以前中尾ミエが「ミエと遊んでぇ〜ん」と伊勢エビコスでクネクネするキツめのCMがあったが、伊勢といえばエビ。
料亭のいけすではなく鳥羽水族館で堂々と展示されているが、これを見た人々の感想は単に「うほっ!ウマそーなエビ!」、これ一本・・・

歯がボロボロになるのでシンナーの吸いすぎには注意しましょう。

魚だけにギョギョッ!(古)どうしてカレがこんなところに?!
うっかり「今日はゴルフじゃなかったの?」と話しかけてしまった。

「アマゾン館」にいた魚。ユーモラスなブタ鼻のくせに見る者の笑いを凍り付かせるアンタッチャブルなムードが漂う。コロンビアかチェチェン・マフィアの幹部にこういうヒト、きっといると思う。

普段はブツブツ独りごと言ってるだけなのに、時々幻覚を見てとんでもないことをしでかしそうな魚。何を見ているのか分からないうつろな目が怖い・・・「魚のような目」とはよく言ったものだ。

魚は泳ぐ 暗い海の中を・・・学生時代に習った詩を思わず口ずさんでしまった。(海じゃなく川だけど)
2メーター近くある上に背骨がゆがんだ(他のピラルクは普通)銀の魚が、照明を落とした水槽の上をたゆたっている・・・大脳の奥が刺激されて太古の記憶がうっかり呼び起こされ、うなされた挙げ句オネショしそう。

このようにアマゾンの川に住む魚は、ヤマメやメダカやマスやフナといった地味キュートな魚に馴染んだ日本人にとって、あまりにも濃ゆく、あまりにも遠すぎる存在だ。

これらアマゾン館の水槽を覗きながら、ヘボピーと「飛行機が墜落してアマゾン川で遭難したらどうしよう!?」「こんなキモい魚にお尻つつかれたら失神するよね!」「アマゾンだけでは遭難したくないよね!」と日本に生まれた幸運を喜び合った。

だが、閉館直前に二人が走って見に戻ったのは他ならぬアマゾン館・・・なんやかんや言ってすごいお気に入りぶりだ。

目をそらしたいのに見てしまう。そういう魅力がここにはある。
一年後、すっかり忘れた頃に夢に出てきそうだ。背骨の曲がった巨大な魚が。

キモ過ぎるアマゾンの魚たちの水槽の隅には、「生まれてすみません」と謝っているような地味な存在が・・・
説明書きによると、これはアマゾンに生息するアマゾンスッポン(正式名は忘れた)らしいが、どう見ても冬に料理屋で出てくるナベの具と同一種としか思えない。

ファンタスティックエイティーファイブ。

伊勢湾で網にかかり、昭和32年には上野国立博物館に貸し出され、昭和天皇も興味深くご覧になり「天覧標本」として話題になったという85本足のマダコ
私にとっては鳥羽水族館のハイライトは、ラッコやジュゴンではなくこの標本とあとアマゾン館だった。

マダコの多足化は、損傷を受けた組織の再生異常に起因すると考えられているそうだが、8本の足が85本に増えるまで何度も損傷を受けながらなお生き延びただなんて・・・
しぶとい!
しぶとすぎる!男塾の塾生並だ!

こちらは56本足のタコ。鳥羽水族館にはこの他にも多足タコが良く持ち込まれるそうだ。
「足の多いタコはとりあえず鳥羽水族館に持ってっとけ!」という漁師オヤジの声が聞こえてきそうだが、多足ってホンマに再生異常なの?魚類学者のセンセイ?!実は伊勢湾のカドミウムが・・・なんて理由じゃないことを祈る。

バックが黒いものオンパレードだったのでラストは癒し系でお口直ししてください。

「おねがいだからハマグリちょーだいよぉ!」必死こいてお兄さんにお願いする癒しならぬ口いやしいラッコちゃんは、ジュゴン&スナメリと並ぶ鳥羽水族館のセレブ。
しかし海草やっときゃ喜ぶジュゴンとは違って、ハマグリやホタテなどの高級食材をあっという間に平らげるラッコは、たいそう高コスト体質の生き物なのです、