『罠』



 魔が刺した、としか言い様がない。

 その日。
 京梧は、龍斗とふたり時諏佐の使いで、品川宿まで
遠出をしていた。幸い、用もじきに済み、この近くで
宿を取って翌日早朝に帰路に就こうと決めて。
 適当な旅籠を探して歩いていた。
 そのはず、だったのに。

「半」
「丁だ !」
「よござんすか、よござんすね」
 今、京梧達がいるのは。
 所謂、賭場で。
「五六の、半 !」
「ぐッ」
 いつになく、熱くなってしまっている京梧を。
 少し離れた後ろから、半ば呆然と見遣る龍斗がいて。
「京梧、・・・・・その辺で・・・」
「いや、まだだ」
 始めのうちは、ツキがあったのだろう。
 面白い程に、勝ちが続いて。
 否、だからこそ。
 後が、恐ろしく。
「京梧・・・」
「心配すんな、お前は・・・あっち行ってろ」
 負け始めると、まさに坂を転がり落ちるように。
 今や、京梧の手持ちは極僅かで。
 それでも止めようとはしない京梧に、深く溜め息を
ついて。
 龍斗は新鮮な空気を吸いに、外へと出た。
「・・・・・大負けすれば、懲りるか・・・」
 京梧の手持ちが無くなっても、男ふたり一晩ぐらいは
どうにでもなる。
「まあ、付き合うさ・・・」
 やれやれ、と苦笑しながら墨をこぼしたような夜空を
仰ぐ。
「・・・・・降らないと、良いけど・・・」
 月は、無く。
 微かに、水の気配がした。


「・・・・・ッ」
 伏せられた壷から現れた賽の目に、京梧は息を飲んだ。
 賭けた金が、すべて取られていく。
「そんな・・・」
「ふむ、ツキもすっかり落ちてしまったようだな」
「ッ!?」
 不意に掛けられた声に、振り返れば。
 すぐ後ろに立つ、男。
 長い髪をそのままに背に垂らし。
 涼しげな目元は、真直ぐに積まれた札を見つめていて。
「そろそろ、おとなしく帰った方が良いと思うが」
 フ、と。
 微笑む見透したような目が、どうにも気に触って。
「うるせェ、俺はまだ・・・」
「だが、もう手持ちの金はないのだろう・・・?」
 その、通りだった。
 挽回しようにも、元手がなければどうしようもない。
 チッ、と舌打ちをする京梧に。
 男は、穏やかな表情のままに。
「少しばかり、用立ててやっても良い」
「な、・・・・・」
「どうする?男の勝負を続けると言うのなら」
 見知らぬ男の突然の申し出に、呆然としつつ。
 伺うように、その顔を覗き込んでみても、真意は推し量る
ことは出来ずに。
「・・・・・こいつ、は・・・やれねェ」
 脇差しに手を添え、押し殺した声でもって告げれば。
「なかなか良い品だ、残念だが・・・・・ならば、別のもの
を預からせて貰おう」
 そうして。
 視線は、ゆるりと外へと向けられる。
 今し方、出ていったばかりの。
「あ、いつは・・・」
「君が勝てば良いだけのことだ・・・」
 駄目だ、と。
 その言葉を、京梧は口に出来ぬまま。
 賽は、投げられた。



