行って参りました三度目のエジプトへ。

酒は出さないわ、機内食のジュースは甘すぎてぐああなエジプトエアーでは、一年に二往復しないとせっかくためたマイルが容赦なく消えるんですよ・・・
ため始めたからには、タダ券までは無理でも、せめてエコノミー→ビジネスクラスへのヴァージョンアッププレゼントまでは頑張ってためたいものだ・・・ってことは今年中にあと一回行かなきゃなんないの?!(本末転倒)

・・・それは置いといて、この度の旅は「すわ、親が脳腫瘍で緊急手術?」などの直前のごたごたが多すぎて、精神と体力の限界でのぞんだせいか、あちらへ着くと疲れMAXで全行程夜7時就寝。
特にカイロではナイルビューのラムセルヒルトン28階のラグジュアリーなお部屋でメシも食わずに16時間ぶっ通しで眠り続けるという胸を掻きむしるほどにもったいない事をしたせいで、旅行記を書くだけの豊富なネタがございません。

その上アスワンールクソールの移動はクルーズ船だったもんで、乗客のエジプト人と交友を持ちたいと願いつつも、ベッドに寝転がったままぼんやり蕩々と流れ行くナイルそして岸で草をはむロバさんの群れを眺めるという・・・気ばかりあせったけど体が動かないダメな毎日。

まぁある意味のんびりはできたんですが、「何もしないのが最高の贅沢」などいう、ヨーロッパセレブのようなバカンスの過ごし方は逆立ちしてもできない私はただの貧乏性な東洋人です。

そんな最悪の体調だったもので、現代エジプト的には町歩きなどほとんどできず残念でしたが、古代エジプト的に見たかったものは下痢&貧血と闘いながらも執念で押さえてきました。

古代エジプトのゲイカップルの墓、ラモーゼの墓に描かれた「テケヌウの橇」、コム・オンボ神殿の医療器具レリーフ、記録に残る世界最古の愛称のある犬とそのレリーフ、愛猫のために作られた素晴らしい石棺、最も美しいヒエログリフに現れた象、ハイエナの肥育レリーフ、レクミレの墓壁画の「不気味なポーズの二人の男」・・・

このような細々したものを、限られた時間とぎりぎりの体力であったにもかかわらずこの目で確認できただけでも無理して行った価値があるというものですが、これもすべて優秀なガイドさん(前回と同じ人を指名)のお陰だと思っています。本当にできる人なんだけど、たまたま前回の旅行であんなに優秀な人に当たった自分もラッキーだな。

そして何よりラッキーだったのは、出発直前になって遊戯王アニメの新OP&EDが古代モノに変わったこと!
シャダがいるよ〜
日陰者のシャダがピンでいるよぉぉおおお〜〜〜!それもすごく可愛く描いてて胸が張り裂けそうだ!(感涙)

そうだった、これから自分はシャダたんの故郷へ行くんだった!とその日をもってハゲ的モチベーションは最高に・・・
ノリがすぎて優しいR様に送っていただいた新オープニング映像をノートパソに入れて持っていくだけでは飽きたらず、シャダ的にベストな巻である35巻だけを持って行くつもりだったコミックス、結局古代編全部スーツケースに入れたもんだから、イリちゃんの写真を下げたスーツケースは、行きからすでに腕がオランウータンのように伸びるほどの凶悪な重さでけっこう参りました。

さて、ここで今回の旅のコースをざっと書きだしますと・・・

カイロ→アスワン(フィラエのイシス神殿&切りかけのオベリスク)→アブシンベル(神殿で夜のライトショーと朝日→アスワン(クヌム神殿と岩窟墓)→三日かけてクルーズ船でルクソールまで(途中コム・オンボ&エドフ)→ルクソール(カルナック&ラムセウム&王家の谷&私人墓再び)→サッカラ(古王国のマスタバ群)→カイロ博物館でまったり

