「風邪は万病のモト」




 『馬鹿は風邪を引かない』
 だから龍斗は風邪とは無縁なはずであった。なのに二日ほど寝込む状
態に陥り、龍泉寺を離れた。なにせ龍泉寺には医者の美里がいるので
ある。くどいほどの養生訓を聞かされては治るものも治らない。
 龍泉寺を出た龍斗が転がりこんだ先は、如月骨董店だった。


 奥間に寝床を作ってもらった龍斗は、店の主人である涼浬に挨拶もせ
ず横になった。熱があるくせに、龍泉寺から歩いてやってきたのだから
無理もない。幸い、咳き込むまでは酷くないので寝ていれば治るはずだ
った。
 うつらうつらしかけたところへ障子が開いた。
「涼浬ぃ〜?」
 情けない声で呼ぶと、いつもの落ち着いた声が返ってきた。
「薬湯を煎じてまいりました。お飲みになってください」
「薬湯ねぇ。苦いの嫌いなんだよなぁ」
「大丈夫ですよ。甘くしておきましたから」
 そう言って近付く涼浬に違和感を感じた。
 涼浬はこんなによく喋らない。何となく立ち居振舞いもわずかにおかし
な気配がするのだが、その正体を確かめられる状態ではなかった。
 がんがんと痛む頭を押さえて、涼浬が差し出した湯飲みに手を伸ばし
た。
 中身は白っぽいが半透明で、なるほど湯気には甘い香りがする。湯気
に顔をあてるだけで頭の痛みが薄れるのを感じて、おとなしく湯飲みに
口をつけた。
 人肌に暖まった薬湯が咽喉を落ちていく。胃までが暖まる気がして、龍
斗は飲み干した後息を継いだ。
「ありがと、涼浬」
「お礼だなんて珍しい」
「俺だって弱ってるときくらい、おとなしくなるよ」
 子どものように頬を膨らませて抗議した龍斗に、涼浬が柔和な笑みを
浮かべた。
 涼浬が笑ったことに驚いた龍斗は、次に取った彼女の行動に更に目を
見張った。
「わ、わわわっ!!」
 いつの間にか布団に入っていた涼浬の手が、龍斗の太腿を割って中
心部へと伸びてくる。爪を立てながら皮膚を少しえぐるように、わずかな
痛みが心なし気持ちのよさを連れてそこへ到達する。
 五本の指がそれぞれ異なった動きでそこをさすり、龍斗の熱を煽った。
勃ちあがる龍斗のそれに涼浬は笑みを濃くする。
「大きい……」
 うっとりと艶を含んだ声音が耳朶を打つ。
 我知らずのうちに興奮していた龍斗は、涼浬に手をかけようとして逆に
押し倒された。
「病人はおとなしくしていてくださらないと」
 飛水の忍びである涼浬は体術に長けている。しかし龍斗とて無手の遣
い手なのだ。そう易々と押し倒される道理はないのに、身動きひとつ出
来なかった。
 前合わせを開いて、涼浬の舌が龍斗の胸を這う。乳首を執拗にちろち
ろと舐める舌の赤さに、龍斗は耐え切れず呻き声をもらした。
 涼浬の指が尻へと伸びて、後ろの孔を撫でた。
「涼浬っ!!」
「初めてでは、ないのでしょう?」
 嫣然と笑う涼浬の様子から、自分が『抱かれる』立場にあると悟って龍
斗は呆然となった。
 よもやまさか涼浬が。
 放心して全身の力が抜けたため、弛緩したそこへ涼浬は指を挿れた。
指に何かを塗ってあったらしく、何の抵抗もなく潜りこんだ指が内襞をた
どるように蠢く。解すように、追い立てるように動く指はやがて二本にな
り、龍斗の性器からは滴がこぼれた。
「感じてくださって、嬉しい」
 言いながら涼浬は龍斗の性器をくわえた。
 舌が先端を責め、啜る。愛しむような舌の愛撫に、龍斗は呆気なく達し
た。後ろに挿入された指と舌に翻弄されて、我慢できなかったのだ。
 荒く息をつく龍斗の顎を持ち、涼浬は口に含んでいた龍斗の精液を垂
らした。顔を背けて避けようとする龍斗の顎をきつく持ち、口を無理やり
こじ開けた。
 わずかに開いた隙間に垂らし流される自分の精液に、龍斗は顔をしか
めた。涼浬の口内に留まっていた液体すべてがなくなると、口唇からも
れた液をすくって龍斗の顔へなすりつけた。
「お味は?」
「不味ぃ」
 いまだ減らず口を叩く龍斗をうっとりと見つめ、涼浬は指を抜いた。そ
のとき龍斗が切なげに喘いだのを見逃さず、うつ伏せにさせて腰を高く
上げさせた。
「今、もっとよくしてさし上げますから」
 逃れる暇もない。衣擦れの音がしたかと思うと、龍斗の中に熱い塊が
押しこまれた。
「っあっ!!」
 予想していたよりもずっと激しい衝撃だった。指が入るよりももっと大き
く、内臓をえぐられているような感覚である。打ち付けられる腰の動きも、
痛みをやり過ごすために合わせて動くことすら出来ぬほど激しい。
 ただ思うがままに揺すぶられて、嬌声を上げて痛みを逃がすしかな
い。
 しかしやがて変化が訪れた。萎れていた龍斗の性器が再び勃起して、