「・・・・・京梧?」
 ようやく賭場から出て来た連れの足音に、顔を上げれば。
 その隣には、見知らぬ男。
「・・・・・誰・・・?」
 月明りのせいか、京梧の顔は何処か青ざめているようで。
 苦渋に満ちた顔を逸らしたまま、物言わぬ様子に、龍斗が
訝しげに駆け寄れば。
「彼は、君を賭けた」
「・・・・・ッ!?」
 静かな声に。
 傍らの男を見上げれば、長い髪が夜風に靡いて。
 端正な貌が龍斗を見つめ、微かに笑みを浮かべる。
「そして・・・彼は負けた。君は、・・・俺のものだ」
「な、に・・・・・」
 告げられた言葉に。
 まさか、という思いで京梧を返り見れば。
 やはり、顔を逸らしたまま。
 強く噛み締めた唇は、何かを堪えるように震えていて。
「京梧、本当に・・・・・」
「・・・・・済まねェ・・・ッ」
 声は、苦しげに掠れて。
 それを聞いて、龍斗は哀しげに目を伏せ、そっと己の身体を
抱き締め、低い声で呟く。
「・・・・・一晩で、良いんだな」
「君次第だよ」
「・・・・・分かった」
 そして、ゆっくりと男を振り仰ぎ。
 真直ぐに、その瞳を見据えて。
「好きに・・・・・したら良い」
「そうさせて貰うよ」
 龍斗の決意に、男は浮かべた笑みを、濃くし。
 極自然な所作で、その腰に手を回して。
 そのまま、歩き出そうとするのに。
「・・・・・ッひーちゃん!!」
 半ば、悲鳴のように。
 掛けられた声に、龍斗は振り向く事はなく。
「・・・・・お前を止められなかった、俺の・・・責もある」
 それでも。
 京梧を責めることも、詰ることもなく。
 しっかりとした足取りで去っていく、背を。
 ガクリと膝をつき、京梧は見ていることしか出来なかった。




