ファレナの隅々までを愛してくれる太陽が。

天から燦燦と降り注ぐ。



まだ。

日は高く。



清清しいほどの空気の中。



僕は。



「・・・っ、ふふふ・・・」




おぼれている。



逞しい4本の腕に囲われて。

同じ性を持つ僕とは似ても似つかない厚い胸板に抱かれて。

彼らが与える快楽におぼれている。



「あぁ・・・殿下・・・っ」

「く、・・・っ」



僕の最奥を我が物顔で出入りするベルクートさんを僕はぎゅっと締めつけ。

僕の口腔を傍若無人に行き来するダインさんにきゅぅと吸い付いた。



下肢に。

唇に。



感じる彼らの快楽の証。

ひくりと震える、鍛えられた筋肉。

耳を掠める、荒い吐息。



くすくすくす



「ねぇ、僕を・・・躾けるんじゃなかったの?」



くすくす

くすくすくす・・・







DISCIPLINE






僕が率いる軍の本拠地となった城の僕にと与えられた部屋の窓から。

ぼんやりと。

僕の元に集まってくれた人々の生活を眺めていた。



年少組は子供っぽくわいわいがやがやと水辺で遊び。

大人たちは楽しそうに会話をしながら自らの仕事をこなしている。



そんな風景を眺めていた僕の視界に。



ふと。



飛び込んできた、寡黙に剣術の鍛錬をしている二つの後姿。

そこだけ空気が圧縮されたように重くぴんと張り詰めていた。



「・・・ふぅ〜ん、」



戦況も落ち着いてきた今。

ぬるい空気に満ちているこの城の中でそこだけが切り離された別世界のようだった。

そこにいるあの二人が特別な人のように思えて。



「いいな、あれ・・・欲しいなぁ」



ぎしりと僕の背後で小さく音がなり。

窓を向いていた僕の肩がぐいと引っ張られる。

弾力のよいベッドに僕は沈み、のそりと動いた大きな体に組み敷かれた。



「今度は誰を御所望だ?」



すねたような声が僕の耳を掠め、その厚い唇が僕の首筋に強く吸い付いた。

まるで僕が彼の所有物であることを言い聞かせるように赤い印を残す。



「くすくす・・・大丈夫、ちょっと遊ぶだけ・・・ねぇ、僕の心はいつだって貴方のものだから」



腕を回し彼の首に巻きつけて引き寄せた。



「・・・あんまり真面目な奴らをからかうんじゃないぞ、始末に終えなくなることがあるからな」

「ん、・・・わかった」



退屈な今を抜け出させてくれるのは。



ねぇ、どんな遊びをしようか?

ダインさんと、ベルクートさんと、僕と。



もっと。

刺激を。



そう、強く。

つよく、

抱いて。

























「いい加減にしてよ!僕はそこまで許した覚えはない!」


ぱん!