攻め立てられている部分もじんわりと熱を持った。
「あ……あぁ、い……いい……」
 まるで女のように声を上げる自分自身に、龍斗はさらに欲情を掻き立
てられた。布団を掴み、堪えるのはもはや痛みではなく快楽である。自
分でもそこがもっと深く、涼浬の挿入したものをくわえ込もうとしているの
がわかる。前もこすり上げられて、口から飲み込めなかった精液が垂れ
る。
「ひっ、あっ……涼浬、涼浬もうっっ」
 なにを挿れられているのか。
 そんな判断もつかなくなっていた龍斗に笑い声が落ちた。
「龍くん、『涼浬』ではなく、『奈涸』と呼んでくれないか?」
 一瞬、快感も何もかもが吹っ飛んだ。
 真っ白一歩手前の頭がそれでも、振り返って正体を確かめろと促した
ので、首だけをひねって見れば。
 そこには敵方の忍がいた。
「お前ーっ!!!」
 絶叫した龍斗を楽しげに見下ろして、くるりと龍斗の身体の向きを変え
た。向かい合う体勢になって、龍斗は慌てて自分の下肢を手で覆おうと
したがもう遅い。ひくひくと脈打つそこからはとめどなく滴があふれてい
る。
 奈涸は人のよい笑みのままそこに手を伸ばして、意地悪く撫で上げ
る。思わず腰を浮かした龍斗に合わせて、ぐい、と一突きする。深いとこ
ろを突かれて龍斗は声を上げた。
「可愛いねぇ……まるで気がつかないとは」
「あ……は、いつ……から?」
「ずっとだよ。最初から。ここへは忘れ物を取りに来て、思わぬ獲物をち
ょうだいできた」
「うぁっ!! そこ、だめっっ」
 一定の間隔を開けながら、抜き差しを繰り返されて龍斗の瞳は虚ろに
なっていた。抜くのかと思えば奥へ、そうかと思えば奥へ入れたまま腰を
揺らされたり、くわえこんだそこに入っているのに指で押し拡げたりする。
「さっきの薬湯、美味しかったかい?」
「あ……?」
「あれ、高かったんだがいい品物だったらしい。君がこんなに淫乱になっ
てくれるんだから」
 笑う奈涸の台詞で顔が赤くなった。
「それとも君は、元からこんな風に犯されるのが好きなのかな?」
「違……あぁっ!!」
 根元まで挿入された。今まで知らなかったところまで突かれて、龍斗は
理性を手放した。
「どうした? 龍君?」
「も、もっと……もっと奥までして……」
「そんなお願いの仕方じゃ気が乗らないな。抜いてしまおうか?」
「嫌だっ! 抜かないでっっ」
「じゃあ突っ込んでくれ、と言ってごらん」
 正常なときなら絶対に言わない台詞だ。しかし龍斗は奈涸の言葉に誘
導されて、媚びるように視線を投げて言った。
「んんっ……奥まで突っ込んで、お願い」
「いい子だ」
 龍斗の腰を抱え上げて、両足を肩へ乗せる。龍斗の腰が浮いた状態
で、奈涸は自身のそれを深く埋めた。
 きりきりと締まるそこが龍斗の快楽の深さを物語った。悲鳴のような嬌
声を上げてよがる龍斗を突き、だらしなく滴をもらし続ける龍斗の性器を
なぶった。
「……くっ」
 短くうめいて奈涸は龍斗の中へ射精した。
 龍斗のものも同時に果てて、折れ曲がっていた体勢のせいで自分の
顔にかかってしまった。
 舌でそれを舐め取る龍斗の口元へ、抜いた自身のものをあてがい奈
涸はくわえさせた。
 一心に舐める龍斗の髪を梳いて、口づけようとしたとき、障子が開い
た。
「おや、お帰り」
 般若もかくや、という憤怒の表情を浮かべて涼浬が立っていた。ばきば
きと障子が握りつぶされる。
 怒っているのは誰の目にも明らかだ。
「あ〜な〜た〜と〜い〜う〜お〜方〜はぁ〜っっっ!!!!」
 べきっ。障子全壊。
「殺すっ!!!!」
 およそ冷静沈着な涼浬とは思えぬ物騒な台詞を吐いた途端、奈涸は
笑い声を残して消え去った。
 涼浬は半泣き状態で龍斗に駆け寄り、汗と精液でべっとりと汚れた身
体を抱きしめた。
「申し訳ありません、私の馬鹿兄がかようなことをっっ」
「……涼浬……いいよ、気にしないで」
 泣く涼浬が可哀想でそう言ったのを、龍斗は後悔した。
 彼女はニッコリと微笑んで、土産物らしき荷物を紐解いた。
「せっかく私がコレで、と思いましのに。ま、済んでしまったことは仕方あ
りませんわね」
「……涼浬?」
「兄の残滓、掻き出してしまいませんとv」
 涼浬が手にしたものはひと目でナニとわかる張形。しかも三本。耳掻き
にも似たような先端が少し曲がっている一本を選び取り、涼浬はその先
端をぺろりと舐めた。
「奥まで全部、綺麗にいたしましょうね」
 彼女が浮かべた笑顔は、奈涸にそっくりであった。
 龍斗はおとなしく美里の養生訓を聞いていればよかったと、今さらなが
ら後悔したのであった。