このような行程だったシャダ萌え旅行(再)、今回はややテンション低めながら、古代エジプトネタの数々をご報告してゆきたいと思っております。


空港で荷物が出てくるのを待つ人々がわんさか。
丁度「ハッジ」と呼ばれる年に一度のメッカへの巡礼が終わった頃だったので、空港は白装束の巡礼帰りの人々で溢れかえっていた。バックに見えるアラビア文字と「取りあえずラムセスでいっとけ」な壁のレリーフに、ああまた埃っぽい国に来てしまった・・・と感じる。

リシド満載のサイドカー付バイクでマリクが現れたカイロ空港。この写真まんまでうす暗くて黄昏ていて、楽しいはずの旅の始まりから闇雲に不安感が煽られる。国際空港の空の玄関口がこんなに暗くていいのかエジプト政府?!
とりあえず
「和希センセもこれをご覧に・・・ハァハァ」とシャッターをパチパチ。興奮のベクトルが微妙に間違ってるような気もするがしょせんヲタ旅行。

カイロ到着後、メリディアンヘリオポリスにチェックインすると、旅行会社のマネージャーからウエルカムフルーツと高級エジプト菓子盛り合わせ(左・エジプト菓子の常で死ぬほど甘い)が贈られていた。思わず叶恭子になったみたいで気分良かった。セレブといえば叶姉しか出ない辺りがナニではあるが・・・
クレオパトラ気分で浴槽につかり、房ごと持ち込んだブドウを食べて高笑いしたりしてたんだが・・・思い起こせばこの到着当日の長湯&湯冷めが原因で、後日腹をこわした気もする。

癒し系環境音楽のジャケット写真風に。

揚げたイモではない。古代エジプト人もおやつにそのまま食べたり、パンやお菓子に焼き込んだりしたかの有名なナツメヤシである。干したものは見かけるが、ナマのものは初めて見たので激写。
皮付きのイモの煮っころがしのように皮がするっとむける。種は平べったい。味は・・・強いて言えば金時イモのような柿のような。
古代エジプトには砂糖がなかったので甘味料といえばこれやハチミツで摂取していた。飽食した現代人から見るとその慎ましさがなんかラブリーv

アスワンからルクソールまで乗ったクルーズ船のベッドメイク。芸の細かさに爆笑。毛布といえども海外からのお客様をお迎えする小さな大使として品格は大切に!首はあくまでもピンと優雅に立てて!

だがベッドメイクの兄ちゃんは次の日よりパワーアップした芸を見せてくれた→

腹巻きのせいでバカボンのパパかフーテンのトラさんにも見えるが・・・タオルで赤ちゃん。

部屋に入るなりこれがお出迎えだから思わずずっこけた。腹巻き部分の縞タオルは私個人のものを使用しているのがまたなんとも・・・兄ちゃんにチップをはずんだのは言うまでもない。

アスワン西岸の岩窟墳墓前よりナイル上流を臨む。
この辺りには緑の小島が点在し、青く輝くナイルと相まって心が洗われるほどに美しい。
死後、このような気持ちのいい場所から遙か彼方を眺めたい、と願った古代エジプト人の思いが伝わってくるようで、ここはテーベ西岸と並んで、私が今まで行ったあらゆる場所で最も好きなところである。

それにしてもこの黒っぽい衣装と丸刈り頭は爽やかなバックにそぐわない。中国人?と尋ねるくエジプト人の気持ちも分かる。
アスワンでの立ちポーズは微妙に内股でなよっとオカマチックがグー!!

夜明け前のナイル。遠くから鳥の声が響いてくる。三千年前とほとんど変わらないであろう姿に萌えすぎで思わず呼吸困難に・・・

船室から臨む日没直前のナイル。ベッドに寝転がったまま西岸に沈みゆくラーの船を見られるのは船旅の醍醐味である。あ〜生きててよかったと思うひととき。