きらびやかに飾り立てられたメリーゴーランド、鼻をふくらまやる気マンマンなマッチョ牡馬に寄り添われ、マライヒ似のアンニュイ馬がお耽美に廻っていた。

因みにメスの馬は「ひんば」だが、オス馬は「ぼば」であることは意外と知られていないかも。「ぼば」・・・うっかり横線を一本書き加えそうになる。(※)

※......当家にいらっしゃる方なら99%ご存じだろうが心配になってきたので念のため。「ぼぼ」とは九州地方(熊本?)の女性器の俗称。

ネズミーランドと同様、ここスペイン村でもファンタスティックなパレードは行われているぞ。

だがフロートに乗っているザ・シングのシュールさを見よ!ここのフロートにはネズミとアヒルとキレイなお姫様の代わりに、裸の花女SDピカソが乗っかっているのだ。

夜な夜なよい子の夢に出てきては、布団にスペイン地図を作らせる魂胆があると見た。

スペイン村のパレードは「フロートとは万人受けする楽しく可愛いモノ」という先入観を見事にくつがえしてくれる。

このフロートのメインはダリのマスク・・・子供時代、「焼いたベーコンのある柔らかい自画像」というダリ作品は、私とヘボピーを恐怖と悪夢の渦に叩き込んだものだ。

カラフルでとっても華やかなのにちょっぴり怖くて近寄りがたいという点では、チョウチョやミツバチの羽根をつけた身長180センチ越えのドラァグクイーンを満載した「東京レインボーパレード」(ゲイ&レズビアンパレード)のフロートに近いものがあるような。

子供向けなフロートが登場したと思いきや、左右に首をゆらゆら揺らしながら登場した牛さんは、ラリっているのか目が相当にヤバい。このフロートのテーマは洞窟壁画の「アルタミラ」。うーん、アダルティー・・・まだ小学校で世界史を習ってない子供にはイマイチ伝わらんだろ。

おっ!大道芸人ズか?!やっと分かりやすいお子さま向けのフロートが!!

ほっと胸をなでおろした我々に磨き抜かれた芸を披露してくれるのは・・・

ピッチリ・モッコリ氏エビゾリ・コマネチ氏。別の意味でアダルティーね。
さぁさぁ皆さんもご一緒に!同じアホなら踊らにゃソンソン!フロートの最後尾ではHカップの雌牛が花束を抱えて盛り上げてくれる。

だが芸術家は大衆に媚びないものなのだ。客に尻を向けたままひたすら制作に没頭していたのはピカソ。「ゲルニカ」に続いて人類の愚行を描き出す新作は「ジオン独立戦争」。
ぴっちりした赤パンと頭髪の薄さがえもいえぬエロティシズムを醸し出している。

概して凍結果実チューハイになりそうなさぶすぎる施設(特に「チャッキーのふしぎなおうち」!必見!)が多いスペイン村の中でも、人は入場料の元を取ろうとせっせと「よかったさがし」に精を出していた。
シュールなパレードに紛れ込んでいた(やや)イケメンが視界に入るや否や、女性陣の押すシャッター音はりえ&貴ノ花破局会見をしのぐ音量でスペイン村に鳴り響いたのだった・・・

このように志摩スペイン村はネズミの国やビーグル犬の国に比べれば、確かにさっぶい施設かもしれない。

だが、B級愛好家の私としては「はいどうぞ」と最高の楽しみを差し出してくれるテーマパークよりも、路傍の石にすら笑いを見いだそうという真摯な心になれるこっちの方が楽しめるんだよね。(誉めてない?)

とにかく、伊瀬志摩に行かれるならついでにスペイン村にも寄られてもソンはないんじゃなかろうか。
ただ、定価で入場チケット買ってたら「よかったさがし」をしても追いつかないからね、近鉄の「ぐるりんパス」など施設入場券もついた周遊パスを使われることを
強力にプッシュしておきたい。

ドンキホーテ:「ではまた会う日までサバラ!!
サンチョ:「待ってくださいオヤビン〜
オヤビン〜