『きっと、ずっと』



 愛だの恋だのと。
 そんな、こ難しい感情は、知らない。
 ただ。
 ただ側に。
 居たいと、思った。



「・・・・・子供、みたい」
 膝の上。
 頭を乗せて。
 眠る、貌。
 ピクリとも動かず。
 無心に、眠る。
 寝入っている分、常より高い体温に。
 掛かる、寝息に。
 与えられる熱は、情欲を呼び起こすものではなく。
 ただ、穏やかに。
 時が、流れる。

 彼は。
 相変わらず、作業に熱中してしまうと、他の事は
すっかり忘れてしまうから。
 様子を見に来てみれば、やはり一昼夜。
 取りあえず、水を飲ませて。
 何か食べるものを、と立ち上がろうとした、その。
 膝の上に。
 コトリ、と。
 載せられた、頭。
 そして、そのまま。
 深い深い、眠りの淵へと。

「・・・・・そういえば、初めて・・・かも」
 こんな風に。
 じっくりと、彼の寝顔を見るのは。
 何だか、くすぐったい気持ちになって。
 撒かれた布から覗く、やや硬めの髪を撫で。
 それでも、目を覚ます様子はないから。
 手は、そろりと輪郭を辿るように。
「良い顔をしてるって、言ってくれたけど・・・」
 彼、だって。
 とても。
 良い顔、だと。
 美醜が、どうこうというのではなく。
 ただ。
 とても。
 綺麗、だと。
 そう、思うから。
「ああ、そう・・・なんだ」
 ずっと。
 こうして。
 見ていたいと、思う。
 傍らで。
 こんな、風に。
 暖かい、時間。
 一緒に。
 過ごしたいと。
 願ってやまぬ。
 これ、は。

「・・・・・ねぇ、知ってる・・・?」

 きっと、ね。
 これが。
 好き、という気持ち。
 理屈なんか、要らない。
 難しい解釈も、何も。
 考える、より。
 ただ、感じる心。
 その、ままに。

「・・・・・弥勒」

 微かに、睫毛が揺れる。
 多分、もうすぐ。
 目が覚めたら、多分きっと驚いた顔で。
 こう言うと、思うから。

   おはよう

 そしたら、笑って。
 同じ言葉で返して。
 少し、遅めの。
 晩御飯。
 一緒に、食べよう。





・・・・・だ、誰か・・・ッ(身悶え)!!
ナニをしている訳でもないのに、やたらと
甘いんですけど・・・ぐああああああ(仰け反り)!!
膝枕ですよ、どうなんですか、もう(ハンカチ噛み締め)!!
・・・・・弥勒、この幸せもん・・・ッ(地団駄)!!
珍しく、ひーたん視点で。恋する乙女(待て)。