 連れ込まれたのは、茶屋の2階。
 一番奥まった場所にある、その座敷に足を踏み入れれば。
 覚悟をして来たとはいえ、どうしても強張ってしまう身体に。
 襖を閉ざし、男はゆっくりと後ろから龍斗を抱くようにして、
耳元に囁きかける。
「・・・・・恐ろしいのか?」
 それは、男に対してか。
 それとも、これから己の身に起こる事に対してなのか。
 揶揄する響きは、なく。
 龍斗は、ゆるりと首を振って、回された腕に手を添えた。
「この身体で良いのなら・・・支払うよ、きっちり」
「ふ、・・・・・潔いことだな」
 微笑った吐息が、首筋をくすぐる。
 そのまま、唇が薄い皮膚を辿り、時折甘噛みしては吸い上げる
のに、ヒクリと身を震わせ。
 回された手が胸元に、そしてもう片方の手が帯を解きながら、
そろりと裾を割って忍び込み、大腿を撫でる。
 知らない男の手の感触に、それでも身体は確実に熱を煽られて。
 恐ろしく快楽に従順な己の肢体の浅ましさに、龍斗は目眩すら
感じながら、微かに震える唇で溜め息と共に告げる。
「・・・・・布団、・・・で」
「・・・・・君が、そう望むのなら」
 肩口に口付けを残し、龍斗を抱き締めていた腕を解くと、男は
気忙ではない所作で、布団を敷き。
 立ち尽くす龍斗を振り返り、ゆるりと微笑みかける。
「おいで、・・・・・龍斗」
「・・・ッ!?」
 名を、呼ばれ。
 思わず竦んでしまった身体を、あっという間に絡め取られ。
 引き寄せた腕は、決して乱暴なものではなく。
 呆然とする龍斗を、敷かれたばかりの布団へと投げ出し、困惑の
眼差しを向ける瞳に、うっすらと笑みを浮かべつつ。
 ゆっくりと跪き、その身体へと覆い被さっていく。
「では、・・・・・愉しませて貰おう」
 弧を描く唇が、龍斗のそれを捕らえ。
 促すように突つく舌に、そっと唇の強張りを解けば。
 一層深く合わせられたそこから、差し入れられた舌の巧みな動き
に、半ば怯えたように逃げまどっていた龍斗のそれも、観念した
ように応え始め、いつしか互いに貪るように絡めあう濡れた音が、
静かな部屋に響いて。
「ん、・・・・・ッ」
 濃厚な口付けに、それだけで意識を奪われそうになりながらも、
身体を這い回る手の動きに、与えられ煽られる快感に吐息は甘く、
甘く男を誘うように。
「あ、ァ・・・・・や、ッ・・・」
 下肢を覆う布も、気付かぬ間に取り去られ。
 器用そうな長い指が、龍斗の半ば勃ち上がりかけた欲望の証に
添えられ、ゆっくりと快楽の火種を煽るように絡み付き、蠢く。
「君も、・・・・・愉しめば良い」
 既に欲に掠れた声色に。
 ねっとりと耳朶に絡む熱い舌に。
「ッや、ァ・・・・・ああ、ッ・・・」
 狙い澄ましたように、敏感な部分を捉える、愛撫に。
 龍斗は悲鳴のような声を上げると、ブルリと身を震わせ、男の
手の中に白濁したものを吐き出す。
「・・・・・ふ、・・・ッ」
 視界が霞むのは、知らず涙を溢れさせていたからかもしれない。
 吐精の余韻に呼吸を乱しながら、宙を彷徨う虚ろな瞳が捕らえた
のは、己が今し方その手に放ったばかりの白い体液を舐め取る男の、
欲に染まった熱っぽい瞳で。
 そこに映る自分の姿に、思わず頬を赤らめて目を逸らせば。
 それを追うように、顔を寄せてくる男の唇が、朱に染まった頬を
伝う涙を拭うように、押し当てられるのに。
 安堵ともつかぬ、溜め息を漏らして。
「泣き顔も可愛いな・・・君は」
 囁かれる、声に。
 吐息に。
 どうしようもなく熱くなる身体が。
 恨めしい程に。
「ん、ッ・・・・・」
 不意に。
 前触れも無く、何か冷たいものが男の指と共に、龍斗の秘所へと
押し当てられ、塗り込められて。
 その感触に身を強張らせる前に、長い指が蕾を拓くように2本、
その内へと飲み込まれる。
「や、ッ・・・・・」
 塗り付けられた滑るもののせいか、痛みは無く。
 冷たいと感じた、それが。
 内壁を探るような指の動きと共に、ゆっくりと。
 熱を、帯びて。
 否。
 熱いのは。
「は、ァ・・・ん、ッ・・・・な、に・・・・・?」
 じわりと下肢を駆け昇り、体全体を支配しようとする、熱。
 甘い、痺れに。
 肉壁が、飲み込んだ指を咀嚼するように蠢くのに。
「・・・・・どう、かな」
 低い、その声にさえ。
 欲を煽られ。
 火照る、身体。
「あ、あァ・・・・・ッん・・・」
 もっと、と強請るように。
 男の指を、貪欲に飲み込もうとする。
 それが、信じられないと言うように、ゆるゆると首を振り乱し
ながらも。
 投げ出された腕は、小刻みに震えながらも持ち上げられ、男の
頭をかき抱くようにして。
「早く、・・・・・ねぇ、早く・・・ッ」
 身体だけで、なく。
 言葉でもって、強請れば。
 間近で見る、端正な貌が。
 嬉しげに、微笑んで。
「欲しいだけあげるよ・・・・・龍斗」
「は、ァ・・・・・ッあああッ」
 引き抜かれた指を惜しむ間もなく、押し当てられた熱いもの。
 その圧倒的な熱と質量に、それでも濡らされた蕾は、待ちかねた
ように綻び、苦もなく受け入れて。
 背筋を駆け上がる、強烈な快感に。
 龍斗は、何度も頭を掠めた疑問を、男に問う事もままならず。
「あァ・・・・・凄いな、・・・龍斗」
 ああ、また。
 どうして、この男は。
 名、を。
「どうし、・・・ッひゃ、・・・う、ん・・・ッ・・・」
 京梧に、聞いていたのだろうか。
 だけど、でも。
 問いかけようと、何度唇を開いても。
 そこから零れるのは、甘い嬌声のみで。
 緩やかに、また激しく。
 突き上げる動きに、ただ翻弄されるばかりで。
 ねっとりと絡み付くような視線から逃れるように目を閉じれば、
視覚を遮断した分、身体に与えられる様々な感覚が一層強くなって。
「きょ、・・・・・ご・・・」
 絶えまぬ快楽の波に流されながらも、閉じた瞳の奥に映るのは。
 只、ひとり。
「・・・・・ッ京、梧」
 縋るように、その名を呟いた、時。

