ミセラニアス

誰しもが心の中で意味なく「スキ順列」をつけたがるように、私にも「古代エジプトベストフェバリット三傑」があり、それは日本にあってすらなおハートのベストプレイスを占めている。
それらの事を思い出すだけでいつも胸は締め付けられ、「一刻も早くエジプトへ行かねば!」という無意味な焦燥にかられてしまうほどだ。
その好きでたまらん場所&モノというのは

1・・・ツタンカーメン王墓埋葬のアヌビス像(カイロ博物館)
ダントツの一番。好き好き大好きv
カイロ博物館に行くと独占欲に燃えるあまり
「ゴルァ!私のアヌビスたんに近寄るな!」と、観光客(自分もな)に向かってつい怪気炎を吐きたくなってしまう。

まだ愛くるしい幼稚園児童の頃から、夜眠るときは枕元にこの像の載った本「世界の国・第○○巻・エジプト」を置いていたほど好きだったので、今から思えばけっこう気合い入った好きっぷり。初めて現物に会った時には、二人の間にある3300年の時の隔たりを忘れてしまった。ハーレクインロマンスinカイロミュージアム。でも犬。

私は彼(彼女?)によって自分の中のピグマリオン(彫像・人形愛)に気付いた。でも犬。二重の意味でヤバいのであんまし大きな声で言えないのも事実です。

カイロ博物館のしょっぼいショーケースの中で衆目にさらされる黄金の厨子に乗ったアヌたん。発掘された時は王の眠る玄室の前に座って番をしていた。そしてその肩からはショールが・・・古代のロ・マ・ンv

墓を封印する前に、アヌの肩をショールでそっと覆ってやったのは未亡人アンケセナーメン?それとも王墓管理官であった王の親友・マヤであろうか?いや、意外と墓作り職人のオヤジ(イ○キン)だったりして。

2・・・ニアンククヌムとクヌムホテプの墓(サッカラ)
サッカラの貴族墓といえば、カゲムニやメレルカのやつの方が遙かに有名であり、一般向けエジプト本では名前すら触れてもらえない彼らの墓。
だがこのサイトに来て下さる方には、「サッカラ」と聞くと自動的に「ニアンククヌムとクヌムホテプ」を思い浮かべるようになって頂きたい、というのが私の熱い願いである。
・・・なぜならば、彼らの墓は一節によると「世界最古のゲイカップルの墓」だと考えられているからだ。

もちろん「単なる友人」という説もあるので私も現地に行くまでは疑心暗鬼だったのだが、行ってみて確信した。これはゲイカップル以外の何者でもないと。四千年の時を越えてびしびし感じるラブラブパワーで、現代人の息は苦しくなったよ。

この墓についてはまた項を改めて必ずレポートする。
資料自体少ないから困るのだが、先日サッカラのマスタバ群についての専門洋書を注文したよ。古代エジプト同性愛分析のために二冊で4万円・・・妾はこの墓については気合い入ってるのよ。

3・・・メンナ、レクミレ、ラモーゼの墓(ルクソール)
これは邪心抜きで私の
美を愛でる心が思いきり刺激されるゆえのベスト3入り。
メンナとレクミレの墓は古代エジプト民衆の生活に思いをはせてしんみりできるから、そしてラモーゼの墓は石灰岩に浅浮き彫りされた未完成のレリーフにあらわれたラモーゼの友人・マイの横顔の美しさが私のピグマリオン心を
たまらんほど刺激し・・・って結局邪心。

これらの場所&モノとの再会+王家の谷の山登りはエジプトへ行く際は絶対に外せない。
一週間という短い滞在中に日を変えて二度訪問したりするので、今回同行した「墓三つ見るとすべてが同じに見える」ノットオタクな妹にはけっこうマジになじられた。

まぁ気持ちは痛いほど分かるが、タクシー代やガイド料を全部負担してるんだから文句言うなと彼女をなだめつつ、愛人(犬)・アヌビス待つカイロ博物館に向かったのだが、私はとてもたいせつなことを忘れていた。

ツタンカーメンもの(含むアヌビス)の多くはバーゼルの展示会に貸し出し中であることを・・・

アメリカ人やイギリス人に比べて国民としてのイメージを掴みかねるスイス人。
だが私はこのとき確実にスイス人のことを10センチほど嫌いになった・・・

はるばる日本から来たというのにすれ違いだなんて!今頃私のアヌたんが欧米人に視姦されてるなんて!ショックでバッタリ倒れ伏しそうだった。

「アヌビスがいない」と知ってからの私のテンションは、国内でのテンション(勤務中)を10,(赤ブーイベント)を30,(コミケ)を80とするならば、赤ブーイベント時のそれ並みに低下してしまった。まぁその後ホモの墓でテンション100,王家の谷でテンション200とテンションだけは回復するのではあるが・・・

この度の「シャダも萌え旅行(またまた)」が、なにかこう心のすき間をオホーツクからの風が吹き抜けるような、100%満ち足りた気持ちの旅ではなかったのはやはりアヌが欧米人の掌中に堕ちたという嫉妬心ゆえであろうか。

いまさっき、「じゃあ次ににエジプト行く9月には逢えるのかしら?!」と急に心配になってネットで調べてみたところ・・・

アヌビス像をはじめとするツタンカーメン展は、バーゼルの後、アメリカ、中国、日本!と巡回するそうでございますよ。がっくし。
北京まで会いに行けということか?まぁ待っていればそのうち日本で会えるってことになるけど、外国ではものすごいいい男に見えたヤツに日本で再会しても、現地で見るほど感動しないという経験もあるしなぁ・・・これもいわゆるミキxアヌビスの愛の試練なのだろうか(攻?)

