シャダ萌えエジプト旅行リターンズ
エジプトのひとたち

2003年から4年にかけて、エジプトは2010年開催のワールドカップを自国に誘致すべく張り切りまくっていた。ライバルは南アフリカ&モロッコ。当時空港や駅や町中で、写真左に見られるいかにもすぎるエジプト的なポスターをよく目にしたものだ。

だが蹴球の女神は古代エジプト文明発祥の地に微笑みはしなかった・・・2004年5月のFIFA理事会。第一回目投票で24票中14票をあっさりと南アフリカに持って行かれてエジプトは完全敗北・・・いや、実際は蹴球の女神の意向ではなく「エジプトやモロッコはイスラム圏だからテロ対策がうざいじゃーん」というFIFAの意向が優先された結果らしい。

当然ながら今ではもう左のポスターは見ることができない。そういえば04年5月にスフィンクス前でこのマークのついた帽子(当然パチもん)を売っていたアンちゃんに遭遇した私は、その時買うべきか否かはげしく迷ったものだ。だが、「こんなもん日本のどこでかぶるねん?ヲタ祭り?」という現実的な声にはばまれて購入を断念したのを覚えている。
幻の2010年ワールドカップインカイロ・・・今となってはある意味お宝。こんな立派なウジャトつけてるんだし買っときゃよかった。

けれども私には妙な確信があるのだ。今でもあのアンちゃんの屋台にはこの帽子が並んでいるという確信が。だってそれがエジプトですから。
通天閣の帽子店ではフィンガー5のロゴ入り帽子が、神戸高架下の薬屋ではなでられすぎて毛のはげたシャム双生児の子牛のはく製が何十年も前から店頭に並んだままであるように、今でもあのアンちゃんは悠久の時とピザハットを見つめるスフィンクスの前で「EGYPT2010」の帽子を売っているに違いない。そしてそれは2010年すぎてもきっと変わりがないだろう・・・

次回エジプトを訪れた際には、ホル王の墓もアクナーテンの墓もひとまずおいといて、まずはあの帽子の採取に向かわねばならない。

♪いなか〜のバスはおんぼろ車♪エジプト青年団をイカ飯のメシのようにみっちりと詰め込んでほこりっぽい街道をバスは行く。褐色の野郎どもの笑顔とミニヤの太陽がまぶしかったあるラマダンの朝。

5ポンド(約90円)あれば十分一食まかなえるのに、なんですかこのお金の扱いは!?お金はメモ用紙じゃありません!お金の中には10人の神さまが住んで・・・でも字は書いてあるものの、普通の札に比べるとこれでもまだ新札レベル。きっとあと5年ほどはオヤジの汗を吸い取りながら市場をぐるぐる循環するのだろう。

古代の職人の村修復に疲れて一服する現代の職人さんたち。エジプト人は野郎と肩が触れ合うことに慣れているようだ。袖擦り合うも多生の縁。(ルクソール西岸・デルエルメディーナ職人村跡)

街のど真ん中で爆睡する観光馬車屋のオヤジ。緑したたる楽園で天女とたわむれる夢でも見ているのだろうか。(ルクソール博物館横にて)

玩具屋のウィンドウでリズムに合わせて腰を振っていました。えっ?!どうしてここに?拘束されたはずなのに・・・いえ、ヒゲもじゃで米兵に口内をチェックされていたあれは影武者だったようです。隣のパイプくわえたトッチャン坊やにもまるでエマニエル坊やのような不気味さが。♪リンリンあの娘とダンシングトゥナイト〜♪

エジプトの少年少女はとても明るく元気いっぱいでソーキュート。せっせと家のお手伝いをする姿もよく見かけます。彼らは外国人と見ると誰彼かまわず「ハロー!」と声をかけてくるのでちょっとしたスタァ気分を味わえます。これは学校へ向かうボーイズバスの子供たち。ふふふっ、屈託ない笑顔がかわゆいわねぇ!

コム・オンボでヒマソーに警備にあたっていた警官。62名の犠牲者を出したハトシェプスト葬祭殿でのルクソール事件以降、観光客の集まる場所の警備はより厳重になった。

しかしあの事件の日、米国からのすべてのツアーは通常午前中に済ませる西岸観光(西岸は暑いから)を急遽午後に変更していただとか、犠牲となった日本人グループを引率していたが何とか一命を取りとめたガイドが「エジプト人の反政府組織」とされた犯人はエジプト風ではなくパレスチナ系のアクセントだったと言っていた・・・なんて話を小耳にはさむと、なんにでも裏事情はつきものだよなぁ思ってしまうが犯人グループはみな王家の谷で自殺したので真実は闇の中。なにはともあれ犠牲となった方々の冥福を祈りたい。

数キロに渡って延々と続く警官の列。なぜ彼等がここで直立不動しているかというと、もうすぐムバラク大統領がアラファトさんのお見舞いから戻ってくるからだ。この警官間隔は大統領官邸に近づくほど狭くなり、官邸周辺ともなると2、30人単位で警官隊が黒アリのように護衛している。エジプトには警官がやたらめったら多い。失業対策なのだろうか・・・?でもお給料はあまり良くないそうだ。とはいえベニハッサンの農夫のオヤジに比べるときっと天国なんだよなあ!

アラビア語で書かれていてもマクドの看板はやっぱりレッドアンドイエロー。

店内はナウなヤングでいっぱいです。チキンサンドがわりかしイケるとか。でもけっこうお高いので貧乏性の私はまだ入ったことがありません。

♪チャラララ〜ん(アラブ音楽)サラームアレイコム。はじめてのアラビア語の時間です。今日は「名前を読んでみよう」。上は「美しい声で歌った」という意味の「シャダ」、下は「気前のいいヒト」という意味の「カリム」と読みます。
アラビア語は右から左に書きますが、「カリム」の最初の文字なんかは地図記号の「茶畑」にしか見えねぇよ・・・以上筆者はY氏。恥を忍んで書いてもらいました。エジプトまで行ってこんなことばっかやってる私。これでいいのか?!・・・と言いつつも次回のシャダ萌え旅行記でまたお会いしましょう!マアッサラーマ!
♪チャララララ〜ん(エンディングテーマ)