シャダ萌えエジプト旅行リターンズ<エジプトのケモノたち3>

さて、動物がたくさんいるところといえばなんといってもジャングルとサバンナと動物園。

古代の壁画に住む動物たちについては、のちほど古代エジプト犬考察「犬はともだち」、そして「壁画の国のケモノたち」の項で取りあげるとして、ここでは5月に訪れたギザ動物園に住まうケモノたちについてちょこっと取りあげてみたいと思います。

・・・とはいえ、5月初頭のカイロはすでに、瀬戸内海の温暖な気候ですくすく育った軟派関西人にとってはかなりキツいホットウエザー。
上昇する一方の気温と嗅覚をさいなむケダモノの匂い、そしてテンパって奇声を上げるエジプト少年少女のパワーのせいか、腹下しがますますひどくなった私は動物園の奥にある大動物(ゾウやライオン)のオリに到達するまでに音をあげてUターンしたのでございます・・・


井戸の中に住むマリクもきっとあこがれたであろうギザ動物園のエントランス看板。
場内では家族連れが大挙してフラミンゴやダチョウのすぐ隣りで弁当を広げたりしている。ハト小屋設置のレストランといい、エジプトのひとはトリを見ながら食事するのが好きなのだろうか・・・

この看板にあるように、貧しい人でも家族サービスをとの政府の配慮なのかどうなのか、入場料はたったの25ピアストル(約5円)
外人旅行者のトイレチップの相場が50ピアストルだから最初は「やっすーうーっ!」と思ったものの、ターメイヤ(コロッケみたいなもの)も25ピアストル程度。バスなんかどこまで乗ってもワンライド50ピアストルだからなぁ・・・動物たちを食わせていくにはタダにするってわけにもいかないんだろうが、べつだん安いってわけじゃないのかも。

ヒエログリフで「A」の音価をあてられるかの有名なエジプトハゲワシはこんな鳥です。
なんだかしょぼくれて止まり木にもとまらず草の上でジジィのようにうとうとしてたよ。夜になったらシモン様みたいにやおら活発に動いてくれるのだろうか。

こちらは左写真で怒った顔をしてふくらんでいる鳥。
エジプトハゲワシのヒエログリフ。

ウラエウス(蛇)と並べられて王権を象徴するネクベトはこちらシロエリハゲワシ。

これは私の好きなヒエログリフ・いぼ(諸説有)。ガーディナーのヒエログリフ文字リストでは「分類不能」になっているのがこれまたミステリアスな存在である。

ここでは多少のお金を払えばシカに菜っぱをあげられるというサービスもやっている。
でもみんながみんな親にエサ代をもらえるわけじゃない。しょーがないから他の子が菜っぱをやるのを大声ではやし立ててみたりするのだ。

きっとギザ動物園はエジプト少年少女の数少ないお楽しみスポットなのだろう。左のような小さな子から高校生っぽい奴らまで異常なまでのハイパー盛り上がりぶり
この少年たちは私に習いたての英語で話しかけてはいちいち大騒ぎ、しまいには私のサングラスを奪って逃走する真似をしたりとヤバいほどのハイテンションであった。野郎だけであれだけ盛り上がれるのってとっても素敵なことだと思うわオバちゃんはv

こんなにホロホロチョウ&七面鳥ばっかわんさか詰め込んでもしょーがないと思うのだが・・・エジプト人にとってもこんなトリべつだん珍しくないようで、さすがにこのオリの回りで弁当広げている家族はいなかった。こんだけスペースあったらプール作ってアシカでも飼っとけ。

実はここまでタクシー飛ばしたのは「カイロ動物園には犬猫がいる」という情報をゲットしたからなのだが・・・実際に目にすると愛犬家としてはけっこうへこんだ。まぁ彼等は仔犬の頃からここにいるから慣れてるのだろうが・・・かつて○○動物園でサルーキが飼われており、英国サルーキクラブの会長がわざわざ日本まで確かめに来た時の大騒ぎを思い出したよ。

なにかいいものくれるのかな。オリの向こうから穴があくほど私を見つめる仔犬。
か、かわゆいぃ〜ん!!日本じゃもうこういう長毛のシェパードはほとんど見ないが、このボーボーっぷりがチョーかわいい。でもこの子は遠いお国の動物園の子なの。

これが日本なら間違いなくア○フルの「くぅ〜ちゃん」状態(=衝動買い)だったろう。クソっ!検疫の壁さえなければ!
そんな彼(彼女?)も今ではもう立派な成犬のはず。来年5月には是非とも再訪してみたいなぁ・・・でもいなかったら(=死んでたら)それはそれでやだなぁ。

仔犬のまなざしに後ろ髪を引かれる私の背中を、風に揺れながら優しく見送ってくれたエターナルヒーローズ。

「パトラッシュ・・・ぼく、もう疲れたよ・・・」
「バカっ!眠るなあっ!
寝るとひからびるぞっ!
カイロ博物館の名もなき小像。

次回のシャダ萌え旅行記は「エジプトのバカ」配信予定です。