 その頃。
 帰途につくはずの奈涸は立ち止まっていた。
「……やっぱり戻るか」
 兄として妹のことはお見通しである。きっとナニやらコレやらアレやらヤ
っているに違いない。となれば、今は敵になってしまったとはいえここは
仲良く、共同戦線を張るべきであろう。何より涼浬一人では心もとない。
ここはひとつ、兄として指導をしなければ。
 妙な使命感を負って奈涸は如月骨董店へ戻った。
 そして龍斗はそれから三日、延々とエロ亀兄妹になぶられ続けたので
あった。






 浅生霞月さま宅1周年記念に捧ぐvv
 エロ亀兄妹主〜っ!! 何かが間違っている気がいたしますが(汗)
 この続きの方がきっとかづゅみんは好きだろうな……とはわかってい
るのよ。でも書く勇気が←今さらかいっ!
 私の中で何かが終わったときに(笑)またこの続きは書く……かもしれ
ないですが期待すると裏切られると思いますんで忘れてください(殴)
 そしてこんなの送りつける私を許してください。
 間違ってこれ見てしまったWカメファン(もしくは片方のファンの方)許し
てください。物は投げないでください。イジメないでください。
 反省して遠いお空の星になって来ますっ!!


わたぽんーーーーーーッ(愛連打)!!!!
ああああ有難う・・・心の友よ(ジャ●アン?)!!
拙宅の一周年のお祝いに、こんなステキな
エロ兄妹亀×龍斗を頂けるなんて、私嬉しくて
思わず続きを催促してしまいそうです(邪笑)vvv
うはぁん・・・こんな兄妹に愛された、ひーたん
・・・・・まじで天国見ていそうですネ(爽笑)♪
そういえば、張形・・・高級品は、鼈甲で出来てる
らしいですよ・・・まさに、亀づくし(悦)vvv
わたぽん、本当に有難うですのーーーッvvv