぱりカナ。肉体は魂の乗り物にすぎないのかねぇ……と思いながら、どんな形であっても会えて嬉しかったよ、とひとりごちた。


……と毎度毎度ダークなことばっかり書いてるから、ミキさん大丈夫か?死ぬんじゃないか?と心配してくださる方もおられることだろうが、実のところ頭の中身を占めているのは妹ばっかってわけじゃないんだ。

まあ3割が妹で3割が余命の短いマヤの心配、1割は父(かまってちゃんの父だけあって、まだまだ心に引っかかってるんだ。)と7割はダークながら、残りはレマたんことトーマス・レマルキスで占められている今日このごろ。

国内で普通に観られるレマたん出演作品は「ペインレス」「iPS −イントリュージョン・オブ・プレデター・ステムセル(このタイトルなんとかせえ)」「スノーピアサー」「ラストミッション」のみで、本来ならネタ切れで悶々とするところである。

だが一歩ネット世界に足を踏み出すや、ようつべでは「スーツのままでバスタブにIN」、びしょ濡れワイシャツ貼り付き乳首スケスケのミュージッククリップやら、「インドの山奥で褐色男子とマッパでキャッキャしてるフランス兵士役の映画」なーんて宇宙食並みに滋養に富んだ映像がゴロゴロ。

海外アマゾンに目をやれば、日本未公開作品が10ユーロくらいで販売中。あまつさえご本人がインスタグラムやってるし、公式サイトにメルフォも設置。レマルキスドアはワイドにオープンしすぎて、死んだやつらのことばっか考えてる場合じゃねえ!って逆ギレしそうな感じなのだ。

そんな中、昨日はクリスマスプレゼントを前倒しで配達されたみたいな、スーパースペシャルウルトラMAXデラックスなできごとが発生。

レマたんが孤独な天才ヘンテコ少年を演じて、胸キュンのあまり酸素不足になるアイスランド映画「氷の国のノイ」。
こいつのDVDは10年前にインディーズレーベルから発売されたものの、今では絶版でアマゾンマーケットプレイスでは安くて三万円近く、と阪神大震災直後の屋台のラーメン屋のごとき足元見られっぷりだった。

それでも「3万でもしゃーない、買うかーっ!」と心を決めた時、ふっと天使がささやいたのだ。「ダメもとで出版元に問い合わせてみてはいかがかな」と。
そこで、マイナー芸術映画関係の出版元に99.9%の諦めをもってメールしたら、図書館でムーミンシリーズを物色してるところへブィーンブィーンと震える電話。(マナーモード)

電話の主は他ならぬダゲレオ出版のおにいさん。
「お問い合わせのDVD、シュリンク包装がちょっと破れてるものでよければ一本だけ残ってます」
静かにすべき図書館で、思わず
「うひぃぇぇぇえ──っ!」と奇声がもれたわ。ありがとうおにいさん!気の早いサンタクロースありがとう……。

いや、英語字幕付きの海外版はとっくに英国アマゾンからゲット済みだけれども、英語字幕では誰にでも「見れ!」と押しつけられるものじゃなし、だいいち私も英語字幕はしんどい。
それにアイスランド語→英語翻訳→自分の脳内で日本語変換という作業を経るよりも、アイスランド語→日本語翻訳の方がより原語のニュアンスに近いのではと思うのだ。

そんなこんなで来週には国内版のノイたんに萌え萌えできる幸せよ。
同時に数日前、ポップンミュージックのキャラカードについにハーネマンが登場!とミッヒファンを狂喜乱舞させるイベントも発生。Wスキンヘッドに幸せを運んでもらって余は満足じゃって感じである。

そんなこんなでちょっと気力が戻った師走の管理人。悲嘆にくれる者を救うのはやっぱ萌えしかねえわ!とはしゃぎつつ、そこそこ楽しくやっとります。

2014年12月4日(木)

DIESELのショーウィンドウで発見。こうなったらマンモス狩るしかねえ!


朝のあわただしい時間帯だというのに、さっきまでテレビにかぶりつき。たまたまつけためざましテレビでJ-POPのヒットソング101曲メドレーを放映していたからだ。この3,4年のJ-POPはぜんぜん知らないけれど、古い曲も流れていて懐かしい。

やっぱジャニーズ、いいわよねえ!特にファンってわけでもないけど、若い子が生き生きしてるのを見ているだけで、オバちゃんもエネルギーのおすそ分けもらえる感じだわぁー、なんて微笑みながら見ていると、近藤雅彦デビュー35周年を祝うマッチメドレーが流れてきた。

マッチといえば末妹が大ファンだった。登校拒否の中学生の頃、部屋に引きこもって一日中マッチのレコードを大音量でかけていたものだから、私たちの脳内でも今なお♪ギンギラギンにさりげなく〜♪と、マッチの歌が突然リプレイされる。

荒れた10代を乗り越えて社会人になり、姉妹でカラオケに行くようになってからは、カナ、マッチのあの曲歌ってよ!とリクエストすると、家族に迷惑かけたという後ろ暗さもあったのだろうか、ちょっぴりきまりが悪そうにマッチメドレーを歌ってくれたものだ。

中でも私は「A-Ho Dori」が大好きで、カラオケに行くたびに頼んでいた。マッチとかミスチルとかポルノとか、私が歌えないような歌がとても上手だったんよね、カナは。

出勤前で忙しいのにテレビ見てる場合じゃないんだけどなあと思いつつ、カナ、マッチやで!マッチ!懐かしいよねえ、とつぶやきながら年相応にしわが増えた近藤雅彦を眺めていると、妹がテーブルのあちら側に座って、「マッチも老けたなぁ〜、ははは」と相づちを打っているような感じがして、ふっと胸が暖かくなった。

霊魂はほんとうに存在するのかもしれないと漠然と思う今日は冷たい雨の朝。あと二日間、お仕事がんばります。