『華宴』




 戸惑うように宙を彷徨う、手も。
 ほんの少し、震える指先も。
 愛おしい。
 とても。

 壊したくないのだ、と。
 苦しげに囁く声は、それでも。
 密やかな欲を隠し切れずに、掠れるから。

「・・・・・触って」

 その手を取って。
 自分の頬に、そっと手の平を押し当てる。
 強張った指先が、一瞬震えて。
 でも、すぐに。
 馴染む。
 体温。

「龍、・・・・・ッ」

 そのまま。
 胸の中、身を寄せて。
 常より、やや早い鼓動に。
 躊躇いがちに、抱き締めてくる腕の。
 温もりに、そっと。
 目を閉じる。

「俺は、・・・・・あなただけの華」

 この腕の中で。
 あなたのために。
 咲き。
 乱れて。

 そして。

「ッ、・・・・・」

 言葉は。
 吐息と共に奪われる。

「咲け、・・・・・俺だけの、ために・・・」

 力強い腕に抱かれて。
 触れて。
 口付けられて。
 甘い蜜を零す。

「・・・・・散ることは、許さぬ」
「・・・・・あ、ァ・・・・・」

 この手の中に在る限り。
 美しく咲き誇れと。
 その言葉に、ただ頷いて。

 惜しみ無く与えられる狂おしい熱情に、たゆたいながら。
 ゆっくりと、花開く。

 あなたのために、咲く華。
 散ることも、叶わず。
 ただ、あなたのためだけに。
 今宵も。
 咲き乱れる。





そこはかとなく、ポエな(笑)。
うちの龍斗のイメージは、大輪の華。
鮮やかに咲く力強さ、そして儚さと。
愛やらナニやら注いで、綺麗に咲かせて
あげて下さい、村長(笑)!!