『楽園』





「死ぬ事を、恐れたことはありませんでした」
 それは。
 かつての自分。
「神に召された魂は、永遠に安らぎを得られる場所へと還る
のですから」
 むしろ。
 使命を全うした自分が辿り着く場所は、其処なのだと。
 そう、信じて疑わなかった。
「けれど、・・・今は違います。死ぬ、という事が、とても
・・・怖い」
 なのに。
 ただ1つの道しか見えていなかった、目に。
 貴方は。
 沢山のものを、見せてくれた。
 気付かせてくれた。
「貴方が、いるからですよ・・・龍斗さん」
 触れる。
 手を伸ばせば、そこに在る。
 確かな存在が、この指先に。
 身体に。
 心に。
 血を通わせる。
「楽園を、見付けました・・・貴方という、かけがえのない
・・・そう、私だけの」
 だから。
 もう。
「だから、簡単には死ねない」
 生きなければ、と思う。
 生きて。
 この手に。
 しっかりと。
 掴んで。
「貴方を、こうして抱き締めていたいから・・・」
 その温もりを感じて。
 生きている、ことを。
 その幸せを。
 感じて、いたいと。
 強く。
 こんなにも、強く。
 願う。

「・・・・・御神槌?」
「ああ、済みません・・・起こしてしまいましたね」
 腕の中。
 もぞりと身じろぎする身体を、そっと包み込んで。
「まだ、夜明けには早いです・・・もう少し、眠りましょう」
「ん、・・・・・御神槌、も」
「ええ、一緒に」
 共に。
 こうして、肌を合わせて。
 眠る、それが。
 もしかしたら、神の怒りに触れる行為であったとしても。
 それでも、もう見付けてしまった、から。

 貴方だけが。
 私の。
 楽園。
 魂の。
 還る、場所。





私も、ひーたんムギュッてして眠りたいーvvv←ヲイ
龍斗の存在が、御神槌の心の拠り所なのですv
安らげる場所になっているのです・・・vvv
そして、御誕生日おめでとうなのよ、御神槌v