「・・・・・龍斗・・・ッ! 」
 飛ばされてしまいそうな意識を引き戻す、声。
 まさか、と頭を巡らせれば、そこには。
「・・・京梧・・・・・?」
 襖を両手で押し開くようにして、立つ男。
 激しく呼吸を乱しているのは、あちこち走り回っていたからで
あろうか。
 全身、ずぶ濡れの姿に。
 龍斗は、遠く雨音を聞いた。
「・・・・・閉めたまえ」
「な、に・・・・・」
「彼のこの姿を、皆に晒したいと言うのなら・・・」
 龍斗を貫いたままに。
 つい先程までの激しい行為を感じさせぬ程、静かな声で告げれば。
 ギリリと歯を噛み締め、後ろ手で襖を閉ざし。
 仁王立ちのまま、鋭い視線を龍斗を組み敷く男に向けて。
「・・・・・そいつは、やれねぇ」
 低い、低い声で。
 それでも、はっきりと。
「龍斗は・・・・・俺の、ものだ」
 言い放てば。
「自分のものだからこそ、俺に3両で売り渡したのだろう?」
「そういうことじゃねぇ・・・ッ」
「・・・・・そういうことだ」
 ク、と。
 喉の奥で嘲笑って。
「だから彼は、・・・・・受け入れたんだ」
 自分が。
 京梧のものだ、と。
 だから。
「・・・・・ッ」
「京梧、見るな・・・・ッあ、ああァ・・・ッ」
 呆然と。
 立ち尽くす、京梧の目の前で。
 男は、行為を再開する。
「いや、・・・ッあァ・・・見、ない・・・でェ・・・ッ」
 だんだんと激しくなる突き上げのせいか。
 それとも。
 懇願するように、首を打ち振り涙を零しながら。
 それでも与えられる快楽に、堪え切れずに喘ぎが混じり。
「京、梧・・・・・ッや、ァあああ・・・ッ」
 やがて。
 身体を折り曲げるようにして、最奥を穿たれ。
 衝撃に、悲鳴のような嬌声を上げて達する、様を。
 京梧は、瞬きもせずに。
 真直ぐに、見据えて。
 ゴクリと。
 その喉が、鳴る。
「・・・・・あ、あァ・・・・・」
 余韻に、まだ小刻みに身を震わせながら。
 潤んだ瞳が、京梧のそれと合って。
「・・・京梧・・・・・」
 声には、まだ。
 艶めいた響きが。
 雄を、どうしようもなく刺激して。
「たつ、と・・・・・」
 ひりひりと。
 喉が、乾きを訴える。
 欲している、のは。
 それは。
「まだ、欲しいだろう・・・龍斗」
「や、・・・・・」
 まだ自身を龍斗の内に収めたまま。
 軽く、揺すり上げれば。
 男に視線を戻し、睨み付けるようにして。
 否、と口にしながらも。
 達したばかりのそれが、また少しずつ勃ち上がっていく
のに、そろりと手を滑らせながら。
「彼、が・・・・・欲しいだろう?」
 耳元に、囁きかければ。
 手の内のものを、ヒクリと震わせながら。
 ゆるりと、京梧へと濡れた瞳を向けて。
「京梧、・・・・・欲しい」
 甘く。
 強請る言葉に、京梧は抗う術も無く。
 呆然としたまま、ゆっくりと足を踏み出せば。
「ここに、挿れられるように・・・してあげないとな」
 薄い唇が、ゆるりと弧を描き。
「あ、ッ・・・・・ん」
 男は身を離し、猛る自身を抜き出すと、その刺激にさえ
切なげに吐息を震わせる龍斗の身体を、性急に裏返して。
「・・・・・ッや、ァ・・・ッ」
 何、と問いかける暇も与えずに、再び残滓に濡れる蕾へと
肉剣を突き立てる。
 腰を引き上げるようにして、緩やかな動きで揺さぶりながら。