・・・ぜんぜん旅行記じゃなくなってすいませんね。せめてこれからちょっとだけエジプト写真でお茶を濁したいと思います。

洋品店のショーウィンドウに並んだ仲良しベビーちゃん。黒い子と白い子、肌の色の違いなんか関係ない、世界は一家、人類は皆兄弟。

しかし黒い子の顔をよくよく見ると・・・怖っ!
これではまるきり酒とロシアンルーレットに溺れるベトナム帰還兵。わたし、恨んでます〜♪

ファッショナブルなブティックにて採取。エジプトの「カワイイ!」がここに。
ソッコー購入して夏コミで着用しようかと思ったのだが、色落ちが恐くて買いそびれた。

瓶詰めされた清涼飲料水の箱。ハルクホーガンもどきとザ・ロックもどき。エジプト人はマッチョがお好きv
でもこの箱の下にはアニメ遊戯王で有名な「チョコたっぷりのシリアル」CMそっくりのモンキーがロバとたわむれる姿が描かれていたのでエジプト人の嗜好はよくわからん。

「ハムナプトラ2」にも登場(というか名前借用)の賢者イムホテプ様設計のジョセル王のピラミッド。
手前でファンシーフェイスを晒しているのは聖なるコブラ・ウアジェト。後方で邪悪な姿をさらしているのはボリボリで悪名高いロバさん使いたち。下手するとワンライド10ドルとか請求されるからある意味コブラより危険。

サッカラにあるジョセル王のピラミッド周辺の砂はとても細かくさらさらしており、土産物には最適。
少しでも土産物代を浮かせようとケチな算段をした我々が、敗退した甲子園球児のように砂を掻き集めていると、この妙な穴が目に入った。
これはどうもヘビさんのおうちらしい。くわばらくわばら。

13時間のフライトに耐えかねた私と妹は、機内で「ナニも見ずに○○」をやってみましたのでその一部をご紹介。
妹は絵描きでないのでご愛敬。でも絵描きの末席を汚す私の絵がこれではなぁ、トホホ・・・

お題は「手塚治虫の犬」byヘボピー(妹)
動物描きが苦手な人は、犬の足の角度をこういう風につけるというパターンがあるようだ。でも顔の傷などさすがの手塚世代の記憶力。「フライングベン」と「火の輪」あたりのイメージか(マニアック)

「手塚の犬」byミキ。
我ながら言うのもナニだが、ここまで完璧だと可愛げがない。「ミューズとドン」のあたりの記憶で描いてみた。バックの「おむかえでごんす」と「ヒョウタンツギ」は手塚ファンのマストアイテム(でも記憶はおぼろげ)

「松本零士描く情けなキャラ」byヘボピー 
これはズバリ「男おいどん」ですね。この柄パンでサルマタケを栽培するわけですね。バックのトリさんもさすがです。
ただ、リュックのコウモリ傘は裸の大将・山下清と混同しているようです。

「松本零士描く情けなキャラ」byミキ 
私の中で「情けない」は土砂降りの雨の中で這いずり回る姿に直結するのだが、松本キャラと広島ヤクザ映画を混同してはダメなようだ・・・
キャラ的には物野ケジメをイメージしてみた。オプションで「トラジマのミーめ」のミーくんを入れたがどこのブタネコってかんじに。

「コブラ」byヘボピー
いい味出している。絵描きでない人間でもこれだけ描けるというからには、コブラの印象はよほど強烈なのだろう。
ぴったりしたウエァと団子っ鼻そしてウエストのベルトに注目。バックのレディーもどきも言いたいことはよく分かる。

「デビルマン」byヘボピー
エジプト航空のボーイング777が爆笑に揺れた作品。
どこの小悪魔じゃ!これではまるきりトランプのジョーカー。

漫画ものに飽きて「リアル系にしよう」ということになり出たお題「ツタンカーメンの黄金マスク」byヘボピー
間抜けながらも雰囲気はよくつかんでいる・・・エジプトに興味のないバンピーですらこれだけ描けるとは・・・額のコブラとネメス頭巾、濃いアイライン・・・それだけでファラオっぽい。アゴの付け髭にも感心。

一方かりにも「エジプト専門」を標榜する私がこれでは・・・
自分の記憶力のなさを思い知った。だがツタンカーメンがダメな割に、それを乗せている「展示台(カイロ博物館の展示方法)」にはしっかりポイントを置いているあたりが、私の興味のベクトルを如実に物語っているかも。

他にも「少佐とエロイカ」「ドカベンキャラ」「吉田戦車のカワウソ」(むっちゃ簡単)など色々描きまくった末、だんだん疲れてきた私たちが最後に選んだ画題は「三島由紀夫」byヘボピー。
なんで三島由紀夫やねん!?しかし私の絵も同じシーンでした。やはり三島というとこのシーンに尽きるのか?

額のハチマキにはちゃんと「盾の会」と書いてあるあたりさすが。