と。

小気味のよい音を響かせて僕は目の前にいた男の頬をはたいた。

僕の下肢に伸び嫌らしくまさぐる彼の手から身を離そうともがく。

それでも小さな僕の身体と、発展途中の体力ではどうにも彼に対抗することができなくて。

乱暴に後頭部の髪を引っ張られ僕の動きを抑え込む。

痛みに顔をしかめる僕を見て男は愉悦の表情を浮かべ。

僕に口付けようとその顔が近づいてくる。




あぁ、もう・・・だめだと。

覚悟を決めて。

こんな知らない男じゃなくてあの人だと。

そう思えばいくらかましな気分に慣れるかもしれないと。

僕はぎゅっと強く瞳を閉じた。




「殿下!ご無事ですかっ!!?」

「この・・・愚か者がっ!」




引き剥がされた男の体温と僕を労わるようにかけられたその声に。

ふぅと大きく息を吐きその場に崩れ落ちた。

小刻みに震える己の身体をぎゅっと抱きしめる。

うつむいている僕の耳には。

何度も何度も。

大丈夫です、と僕を慰めるベルクートさんの声と。

少しはなれたところであの男を縛り上げているダインさんの声だけが入ってくる。



フ、と。



二人に気取られないほどわずかに僕は口角を上げる。











「あんな柄の悪そうな男とあんなところでなにをなさっていたのです!」

「・・・そうですよ、俺たちが気づいたからよかったようなものを・・・」



僕が落ち着いた素振りを見せた途端。


僕の前に仁王立って二人が説教を始めた。



「娯楽が少ないっていうから・・・少しだけ僕が遊んであげようかなぁって」


ふるふると身体を震わせる二人に僕はにこりと笑って見せる。



「遊ぶ、って・・・」

「最近ちょっとだけ戦況も落ち着いてて僕も退屈だなぁってもっていたから。たまにはこういう

悪そうなお兄さんと遊んでみるのも、ね?」

「で、殿下っ!」



あわてた様な二人に僕はついと身体を寄せる。



「それにさ?」



ダインさんの懐に身体を寄せて伏せていた瞳を開き、彼を見上げた。

触れたところから彼の身体がぎくりと強張るのがわかった。



「・・・不要といわれた僕の身体でも触れることを許すことでこれからもっとがんばってくれる人も

いるんだよね・・・ねぇ、ダインさん?」



知ってるよ、僕は。

遠く離れた恋人。

触れることはおろか声すらも聞くことがままらない日々。



「ベルクートさん?」



あんなに見え見えな態度で言い寄ってくるマリノさんをすらりとかわしながら。

やっぱり若い、年頃の男だもの。

溜まるものを振り切るようにダインさんと剣術の稽古に没頭しているの。



「さっきの男の代わりにさ、ねぇ・・・?」



そっと伸ばした誘惑する僕の手を。

ベルクートさんががしりと掴んだ。



「殿下!な、何をそのようなはしたないことを!」

「そ、そんな発情した雌猫のような台詞などおっしゃってはなりませんっ」

「・・・いままで女王騎士の方々はいったいどのような教育を・・・」



教育がどうの。

しつけがどうの。

そう言い出した二人から僕は身体を離す。



「教育の賜物、だからだよ」


そうつぶやいた僕を二人は不思議そうな顔で見る。



「王子である僕には継承権はない、だけど・・・もし戴冠前のリムを差し置いて子供でも作って

しまったら?それが女の子だったら?僕はまだ15だけれど、・・・身に覚えがあるでしょう?そ

ういう欲ってもう十分すぎるほど目覚めちゃってて・・・僕がそれを発散するにはこうするしか

ないじゃないっ」



涙をためて。

キッと二人を睨み付ける。







さぁ、どう出る?

真面目なお二人さんには、僕の泣き落としも・・・効果ない?







「し、しかしっ!我々は貴方の臣下で・・・そんなこと」

「許されることではない、と・・・っ」



おや。

手ごわい。








「じゃあこうしませんか?」















空はまだ高く。

僕等がしている行為を隠すものは、ない。

ただ。

茂っている木々がお情け程度に目隠しをして。



下肢から、

口から、

発せられる濡れた音は隠しようがないほど辺りに響いている。



「ふ、あ・・・ァッ・・・べるくー、とさん・・・もぉ、だめぇ」



戒めが解けてしまえば。

あぁ、そうだろう。

彼らもまたただの餓えた男で。

容赦なく僕を求め、攻め。

こちらのことなどお構いなしに己の快楽をただひたすらに、追う。

押さえ込んでいた欲望は。

こういう行為に慣れた僕にすら終わりが来るのだろうかと思わせるほどで。



「殿下、まだですよ、まだ・・・許しませんよ」



高みに上り詰めつつあった僕のモノを。

もうひとつの長い指先が戒める。



「だ、いん・・・さ、ぁあっ・・・おねがい、おね・・・イかせてっ」



僕の頭上。

己のモノを僕の口に押し込みながらダインさんが目を眇め、艶然と微笑む。



「殿下がおっしゃったのですよ?」

「あぁ、・・・そうですね・・・これは貴方を躾けるための行為だと・・・」









じゃあこうしませんか?

僕を躾けのなっていない雌猫だというのなら

あなた方が躾けてみませんか?

さあ、きてください。

そして、僕を好きにしていいんですよ・・・



これは『躾け』なんですから。









「あっ、アァ         ・・・!!」



わざと。

最奥を抉るように強く腰を打ち付けられて。

硬く熱く天を向いたモノを喉の奥まで押し付けられて。

聴覚を刺激するのは。

彼らもまた愉悦を得ているという荒い息遣い。

それを感じて僕は。





彼らの戒めを破り。

弾けた。





ぐたりと弛緩する僕の身体を背後から抱きとめるベルクートさん。

口の中にソレを留め置くことのできなくなった僕の頬をダインさんが片手で掴み上向かせる。



「・・・あぁ、殿下・・・イってしまいましたね」



ダインさんの造形のよい顔が近づきそう囁く。



「言いつけを守れないようでは躾けにならないではありませんか」



ベルクートさんが僕の耳を舐りながらそう囁く。

いまだ硬度を保ったままの彼らのモノ。

イったばかりで敏感すぎるほどの僕の身体にとってそれはもう、凶器で。



「お仕置きですね」



と。

強く。

激しく。

僕を攻め立て始めた。



「いいです、か・・・殿下」

「イってはいけませんよ・・・?」



僕はただ何度も、何度も頷きを返して。



彼らの与えてくれる快楽のことしか考えられなくなっていった。



















あぁ。

晴れた空の下。

こんなに激しい交わり。



なんて刺激的なんだろう。

































「ねぇ、殿下・・・こうなってしまった以上」

「殿下のことを放しはしませんよ」



ずっと

ずーっと・・・



俺たちは貴方と違って遊びで抱くことなんてできませんから・・・



ねぇ、殿下?



















疲れ果てて眠る僕は。

彼らのそんな呟きを知る由もなかった。





不破レナ様より頂戴した、ベルクート&ダイン×王子(黒)です!!
・・・・・3P・・・っ!!!!
上の口下の口それぞれ分担は私の要望で(ヲイ)v
エロっ子な王子と目覚めちゃった(何)剣豪さんたちのステキ作品を
有難うございましたv