「さあ、・・・・・彼を」
 誘うように。
 言葉を落とせば。
「き、て・・・京梧、京梧・・・・・ッ」
「・・・・・ッ」
 辿り着いた、龍斗の目の前。
 ゆっくりと、膝をつけば。
 その下肢に、縋り付くように龍斗の腕が絡み。
 着物の前合わせをはだけさせ、震える指がもどかしげに下布
を引き下ろして。
「京梧・・・・・」
 取り出した、既に昂る熱塊に愛おしげに指を絡めれば。
 途端、大きく震え、その質量を増すのに。
 恍惚とした表情で、龍斗は先走りの体液を舐め取るように、
舌先を押し当てると、ゆっくりと口腔へと導いていく。
「ッ・・・・・龍斗・・・」
「ん、・・・・・ふ、ッ・・・」
 柔らかな粘膜に包み込まれ。
 くすぐるように絡む、熱い舌に促されるように。
 龍斗の髪を梳くようにして、頭を抱え込み。
 京梧も、自ら快楽を追って腰を繰り出す。
 今までは、京梧が龍斗を口でもって追い上げてやることは
あっても、龍斗の方から積極的に奉仕することは、なく。
 初めての、感覚に。
 目眩すら、起こしそうで。
「んッ・・・ん・・・ふ、ァ・・・・ッ」
 その間も、龍斗の後孔を絶えまなく突き上げ揺さぶる振動に、
それぞれが愉悦を感じ、昇り詰めて。
「く、ッ・・・」
「ッあ、ああァ・・・ッ」
 ほぼ、同時に。
 内壁に、布団に、口腔に。
 欲を吐き出し。
 ふたりの精を浴びた龍斗が、小さく震えながら布団へと沈む。
「・・・京、梧」
 頬に散った白濁を舌で舐め取りながら。
 まだ情欲に濡れる瞳が、荒い息をつく京梧を。
 ゆっくりと、捕らえ。
「・・・・・龍、斗」
 誘われるように、紅い唇を指先で辿りながら。
 ふと、龍斗を後ろから犯していた男を見遣れば。
 僅かに乱れていた着物を、すっかり整え。
 情交の名残りを、全く感じさせない涼やかな貌が。
 ゆったりと、笑んで。
「・・・愉しませて貰ったよ」
 余裕すら感じさせる。
 笑みでもって。
「良ければ、使ってやるといい」
 袂を探り、取り出した蛤の器を京梧の足元へと放り投げ。
 不審げな視線を向けるのに、肩を竦めてみせて。
「さっき、もう使っているんだがな・・・・・とても気持ちが
良くなる、薬だ」
「な、ッ・・・・・」
 いつになく、淫らに乱れていたのは、そのせいだったのかと。
 布団の上に身を投げ出したままの龍斗を伺えば。
 濡れた紅い唇が。
 フワリと、綻んで。
「京梧」
 呼ぶ、声に。
 ただ惹き寄せられる、ままに。
 その肢体を抱き上げ、胡座をかいたその上に跨がらせるよう
にして。
 また、深く。
 深く、繋がる。
「京梧、・・・・・京梧」
「もう、・・・離さねぇから・・・・・絶対に」
「ん、・・・うん・・・・・ッあ・・・」
 愛しい身体を掻き抱き。
 思うまま突き上げながら、ふと視線を上げれば。
 そこに、男の姿はなく。
 気配すら。

 後は、ただ。
 降りしきる、雨の音が。
 密やかに、濃密な空間を覆い隠した。




プチ・3●(何)vというか、中途半端な(ぐは)。
京梧の裏初登場が、コレというのもナニやら(遠い目)。
借金のカタは、恋女房というお約束の元に(待て)vvv
そして、堂々と暗躍(何)する、謎の男。
というか、バレバレですな・・・忍者め(苦笑)。