パキスタン旅行ガイドでよく見る光景。ヒマラヤ山脈、ヒンズークシュ山脈を背中にしょって、高度三千メーターの坂をえっちらおっちら上がってくるトラック君。ベースは日本車がほとんどだ。

デコが重すぎて動きが鈍い気がするが、いすずも日野もデコを前提にして作ってねえ。

わあ!すごいすごい!これはいいショット!
坂道を上がってくるデコトラに向け、極東の島国からやってきた物見高い人々は、パパラッチよりも激しくシャッターを切る。

一方、トラック側はといえば、観光客の存在を認識した時点で、すでに減速している。そしてカメラの前に到達すると「さあ撮ってくれオレの相棒を!」とばかりに、老婆が歩くほどのスピードまで落としてみせるのだ。

照れと誇らしさが入り交じったいい笑顔!

多くの運ちゃんは行き交う際に手を振ってくれる。その愛想の良さがまた可愛い。

真ん中の席のオッサンまで手ぇ振ってます。(パキスタンではドライバーが3人乗ることが多い)

デコ代金は車体価格の半分にも達することもあるそうだ。一生懸命働いてかせいだゼニを突っ込んだ愛車、被写体になるのはきっと嬉しいことだろう。

おしゃれなデコレーションをほどこされた。ちっこい乗り合いタクシー。
ヘボピー撮影のこの写真をチェックしていてハッと気が付いた。

フォトショパワーで拡大すると、オッサンがわざわざ振り返ってまで微笑んでいるではないか!視線もバッチリ!

この「パキスタン人とやたらと目が合う」現象については、稿を改めて述べたいと思う。

易者がジャラジャラやる筮竹(ぜいちく)みたいなパーツ、というよりむしろ凶器。正面衝突したら、対向車のドライバーの目を刺すこと必至。

カラフルな世界は時に心を疲弊させ、集中力を奪うものかもしれない。それゆえにジョブズは黒いトックリセーターばかり着ていたのか?

パキスタン入国2日目までは「わああデコトラだあ!」とはしゃいでいた我々。右は崖、左は岩壁のカラコルムハイウェイで、こういう対向車と吐きそうになるほど行き交ううちに、次第にシャッターを押す元気がなくなってきた。

花魁道中を見ている気分だ・・・・・・。

カラコルムハイウェイは狭い上に舗装が甘く、穴ぼこは当然のこと、崩れてきた土砂の山が点在している。
そのせいか、譲り合いの精神はわりかし発達していると見た。そうでないと崖から転げ落ちて命がないからね!

アニキのトラックを洗う少年。
トラックには3人乗車することが多いと書いたが、一人はこういう見習い坊主。主な仕事は車の手入れ。その合間に運転とか色々教えてもらうらしい。

ついでに自分も洗っちゃえ。
いや、半裸少年にカメラを向けたんじゃなくて、トラックを写したらたまたまこの子が写ってたんですからねっ!

愛車の運転席を誇らしげに見せてくれた運ちゃん。ドアを開くや濁流となってあふれ出す色彩。

ミッソーニもヴェルサーチもエミリオ・プッチも裸足で逃げ出すカラフルワールド。ここに男3人詰め込まれて運転に集中できるのか?

<パキスタンのトラック4へつづく>